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社会・教育

将棋とサッカーの共通点

2020年7月23日

将棋とサッカーは似ているところ・共通点があるといわれます。

今回はこちらを、将棋とサッカーの両方について競技レベルでの経験者である私がわかりやすく解説いたします。

なお大前提として、将棋の駒の動き方は知っておくことをおすすめします。

将棋とサッカーの共通点

まずは将棋とサッカーの共通点から見ていきましょう。

それは以下のとおり。

それぞれの駒と選手には役割や得意な動き方がある

サッカーにおけるポジションごとの基本的な役割は、ゴールキーパーとディフェンダーは守備、フォワードは攻撃、ミッドフィルダーは攻守両方となっています。

将棋では飛車・角・片方の銀・片方の桂は攻撃用として使い、残りの駒を守備にあてるパターンが多いです。

飛車や角を守りに使う方法もありますが、とくに飛車は攻めに向いた駒ですから攻めに使う人が大半を占めます。

それらはあくまで基本であって応用もたくさんある。
飛車や角は攻防手として攻めと守りを同時に担わせることもできる♪

各々の駒や選手は長所を生かして連携させた方が全体的に強くなる

将棋には↓のように美濃囲いという守り方があります。

美濃囲い

美濃囲いは、銀は斜め後ろには行けますが真後ろや真横には行けない、さらに金は斜め後ろには行けないということを補い合った超基本的な守り方です。

一方、サッカーは守備でも攻撃でも選手と選手がうまく連携しあうと一人で動いたときよりも強さが上がります。

たとえば、背が高くて1VS1が強い選手にはセンターバック(=守備陣の真ん中)を担わせる場合が多いです。

そして背は高くないけれどもすばしっこい選手にはサイドバック(=センターバックの横の守備的ポジション)で攻守にわたって機敏な動きをしてもらうとか。

将棋もサッカーも個々の特性を活かして連携させるとチームとしての強さが上がるのです。

逆にいうと変な連携をすると弱くなるわけか。

戦法には攻撃重視と守備重視があり相手によって使い分けること

守備重視の戦法においては味方陣地をガチガチに固めてから、相手の隙を狙って一気に攻めるというやり方が有名です。

こういう戦法はサッカーではカウンター、将棋では穴熊と呼ばれます。

ただし、いつも穴熊ばかりを使っていると相手に対策されてしまいますので、使う相手によって変えるのが普通です。

サッカーだと主力選手がケガや疲れで欠場している場合、いつもとは違う布陣・戦法を使ったりします。

相手の次の動きを予測すること

サッカーボールは人間が走るよりもかなり速く動くことができます。

プロの最高レベルのシュートだとボールは100km/h以上で動きますが、人間の走る最高速度は世界記録のときのウサイン・ボルト氏でさえ37.5km/h程度。

それゆえ、相手の次の動きを予測していないと一気にボールを前線まで運ばれて得点を決められてしまいます。したがって、相手の動きを予測することが重要です。

一方、将棋では読み(予測)に応じて自分の指し方を決めます。

まあ相手の動きが読めたとしても、こちらがそれに応じた手を繰り出せなければ意味がありませんが。

味方陣地を守りつつ相手陣地に攻め込むこと

将棋は相手の王様を先に追い詰めた方が勝ちですから、駒はその目標に向かって動かします。

言い換えると、先に自分の王様が追いつめられると負けなのです。

ということは、自分が攻撃しているときは守りのことも考える必要があります。

一方、サッカーもゴールという目標をめざしてチーム一体で戦う競技ですが、守りのことも考えなければなりません。

実際、攻撃一辺倒で気持ちよく攻めていたら、守備陣にスキが生じて一気に攻め込まれるなんてことがあります。

そのため、強いチームは攻守両方に気を使うのが普通です。

2018年ワールドカップのベルギー戦の負け越し点は本田選手のコーナーキックがキャッチされたところからのカウンターだったな。
あのカウンターは敵ながらアッパレだった。

サッカーも将棋も遠くからの飛び道具がある

将棋の歩兵は一歩前ずつしか進むことができませんが、飛・角・桂・香はもっと大きな動き方ができます。

そのため、飛・角・桂・香を組み合わせれば遠くから相手を負かすこともできます。

サッカーでも基本はペナルティーエリア付近にまでボールを運ぶことですが、後方からロングシュートを狙うこともたまにはありです。

相手から戦力を奪うことができる

プロレベルのサッカーだと他チームから有力選手を引き抜くことは日常茶飯事です。

学生レベルのサッカーでも引き抜きやスカウトの類はぼちぼちあります。

一方、将棋では対局中に相手の駒をとって自軍の戦力として使うことができます。

試合や対局の途中で戦力を投入して流れを変えることができる

サッカーは1チーム11人でやるものですが選手交代ができます。

後半になると勝勢のチームは守備固め、あるいは劣勢のチームは攻撃選手の枚数を増やして得点をとろうとしてきます。

一方、将棋においては自軍20枚VS敵軍20枚で始まりますが、相手の駒をとれるため自軍・敵軍の駒数は変わります。

そして敵からとった駒を使って流れを変えます。

プロレベルではリーグ制覇にこそ権威がある

各国のプロサッカーでは天皇杯のようなトーナメント戦と、J1のようなリーグ戦とがあります。

双方を比較すると権威があるのはリーグ戦です。

トーナメント戦は強いチーム同士が決勝までにつぶしあうなんてことがありますが、リーグ戦はホームアンドアウェイの総当たり戦であり試合数が多いため真の強者がわかるから。

将棋でもこれに近い発想があって、竜王戦みたいなトーナメント戦よりも名人戦・順位戦のようなリーグ戦のチャンピオンの方が権威があります。

いる位置によって強さが変わる

たとえば、サッカーのゴールキーパーは自陣のペナルティーエリア内では手を使うことができます。

手を使ってはいけないルールがある中で手を使うことができるゴールキーパーは自分のペナルティーエリアの中では特権的な存在です。

そのうえ、ゴールキーパーはフィールドの最後方から(見晴らしのよいところから)試合を見渡しています。

そのため、守備陣は味方ゴールキーパーがいうことに従うのが普通です。

しかし、ゴールキーパーはペナルティーエリア外では手を使ってはいけませんから、強さが変わるといえます。

たまにキーパーが攻撃参加するチームがあるけど、それはかなりリスクが高い行為。
終盤で負けているチームのキーパーが最後の賭けで上がるのはいいと思うけど、そうでないときに上がる選手もいるんだよね。

ほかにもサッカーでは右サイドでは強いけれども左サイドでは弱いという選手がいたりします。これは利き足の問題だったりします。

なお将棋の駒は敵陣に入ると強さが上がるタイプが多いです。たとえば、飛車は相手陣地に入ると竜王に成ることができます。

竜王は最強クラスの強さを誇るカッコイイ駒です。

将棋の飛車や角は攻防手といって攻撃と防御を同時に働かせることができるよ。これはサッカーでいうセンターハーフ(ミッドフィルダーの真ん中で攻守を担う)みたいなポジンションか。

参考:将棋とスポーツ全般の共通点

  • とくにプロは勝つことにこだわる
  • 事前に相手を研究する
  • 試合・対局当日はベストコンディションで戦えるようにする
  • 試合中・対局中は相手の弱点・苦手なところを狙う

将棋とサッカーで異なる点

最後に将棋とサッカーで異なる点を見ていきましょう。

  • プロレベルの将棋の持ち時間は棋戦によってさまざまだが、サッカーはプロレベルだと世界共通で90分と決まっている
  • 将棋の盤や駒が古い安物でも新しい高級品でもプレイヤーの強さは変わらないが、サッカー選手が古くて安いスパイクを履いたら強さは下がる
  • 将棋の対局中はほぼ無言だが(第三者による助言も禁止)、サッカーの試合中は選手も監督もサポーターも声を出しまくる
  • 将棋に審判はおらず(プロだと立会人や記録員はいる)その反則は機械的にとられるが、サッカーには審判が複数おり反則は審判の判断にゆだねられる
  • 将棋の反則は即負け確定だが、サッカーの反則は最悪でも退場になるだけ(まれに没収試合もある)
  • プロ棋士でいられるかは成績に左右されるが(成績が悪いと機械的に強制引退)、サッカー選手は客寄せパンダという道もある
  • 将棋では勝勢でも勝ちが決まっても喜びの感情を表にあまり出さないのがマナーだが、サッカー選手は得点を入れた時点で大喜びの感情を全身で表す
  • 将棋は終盤で大差がついていたとしても間違った手を指すと一気に逆転負けしてしまうが、サッカーの終盤における大差はほとんど覆らない
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参考将棋に人気がある8つの理由

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