英語学習において洋楽のリスニングとシンギング(singing)は一定の効果があります。
それは「英語を好きになる」「英語のリズムや発音を覚える」「英語圏の人々の感情や文化を知る」といったことです。
英語ネイティブは「日本人の英語って表情・感情やリズムがこもっていないな」と思っていますから、表情・感情やリズムを込めながら洋楽を歌うことはよい練習になるのです。
さらに日本人にとって洋楽を歌うことは(とくに独唱)邦楽を歌うことよりも恥ずかしいため、人前で洋楽を歌うと度胸もつきますよ。もちろん私とて少し恥ずかしいです。
今回は洋楽の中でも中学生や高校生に理解できて、なおかつメロディーが覚えやすい古めの名曲ばかりを選びました。
私が中学生のころ英語の授業で先生がかけてくれた歌ばかりなので、令和時代の英語の授業で使うのもおすすめです。
著作権上、歌詞は書けませんが手短に感想をつけます。
ほとんどの歌はYouTubeで公式動画がアップされていますから聴いてみましょう♪
邦楽の再生数で多いのは1000万回くらいですが、洋楽だと億単位の再生数がざらですから市場規模が違いすぎます。
公式が無料で配信している楽曲についてはYouTube動画として埋め込んでいます。
中学生でも歌いやすい洋楽【有名な曲ばかり】
なお洋楽の歌詞は厳密にいうと文法はわざと間違っている場合があります。
日本語の歌にもいえますが、歌詞は文法を厳密に正しくすると響きが美しくなかったりするからです。日本語の歌としてはサザンオールスターズもそんな感じ。
学校で習う英語は苦行感が強いですが、本来、言語は楽しみながら身につけるものです。
通勤通学中などでも洋楽を聴いて英語を楽しく学習しましょう。
1940年代~1950年代の洋楽
まずは1940年代~1950年代の洋楽から見ていきましょう。
各項目の左側が曲名で、右側が歌手名となっています。
- 『When You Wish upon a Star』Cliff Edwards(上記動画はカバー版)
ディズニーのアニメ映画『ピノキオ』の主題歌。スローテンポであり難しい単語はほとんどありません。
原曲もいいですが、日本の矢沢永吉さんが歌った英語バージョンも癒やされる感じでいいですよ。
日本語訳は『星に願いを』であるように夜寝る前に聴いて歌いたくなる歌。
- 『Love Me Tender』Elvis Aron Presley
伝説のロックンローラーであるプレスリーの代表曲(原曲はアメリカ大衆歌謡の『オーラリー』)。
「ソドシドレラレ~」と弾くあの曲です。
プレスリーはこれを甘くて低い美声でしみじみと歌いあげています。
もはやクラシックと呼べる出来。
1960年代の洋楽
- 『Stand By Me』Benjamin Earl King
のちの同名の映画でも主題歌になった名曲。
これを聴くと線路を歩きたくなりますが、日本では違法ですね。
- 『The Sound of Silence』Simon & Garfunkel
音楽の教科書にも載るほど完成度の高い曲。
切ないメロディーと歌詞で今もファン多し。
- 『Daydream Believer』The Monkees
白昼夢を信じる明るいメロディーで有名な曲。
日本のCMでもカバー版が未だに使われています。
- 『Hello, Goodbye』The Beatles
『ABCのうた』に次ぐレベルくらいの簡単な歌。スローテンポでかなり歌いやすいですよ。
私が中学1年の英語の授業で『ABCのうた』に次いで習ったのがこの歌でした。
原曲はあのビートルズが歌っていますから名曲感があります。
1970年代の洋楽
- 『ABC』The Jackson 5
あのマイケル・ジャクソンも加わって歌っていることで有名な歌。『スリラー』ほど歌うのは難しくないです。
マイケル・ジャクソンは子どものころからとてつもない才能がありましたね。
- 『Take Me Home, Country Roads』John Denver
故郷の田舎を想った歌。歌詞は湿っぽい感じですが、曲調は明るめ。
その日本語バージョンはスタジオジブリの『耳をすませば』の主題歌に使われたことでも有名。
- 『Your song』Elton John
故ダイアナ妃に向けて歌ったことで脚光をふたたび浴びた曲。
ただ、エルトン・ジョンは私生活に関して悪いニュースもたびたび耳にするのが残念。
- 『Honesty』Billy Joel
Honestyの意味は正直・誠実。
ビリージョエルがこれを力強く歌っています。
人によっては暑苦しく聴こえるでしょうが、それがまたいいんです。
- 『Have You Never Been Mellow』Dame Olivia Newton-John
ダンスダンスレボリューションというダンスゲームに採用されたことでも有名な曲。
全体的に現在完了形と優しさで満ちています。スローテンポで歌いやすいですよ。
- 『Yesterday Once More』Carpenters
カーペンターズの中でも『Top of the World』は歌うのが難しいため、ここではイエスタデイ・ワンスモアを選びました。それでも中学生には難しいかも。
ボーカルのカレン・カーペンターの発音はとてつもなくキレイ。教科書みたいな音声ですから発音の手本としても適しています。
日本育ちの日本人でこのレベルの発音ができる人はほぼ存在しないでしょう。
カレンは悲劇的な形で亡くなってしまったことから切ない響きを感じます。
ちなみにクレヨンしんちゃんの名作映画『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』で出てきた悪役組織の名前はこの曲が由来でしょう。
- 『We Are the Champions』Queen
強気な歌詞で有名な歌。フレディ・マーキュリーの雰囲気がかっこいいです。
二か所だけテンポが速い箇所がありますが、それ以外は歌いやすいと思います。
1980年代の洋楽
- 『Don’t cry』Asia
タイトルどおり、慰めの曲。
やや速いテンポで軽快に歌い上げます。
- 『Open Arms』Journey
男性にとっての恋愛を前向きに歌ったバラード。
どこかで聞いたことがある人も多いのでは。
- 『Almost Paradise』Mike Reno & Ann Wilson
終始スローペースで進むため歌いやすい曲。歌詞もメロディーも簡単で覚えやすいです。
映画『フットルース』、日本のドラマ『金曜日の妻たちへ』などでも使われました。
- 『Every Breath You Take』The Police
使われている英単語は中学レベルのものばかりなのでカラオケでも歌いやすいです。
サビが特徴的でちょっと歌いにくいですが、世界的にも評価の高い曲。
YouTubeでの公式再生回数は8億回近く。さすがに英語圏の名曲は視聴回数が多い。
- 『Hard to say I love you』Chicago
男女間のケンカや約束を遅めのテンポで歌った恋愛ソング。メロディとボーカルの声色が美しいです。
歌詞の英単語や文法は中3レベルという感じ。
- 『I Just Called to Say I Love You』Stevie Wonder
派手さはありませんが心が安らぐ曲。
こういうしみじみとした曲は次世代にも着実に受け入れられるでしょう。
- 『If we hold on together』Diana Ross
黒人女性歌手による歌曲。とても包容力のある優しい声質であり、聴いている側としても心が洗われます。
この曲は、くじけたところから希望を見出す歌詞になっています。
メロディーも曲構成も歌詞も全体的に日本人の琴線に触れるという感じがします。
今、落ち込んでいる人でこの曲を聞いたことがないのならぜひとも一度は聴きましょう。
- 『Right Here Waiting』Richard Marx
しみじみとしたスローテンポの曲。
日本ではそんなに有名ではありませんが個人的には名曲だと思います。
- 『Last Christmas』Wham!
クリスマスの定番曲。
スローテンポで難しい単語もあまりないので歌いやすい曲でもあります。
歌詞はgiveを使った第4文型がカギになっています。
-
参考五文型をわかりやすく解説
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- 『Take My Breath Away』Berlin
映画『トップガン』で流れた名曲。
スローテンポで歌いやすいのですが、歌詞はラブソングですから中学の授業では扱いにくいかも。
まあ恋愛から学ぶ姿勢も必要ですけどね。
- 『Eternal flame』The Bangles
洋楽のガールズバンド系の曲では最高峰ともいえる名曲。ボーカルの女性が年齢の割に美しさを保っていることでも有名。
eternalは永遠を、flameは炎や情熱を意味しますから「永遠の想い」を示した恋愛ソングと解釈するのが妥当。
日本でも未だに結婚式で流れることが多い名曲。
若い女性は好きになるんでないかな。というか若い女性は必ず聴いてみてください。
スローテンポであるため歌いやすいですよ。
1990年代の洋楽【現代の名曲感が強い】
- 『I Will Always Love You』Whitney Houston(カバー)
かなりゆっくりとしたテンポで始まる曲ですが、終盤の盛り上がり方が激しく情熱的。
筆者はカバー曲をあまり好まないのですが、この曲はカバー版の方が完成度が高いでしょう。
『ボディーガード』という映画のヒロインであるホイットニー・ヒューストンが力強く歌っております。
あの力強い声量は黒人ならではの凄さ。惜しい人を早くに亡くしたものです。
- 『Go West』Pet Shop Boys(カバー)
元はアメリカの西部開拓を歌った曲ですが、1990年代にイギリスのPet Shop Boysがカバーして有名になりました。
サッカーのワールドカップによく合います。
最近の日本でもハロプロ系のBEYOOOOONDSが改変?してカバーしました。
- 『All I Want for Christmas Is You』Mariah Carey
現代のクリスマスの定番曲。
クリスマスに恋人を切望する女性の気持ちを歌っています。
スローなテンポで始まったと思ったら速くなり、ベルの音とともに駆け抜けていきます。
今回紹介している楽曲の中では最も歌うのが難しいかも。
- 『A Whole New World』
ディズニーのアニメ映画『アラジン』の主題歌。
男と女がペアになって歌うのがデフォルトになっております。とくにピーボ・ブライソンとレジーナ・ベルによるデュエットは出色の出来映え(上の動画はそれとは違う方々)。
アラビア感とアメリカ感がミックスされた美しい音色と世界観。聴いているだけで心が浄化されるようです。私が最初に聴いたときは感涙して前が見えませんでした。
歌詞はshowやtellを使った第4文型がカギになっています。
- 『Butterfly』Smile.dk
映像を見ても、そしてイントロや歌詞を聴いてもわかるように日本っぽさが随所に表れている曲。
ダンスダンスレボリューションというダンスゲームに採用されたことでも有名です。
- 『Circle Of Life』Carmen Twillie
ディズニーのアニメ映画『ライオンキング』の歌。
壮大な生命の循環を歌っています。
お子様には早すぎる歌詞かもしれませんが『Can You Feel The Love Tonight』というラブソングもいい感じ。
ちなみに『ライオンキング』に出てくる聞きなれない英語ではない言葉は、アフリカ系の言語であるズールー語です。
- 『My heart will go on』Celine Dion
言わずと知れた映画『タイタニック』の主題歌。
全体的にスローテンポであり、歌詞はローズ(主人公の女性)視点のラブソングになっているなど意味がわかりやすいです。
映画『タイタニック』のストーリーは全体的に現在および過去のローズ視点ですすむように、歌のタイトルと歌詞がこのうえなく映画とマッチしています。
この名曲が映画の完成度・魅力を大きく引き上げた感じがします。
何も知らないという方は、まず映画『タイタニック』を鑑賞してローズの気持ちを理解してみましょう。
以下、ちょっとしたネタバレあり。
1998年のアカデミー賞で『タイタニック』は11部門を受賞しましたが、ジャック(ディカプリオ)は男優賞をとれませんでした。
これは『タイタニック』はローズ視点が強いことが一因かなと思っています。
ちなみに英語で船は「彼女(she)」と呼ぶように英語圏では船と女性をむすびつける慣習があります。
番外編:上級者向けの超カッコイイ曲
これまでの曲は「中学生でも歌いやすい」という主旨でしたが、上級者向けも2曲だけ紹介させてください。
- 『Burn』
- 『Highway Star』
Deep Purple(ディープパープル)というロックバンドによる名曲。
かなりカッコイイのですが、日本人が英語で歌うのは難しいです。
それだけに上達の目標とするにはいい曲かも。
まとめ:音楽の型は重要?
邦楽は、嵐の『A・RA・SHI』、高橋洋子さんの『残酷な天使のテーゼ』を聴いてもわかるように、Aメロ・Bメロ(サビ以外の部分)とサビを分ける傾向にあります。これは素人でもすぐにわかります。
一方、洋楽はそのような概念が邦楽よりは薄いです。
- 邦楽のようなAメロ・Bメロ・サビというような型が明確な曲『Daydream Believer』『Eternal flame』『If we hold on together』『I Will Always Love You』『My heart will go on』
- 邦楽のようなAメロ・Bメロ・サビというような型が薄い曲『Hello, Goodbye』『Go West』『All I Want for Christmas Is You』『A whole new world』
今度、洋楽を聴くときはこの違いを考えると面白いはず。
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