東海道線、高崎線、宇都宮線、常磐線、総武快速横須賀線などJR東日本の在来線の普通列車にはグリーン車がついています。
在来線とはJR線のうち新幹線以外の路線のこと。
また普通列車とは、特急料金や新幹線料金といった別料金を支払わず運賃(乗車券・定期券)だけで乗れる列車のこと。
料金ルール上はJRの快速や通勤快速は普通列車の一種です。
それらの路線は混雑するうえに山手線と違って中距離乗車が多いですから、JRは乗客の負担を軽くするためにグリーン車を設けているのです。
ここでは運賃に加えてグリーン料金を支払えば、ラッシュアワーでも回転式クロスシートに座ることができます。
グリーン車だけにこのシートにはリクライニング機能とテーブル機能がついています。
グリーン車を利用して快適な通勤を実現してみてはいかがでしょうか。
グリーン車の乗り方
ただし、在来線普通列車のグリーン車は全席が自由席ですから料金を支払っても座れない場合があります。
とくにラッシュアワーでは結構あります。これについては後で説明します。
またグリーン車付きの電車は中距離の通勤客が多い路線で、なおかつ混雑率が高い区間で運転されます。
それは以下のとおり。
- 東海道線、湘南新宿ライン、高崎線、宇都宮線熱海~高崎・宇都宮まで
- 総武快速線久里浜~成田空港まで
- 常磐快速線品川~勝田まで
※正確にいうと、熱海~伊東、高崎~前橋、宇都宮~黒磯、勝田~高萩などの区間もグリーン車付きの普通列車は走っているのですが、本数に対する割合は下がります。
※常磐快速線の普通列車でグリーン車付きの列車は青帯の列車だけです(10両編成か15両編成)。5両編成の列車と緑帯の列車にはグリーン車はついていません。
※路線や区間は違っても乗り方のルールは共通しています。
グリーン券の買い方
まずはグリーン券の買い方です。
グリーン券の発売場所は、改札外の券売機か、上の画像のような改札内(とくにホーム中間4~5号車の停車位置付近)に設置されているグリーン券専用の券売機です。
あるいは「みどりの窓口」で買うこともできます。
そこで買うグリーン券には、紙製の券(磁気グリーン券)とSuicaに購入情報を読み込ませたSuicaグリーン券の二つがあります。
ただし、ホームの券売機で買えるのはSuicaグリーン券だけです。そこではPASMOやToicaでもSuicaグリーン券を買うことができます。
グリーン車に乗車した後にアテンダントからグリーン券を買うこともできますが、これはオススメできません。
グリーン車に乗ってからグリーン券を買うと、事前(乗車前)に買うよりもグリーン料金は260円上がってしまうからです。
具体的な料金表は以下のとおりです。
営業キロ | 事前料金 | 車内料金 | ||
平日 | 土日祝 | 平日 | 土日祝 | |
50キロまで | 780円 | 580円 | 1040円 | 840円 |
51キロ以上 | 1000円 | 800円 | 1260円 | 1060円 |
※料金表の土日祝には振替休日と年末年始(12月29日~1月3日)も含まれます。
※グリーン料金は大人も子どもも同じです。
※グリーン車内に座らず立ち続ける場合でもグリーン券は必要です。
※Suicaグリーン券の有効期限は当日のみです。ただし、日付が変わる場合でも終電までは利用できます。
※Suicaグリーン券はICカード(SuicaやPASMO)1枚につき1人分のみしか買うことができません。つまり、複数で利用する場合、人数分のICカードで1人ずつ買うか、みどりの窓口や改札外の券売機で磁気グリーン券を買う必要があります。
券売機でグリーン券を買う場合、
- グリーン券ボタンをタッチ
- Suicaグリーン券か磁気グリーン券をタッチ(ホームの券売機ではSuicaのみの取り扱いなので1.と2.は省略してSuicaを入れるしかない)
- グリーン車の降車駅の線名をタッチ(ホームの券売機では乗車駅はそのホームがある駅になる)
- グリーン車の降車駅をタッチ
- 金額が表示される
- 了解したら現金を入れるか、Suicaの残額で決済する
これで完了です。とくに難しくはないかと思います。
グリーン車に乗車してからの手順
さて、グリーン券を買ったらグリーン車停止位置で列車を待ってグリーン車に乗車しましょう。
JR東日本の在来線普通列車のグリーン車はすべて4号車と5号車です。
しかし、上の画像のように10両編成と15両編成では停止位置がズレている場合がありますのでチェックしておきましょう。
在来線普通列車のグリーン車は全車自由席(全車禁煙)なので「空いている席」はどこに座っても大丈夫です。
ただし、空いているというのは人がいないという意味ではなく、下の画像のように座席上方のランプが赤でなければなりません。
つまり、グリーン車では赤が空席を意味し、緑が席を購入して座っていることを意味するのです。
どの席に座るかを決めたら、Suicaグリーン券の場合、そのSuicaでセンサー部分をタッチしてください。これによってランプの色は赤から緑に変わるはずです。
磁気グリーン券の場合、赤ランプのまま座っているとアテンダントがまわってくるのでそこで券を見せます。
席を移動したい場合は、そのまま何もせず離れて移動先の席でまたセンサー部分にICカードをタッチすれば大丈夫です。
もし空席がなく座れず、立ち席も含めてその日はグリーン券を使わないと決めたらアテンダントから不使用証を受け取りましょう。
諸事情によってアテンダントから不使用証を受け取れなかった場合、当日中に降車駅で駅係員に申し出てください。その払い戻しは購入後1年以内にみどりの窓口で行う必要があります。
なお、グリーン券を買ったのに使わなかったという場合の払い戻しは手数料がかかります。
グリーン車の座席の種類
さて、グリーン車の座席は2階席と平屋・車端席(ドア口と同じ高さの席)と1階席がありますが、人気があるのは上のような2階席です。
2階席の人気は眺めのよさと優越感をもとめての行動でしょう。私も選べる状況ならば2階席に座ります。
ただし、2階席に網棚はありませんからご注意を。
座席の上にある赤いランプが、少し前に説明したSuicaのセンサーです。
今はすべて空席なのですべて赤ランプ状態です。
△2階建てグリーン車の1階(階段を下りたフロア)にある席から真横のホームを見た眺め。
窓のサッシ部分がホームと同じくらいの高さに来ていることがわかるかと思います。
△1階席全体の様子。
1階席の景色は見劣りしますし走行音は少しだけ大きいですが、混雑率は1階席よりも低いです。
△平屋席の様子。
平屋席とは乗車してから階段を昇り降りせず着席できる座席を意味します。要するに普通の特急や新幹線と同じ高さにある座席です。
平屋席には網棚があるため荷物が多いときには便利です。
また平屋席の着席定員は12名と少ないので(車種によって多少前後する)、人が少ないところがお好きなのであればこちらをどうぞ。
ただし、平屋席でトイレ横だと人の出入りが多かったり、連結部分で走行音がややうるさいというデメリットもあります。
夏場の室温:1階席は涼しい?
グリーン車の居心地に関して注目すべきは階数と室温に関係があるということ。
私の体感では夏場における2階建てのグリーン車の室温は「1階席<平屋席≦2階席」という関係があると考えています。すなわち夏場の1階席は少し涼しいのです。
- 太陽光が照りつける光量および面積は2階席のほうが多い
- 2階席は乗客数(熱源体)が多い、人気がある
- 冷気は下に向かう性質がある
以上の理由から言って1階席のほうが少し涼しいのだと思います(おそらく設定温度は同じ)。
夏場の冷房が苦手な人は2階席やドアに近い平屋席、あるいは少しでも涼しい場所がいいのなら1階席がおすすめです。
さらなる進化が予想されるグリーン車
普通列車のグリーン車は通勤客にとってオアシスです。
これによって体を休めたり、まったりパソコンを動かしたり、移動時間を楽しんだりできます。
しかも、総武快速横須賀線向けの新型車両「E235系」のグリーン車にはコンセントと無料Wi-Fiが設置されています。
ということは、それ以降の他路線の新型車にはコンセントと無料Wi-Fiが標準装備される見込みが高いわけです。
また中央線にもグリーン車を導入する計画があります。
このようにJR東日本管内のグリーン車はまだ改善の見込みがありますから今後にも注目しましょう。