このページでは大阪府大阪市此花区にあるユニバーサルスタジオジャパン(=USJ)はなぜ人気があるのか(楽しい理由、成功要因、マーケティング戦略)を解説します。
それは東京ディズニーリゾートとも共通点が多くあります。
それではまいりましょう。
ユニバーサルスタジオジャパンに人気がある理由
USJの人気の理由を簡潔に示すと以下のとおり。
- A系列(成人男性に人気のある実写名作)とB系列(女性や子どもにも人気のある作品群)
- 枠にとらわれないワクワク感
- 度重なる更新
- いくつもの映画のストーリーを体験・共有できる
- 細部へのこだわり
- 清潔(意図的な汚れやヒビはあるけど)
- 関西のクルーも負けへんで!
ここから先は箇条書きの内容を掘り下げていきます。
A系列の特徴:男性から人気
そもそもユニバーサルスタジオジャパンの作品テーマは次の2つに大別できます。
この記事ではそれらをA系列、B系列と呼ぶことにします。
A系列の作品群
- 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
- 『スパイダーマン』
- 『ジュラシック・パーク』
- 『ジョーズ』
- 『ターミネーター』
- 『バックドラフト』
- 『ウォーターワールド』
- 『E・T』
A系列の特徴は
- USJの中では早期にできたアトラクション
- 外国のユニバーサルスタジオにもある
- 実写感が強い
- 中学生以上の男性好みの作品が多い
- 欧米の作品ばかり
- 映画のジャンルでいうとSFやアクションに相当する
- かっこいい登場人物が多い
ということ。
※A系列の作品はUSJにおけるアトラクションとしては提供を終了した作品もあります。
中でも『ジョーズ』が公開されたのは1975年であり音楽が特徴的ですから、年配の方にとって知名度は高いです。
成人男性である筆者もA系列の作品は大好きです。A系列は視覚としてはもちろん、音楽も素晴らしいですから、音楽を聴くたびにテンションが上がります。
あのSMAPも5人旅でUSJを訪れ「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~」に乗ってテンションが上がっていました。
B系列の特徴:女性と子どもからの人気
B系列の作品・キャラクター群(期間限定もあり)
- 『ハリーポッター』
- 『ドラゴンクエスト』
- 『ドラえもん』
- 『ワンピース』
- 『ハローキティ』
- 『スヌーピー』
B系列の特徴は
- USJの中では後期にできたアトラクションばかり
- 外国のユニバーサルスタジオにはあまりない(ハリーポッターはある)
- ゲームやアニメなど二次元作品が多い
- 女性や子どもが好きな作品が多い
- 日本で生まれた作品が多い
- メルヘン感が強い
- かわいくて親しみやすいキャラクターが多い
ということ。
A系列が中心だった時代のUSJは集客に苦戦していました。たとえばA系列の登場キャラはリアルな人間タイプが多いため、とくに女性や子どもはA系列の見かけても親しみが湧きにくいでしょう。
さらに成人男性の多くは平日に仕事がある以上、やはり男性好みの作品やキャラばかりでは集客力が弱かったのです。
B系列はディズニーランドでも大人気
一方、B系列は女性や子どもに人気があります。B系列はゲーム・アニメキャラや2~4頭身くらいの着ぐるみキャラが多いため、女性や子どもは気軽にふれあうことができます。
ディズニーランドではミッキーやドナルドに人気があるように、USJでももふもふ系のキャラは人気があるのです。
そのためB系列の拡充とともに女性や子どもの需要はもちろん、世の男性は恋人を誘ったり家族サービスとして連れて行くことが増えました。
ユニバーサルスタジオジャパンがディズニーランドに匹敵するような集客力を得たのはこのB系列を充実させるようになってからです。
やはりディズニーランドは女性や子どもが好きなメルヘン感の強い作品とキャラクター演出を得意としていますから、対抗するにはB系列を強めるしかなかったのでしょう。
枠にとらわれないワクワク感
ディズニーリゾート(ランドとシー)は文字どおりディズニー系列の作品しか扱っていませんが、USJは日本系の作品やキャラクターも扱っています。
USJのB系列はアメリカの実写作品という枠にとらわれないのは大きな魅力です。本来『ハリーポッター』はイギリス系の作品ですし。USJは多国籍感が魅力だといえます。
さらに2021年には任天堂のアトラクションもオープンします。任天堂は京都が本社ですから大阪のUSJとは相性がいい感じもします。
USJはA系列もB系列もアトラクションのオープンは期間限定である場合も多いですから、今後も改廃があるでしょう。実にワクワクします。
USJが定めたルールを守ればゲストはコスプレ入場をしても大丈夫ですが、ディズニーリゾートでコスプレ入場は特定日以外は断られます。
そのコスプレはUSJの世界観と合っていなかったりする場合も結構あります。たとえばドラゴンボールのコスプレをした人とかいますから…。
映画のストーリーを体験・共有できる
さて、A系列とB系列にはフィクションという共通点があります。
つまり、USJを訪れる人はフィクションの世界観を体験したがっているのです。
物理的にこわい(=角度が急、速い)アトラクションに乗りたいのなら富士急ハイランドに行くべきですが、USJやディズニーランドを訪れる人はストーリーの体験したがっているといえます。
しかもUSJの作品は映画系の作品が多いように映画の一部を切り取ったり、映画の舞台に入り込んだかのような体験をさせてくれます。
それは2人~4人乗りで体験する場合もあれば、ウォーターワールドやターミネーターのように映画感覚(集団)で体験する場合もあります。
映画館を一人で貸し切って観ても寂しいですが、映画をみんなで観ると感動を共有できます。
ここUSJにおいても集団で感動を共有できることが魅力として挙げられるのです。
細部へのこだわり:清潔感がある
USJは名作映画やアニメ・ゲームの世界観を細部までとても大事にしています。これもはるばる訪れたゲストをがっかりさせないため。
たとえば園内の建物は遠近法でもってつくられていますし、オブジェの作り込み具合はかなり高いレベルです。
それはマンホールのデザインがエリアごとにデザインが違うことや、ニューヨークエリアの道路にヒビ割れがあることにも表れています。
実際のニューヨークの道路(とくに裏通り)にもヒビ割れがあるため、USJでも再現しているのです。
他にもホコリやサビがわざと施されている箇所もあります。
ヒビ割れ、ホコリ、サビがあるのは再現度を高めるためであって決して手抜きではないのです。
関西のクルーも負けへんで!
USJで働く人はクルーと呼ばれます。
USJのクルーは運営会社からUSJに関連したDVDを無料で貸してもらえるため、知識をつけようと勉強に励んでいる人も多いです。
とくに知識が豊富で接客技術にも長けた人はコンシェルジュとしてもてなしてくれます。
また客が東のライバルであるディズニーグッズをもっていると、クルーから関西弁で面白おかしく話しかけられますよ。
あるいは『ワンピース』のイベントに力を入れていた時期ではクルーはゲストも巻き込んで寸劇を展開していました。まるで大阪お得意のお笑いコントの一節のように。
それはマニュアル化しているものもあれば、アドリブもあると思うので通ってみると面白いでしょう。
まとめ
USJには以下のような欠点・デメリットもあります。
- チケットが高い(年間パスポートは安い)
- 敷地が狭い
- 敷地内から高速道路が見える
- アトラクションには身長制限がかかっていたりする
- 閉園直前は一部のアトラクションが稼働していなかったりする
しかし、そういった欠点があるとしてもUSJには行く価値があると私は考えています。
なおUSJの人気の理由を考えるにあたってはディズニーランドの人気の理由も参考になりますからぜひ見てください。
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