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社会・教育

オンラインサロンとは?【宗教的な搾取じゃん】

2021年2月19日

サロンとは特定の人たちだけで行われる集会のこと。

もともとサロンは近世のヨーロッパで貴族や学者が主催する形で行われていました。サロンの本来の意味は「応接室」ですし。

転じてオンラインサロンとは、そのインターネット版の集まりみたいなもの。オフ会もあります。

本来インターネットはオープンな空間ですが、オンラインサロンに参加するには月額料金を支払わなければならない場合が多く、内容の口外も制限されている場合があります。

その意味ではオンラインサロンは閉鎖的な空間だといえます。

今回はオンラインサロンの定義に加えて宗教臭い性質と宗教との違いについて述べてまいります。

すべてのオンラインサロンが宗教臭いわけではありません。普通のオンライン教室もあります。

オンラインサロンの宗教性を知る前の基本

オンラインサロンの月額課金は1000~10000円くらい。スマホ料金に近い価格帯です。

例外としてデヴィ夫人のオンラインサロンのインペリアルメンバーになるには1ヶ月につき5万円も必要ですが…、まあ好きな人はどうぞ入って経済を回してください。

ちなみにジャニーズのファンクラブの年会費は4000円です。

アイドルのファンクラブは一方的に情報を受け取るだけなど受動的ですが、オンラインサロンのコミュニケーションは双方向な傾向があります。オンラインサロンで会員は感想の投稿や主宰者(主)に対する質問ができるからです。

オンラインサロンの主宰者はブロガー、実業家、YouTuber、芸能人、アスリートなど。

オンラインサロンの内容

オンラインサロンで行う内容は以下のとおり。

  • 主宰者によるブログ記事や動画を通じた情報発信(会員はノウハウを吸収)
  • サロン限定商品の販売
  • 主宰者は会員の作品や事業を批評
  • 主宰者と相談
  • リアルでのイベント開催
  • 主宰者や会員が何らかの事業を運営

ネット環境であることを活かした内容が多いといえます。

リアルでのイベント開催は大都市が多いとはいえ、これなら地方民や外国居住者も参加できます。

会員(信者)の目的

オンラインサロンに所属していると会員は、

  • オレもすごい
  • オレは主宰者の考え方を理解できる希少な人材(世間一般では少数派かも)
  • オレも将来、主宰者みたいになれる
  • お金を払ってまで手に入れた情報は素晴らしいに違いない
  • まだ実績は出せないけど意識は上がっている
  • 意識の高い自分が好き
  • 主宰者は苦境に陥っているオレを救ってくれる
  • 主宰者の夢を応援できる
  • 主宰者と直接会えるかも

という満足感・帰属意識で満たされます。これが会員の目的でございます。

YouTubeのチャンネル登録やTwitterのフォローはだれでも無料でできますが、オンラインサロンは有料かつ閉鎖的な環境だけに特別感があります。

Twitterのプロフィール欄にも自分が所属しているオンラインサロン名を明記している一般人は結構いるように会員はサロンへの帰属意識が強いのでしょう。

プロフィールに記したサロンが素晴らしいのならいいのですが、詐欺めいたサロンを掲げているのはどうかと思います。

会員の目的は、たとえばブログ運営を教えてくれるオンラインサロンだと「主宰者のノウハウ吸収」が大きいですが、有名人のオンラインサロンだと「主宰者の夢応援」「主宰者と直接会えるかも」が大きいです。後者のタイプの方が宗教性は強いです。

若者の宗教団体加入は減っているが

毎年春になると大学1年生は新興の宗教団体から勧誘されやすいです。

大学1年生は洗脳しやすいから狙われやすい。

しかし、現代の先進国では宗教に入る若者は減少傾向にあります。

若者の一部はオンラインサロンの主宰者や人気YouTuberのファンになっているからです。それは「若者のテレビ離れ」とも一体の現象。

宗教よりはオンラインサロンの方がまだ現実的に感じられるため、若者はオンラインサロンに入るのかもしれません。

オンラインサロンは宗教という名の搾取装置?

ここであなたは、さきほどの箇条書きや、一部の人間がオンラインサロンの会員になっていることは「宗教と似ている」と思ったはずです。

そこでここから先はオンラインサロンの宗教性について述べます。

オンラインサロンの宗教性

  • 教祖は当初、純粋な想いを伝えたがるが次第に金儲けの色彩が強まること
  • オンラインサロンは最初、無料や低料金の期間があってその後は有料・高額料金が迫られる
  • サロン内は主宰者のイエスマンばかり
  • 主宰者の洗脳にもとづく修業
  • 尊敬する主宰者のもとでのタダ働き
  • 投げ銭はお布施みたいなもの
  • よい評判をあちこちで広めつつ新規入信者を勧誘
  • サロン内で高い実績を達成するとランクが上がること
  • 非信者には理解できない商品がサロン内では売れていること
  • 見返りが教えや体験など無形のものであるため虚業感が強い
  • 人気のサロンや宗教は魅力的なストーリーをもっている(現代ではそれをアニメ化して洗脳ツールとして使う)
  • 事業が軌道に乗ると男性教祖は女性や子どもに手を出す(教祖は男性が多い)
  • サロン内の規定は主宰者の裁量に大きく左右される(宗教も教祖の裁量次第)

そもそも宗教とは「人間にとって超越的な存在を信じて崇める営み」を意味します。さらに多くの宗教では「信じる者は救われる」とされます。それは現代人ももっている普遍的かつ純粋な想いであり宗教の原点です。

しかし、たとえば中世の西欧においてキリスト教の信者は教会にお金を寄付していました。信者が宗教団体にお金を寄付する行為はキリスト教の原点からは外れています。

聖書に「教会にお金を寄付した者は救われる」なんていう記述はありませんからね。

中世のキリスト教徒による寄付の動機はいくつもありますが、とくに大きかったのは疫病や飢饉、戦争といった社会不安から自分を救ってほしいというもの。

一神教を信じたがらない現代の日本人とて困ったときには神頼みを行うように、人間は不安を煽られるとお金を払ってまでも宗教に頼りたくなってしまうのです。

宗教団体の幹部も最初は純粋な想いで「この素晴らしい宗教を広めたい」と活動していますが、信者が洗脳されて宗教団体にとって都合がいいように動いてくれるようになると集金装置としての性格を強めてしまいます。

労せずしてお金が流れてくると当初の純粋な想いは消えてしまうのです。実際、キリスト教の歴史でも聖職者の堕落はかなり批判されてきました。

現代日本の新興宗教・カルトでも同じようなパターンは結構あります。宗教関係の税制は優遇されていますし。

「儲かる」の「儲」という漢字は分解すると「信者」なんだよな。よくできている。

オンラインサロンの宗教性

宗教のそういった性質や歴史は現代のオンラインサロンと合致するところがかなりあります。

そもそもオンラインサロンの会員にとっても主宰者はすごく尊敬できる存在です。主宰者は会員にとっては教祖といえるほどのカリスマ性があります。

オンラインサロンの主宰者は自らの成功体験や将来の夢を自信満々で話すため、迷える子羊(会員)としては「この人なら私を導いてくれる」と信じてしまいます。

現代はよくも悪くも情報量が多いですから、自信ありげな言葉で自分を力強く導いてくれる主宰者は頼もしく見えるのです。とくに人気のお笑い芸人や成功した起業家はしゃべりがとてもうまいです。

実際のところはブックオフで数百円の中古本を買って読んだ方が学習コスパはいいのですが、そういう正論を言っても洗脳された会員はなかなか目覚めてくれません。

とくに人気の宗教やオンラインサロンだと主宰者の夢やこれまでの苦労をアニメ化して洗脳してきます。人は小難しい理屈よりも魅力的なストーリーに洗脳されやすいからです。

オンラインサロンの主流の月額料金は数千円。

消費者としては数千円を毎月支払うよりも、書籍にノウハウを凝縮してもらって1000~2000円くらいで売り出してもらうほうがよっぽどコスパはいいんですよね。

でも、これだと有能な作家以外はすぐにネタ切れになってしまいますから、オンラインサロンの主はネタを小出しにしていって期待感を持続させようとするわけ。

胡散臭いオンラインサロンの特徴

知名度の高いオンラインサロンで会員は、主宰者が手抜きでも単にサロンの会員というだけで満足感をもっています。

  • 主宰者の個展の撤収を手伝う権利を5万円で売る(教祖は不参加)。
  • 主宰者を休ませる権利を10万円で売る
  • 主宰者の活動を1日やめさせる権利を10万円で売る(アンチ限定)
  • 主宰者があなたを意識する権利を1万円で売る(123件販売)

上の箇条書きは某オンラインサロンやクラウドファンディングでの商品の販売事例(販売者は同じ人)。普通の感覚をもった人間なら引いてしまう商品内容ですが、こんなのが売れているのは洗脳が原因としかいえません。

私としては一体どんな人が5万円を支払ってまで働いているのか見に行きたくなるほどです。

自分が好きな歌手のライブ会場の設営スタッフならお金を払ってまでも働きたいかも。5万円は高すぎるけど。

そういう割りに合わないお布施を支払っている信者を見ると多くの常識人はバカにしますが、それでもかなりの宣伝効果があります(=炎上商法)。そのため一部の人は入信してしまうのです。

オンラインサロンの主宰者は数百~数千の信者を維持できれば安泰だといわれています。オンラインサロンの月額課金は1000~10000円くらいだからです。

日本の中の1億人には嫌われても千単位の信者を抱えるカリスマならオンラインサロンの経営は十分成り立つのです。

事件や宗教戦争に発展する面もある

MUPというオンラインサロン(オンラインスクール)をめぐっては事件が発生したこともありました。

そこではサロンの主宰者に大きなウソがいくつも発覚しましたが、その後も主宰者を擁護し続ける信者がたくさんいました。

ウソが発覚する前ならまだしも、ウソが発覚した後も擁護し続けるのは洗脳されているとしかいいようがありません。

さらにオンラインサロンの中には「よそのオンラインサロンは情弱だけど、うちのオンラインサロンは情強」とよそをけなして自らの優位性を高めるところもあります。

こうなるとちょっとした宗教戦争となりますが、よそに対するマウンティングは身内側にとっては気持ちよかったりもします。

宗教との違いは絶対性にあり

宗教とオンラインサロンはちょっとした違いもあります。

というのも一般に宗教の教祖は自身や神の絶対性を主張します。人々は「絶対的な存在が自分を救ってくれる」と考えて入信するわけです。

しかし、オンラインサロンの主宰者は「凡人の私でも成功できたからあなたも成功できる」みたいな感じで成功へのハードルの低さを売りにしているところがあります。

オンラインサロンの会員の多くは凡人であり、彼らはやがて主宰者のように成長することを夢見ているといえます。

また宗教は「信じれば救われる」と発信しますが、オンラインサロンでは「信じて行動しろ」といわれる場合が多いと思います。

以上が宗教との違いです。

やばいオンラインサロンの特徴

やばいオンラインサロンの特徴は辞めようとしたときに脅されたりトラブル時の保証がおかしいこと。

これもやばい宗教団体の特徴と似ていますね。

やばいオンラインサロンの情報はTwitterや5chを探ればわかりますが、まだ年季の浅いオンラインサロンはそういった評判が蓄積されていませんから注意してください。

洗脳された信者の感想は参考にならないけどね。

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