テニス

日本のテニスは弱い?【公平に分析しました】

2020年11月6日

テニス競技場と子ども

日本はテニスが弱い」という評価を聞くことがあります。

しかし、それは半分間違いで半分あたってると思います。

どういうことかわかりやすく解説いたします。

日本のテニスは弱い?

まずは男子テニスの国別対抗戦(1チーム5名の団体戦)であるデビスカップの近年の成績を参考に日本の強さを測ってみます。

デビスカップのファイナルズ(最上位グループ)は世界の上位18カ国が参加でき、日本はその中に入っています。

日本はファイナルズの決勝トーナメント8チームに入ることはできていませんが、その予選ラウンドには入ることができています。

すなわち日本の男子テニスの国別の強さは世界9位~18位くらいだということ。

国別の総合力でいうとスペインのようなテニス大国よりは弱いですが、その他大勢の国よりは強いのです。

日本の女子テニスは大坂なおみ選手の実力がずば抜けていますが、日本女子としての総合的な実力は世界で10番目前後という感じです。

要するに日本はテニスが強いとも弱いともいえる立場にあるのです。

日本はテニスが弱いと感じてしまう原因

日本はテニスがそこそこ強いにもかかわらず弱いと感じてしまう原因は、日本の男子選手は四大大会のシングルス決勝に進出することがほとんどできていないからでしょう。

四大大会はメディアへの露出度も別格ですから、テニスにあまり興味のない人がスポーツニュースでテニスを見るのは四大大会のときくらいです。

そのため日本の男子選手が四大大会のシングルス決勝に進出できていないと日本人は弱いと思ってしまうのです。

しかし、四大大会のシングルスの決勝に進めるのは世界上位128人の本戦出場選手のうちたった2人だけ。

四大大会の出場選手は世界ランキング上位約100人、予選の勝ち上がり16人、主催者推薦数名という内訳。

四大大会の本戦に出られるだけでも結構すごいのです。

ここ10年くらいの日本人の四大大会出場選手は錦織選手以外にも四大大会のたびに1~3名くらいいますから、日本はその他大勢の国よりは強いといえます。

その他大勢の国よりは強い理由

次に日本のテニスがその他大勢の国よりは強い理由を示します。

まずさきほどのデビスカップで日本より上位の顔ぶれを見ると、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、カナダ、イタリア、オーストラリアといった先進国である場合が多いです(年度によって多少は違います)。

最も安定して強く選手層が厚いのはスペインですが、スペインは先進国とはちょっといえません。

テニスの有力な大会が開かれるのもそういった先進国と中国ばかり。

そもそもテニスは用具やコート、スクール代金にお金がかかるスポーツですし、教わる際はコーチがいた方が効率的です。

さらに有力な選手が集まるトーナメントの報酬には結構なお金が必要です。

経済力の高い先進国は日本も含めてテニスの環境や人材が整っているため実力も上位にきやすいのです。

まあセルビアという例外もありますが。

セルビアは人口約700万人くらいであり経済力は高くありませんが、球技が全般的に強いです。

これは、1990年代の内戦経験に対する反骨心、体格のよさ、地続きで他のヨーロッパ各国に修行に行きやすいことなどが原因でしょう。

日本の車椅子テニス

日本をはじめとして車椅子テニスは先進国の選手ばかりが強いのも、障害者が車椅子テニスを競技にできる環境や障害者の人権が整っているのは先進国ばかりだからです。

日本の国枝慎吾選手や上地結衣選手は車椅子テニスの中では世界トップクラスの選手ですから、ご存じない方はぜひ見てください。

女子サッカーもそれと同じようなもの。世界上位は先進国ばかり(例外あり)。途上国の女性はスポーツをプロレベルでやりにくいのです。

日本がテニス大国より弱い理由

次に日本がスペインみたいなテニス大国よりテニスが弱い理由を示します。

それは以下のとおり。

  • 体格が劣っている
  • テニスを始める時期が遅い
  • 有力な人材が野球やサッカーに流れている
  • 諸外国の選手が集まって競う環境になっていない
  • リスクを背負ってまで海外に行きたがらない
  • 砂入り人工芝のテニスコートはよくない
  • ソフトテニスの存在

まず体格に関してテニスにおける理想の身長は185cm~190cmくらいだといわれております。あのフェデラーやナダルもこれくらいの身長です。

身長が高いほど速くて角度のあるサーブが打てますし遠くのボールにも手が届くからです。

ただし、背が高すぎると足元のボールが取りにくくなったり足を故障しやすくなったりするため、185cm~190cmくらいがベストだという説が有力です。

日本の成人男子の平均身長は170cmくらいですから身長面で日本人はやや不利です。

日本の錦織選手は身長178cmであるため「もう少し身長があれば」と思ったこともあるそう。

テニスを始める時期が遅い:有力な人材が野球やサッカーに流れている

それから日本でテニスは幼い段階では始めにくいです。

幼稚園児~小学生の年齢で遊ぶ球技やスポーツ少年団として活動する競技といえばサッカーか野球かドッジボールかバスケが多く、テニスは親がやっていないと始めづらいからです。小学生の体育の授業でもテニスはやらないでしょう。

小学生の体育の授業でテニスがないのは公立校にはテニスコートがないうえに、未経験の小学生がテニスを楽しむのは難しいから。テニピンという簡易テニスはありますが。

そのため運動神経のよい子どもは何かとキッカケの多いサッカーか野球かバスケの道にすすむ場合が多いはず。

したがって、日本人がテニスを始めるのは中学~大学あたりが多いわけですが、これでは一流のテニス選手をめざすには遅いと言わざるを得ません。

世界のトップクラスのテニス選手は6歳くらいにテニスを始めた人が多いため、日本も強くなるには幼い段階から多くの子どもたちが始められる環境が必要です。

海外のテニス選手は15歳くらいまではさまざまな競技を掛け持ちして、その後1本に絞ったというパターンが多い。

諸外国の選手が集まって競う環境になっていない

さきほど日本のテニスレベルは世界9位~18位だとお伝えしましたが、それは国ごとの大まかなランキングにすぎません。

テニスは団体戦よりも個人戦が重視される個人競技ですから、個人として強くなりたいのなら強豪国に修行に行く必要があります。

現代ではアメリカとスペインが若手にとってテニスの二大修行国という感じで世界中から人材が集まって競争しています。

アメリカのテニス競技はアメリカ人だけでなく世界中から人が集まるところに特徴があります。日本の錦織選手と西岡選手と大坂選手もそうでした。

日本にも世界中から若いテニス人材が集まればいいのですが、日本は欧米から遠いこともあってそういう環境には向いていません。

日本の女子選手は日本の男子選手と戦っているだけでもよい練習になりますが、四大大会制覇をめざすような男子選手にとって日本の競技環境はぬるいでしょう。

リスクを背負ってまで海外に行きたがらない

日本にはそれなりに上手い選手はたくさんいます。ここで言うそれなりに上手い選手とは全日本選手権の予選~本戦レベルくらい。

でも、四大大会で錦織選手や大坂選手のように活躍するにはぶっ飛んだ強さが必要です。

これを身につけるにはアメリカやスペインなどで修行を積まないとほぼ不可能だと思います。

日本でそれなりに上手い選手は、全中出場⇒インターハイ常連高校⇒有名私立大学のテニス部にスポーツ推薦⇒大企業の実業団、というような安全牌ルートをとりがちです。

これとは対照的に錦織選手は中学生の時点で渡米するというリスクを背負ました。四大大会で活躍するにはそれくらいのリスクや度胸がないと難しいのでしょう。

砂入り人工芝のテニスコートは競技向けではない

また、日本の公営コートに多い砂入り人工芝のテニスコートは競技レベルのプレイヤーの育成に向いていないとよくいわれます。

ATPやWTAの大会では砂入り人工芝コートを使うことが認められていないからです。

日本に砂入り人工芝コートが多いのは水はけがよくて雨上がり後は少しの待ち時間で使える、メンテナンスが楽、さらに足腰への負担がハードコートよりはマシだといった理由です。

しかし、砂入り人工芝のテニスコートがあるのは日本とオーストラリアの一部くらいです。さらに砂入り人工芝コートは滑りやすくバウンドがかなり低くなるため、プロレベルのプレイヤーにとっては避けるべきコートだといえます。

プロの主戦場はハードコートやクレーコートでありここではバウンドが高くなるため、砂入り人工芝の低い打球にばかり慣れると海外で通用しなくなってしまうのです。

ソフトテニスの存在をどう考えるべきか

最後はソフトテニスの存在について。

日本のテニス界の人材は硬式と軟式に分け隔てられているため、それが硬式として一本化できれば強くなるという説があります。

テニスにおける軟式と硬式の違いは、野球における軟式と硬式の違いよりも大きいです。軟式出身のプロ野球選手はたくさんいますが、軟式出身の硬式プロテニスプレイヤーはほとんどいませんからね。

とくに中学の部活は硬式テニス部よりもソフトテニス部が優勢だったのですが、最近では硬式テニス部が盛り返しつつあります。

まとめ

現代の日本のテニス界は強いとも弱いともいえます。

これまで述べてきた点を改善すればもっと上に行くこともできるでしょう。そうすれば「日本はテニスが強い」という評価に定まります。

日本のテニス界の飛躍を大いに期待します。

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