社会・教育

新聞は読むべきか【ネットニュースとの違い】

2020年10月28日

新聞記者の道具

若者の新聞離れが話題になって久しいです。

日本における新聞の発行数と購読率はかなり高かったのですが、近年ではネットメディアの普及とともに下落の一途をたどっています。

昔は新聞の発行数と購読率が高すぎただけで、今は正常化に向かっているだけかも。

そこで気になるのが新聞を読むべきか読むべきではないかということ。

私個人の結論をいうと、学生も社会人も新聞のような社会情報を読むべきですが、新聞を買ってまで読む必要はあまりないと考えています(投資家が日経新聞を買うのはあり)。

新聞のメリットやデメリット、ネットニュースとの比較・違い、新聞を買ってまで読む必要はない理由を公平に解説していきます。

今回おもに扱う新聞は日刊の一般紙です。要するに数ある新聞の中でも読売や朝日みたいな新聞を指すとお考えください。

ネットニュースについては日本で圧倒的最多クラスのPV数を誇るヤフーニュースを対象とします。まあヤフーニュースは各メディアの寄せ集めですが。

ちなみに私個人が書いた記事もかつてヤフーニュースに掲載されました(すでに掲載期限切れ)。

新聞は読むべきか【ネットニュースとの違い】

まず、よい悪いは別にして紙版としての新聞でありがちな構成パターンを示します。

  1. 1面トップニュース、コラム
  2. 政治面政治全般
  3. 社説現在の大きな話題について新聞社としての意見表示
  4. 経済面企業や株価
  5. 国際面海外の話題
  6. 生活・文化面料理、医療、福祉、伝統芸能、囲碁・将棋
  7. 科学面ITや科学
  8. スポーツ面スポーツ全般
  9. 地域面その新聞が売られている狭い地域における話題
  10. 社会面殺人事件、事件や災害の社会的側面、交通事故、事件に対する市民の感想、著名人の訃報
  11. テレビ面

新聞が便利なのは内外のさまざまなジャンルの時事ニュースがまとめて掲載してあること。これによって最新の時代の大局観を効率的につかむことができます。

それに新聞はすべて読む必要はなく慣れたら短い時間で読めます。新聞は見出しを中心に記事の要約を把握するだけでも効果があるからです。これは大学教授のようなインテリもよく言っていること。

地上波テレビを見るのは無料だし適当なつけっぱなしでも受動的に見聞きすることができる。でも、紙版の新聞は買って自分なりに読みすすめる必要がある。この差は大きい。

新聞購読のメリット

次に新聞購読のメリットを見ていきましょう。

  • 自分が興味のないニュースも目に入りやすい
  • 偏向報道もあるが、編集や校閲を一応経ている
  • 紙版の購読は折り込みチラシがついてくる
  • 全銘柄の株価一覧は紙面の方が見やすい
  • 梱包材に使える
  • 学校や面接の時事対策になる
  • まれに重厚な記事もある

新聞を紙面で読むと、自分が興味のない分野も視界に入ってくるという点はよく新聞のメリットとしてよく強調されます。

ただし、近隣のお店の折込チラシの存在については疑問です。今はShufoo!という便利なサイトがあり、ここでは地域ごとに最新のチラシを無料で見ることができるからです。

そのため新聞購読をやめたという人も多いでしょう。

新聞購読のデメリット

次は新聞購読のデメリットについて。

  • 勧誘が強引(今は昔よりも少し穏やかになった)
  • 読むのにお金がかかる
  • 読むのに場所をとる
  • 休刊日は読めない
  • 右翼メディアも左翼メディアも偏向報道がある
  • 読者の声も掲載されるが、社の方針に沿って選別されている
  • クロスオーナーシップや押し紙が問題
  • よくも悪くも堅い話題ばかり
  • 読むには基本知識が必要な分野もある
  • ネットニュースに比べると遅い(とくに株価、天気、スポーツの結果)
  • 古新聞の処理が面倒

偏向報道とクロスオーナーシップと押し紙についてはあとで述べます。

「ネットニュースに比べると遅い」に関してヤフーニュースにおいては、株価、天気、スポーツの経過などはリアルタイムで把握することができます。

現状の天気と天気予報は都道府県単位ではなくもっと細かい地域ごとにわかります。

一方、新聞の紙面でそれらはやや遅いバージョンが固定的に示されるだけ。株価とスポーツについては終了後の結果が、天気は都道府県単位の予報がわかるだけであるためネットに負けているといえます。

ネットニュースの特徴

次にネットニュースの特徴としてヤフーニュースの特徴を見ていきましょう。

どれもメリットともデメリットとも判断しにくいものばかり。

  • PCとスマホとでは表示が違う(PC版ではサイドバーにアクセスランキングがあるが、スマホ版ではアクセスランキングが別のページにある)
  • 次々に新しいニュースが配信される
  • ヤフーニュースのトップは影響力はかなり強い
  • Twitterですぐにシェアすることができる
  • たとえばヤフーニュースに配信されている東洋経済のニュースは東洋経済の公式サイトよりもヤフーニュースの方が読み込みが速い
  • 配信記事の本数はよくも悪くも多すぎる
  • 関連ニュースの表示内容はログインユーザーによって違う(過去に見た内容によって自動的に変わる)
  • ヤフーコメントというユーザーによる意見表出の場があり、そこではネット世論がわかるし自らも投稿できる(変な意見も多いが…)
  • アンケート機能もあるためネット世論もわかる

中でも一番の特徴はヤフーニュースの全体的な配信記事数は多すぎるということ。

それは選ぶ楽しみや選択肢の広さといったメリットになりますが、多すぎてどれが重要かわからないというデメリットにもなります。

ネットニュースのメリット

次はヤフーニュースのメリットについて。

  • プロ野球のニュースはスポーツナビにリンクしており、そこでは選手の細かな最新データがわかる
  • 右派の産経から左派の朝日、地方紙や専門紙、そして雑誌まで多様なメディアがそろっている(約300社・約500媒体)
  • 特定のマスコミ企業に所属していない個人執筆の記事もある
  • 大手新聞社が触れたがらない問題も扱っている
  • アクセスランキング機能があり、どのニュースが人気かわかる
  • 一つのニュースを見ると近くに関連ニュースも数多く表示される
  • 新聞よりもカラー写真が豊富で動画ニュースもある
  • 過去のニュースを検索できる(メディアによって掲載期間は異なる)
  • わからない用語や漢字はすぐに検索できる

そもそも多くの日本人は中道右派~中道左派の思想であって極右や極左は少ないはずです。

そういった多くの日本人におすすめしたいのがいくつものメディアを読み比べるということ。

産経新聞や月刊WiLLのような右翼メディアばかり、あるいは朝日新聞や週刊金曜日のような左翼メディアばかりを見ていたら思想が偏ってしまいます。

紙版の新聞を好む人にとって理想的な姿勢は系統の異なるメディア(右派系メディアと左派系メディア)を読み比べることですが、それは面倒でしょう。

この点、ヤフーニュースはさまざまなメディアがそろっていますから簡単に読み比べることができます。

ただし、新聞社によって思想の違いが最もよく現れる社説をヤフーニュースに配信する新聞社は地方紙が多いです。

全国紙はヤフーニュースへ自社の記事を配信していますが、社説は配信しないなど自社の記事のすべてを配信しているわけではないのです。

そのため、全国紙の社説を読みたいのであれば新聞社の公式サイトで見るか、購読する必要があります。

ちなみに「新聞は子どもの教育にとってよい」と主張されることがあります。

しかし、それは社説のような思想の違いが現れる記事をきちんと読み比べることができたときに成立すると私は思っています。

偏向報道に惑わされないようにしよう

大手の新聞社の報道についてはもう一つ重大な欠点があります。それは右派も左派もマスコミの不当な利権を隠しているということです。

そもそも日本の大手の新聞社とテレビ局とラジオ局はたがいにグループ関係にあります。それは一つの資本が新聞やテレビを同時に所有している状態ともいえます。これをクロスオーナーシップといいます。

読売、朝日、毎日、日経、産経はすべてキー局(大手のテレビ局)と強く結びついています。

そのため、たとえばテレビ局は押し紙のような自社グループの新聞社にとって都合が悪いニュースを報道しないのです。これは俗に「報道しない自由」と呼ばれます。

押し紙とは新聞社が新聞販売店に押し付けた新聞のこと。

そもそも新聞社にとって発行部数は多い方が望ましいです。その方が広告主からより多くの広告料がもらえるから。

そこで新聞社は必要以上の新聞を刷って新聞販売店に押し売りするのです(=発行部数の水増し)。

正確にいうと強制的に売りつけること(押し売り)は違法であるため、お願いするような形をとりますが、新聞社と新聞販売店の関係では前者の方が強いです。

新聞紙は再生紙を使っているといっても再生紙の製造や印刷用インク、トラック配送の過程ではそれなりの資源を消費します。

つまり、押し紙の多くが廃棄されるのであれば、そこに費やしたエネルギーは無駄だったということになります。押し紙を行っている新聞社が環境問題を批判するなんてちゃんちゃらおかしいわけです。

この点、大手の新聞社とテレビ局とラジオ局の系列に属さない出版社や大学教授、フリーのジャーナリストなどは新聞・テレビ・ラジオが触れたがらない話題を批判することができます。

ヤフーニュースにはそれが載っています。これはヤフーニュースを見るうえで大きなメリットです。

ヤフーニュースの下部にあるヤフーコメントでもその旨はよく触れられていますから、一部の新聞はヤフーコメントにも劣る報道力といえるでしょう。

ネットニュースはフェイクもあるけど大手マスコミが隠したがる問題もわかるから玉石混交かな。

ネットニュースのデメリット

次にヤフーニュースのデメリットを見ていきましょう。

  • 全国紙はヤフーニュースへ自社の記事を配信しているが、自社の記事のすべてを配信しているわけではない
  • 自分の好きなニュースばかりを選んで見てしまう可能性が高い
  • 見出しと中身が悪い意味で一致しないニュースがある(タイトルは大げさに表現してクリック誘導)
  • 読解力が鈍る可能性がある
  • ネット専業メディアは誤字脱字の率がやや高い

新聞社の記事の文章は紙版でもオンライン版でも同じですが、ネット専業メディアの文章は読みやすくするために一文を短めにするのが基本です。

あと、ネット専業メディアは漢字で書ける文字もわざとひらがなで書いたりします。

私自身も本の執筆とネット記事とでは文の長さや漢字の使用頻度を微妙に変えています。

つまり、ネット専業メディアの文章はよくも悪くもお手軽であるため、そればかり読んでいると読解力が鈍りやすいのです。

誤字脱字の率は、新聞は専門部署である校閲を経ているためほとんどありませんが、ネット専業メディアはそれよりも高いです。漢字の誤用を誤用だとわかっていないまま表記しているパターンも見受けられます。

ネット専業メディアにも校閲担当者はいますが、新聞社と比べると手薄でしょう。

まとめ:無料の情報も有料の情報もありがたい

人間は同じ情報を見るにしても、無料で目を通す記事と有料で目を通す記事では後者に費用がかかっている分、より真剣に見入ってしまいます。

たとえば図書館で借りてきた本と自分のお金で買った本なら後者に入れ込むというわけ。

つまり、無料版に頼りすぎるとイメージや行動が貧困化してしまう恐れがあるのです。

さらに新聞にしてもヤフーニュースにしても時事的な話題ばかりで、ニュースを読み解くために必要な基本知識は詳しく解説していない場合が多いです。

たとえば憲法改正のニュースでいうと、新聞やヤフーニュースでは最近の政治家や学者の動きを記述するばかりで、憲法の基本的な性質や憲法ができるキッカケとなった市民革命についてはあまり解説していないのです。

こういったニュースの基層にある知識の解説は書籍が得意とするところなので本もぜひ読んでみてください。

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