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鉄道周辺

小田急沿線の住みやすさを考える際に見るべき基本事情

2020年2月12日

筆者は小田急沿線に住んだ経験があります。

その経験からいうと小田急線沿線は住みやすいですし、イメージも悪くありません。

唯一の不満だったラッシュ時のノロノロ運転も複々線化によって大きく改善されました。

しかし、小田急電鉄の総延長は約120kmもあるため、住む場所を選ぶ際にはあなたの希望に沿って地域の事情を考える必要があります。

小田急沿線の基本

小田急線の路線図

小田急線の路線図

まずおさえておきたいのが、小田急沿線の中でも強い存在感を放っている急行停車駅の特徴についてです。

1.都心へのアクセス重視エリアのおもな駅(新宿~向ヶ丘遊園)

  • 新宿日本でも指折りのものすごく大きな駅。駅近くに住むには費用が高い。
  • 代々木上原坂が多く、いわゆる生活感はあまりない。一戸建てと低層マンションが主体の高級住宅街。東京メトロ千代田線はここを起点に表参道、赤坂、霞ヶ関、大手町に向かう。
ちなみに小田急線の代々木八幡駅と千代田線の代々木公園駅(代々木上原の次の駅)はとても近い。
  • 下北沢シャレた繁華街で駅前は若い人が多い。安売りスーパーやドラッグストアもある。そこから少し離れると低層マンション中心の高級住宅街。
下北沢は井の頭線で渋谷に行くのも便利だし、渋谷方面に歩くと東大駒場キャンパスもある。このあたりは有名校が多い。
  • 成城学園前一戸建てと低層マンションが主体の高級住宅街だが、意外と路線バスは整っている。
駅前には安売りの量販店が乏しい。大型の量販店を求めるなら環状八号線という幹線道路まで出る必要がある。
  • 登戸南武線と接続している割には駅近くは大きな繁華街になっていない。多摩川がとても近い。路線バスはとなりの向ヶ丘遊園が便利。
  • 向ヶ丘遊園登戸と距離がとても近い割に急行はどちらも停まる。駅前はやや地味で学生が多い。快速急行は通過するが、各停や準急の始発列車はそれなりに多い。
向ヶ丘遊園駅から10数分も歩くと生田緑地がある。生田緑地は文化財をともなった大きな公園みたいなところ。

2.普通の郊外エリアのおもな駅(生田~海老名)

  • 新百合ヶ丘さわやかな新興感のある駅。お店は大きめのビルの中にテナントとして収まっている。多摩線はここから丘陵地帯の方に向かう。
新百合ヶ丘は郊外の駅では珍しく駅のすぐ近くに公立の小学校がある。そのため年齢制限が課せられる系統のお店は新たに出店できない。これが環境のよさにつながっている。
  • 町田渋谷を小さくしたような繁華街で小田急沿線の途中駅の中では中心的な存在。横浜線の存在感も大きいし路線バス網も充実。繁華街は中小型の雑居ビル型店舗が多いが、ちょっと離れれば住宅街。
町田駅は東京都にあるんだけど、そこから神奈川県相模原市へは徒歩数分の距離。町田駅に近い地区の神奈川県相模原市は坂が多い。
  • 相模大野伊勢丹は撤退するが、駅ビルとショッピングモールの存在感が大きな駅。ここから江ノ島線は分岐する。
  • 海老名駅前は新興のショッピングモールとマンションがゆとりをもってたたずむ。そこから少し離れると田園風景も見られる。近年ではタワーマンションもつくられている。
海老名は相鉄線の始発駅であり横浜駅方面に行くにはとても便利。またJR相模線(単線運行)もあるので、橋本や八王子にアクセスしやすい。

3.郊外で新興感のある多摩線エリアのおもな駅(五月台~唐木田)

  • 栗平急行停車駅ではあるが駅前は地味で学生が多い。駅近くは一戸建てが整然と区画されており、住むには悪くないエリア。
栗平周辺は路線バスは少なくまた坂が多いので自家用車があった方が便利。
  • 多摩センター京王相模原線の多摩センター駅と隣り合った多摩線の中ではもっとも大きな駅。商業施設は大きなビルの中にテナントという形で入っている。
駅周辺は丘陵地帯を利用した地形になっている。路線バスやモノレールも充実。何気にサンリオピューロランドもある。
  • 唐木田多摩線の終着駅の割に駅前は地味だが、幹線道路に出ると大きなロードサイド店舗がいくつもある。

4.田園風景も見られる郊外エリアのおもな駅(厚木~小田原)

  • 本厚木駅前はちょっとした繁華街。新百合ヶ丘や海老名に比べると古い感じがするが、路線バス網は割と充実している。
  • 伊勢原郊外型の駅。上り方面の始発列車も少しある。大山へは伊勢原駅から路線バスを使うルートが主流。
  • 秦野再開発でスッキリした駅。駅周辺は古さと新しさが入り混じる。
  • 小田原新幹線と東海道線と箱根登山鉄道の存在感が大きい駅。駅前はにぎやかな一角もあるが、その一角はそんなに大きくない。
小田急線の特急ロマンスカーは箱根登山鉄道の箱根湯本まで直通しているよ。

5.江ノ島線エリアのおもな駅

  • 中央林間田園都市線の終着駅でもある割に意外と駅前は地味。その分、住宅地としては適している。
  • 大和駅前はちょっとした商店街。相鉄線も停まる割に駅前はちょっと地味。新百合ヶ丘や海老名に比べると古い感じがする。
中央林間と大和は小田急線の急行停車駅で他の私鉄も停まる割に路線バスが少なめ。
  • 湘南台新興感のある駅で市営地下鉄と相鉄線の終着駅でもある。学生が多い。駅前は繁華街というほどではないが、一通りの施設は揃っている。
  • 藤沢駅前は江ノ島線の中ではもっとも大きな繁華街。東海道線と江ノ電の存在感も大きい。
  • 片瀬江ノ島潮風のにおいが漂う駅。駅周辺は南国ムードと観光ムードが強く、とくに夏はにぎやか。観光色が強い駅だけあって土休日の方が運行ダイヤは充実している。

治安を心配する方は、夜の繁華街をなるべく避けるべきです。これは小田急線に限らず、どの路線にも共通していること。

小田急線沿線の治安は普通レベルです。

マスコミが騒ぐような事件が起きるときもありますが、ある程度人口が多いところでたまに事件が起きるのはどうしようもありません。

次に都心へのアクセスについて、以上の急行停車駅の特徴をもとにしながら見ていきましょう。

都心へのアクセス重視の方へ

結論から言うと、ファミリーにしても単身者にしても都心へのアクセスを重視する方は1の新宿~向ヶ丘遊園をオススメします。

とくに向ヶ丘遊園や成城学園前を始発としている各停なら混雑率も低めですから、通勤の負担も軽いです。

小田急線は登戸~代々木上原が複々線だから、この区間は速さも本数も充実しているんだよ。
複々線化で増えたのは千代田線への直通列車。代々木上原~新宿は複線なので、千代田線に列車を多くまわす必要があった。

地価については、南新宿~下北沢と成城学園前の高級住宅街はさすがに高いですが、経堂~祖師ヶ谷大蔵には大衆向け物件もあります。

さらに喜多見~向ヶ丘遊園は割と大衆的なエリアです。

ただし、南新宿~和泉多摩川の区間は高級住宅街を除くと住宅がそれなりに密集していますし、間取りもやや狭いです。

そのため広々とした物件を求めるなら、もっと下った郊外を選ぶべきです。

普通の郊外

それだと都心から遠ざかるわけですが、沿線の中間にある町田駅、海老名駅、藤沢駅、多摩センター駅の近くは商業が発達していますので都心に出向かずして用事をすませることもできます。

具体的には、普通の都心郊外がよいという方は2の生田~海老名あたりがオススメです。

この区間のうち急行が停まらない駅は普通すぎて、あまり語ることがないくらいです。

あえていうなら玉川学園前の近くは一戸建て中心のちょっとした高級住宅街ということくらい。

当たり前ですが、生田~海老名のうち急行停車駅の方が地価は高いです。

とくに小田急線は快速急行と各停の所要時間の差が大きいですから、郊外から都心にアクセスする際は急行・快速急行との接続を考えたいものです。

江ノ島線は騒音が欠点だが乗り換え路線が便利

江ノ島線の中央林間~長後あたりは米軍と自衛隊の厚木基地が近く、上空が飛行ルートになっているため軍用機の騒音を覚悟する必要があります。

しかし、基地に近い住宅には防音設備がありますし、最近では離発着回数は大きく減りました。まあ、また方針が変わる可能性もありますが。

なお江ノ島線には次のような利便性もあります。

  • 中央林間では東急田園都市線に接続(渋谷方面に行くのに便利)
  • 大和では相鉄本線に接続(横浜方面に行くのに便利)
  • 湘南台では相鉄いずみ野線と横浜市営地下鉄に接続(横浜市内に細かく停車)
  • 藤沢でJR東海道線に接続(川崎・品川・東京に行くのに便利)

町田駅で小田急線から横浜線に乗り換えるのはちょっと面倒ですが(300mくらい歩く)、江ノ島線の乗り換えはどれもそこまで面倒ではありません。

また平日朝のラッシュ時に町田駅から横浜駅までは横浜線で約35分かかりますが、大和駅から横浜駅なら28分で着きます。

新宿へは大和の方が離れていますが、横浜駅へのアクセスは大和に分があるわけです。

ちょっと田舎感のある郊外

あるいは郊外の中でも田舎っぽさを求めるなら愛甲石田(本厚木の次の駅)~小田原あたりがよいでしょう。

小田原から新宿までは平日朝の小田急線快速急行で約90分、愛甲石田からは60分くらいはかかります。

都心までの所要時間が90分というのは正直言って長いですが、このくらい都心から離れていると賃料や物件価格も安いです。

ちなみに小田原から東海道新幹線の自由席で品川駅へ行くと3050円(こだまで28分)、東京駅へは3220円(こだまで35分)かかります。

ファミリーには多摩線沿線がオススメ

最後に、筆者がもっとも注目しているのは3の多摩線エリアです。

多摩線は小田急電鉄の支線で、一昔前は唐木田と新百合ヶ丘の間を行き来する電車しかなく、新百合ヶ丘から先は小田原線からの電車に乗り換えるしかありませんでした。

しかし、現在は複々線化によって新宿方面に直通する列車が格段に増えました。

また、横浜市営地下鉄が新百合ヶ丘まで延伸する計画を発表しました。横浜市営地下鉄は、新幹線との接続駅である新横浜に行くのに便利な路線です。

デベロッパーとしても地味にマンションと一戸建ての供給を増やしています。

ちょっと地味な地域ではありますが、落ち着いた感じで公園も点在しており暮らすにはよい街です。

とくに小田急沿線でファミリー向け物件をお探しの方は一度はのぞいてみるべきです。

ただし、多摩線近辺は坂が多いので自家用車をもっている方が便利な地域ではあります。

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