京王線は東京の新宿から東京西部の多摩地域に向かう路線として知られています。
しかし、このページで紹介する京王電鉄の井の頭線(いのかしらせん)は京王線を縦断するように走っています。
具体的には、井の頭線は東京の渋谷から北西に向かって走り、途中の明大前で京王線と交わり、終着駅の吉祥寺(東京都武蔵野市)に着きます。
井の頭線は山手線圏から家賃の安い郊外へ真っすぐ離れるのではなく、小田急線と京王線を斜めに横断する経路になっているため、家賃は下りの吉祥寺付近でも安くないという特徴があります。
京王井の頭線での通勤と路線図
会社の区分 | 私鉄 |
路線 | 井の頭線 |
他社線への直通運転 | なし |
運賃以外に料金が必要な列車 | なし |
通勤型電車の車両数 | 5両 |
ラッシュ時の女性専用車両 | あり |
栄えている駅 | 渋谷、吉祥寺 |
上り列車の始発駅 | 吉祥寺、富士見ヶ丘 |
朝の最混雑区間 | 下北沢⇒渋谷 |
京王井の頭線の路線図
※上の路線図は2023年3月のダイヤ改正をもとにしたもの。
※井の頭線は京王線の本線や他社線への直通運転がなく、また路線も長くないため、ダイヤが乱れにくいです。
※ラッシュ時には2分おきに電車が来ます。
井の頭線は割と便利
他路線との接続
井の頭線の駅 | 乗り換え路線 |
渋谷 | 東急東横線・田園都市線、 東京メトロ半蔵門線・銀座線 ・副都心線、 JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン |
下北沢 | 小田急小田原線 |
明大前 | 京王本線 |
吉祥寺 | JR中央線・総武線 |
井の頭線の他路線との接続数はまあまあの水準。
全長13kmと短い割に乗り換え路線が充実しているのは放射状路線を串刺しにしている点が大きいです。
ラッシュ時の混雑率
井の頭線のラッシュ時の上り列車の混雑率は160%くらい。
しかし、このデータはピーク時の最混雑区間の平均値であり、井の頭線は渋谷寄りの車両ほど混むということを知っておくべきです。
競合路線と運賃・所要時間を比較
京王線とJR線の競合(平日朝8時前後発の列車)
上り区間 | 井の頭線 | JR線 |
吉祥寺~渋谷 | 230円(各停で30分) | 230円(総武線と山手線で28分) |
井の頭線で平日朝7時10分~8時40分くらいに吉祥寺を出発する列車はすべて各停です。ラッシュ時は急行を運転しないのです。
そのためJR線の方が少し早く着きますが、中央線快速だと新宿駅での山手線との乗り換えに階段を使うので総武線の方が楽です。
※井の頭線の昼間の急行で吉祥寺から渋谷に行く場合、16分かかります。
ラッシュ時の井の頭線はそれだけ電車の本数が多く(=電車が渋滞する)、乗客の乗り降りにも時間がかかるということです。
井の頭線の終電は少し遅い
京王井の頭渋谷駅の平日下り方面・終電付近の時刻表(太字が終電)
0時 | 02(各停・富士見ヶ丘)08(各停・吉祥寺) 15(急行・吉祥寺)20(各停・吉祥寺)30(各停・富士見ヶ丘) |
京王井の頭線の終電は首都圏の他の路線に比べると少し遅いです。
ただし、一般に距離が長い路線ほど終電は早いですから、それを考えると標準的ともいえます。
神泉~吉祥寺の見どころ
井の頭線は距離が短いため、以下のように沿線の下り方面の見どころは少ないです(カッコ内は最寄り駅)。
- 下北沢の商店・劇場・ライブハウスめぐり(下北沢)
- 井の頭公園(吉祥寺・井の頭公園)
ただし、井の頭公園ほどの知名度はないものの、駒場野公園、駒場公園、和田堀公園といった公園も沿線にはあります。
地価
井の頭線沿線の地価については以下のとおりです。全体的に沿線にはブランド感があります。
実際、駒場東大前駅近くの渋谷区松濤と浜田山駅近くの杉並区浜田山は高級住宅街として有名です。
井の頭公園の周辺にしてもそれなりに地価が高い住宅街です。
また沿線には、東大駒場キャンパス、明治大学和泉キャンパス、筑波大学付属駒場高校、駒場東邦高校といった名門校があります。
やはり有名な学校が沿線にあると箔がつきます。
※新築マンション価格と付近の賃料は、各社の「駅から徒歩5分圏の物件(70㎡)」を見比べて公示価格に合わせて多少補正した大まかな目安です。
※駅は山手線圏内から均等に数kmごとの住宅街系の駅を選んでいます。
駅名 | 市町村 | 新築マンション価格 | 付近の賃料 | 山手線からの直線距離 (この場合は渋谷) |
下北沢 | 東京都世田谷区 | 8800万円 | 26.5万円 | 約3km |
永福町 | 東京都杉並区 | 7200万円 | 23.5万円 | 約6km |
富士見ヶ丘 | 東京都杉並区 | 6500万円 | 20.5万円 | 約9km |
吉祥寺 | 東京都武蔵野市 | 6900万円 | 24万円 | 約12km |
まとめ
評価 | |
ラッシュの混雑率 | 渋谷寄りの車両はとくに混雑する。 |
沿線下り方面の魅力度 | 観光地系の見どころは少ないが、学校は充実している。 |
沿線の地価 | 地価は千葉方面や埼玉方面に比べると高い。 とくに井の頭線は都心から近いブランド感あふれる人気路線であるため地価は高い。 |
他路線との接続 | 放射状路線を串刺しにするように走るだけあって路線距離の割に接続数は多い。 |
電車の速達性 | ラッシュのピーク時は本数がかなり多いうえに急行を運転しないため、速達性には欠ける。 |
運賃の安さ | 運賃は安い。 |
井の頭線はこんな人におすすめ
- 井の頭線全般、そして明大前から京王線から乗り換えた先にある新宿、都営新宿線に通勤通学の目的地がある人
- 吉祥寺、浜田山、下北沢、渋谷区松濤というブランド感ある住宅地にあこがれる人
- 名門校の存在を意識したい人
- 井の頭公園や駒場公園など公園の存在を身近にしながら都会に住みたい人