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鉄道周辺

東海道線での通勤【混雑はどうなのよ?】

2020年2月12日

さて、神奈川県の鉄道の大動脈といえば、県北東部から県南西部へ向かう東海道です。

東海道とは日本橋、品川、川崎、神奈川、保土ヶ谷、戸塚、藤沢、平塚、大磯、小田原、箱根、三島…と南西に向かう幹線。

東京都の日本橋にほど近い東京駅から東海道を突っ走り、静岡方面に向かう路線がJRの東海道線です。

要するに東海道線は小田原あたりまでは箱根駅伝のルートとほぼ重なっている考えてください。

箱根駅伝は大手町から始まり、中継所は鶴見⇒戸塚⇒平塚⇒小田原で往路のゴールと復路のスタートは芦ノ湖。

日本における東海道の重要さは、東名高速道路と東海道新幹線の往来の多さを見ても明らかです。

東名高速道路は芦ノ湖の北側を通るが、東海道新幹線と東海道線は芦ノ湖の南側を通るよ。

このページでは長い東海道線のうち、JR東日本の管轄で東京駅から直通の普通列車がある大崎(湘南新宿ライン)・品川~熱海を記述の対象とします。

品川~熱海までは営業距離(運賃計算上の距離)で約98km、直線距離で約84km。

東海道線の通勤:座る方法

会社の区分 JR東日本
路線 東海道線、湘南新宿ライン、京浜東北線
他社線への直通運転 特急以外はなし
運賃以外に料金が必要な列車 特急踊り子、特急サフィール踊り子、
寝台特急サンライズ出雲・瀬戸、
特急湘南、普通・快速列車に連結しているグリーン車
通勤型電車の車両数 東海道線と湘南新宿ラインは15両が主体(10両運用もあり)、
京浜東北線は10両編成
ラッシュ時の女性専用車両 東海道線と湘南新宿ラインにはなし、京浜東北線にはあり
栄えている駅(山手線圏はのぞく) 大井町、蒲田、川崎、武蔵小杉、横浜、大船、藤沢
東海道線・湘南新宿ラインの上り始発駅(増結含む) 熱海、小田原、国府津、平塚、辻堂、大船、二宮、伊東、沼津
京浜東北線の上り列車(北行)の始発駅 大船、蒲田、磯子、鶴見、東神奈川、桜木町
朝の最混雑区間と平均混雑率 東海道線は川崎⇒品川:180%、
湘南新宿ラインは武蔵小杉⇒大崎:180%、
京浜東北線は大井町⇒品川:175%
ラッシュ時の東海道線で座るには始発や増結を狙うか、運賃以外に料金が必要な列車を利用しないとかなり厳しい。
普通・快速列車に連結しているグリーン車でさえも、ラッシュ時の途中駅からは座るのが難しかったりするよね。
熱海や小田原からなら東海道新幹線を利用する手もあるけど料金はちょっと高い。小田原~新横浜みたいな一区間・短区間の利用なら安いが。

東海道線上りは横浜駅でそれなりに多くの人が降ります。このとき先に車内にいる人は座れる可能性があります。

なお帰宅ラッシュ時の下り列車は平塚行よりも熱海行のような遠くに向かう列車の方が混雑します。

東海道線のイメージおよび特徴

  • 湘南の海近くを走る
  • 停車駅数が少なくて速い(駅間が長い)
  • 駅停車時の入線速度が速い
  • 熱海~高崎、小田原~宇都宮など運転距離が長い
  • 青春18きっぷを使って遠出する人にとって重要な静岡方面へ向かう路線

東海道線の路線図

東海道線の路線図(特急やライナーなどの別料金が必要な列車は除く)

東海道線の路線図

※東海道線普通と東海道線快速は停車駅が大差ありません。そのため混雑率も大差ありませんし、快速は運行本数もそんなに多くないです。

※東海道線の品川から戸塚は距離が34kmもある割に駅数が少ないです。この区間(とくに東京~横浜)は京浜東北線が実質的には東海道線の各駅停車となっています。

東海道線が混むのは停車駅数が少なく(=ラッシュ時でもそれなりに速い)、中距離の通勤客が集まるから。

※東海道線は中距離通勤者が多いです。そのため普通列車にもトイレが複数個所あります。

※東海道線は、北(上り列車)は高崎や宇都宮まで行くように走行距離が長いです。そのため高崎線や宇都宮線で起きた遅延が東海道線にも連鎖するという欠点があります。

湘南新宿ラインは本数が少なめ。横須賀線や埼京線と重複している区間があったり、平面交差があったり、同じ線路を成田エクスプレスが走っているからだ。

平面交差とは行く方面の異なる線路が同一平面で交わること。要するに自動車でいう交差点みたいなもの。

平面交差があると、どちらかの線を止めておかなければならないので運行本数は少なくなります。立体交差にしようにも構造や費用の関係で難しい箇所があるのです。

東海道線は便利

他路線との接続

東海道線の駅 乗り換え路線
東京 JR各種新幹線(東海・東北・上越・北陸)
山手線・京浜東北線・中央線・宇都宮線・高崎線・常磐線快速,
総武線快速横須賀線・京葉線、
東京メトロ丸ノ内線
有楽町 JR山手線、東京メトロ有楽町線
新橋 JR山手線・横須賀線・常磐線、
東京メトロ銀座線、
都営浅草線、
ゆりかもめ
浜松町 JR山手線、
東京モノレール羽田空港線、
田町 JR山手線
品川 JR山手線・京浜東北線・横須賀線・常磐線、東海道新幹線、
京急線(都営浅草線直通)
新宿 JR山手線・中央線・埼京線、
京王線、小田急線、
東京メトロ丸ノ内線、
都営新宿線・大江戸線
渋谷 東急東横線・田園都市線、
東京メトロ半蔵門線・銀座線 ・副都心線、
JR山手線・埼京線、京王井の頭線
恵比寿 JR埼京線・山手線、
東京メトロ日比谷線
大崎 JR山手線・埼京線、
東京臨海高速鉄道りんかい線
武蔵小杉 JR南武線・横須賀線、
東急東横線
大井町 東急大井町線、
東京臨海高速鉄道りんかい線
蒲田 東急池上線・多摩川線
川崎 JR京浜東北線・南武線
京浜急行(京急川崎駅)
鶴見 JR鶴見線
京浜急行(京急鶴見駅)
東神奈川 JR横浜線
京浜急行(京急東神奈川駅)
横浜 JR京浜東北線・横須賀線、
京浜急行、
東急東横線・みなとみらい線、
相模鉄道、
横浜市営地下鉄ブルーライン
戸塚 横浜市営地下鉄ブルーライン
大船 JR京浜東北線・横須賀線、
湘南モノレール
藤沢 小田急江ノ島線、江ノ島電鉄
茅ヶ崎 JR相模線
国府津 JR御殿場線(JR東海管轄)
小田原 JR東海道新幹線、
小田急小田原線、
箱根登山鉄道、
伊豆箱根鉄道大雄山線
熱海 JR東海道新幹線

東海道線の他路線との接続数の多さは首都圏で郊外に伸びる路線としてはトップクラスの水準です。

新幹線との接続駅(のぞみ停車駅)もありますので郊外に伸びる路線としては素晴らしい水準です。

東海道線および湘南新宿ラインに地下鉄への直通列車はありませんが、新橋駅や渋谷駅を使えば地下鉄の選択肢も豊富です。

新子安や鶴見での京浜急行との乗り換えは、上りでも下りでもほぼ同じ方面に進むものだから乗り換え感に乏しい。

ラッシュ時の混雑率

ラッシュ時の東海道線は15両編成の運行がほとんどであり、また本数も多いです。

しかし、東海道線のラッシュ時の上り列車の混雑率は最大で180%くらいにも達します。 これは首都圏の中でも悪い方ですが、それだけ人気がある路線ともいえます。

もっとも混雑する区間は東海道線の川崎~品川、湘南新宿ラインの武蔵小杉~大崎あたり。

東海道線は停車駅数が少なくスピードが速いので、都心に早く向かいたい中距離の通勤客に人気があるのです。

横須賀線や京浜東北線、京浜急行と並走する区間ではそちらにも客が流れるとはいえ、それでもかなりの混雑です。

途中から並走する京急にトラブルが発生するとJRに人が流れ込むためJRは一層混雑しますが、逆にJRにトラブルが発生しても京急を使えば都心まで行けます。

それでも快適な空間を求める方は、ほぼすべての東海道線の普通・快速列車はグリーン車を連結しているのでそちらを利用するのもよいでしょう。

競合路線と運賃・所要時間を比較

次に「平日朝7時30分前後発の上り列車」という条件で東海道系のJR線と競合路線を比較してみます。

品川~横浜(この区間はJR線と京急線はほぼ並走しています)

上り区間 JR線の平日 京急線の平日
川崎~品川 230円(東海道線普通で11分) 240円(快特で13分)
鶴見~品川 230円(京浜東北線で21分) 290円(普通と快特で24分)
横浜~品川 310円(東海道線普通で21分) 320円(快特で30分)

渋谷~横浜(この区間はJR線と東横線は並走していませんが、出発地と行き先は同じです)

上り区間 JR線 東横線
横浜~渋谷 410円(湘南新宿ライン快速で27分) 310円(通勤特急で37分)

※東横線の特急は運賃だけで乗れます(別料金不要) 新宿~藤沢と新宿~小田原(この区間はJR線と小田急線は並走していませんが、出発地と行き先は同じです)

上り区間 JR線 小田急線
藤沢~新宿 1000円(湘南新宿ライン快速で59分) 610円(快速急行で72分)
小田原~新宿 1530円(湘南新宿ライン快速で96分) 910円(急行と快速急行で100分)

※湘南新宿ラインはラッシュ時でも本数が少ないです。とくに小田原から乗り換えなしの湘南新宿ラインはいっそう少ないです。

※東海道線普通で平塚から東京駅に行く場合、平日朝は70分、昼は60分かかります。ラッシュ時の東海道線はそれだけ電車の本数が多く(=電車が渋滞する)、乗客の乗り降りにも時間がかかるということです。
小田急線との比較では、山手線沿線に早く向かいたいのなら東海道線、表参道や霞ヶ関など東京メトロの駅に行くなら小田急線に分があるという感じ。

東海道線の終電はちょっと早い

東海道線品川駅の平日下り方面・終電付近の時刻表(太字が終電)

23時 02(普通・熱海行)12(普通・平塚行)22(普通・小田原行)
32(普通・国府津)42(普通・国府津)
48(普通・小田原行)58(普通・国府津)
0時 04分(普通・平塚行)

東海道線の終電は首都圏の他の路線に比べると少し早いです。

ただ、東海道線は距離が長い路線なので、それに伴って終電が早くなるのは自然ともいえます。

京浜東北線品川駅の平日下り方面・終電付近の時刻表(太字が終電)

0時 05(各停・磯子行)09(各停・桜木町行)17(各停・蒲田行)
24(各停・蒲田)37(各停・蒲田)46(各停・蒲田)

東海道線沿線の見どころ

東海道線に限らず首都圏のほぼすべての上り列車は、朝のラッシュ時には通勤需要が集中して混雑します。

これに関して東海道線の場合、下り列車もぼちぼちの乗車率です。

もちろん、それは上り列車ほどではありませんが、下り列車にもそれなりの乗客がいることは下りにも優れた行き先があることを意味します。

東海道線の場合、沿線には企業の生産・研究拠点がいくつもあることから、平日朝の下り列車に乗る人はそれらに関するビジネス客が多いと見られます。

しかしながら、東海道線はビジネス系以外の需要も充実しています。

東海道線沿線(品川と大崎の以南)の見どころ

  • 等々力陸上競技場(武蔵小杉)
  • 横浜駅周辺の商業施設
  • 横浜港(横浜)
  • 藤沢からの鎌倉に向かう江ノ電(藤沢)
  • 辻堂駅前のショッピングモール
  • 相模湾の海水浴場(辻堂、茅ヶ崎、大磯、二宮、湯河原)
  • 相模湾での釣り(茅ヶ崎、国府津、早川)
  • 平塚競輪(平塚)
  • 平塚競技場(平塚)
  • 大磯ロングビーチ(大磯)
  • 小田原城(小田原)
  • 湯河原温泉(湯河原)
  • 熱海温泉(熱海)

海からある程度近い場所を走るだけあって海に関する観光地が多いです。 大船で横須賀線に乗り換えれば、逗子・鎌倉方面へも早く着きます。 ただし、海に近いエリアでは津波の危険性も指摘されています。

国府津駅や根府川駅のホームからは海が見えるよ。
首都圏の幹線鉄道駅のホームから海が見えるっていうのもいいよね。

地価

東海道線の地価については以下のとおりです。

※新築マンション価格と付近の賃料は、各社の「駅から徒歩5分圏の物件(70㎡)」を見比べて公示価格に合わせて多少補正した大まかな目安です。

※駅は山手線圏内から均等に数kmごとの住宅街系の駅を選んでいます。

駅名 市町村 新築マンション価格 付近の賃料 山手線からの直線距離(この場合は品川)
大森 東京都大田区 7400万円 24.5万円 約5km
新子安 神奈川県横浜市 6000万円 18万円 約18km
東戸塚 神奈川県横浜市 5300万円 16万円 約28km
辻堂 神奈川県藤沢市 4900万円 15万円 約42km
鴨宮 神奈川県小田原市 4100万円 13万円 約64km

まとめ

評価
ラッシュの混雑度 最大で180%。
本数は多いし15両編成ばかりだが、それでも朝は混雑率はかなり高い。
クロスシート部分では混雑率はとくに高く感じる。
沿線下り方面の魅力度 かなりよい。古くからある東海道の要所を通る。
大企業の工場・研究所や観光地、大型ショッピングモールなど下り方面にも行き先は多い。
大船から横須賀線乗車での鎌倉や逗子も近い。
ただ、海に近いだけに水害はちょっと心配なところ。
沿線の地価 首都圏の中では普通か普通より少し高いレベル。
小田急線や中央線などと比べると少し安いが、駅数が少ないため駅近くは貴重。
他路線との接続 郊外に向かう路線としてはトップクラスの接続度。
地下鉄直通列車はない点がちょっと不満。
電車の速達性 停車駅が少ないのが売りなので中距離通勤に向いている。
駅数が少ない区間ではスピードをかなり出せる。
しかし、距離が長くいろんな路線にまたがって運転しているので遅延しやすい。
また湘南新宿ラインは本数が少なくならざるを得ない構造。
運賃の安さ JRの運賃は私鉄よりもやや高い。
とくに小田原~新宿、藤沢~新宿という小田急と重複した区間は小田急の方が安い。
速さと座りやすさ(始発駅は座りやすい)も考慮したい。

東海道線はこんな人におすすめ

  • 東海道線の横浜~小田原あたりに住みつつも、山手線圏内に早くたどり着きたい人
  • 駅と駅の間隔が短い私鉄よりも、駅間が広い路線の方が魅力的だと思う人
  • 海沿いの土地が好きな人
  • 東海道線や高崎線・宇都宮線などを使った遠出が好きな人

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