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インサイダー取引はなぜ違法なのか

2020年7月13日

効果的な戦略

今回はインサイダー取引はなぜだめなのかをわかりやすく解説します。

これは株式投資をやっていない人、社会人全般に関わることなのでぜひ知っておいてほしいと思います。

インサイダー取引はなぜ違法なのか

そもそもインサイダー取引とは、企業の内部者が立場を利用してその企業の株価を左右するような重要事実を知り、その内部者やそれを聞いた情報受領者が公表前にその銘柄を売買する行為。

内部者(=insider)とは、幹部や従業員全般、退職後間もない者など。

重要事実とは、株式分割、自社株買い、業務提携、業績の上方修正・下方修正、その他株価を大きく左右するニュースなど。

情報受領者とは、内部者の家族や友人、マスコミなど)

日本をはじめとして株式市場がある国ではインサイダー取引はほとんど禁止されているはずです。

要するに、内部関係者や情報受領者として会社の重要な事実を知っている人はその銘柄を売買してはいけないのです。

インサイダーは俗に炭酸と呼ばれるよ。炭酸はサイダーだからね(厳密には和製英語)。

前もってよい情報を知っていると超有利

たとえば今、新興企業A社の株価が1000円であり(100株で10万円)、A社にはよい情報も悪い情報も表に現れていないため株価は1000円付近で横ばい状態になっているとします。

しかし、A社の内部では大企業M社との提携話が進みつつあり、確定間近となっていました。M社との提携が正式に確定して発表されれば、A社の株価が大きく上がることはほぼ間違いありません。

新興企業と大企業の業務提携が確定すると、株価が上がりやすいのは新興企業の方。「新興企業が大企業に認められるなんてスゴイ将来性だ」と見られるからです。

ここで発表後に株価が上がることを見越してA社の従業員であるSさんが1000円のうちに買ったとします。

A社とM社の提携が発表された後、最初についた株価が1500円で、Sさんは1500円で売ったとすれば100株あたり5万円もの利益が出ます。

不公平さとそれに伴う流出防止

株価の動きは複雑なのでSさんが1500円で売った後も株価はさらに上がる可能性もあります。

しかし、インサイダー取引の勝率および利益率はかなり高い一方で、他の大多数の投資家が1500円からの取引で儲かる確率は50%くらいでしょう。

内部関係者が高確率で大勝ちできる一方で、内部関係者ではない投資家が50%くらいの確率でしか勝てないなんて不公平でしかありません。

こういったインサイダー取引を野放しにしておくと、インサイダー以外の投資家(大多数の投資家)はあきれて市場から退出してしまいます。

これではまともに株価が形成できませんので、政府はインサイダーを規制して株式市場全体に信用をもたせようとするのです。

不動産取引にインサイダー規制はない

ここで重要なのは不動産取引にはインサイダー規制はないということです。

なぜ、こんな違いが出るのかといえば上場企業の目的・道義と株式市場の広さに原因があると考えられます。

そもそも企業が上場するのは市場から資金を調達したり(=社外の人に自社の株を買ってもらう)、自社の知名度をよい意味で上げたりするためです。

にもかかわらず内部関係者が不公平なインサイダー情報をもとに大勝ちしたら、上場企業としての体をなしていません。

上場企業がやるべきことは内部関係者を高確率で勝たせることでなく、外部の人(とくに株主)に向けて業績を上げつつ株式の価値を上げることなのでインサイダー取引はその道義から外れています。

インサイダー取引が影響する範囲は広い

基本的にインサイダー取引は本人の金銭問題だけにとどまりません。

もし上場企業の役員が自社株についてインサイダー取引を行ったことが明るみになれば、その会社全体のイメージや信用を損なうからです。

株式市場という不特定多数者が利用する領域で犯した罪は、周囲の人も巻き込んでしまうのです。

インサイダーをはじめとした株式市場での不正行為はだれにでも通報できます。

まとめ

各国の株式市場は不特定多数の人が利用するため、できるだけ公正な取引と価格形成がめざされます。

自分だけの空間ではわがままは許されるとしても、やはり不特定多数の人が利用する領域での不正は咎められるというのが社会の原則です。

不動産は不動産会社と地権者と購入者と周辺住民くらいにしか影響を及ぼさないローカルな取引ですが、株式市場はボーダーレスな広い市場であるため、より大きな公平性が求められるのかもしれません。

一昔前はどこの国でもインサイダー取引がありふれていたといわれます。

しかし、グローバル化やインターネットの発達、そして法意識の高まりとともにインサイダー取引の規制に対する感度も上がりました。

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