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社会・教育

将棋に人気がある8つの理由

2020年7月23日

私は将棋の腕前がアマチュア初段です。

正確にいうと免状を申請すればアマ初段の免状がもらえるというだけで、免状は手元にありません。

そんな弱小プレイヤーではございますが、将棋はかなり好きです。

そこで今回は将棋の人気の理由を語ります。

将棋は肉体的な制約がないから人気がある

昔、私が高校の体育の授業でサッカーをやっていたところ、体育の教師は「サッカーは男女混合で真剣勝負をするのは危ない」といっていました。

サッカーは相手と体がぶつかるうえに、ボールを蹴ったり(不意に相手の足を蹴飛ばしてしまう場合もある)足元へのスライディングがありますから、相手と大きな実力差・体格差がある場合、本気の勝負は無理があるのです。

この点、将棋は年代や性別を問わず真剣勝負として2人で楽しむことができます。

もし将棋でプロ棋士にボコボコに負かされたとしてもとくに身体に害はないように、将棋は大きな実力差があっても問題ないのです。

社会人になると球技の団体人数をそろえるのは面倒だけど、2人からできるならお手軽♪
達人になれば将棋盤は必要なく脳内ですすめることもできるよ。

そのうえ将棋盤と駒は一度買えばその後はずっと無料ですから、子どもとて金銭を気にせず遊び続けられます。

それはコミュニケーション力や集中力・思考力を身につける場としても機能するでしょう。

年齢差といえば、小学生のころの渡辺明永世竜王は羽生永世七冠と対局していて、その10数年後に両者は竜王戦で激闘を繰り広げたよね。
スポーツでそれくらい年齢が離れていると子どもがプロになったころには相手は引退する年齢になるけど、将棋では同レベルの対局が可能。

相手を戦略的に追い詰めるのが楽しい

将棋は、王将(玉将)、飛車、角行、金将、銀将、桂馬、香車、歩兵というそれぞれ役割の異なる駒があります。

それらは王将と金将以外、敵陣に入ると成ることができます。成るとは駒の昇進(プロモーション)であり、基本的には強さが上がります。

銀、香、桂馬はわざと成らずを選んだ方がいい場合もかなりあります。

さらに結構レアなパターンですが、打ち歩詰めを防ぐためには飛車と角は成らずを選ぶべきときもあります。

また将棋は相手の駒をとったら、自分の駒として使うことができます。これはチェスとは対照的な違いです。

GHQが日本を統治していた時代、GHQから「将棋は敵を捕虜にする残虐なゲーム」といわれた。しかし、故・升田幸三実力制第四代名人は「将棋の捕虜は敵を捕まえても殺さずに味方として役立たせるから人道的」と反論したらしい。
そういうウンチクも面白い。

以上のような成り駒と持ち駒も使って、相手の動きを予想し自分の王将を守りつつ、先に相手の王将を詰ますことが最終目標です。

自軍の駒について王(玉)以外の駒が多くとられたとしても、こちらが先に相手の王将を追い詰めることができたら勝ちなのです。

そのため、普段は弱い駒が大活躍したり、敗勢に見えた側が相手のミスで大逆転なんてこともありえます。

そこでは先人が知恵をもって考え抜いた戦法と定跡を使うことが基本であり、日本の歴史の重みも感じるところです。

アマチュアでもプロでも好きな駒は人によって異なるし、攻め好きもいれば受け将棋の人もいる。だから、盤上では性格の違いも表れて楽しい。
成り駒も含めると駒の役割が多様なだけに戦略の選択が面白い。
ビジネスマンの中にも将棋の戦略思考は実際のビジネスにも役立つと考える人がかなりいるよ。

コネが利かない実力主義の世界

さて、将棋と同じ日本の伝統文化である二科展や院展といった美術展はコネのうわさが絶えません。実際、KTの妻であるKSは何回も連続して入選しているなど、どう見ても不自然です。

プロスポーツでも実力はアマチュアレベルなのに監督に好かれていたり経営陣から客寄せパンダとしての価値があるとプロ契約を維持できたりします。

この点、将棋の勝敗はコネなんぞ全くなく実力主義でスッキリしています。

将棋界では負けが込むと強制引退になる点は実力主義的。だから60代以上で残っている棋士はスゴイ。

将棋は対局時の上座と下座、昼食時の料理注文の値段、師弟・同門といった上下関係にうるさいですが、対局中は本気で相手を倒そうとします。

そこでは玉(王将)が詰んだか、あるいは敗勢側が負けを宣言するかで勝敗がハッキリと決まります。

他に反則負けもありますが、プロレベルではめったにありません。

将棋は実力主義で相手の王を先に追い詰めた方が勝ちですから、プロでもアマでも対局中は相手の急所(弱点)ばかりを狙うことが普通です。

相手の弱点を突くことは意地悪だとかいう指摘もある。でも、それは自分の弱点を的確に見極めて突いてくるほど相手が有能ともいえる。そういう人は尊敬に値すると考えるべき。
羽生永世七冠や藤井二冠に平手でボコボコに負かされてみたいって思うアマチュアは多いだろうね。
それは格闘技でいうと、自分の好きな格闘家からならビンタされても嬉しいっていうのと同じような感覚かな。

81マスの盤上から広がる無限の変化が楽しい

将棋の対局

将棋はプロもアマも最初は同じ陣型から始まりますが、そこから数十手もすすむと違う局面になるのが普通です。

定跡といって特定の型に沿った指し方もあるのですが、それは序盤が中心です。

中盤からは、ある局面では実質的には4択、次の局面では5択が迫られるなど枝分かれの選択肢を積み重ねていくと各自が違う局面に至るのです。

そこでは未だに必勝法が解明されていませんし、今後も必勝法は解明できないといわれています。

将棋は、将棋盤の9マス×9マス=81マスからの無限の変化が大きな魅力となっているのです。

将棋の源流はインドのボードゲームであるチャトランガといわれます。

将棋で頼れるのは自分だけ:非裁量的なルール適用

さて、このページをご覧になっているあなたは野球のルールをご存知でしょうか。

野球というのは各ベースに審判がいて、その人が中心となってアウトかセーフを判定します。

で、スロー再生のビデオ判定ならほぼ正確でしょうが、アマチュアレベルのジャッジだと首を傾げたくなるケースもかなりあります。

また、スポーツではそれなりの道具をそろえないと戦う前から相手に負けているようなものですし、試合の最中は監督からアドバイスをもとめます。

選手起用とて選手本人が決めるのではなく他人である監督やコーチの専権事項です。

この点、将棋の対局中は第三者がジャッジをするということがほとんどありません。

例外的に第三者がジャッジをすることがあるとすれば、不正行為を疑われた人がいて、その人が本当に不正行為をしたのか検討するときなど、かなり場面は限られています。

もちろん、真剣勝負としての将棋の対局中は助言の類やソフトの使用が厳禁ですから、頼れるのは己の力のみです。

また、将棋の対局に使う駒と盤は高級品でも安物でも棋力には直接の関係はありません。

つまり、スポーツだと審判や監督、そして道具や自然条件が勝敗を左右する部分もあるのですが、将棋の対局中で頼れるのは己の頭脳だけなのです。

将棋は対局している2人が盤面を見つめていて、それがたがいに不正防止として機能している。不正のうち発見しにくいとすれば、トイレなどを利用してのソフト指しくらいか。
最近では強くなるための練習中は将棋ソフトが必須という声が多い模様。もちろん、対局中は使用禁止だけど。

運はほとんど関係ない

同じ発想で将棋の勝敗に運はほとんど関係ありません。

運が絡むとしたら先手・後手を決める際の振り駒くらいのものです。

将棋はわずかに先手が有利。先手の方が自分の得意な形に誘導しやすいから。

球技のアウトインは自然現象に左右される面もありますが、将棋の勝敗に運はほとんど関係ありません。

履歴書に書きやすい趣味

それから、将棋という趣味は就活の履歴書に書きやすい趣味としても人気があります。

将棋は戦略や大局観を考える知的ゲームというイメージが強いため、よい印象を受ける面接官は多いはずです。

強い人なら入社後も接待将棋を頼まれるかもしれません。

将棋は他人とかかわるうえでも役立つゲームなのです。

将棋ウォーズなら一局は短くて5分、長くて20分で終わる。これは通勤時間や会社の休み時間にやるにはちょうどいい長さ♪

見ているだけでも楽しい

ここまでの魅力は自分がプレイヤーとなって実際に将棋の対局をするという視点から述べてきました。

しかし、将棋は他人(とくにうまい人)が対局しているのを見るのも楽しいです。

幸いにも日本のプロ棋士は個性が豊かであり、テレビやネットでの中継では解説や小話を展開してくれますから楽しいです。

以下はプロ棋士の個性の例:

  • 寝ぐせがついたまま
  • ネクタイが異様に長い
  • 大食い(対局途中の食事は食べ過ぎると眠くなるため食べ過ぎないのが定跡)
  • ボートレースや麻雀もたしなむ
  • 解説でダジャレを連発する
  • 解説でカツラをとる

また名人戦・順位戦は1年間にわたるリーグ戦、竜王戦はアマチュアも参加できる変則トーナメント、叡王戦予選は持ち時間が短めの段位別トーナメントというように棋戦にも個性があります。

ホテルや高級レストランが提供する食事やおやつにも注目。
大手コンビニがスイーツや飲み物を提供して話題になった棋戦もあったね。

そして、対局の最終盤で負けを覚悟した棋士が悔しさを噛み殺しながら「負けました」と述べるシーンでさえも注目に値します。

将棋は相手に大差の形勢を築いていたとしても、下手な手を一つでも指すと頓死(急死)してしまう場合があるね。
そういう大逆転現象は武道の一本負けに近いものがある。だから将棋の中盤から終盤の一手一手には緊張感がある。
「負けました」とか「まいりました」とか「(指し手が)ありません」という形で自分の負けを宣言する対戦モノって将棋や囲碁みたいなボードゲームに特有で面白い。スポーツだとまず見ない光景。
だから、子どもは負けたときに泣いてしまうことも多い。こういう悔しさは成長にとって悪くないはず。

まとめ

以上がアマ初段程度の私が思う将棋の人気の理由でした。

教育の現場でもっと広まるといいなぁ。

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