首都圏の通勤電車はどこも混雑率が高く車内の密度が高いため、例の病に感染するリスクが危ぶまれています。
そこで持ち上がるのが自転車通勤という選択肢。
しかしというか当然というべきか、自転車通勤にもデメリットがあります。
そこで今回は自転車通勤・通学の経験もある私が自転車通勤(通学)のメリットとデメリットをすべてお伝えします。
自転車通勤のメリット
まずは自転車通勤のメリットについて見ていきましょう。
- 満員電車から解放される
- 自転車をこぐと気分爽快
- 自動車が入れない狭い道を走れる
- 休み時間のときも役立つ(おつかいを頼まれて引き受けたら評判が上がるかも)
- 出発時間や走行ルートを自分なりに決めることができる
- 天災が起きた時は道路が封鎖されない限り走行できる
- 所要時間が安定しやすい
- 近距離の通勤ならトータルの所要時間は電車やバスより早いかも
- 自転車は渋滞とはほぼ無縁
- 健康によい
- 駐輪代は安い
自転車通勤のメリットの筆頭といえば、満員電車の混雑から解放されて爽快な気分になること。
大気汚染がすすんだ東京であっても電車内の空気を吸うよりはまだ外の大気の方がキレイなのかもしれません。
満員電車は体力面ではもちろん、精神面でも滅入るものがありますから、そこから解放されることは大きいです。
当然、自転車通勤なら電車通勤でいう面倒な乗り換えもありません。


自分なりに調整できる
自転車通勤のときに走るルートは自由ですし、出発時間も自分なりに変えられます。
自動車が走ってはいけない狭い道、たとえば河川敷の横のサイクリングロードも自転車は走ることができます。
電車が人身事故や災害などで止まっていても、自転車は道路が封鎖されない限り走ることができます。
人身事故や災害のとき、タクシーや路線バスは長蛇の列になったり大渋滞が発生しますが、自転車はそう簡単に渋滞しないと思います。自転車は小回りが利くのです。
渋滞しなければ所要時間(到着時刻)はいつも予想しやすいです。
電車通勤の場合、降車駅からオフィスまでは歩くため、そこで時間をとられます。
一方、自転車は徒歩よりはかなり速いため近距離の通勤ならトータルの所要時間は電車よりも早いと思います。
自転車は健康によい
それに人間は適度に運動した方が体にいいため、自転車通勤は健康面でもプラスになります。

体重60kgの人が1時間にわたって自転車をこいだときの消費カロリーは400kcalくらい。
ちなみに同じ条件におけるウォーキングは300kcalで、ジョギングは450kcalくらい。
自転車通勤のデメリット
次はデメリットについて。
- 疲れる
- 天気の行方を気遣う必要がある
- 雨に濡れたり風で髪がボサボサになる
- ファッションに制約がある
- 荷物が増える
- 自転車はたまに故障する(普段から手入れしていれば故障率は下がるが、それでも面倒)
- 盗難に遭う可能性がある
- 悪天候時に電車通勤にしても電車代はもらえない可能性が高い
- むき出しで走っているため事故にあったときのダメージは大きい
- 電車より事故率がはるかに高い
- 逆走や信号無視、無灯火運転する輩に出くわす
- 道路によっては排気ガスを多く吸ってしまう(マスクで多少の防御可)
- 自動車に幅寄せされる
- ヘッドホンやイヤホンをつけながらの運転はダメ
- 読書やスマホいじりもできない
- 酒を飲んだ直後の運転はダメ
- 当たり屋や妙な連中に絡まれることがある
- 同僚や上司と一緒に帰れない(メリットかも)
さきほど自転車通勤は健康にいいと述べましたが、それは裏を返せば疲れるということでもあります。
とくに登り坂は疲れるため、自転車乗りは微妙な勾配にも神経質になります。


年齢や自転車の性能、道路環境にもよりますが、往復で10km以内なら体力・健康にとって総合的にはプラスだと思います。
しかし、それ以上の距離を自転車で通勤するとなるとマイナスの方が大きいかもしれません。
とくに雨や雪の日は滑りやすくなり視界も悪くなります。荷物が汚れないかも気を使います。
そのため自転車乗りは天気に人一倍気を使わなくてはなりません。もちろん、天気が途中で急変することもありえます。


ファッション面での制約
雨に濡れる可能性があること、そしてそれなりに長い距離を走るのであれば自転車通勤はスポーティーなファッションの方が適しているでしょう。
要するに自転車通勤はファッションに制約があるのです。したがって、自転車通勤者は替えの服や靴、雨具などをもっていく必要があります。
本格的な自転車に乗るならヘルメットも必要でしょう。バイクと違ってヘルメットをつけていないとしても違法ではありませんが。



パンクの可能性あり
一般に帰宅時は暗い夜の中を走るでしょう。街灯があるとしても夜道を自転車で走ることは満員電車より危険かもしれません。
また自転車は都会の舗装された路面ばかりを走行しているとしても、経年変化や段差によってたまにパンクします。とくに出勤の途中でパンクしたら遅刻しないかどうか焦るでしょう。
自転車店の営業時間は10時~19時くらいですから、パンクしてもすぐに自転車店に駆け込めない場合も多々あります。
ちなみにパンクの修理代は1000円前後ですが、出張修理やチューブ交換だともっとかかります。


盗難やイタズラの可能性あり
自転車は盗難やイタズラに遭う可能性もありますし、駐輪場を見つけるのに一苦労という場合もあります。
まあ自転車の駐輪代は都心であっても安いですが、自転車は雨ざらしのまま止めておくと劣化が加速するため止めるときも配慮が必要です。
ちなみに筆者は駐輪場で自転車につけておいたライトだけを盗まれたため、それ以来、自転車から長い時間にわたって離れるときはライトを取り外して携行しています。

普段、自転車通勤をしていて交通費を支給されていないサラリーマンが悪天候のため電車通勤にしたとします。
このとき電車代は支給されない場合が多いと思います(会社ごとの規定による)。自転車通勤でも交通費が支給されていればよいのですが。
車道を走るからこそのデメリット
自転車は身体がむき出しのまま車道の左端を走ることが基本ですから事故に遭ったときのダメージも大きいです。
車道側に倒れただけでも、運が悪いと大型車にはねられて即死する場合もあります。
当然、自分が加害者になる可能性もあります。


自転車は車道の左側走行が原則ですが、歩道を走ることが許されているパターンもあります。
しかし、都内は歩道が狭いうえに人が多いため車道を走らなければならない箇所も多いです。
車道も車道で路上駐車が行く手を遮ったり事故の原因となります。
自転車通勤は電車内の空気からは逃れられるとしても、道路によっては大量の自動車の近くで運動するため排気ガスを多く吸うことにもなります(マスクで多少の防御可能)。

対人的なデメリット
それに自転車は車両の一種ですから安全運転に努めなければなりません。
具体的には、自転車に乗りながらイヤホン・ヘッドホンで音楽を聴くことや飲酒運転は禁止です。自転車乗りは飲み会に参加してもお酒が飲めないのです。

一般に電車通勤は行きは一人ですが、帰りは途中まで同僚・上司と一緒に乗るなんてことがよくあるでしょう。
しかし、自転車通勤だとそういうコミュニティに参加しづらくなります。

帰宅時の夜道は当たり屋やバイクのチンピラに絡まれることがあります。警察の尋問に遭うことだってあります。
まあ電車通勤でも対人的なトラブルはありますし、痴漢冤罪という世にも恐ろしい仕打ちもありますが。
まとめ
通勤時の交通手段の優劣は、距離や環境(道路、駐輪場、会社の制度)、そしてあなたの好みによって変わるものです。
自転車通勤のメリットとデメリットを総合的に見比べて判断すべきだと思います。

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