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市場原理をわかりやすく説明【経済学のいろは】

2020年10月20日

無人島

このページではニュースなどでよく見聞きする「市場原理」についてわかりやすく説明します。

市場原理の基本はどこの国でも通用しますし、経済学部の学生でなくても知るべき知識です。

私は大学で経済学や法学を履修し、さらに卒業後は社会科学の本も商業出版した実績もあるため参考になるはずです。

なお「市場原理」とよく似た言葉に「市場経済」がありますが、これはほぼ同じ意味だとお考えください。

市場経済とは対照的な計画経済についても解説します。

市場原理とは?【わかりやすく解説】

市場原理は暗記するというより常識的なレベルでの想像力がとても大切。

その典型が売り手と買い手の対照的な欲望です。

  • 売り手は商品をなるべく高く売りたい
  • 買い手は商品をなるべく安く買いたい

たとえば、あなたが商店の店主(=商品の売り手)だったとします。この場合、なるべく店の商品は高く売りたいですよね。その方があなたの売上・利益は高くなるからです。

売上・利益が大きくなればそれだけ生活が楽になって遊ぶお金も増えますから、どこの国でも人間がお金をもとめるのは当たり前のこと。とくに恥じる必要はありません。

一方、あなたが商店の客(=商品の買い手)である場合、商品はなるべく安く買いたいはずです。その方があなたの持ち金は多く残るからです。

以上を想像・理解するのは難しくないかと思います。

経済学の理論は「人間はお金が好き(お金をもとめる)」を前提にしています。

これの例外にあてはまる人はかなり少ないでしょうし、そういう確たる前提がないと理論を展開できないからです。

そのため例外や屁理屈は初心者の段階では気にしない方がいいと思います。

市場は参加者数によって揺れ動く

次に理解していただきたいのが市場の動きです。ここでも想像力が大切。

たとえば、3人が船で遭難し無人島に漂着したとします。このとき外部との通信手段は何もありませんが、3人はお金をたくさんもっているとします。

その島へ商人Aが1人だけ現れてペットボトル飲料水を3人に売るとします。Aは飲料水を大量にもっています。飲料水の値段はどうなると思いますか。

普通に考えると商人はかなりの高値で売りつけるはずです。具体的にはペットボトル1本1000円としましょう。

3人はお金をたくさんもっていますし、そこは無人島なので商人Aには他に競争相手がいないため高値で売りつけやすいのです。

無人島で飲料水は命をつなぎとめる大変貴重なものなので3人は我慢せず買ってくれるでしょう。

市場原理において売り手は競争し合うのが大原則。

「遭難時にお金をとるな」とか「蒸留装置を使って水を確保しろ」みたいな現実的な話は置いといてください。

重要なのはあくまで経済的な考え方です。

話をもとに戻しましょう。

ところが次の日、その島には商人Bがやって来て同じように3人に同じペットボトル飲料水を売り込んできました。

こうなると飲料水の価格は下がるのが普通です。

Aは「1000円で売りたい」という欲望をもっており、当初は競争相手が他にいなかったため実際に1000円で売ることができました。

しかし、あとから現れたBは同じ飲料水を1100円で売ろうとしても、1000円で売っているAにはかないません。

前に述べたように「買い手はなるべく安く買いたい」という欲望をもっているため、1100円のペットボトル飲料水は買ってもらえないのです。

そこでBはAよりも多く売るために値段を下げるのです。

その後、Bが価格を下げたことに対抗してAはさらに価格を下げてくる場合もあるでしょう。

以上のような動きを経済学・市場原理では「供給が増えると価格は下がる」と表現します。

消費者にとっては価格が下がった方が買いやすいですからうれしいですよね。

たとえば、かつてテレビは高級品でしたが、技術向上やメーカーの供給数が上がるとテレビの価格は下がり多くの家庭に普及しました。

市場原理は各人に不足していた物資を行き届かせる機能もあるのです(=市場経済の配分機能)。

逆のパターンを考えよう

次に逆のパターンを考えてみましょう。

すなわち、商人Aと漂流者3人のところに、さらに漂流者としてYとZが現れた場合です(買い手が2名増加)。

この場合、ペットボトル飲料水の価格は上がります。

商人Aと漂流者3人のときに飲料水は1000円で売れていましたが、漂流者が増えると漂流者Yは「1100円で買いたい」そして漂流者Zは「1200円」で買いたいというオークション感覚で上がるからです。

これを経済学では「需要が増えると価格は上がる」と表現します。

ここまでが理解できれば市場原理の基本中の基本が理解できたようなものです。

市場原理が作用しにくいパターン

しかし、市場原理がうまく働かない場合もあります。

たとえば、商人Aと商人Bが結託した場合です(AとBは競争しない)。

すなわち、あとから無人島に現れた商人Bは商人Aに「あんたが1000円で売っているならオレも1000円で売るからお互いに値下げしないようにしようぜ」とぐるになるのです。

現代の日本では本来であれば競争する企業同士が結託して競争を避けると、独占禁止法という法律に反します。

日本政府は自由な経済競争を導こうとしているのです。

買い手が情報不足だったり面倒だったりしたらどうなる

商人Aと商人Bが結託していないとしても、AとBが無人島でたがいに離れたところで漂流者に水を売り、漂流者は商人が2人いることを知らない場合、漂流者は高い方の飲料水を買ってしまうことがあるでしょう。

または漂流者が商人は2人いて価格は違うことを知っていたとしても、漂流者は安い方の商人のところまで出かけるのが面倒な場合、高い方の商人から買ってしまうこともあるでしょう。

つまり市場原理は、

  • 売り手が結託する
  • 買い手は情報不足
  • 買い手にとって面倒

という場合、作用が停滞するわけです。

経済学の基本用語を整理

ここでこれまでに出てきた用語について一旦整理します。

  • 市場(いちば)東京魚市場のように具体的な商品を実際に面と向かって取引する物理的な場所
  • 市場(しじょう)多くの需要と供給にもとづいて成立する概念上の市場

たとえば、本の市場(いちば)といったら公園などで行われているフリーマーケットのように実際に本が売買されている場所を想像してください。

次に本の市場(しじょう)といったら、本に関する顕在的な需要・供給と潜在的な需要・供給を多く含んだ全体的な抽象概念を意味します。

このページで書かれている「市場」は(いちば)と直後に書かれていなければ、すべて「しじょう」の意味で使っています。

要するにこのページで書かれていることが理解できれば「いちば」と「しじょう」の違いがわかるはずです。

  • 需要買いたいという欲求
  • 供給モノを市場に出すこと
  • 市場原理市場で商品に価格がついたり、各人が自由に行動(競争)すると商品の過不足が調整されること
  • 市場原理主義市場原理にこだわる姿勢や自由放任的な経済思想のこと(後述します)
  • 市場経済市場原理とほぼ同じ意味で「計画経済」と対照的な意味で使われる(計画経済は後述)
  • 市場価格市場原理にもとづいた自由な価格
  • 自由主義経済各人の自由にもとづく経済体制のこと(市場経済と同じような意味)
  • 自由経済学で自由とは政府に強制されていないという意味で使われやすい

ここで重要なのは市場原理には社会性があるということです。

それは以下のとおり。

  1. みんなにあてはまる原理
  2. 市場原理によい悪いはない
  3. みんなでつくる体系
  4. 市場の参加者数は多い方が基本的には望ましい
  5. 発展性と修正力と排除力がある
  6. 社会のいたるところにあふれている
  7. 選択肢が多い(市場価格・公定価格のところで後述)

まず1の「みんなにあてはまる原理」と2の「市場原理によい悪いはない」は、

  • 売り手はなるべく高く売りたい
  • 買い手はなるべく安く買いたい

どんな社会のどんな人間にもあてはまるということ。

それは人としてよいとか悪いとかではなく「人間はお金が好き」という性質から導かれるだけです。

3の「みんなでつくる体系」と4の「市場の参加者数は多い方が基本的には望ましい」は一緒に考えるべきこと。

たとえば、無人島に商人が1人しかいなかったときは水の価格が高止まりしていましたが、商人が増えると価格が下がるように市場原理は多くの人間でもって構成されています。

また商人の立場からいうと、わざわざ無人島に出向いて売るなら客は1人ではなく数多くいた方が売上は大きくなります。

市場は多くの人間で構成されている、いや市場は多くの人間で構成されていた方が望ましいという感じです。

極端な話、ロビンソン・クルーソーのように無人島に人間が一人しかいなかったら他人とモノを取引できませんから、モノに価格をつける意味がありません。

外界と隔離された無人島やたった1人だけの島には市場原理が存在しないのです。

5の「発展性と修正力と排除力がある」と6の「社会のいたるところにあふれている」はユニクロが参考になります。

ユニクロがファストファッションで日本中を席巻していることはご存知かと思います。今や海外進出も盛んです。

ユニクロはかつて他社がつくった服を仕入れ・販売するというメインにしていました。

しかし、いつしか製造も自社で担った方がより多くの利益を生むと考えたことから、徐々に自社でつくった自社ブランドの商品の比率を高めました。

ユニクロのように小売と製造を兼ねる企業は製造小売業といいます。ニトリなんかも製造小売業の部類に入ります。

アパレル小売は競争の激しい業界でしたが、ユニクロは競争に勝つために製造も担ったことで大躍進を遂げました。そこでは蹴落とした同業他社もたくさんありました。

つまり、市場での競争が激しいと業界は発展しますし、市場は同業他社を排除する力があるといえます。

このような競争はアパレルに限らず世界中のさまざまな業種で行われています。

意外かもしれませんが、あの有名なWikipediaも市場原理に近いものがあります。

たとえば、あなたが好きなアニメ作品についてWikipediaを編集したとします。

それが間違っていたとしても、他の誰かがそれを修正するでしょう。編集する人が多い人気作品ではなおさらのことです。

これはWikipediaの編集は基本的に自由だからこそ起きる修正の連続です。

これって市場原理において最初は商品の値段が高かったとしても競争によって値段が下がったり質が上がったりすることと似ていると思いませんか。

市場はみんなが自由に動くからこそ価格も商品の質も修正されるのです。こういうのは「集合知」「自浄作用」とも呼ばれます。

逆に権威ある新聞なんかは過去記事の修正とかはしたがりません。ああいうのは大企業の社員が会社の方針のもとに書くプライドの高い記事だからです。

ついでに独裁政党として有名な中国政府もWikipediaを嫌っていることで有名。みんなに自由な言論を展開されると困るんでしょうね。

市場価格と公定価格

次に知っていただきたいのは公定価格・計画経済。

公定価格の対義語は市場価格であり、計画経済の対義語は市場経済(市場原理)です。

そもそも市場価格は売り手と買い手が多数いてみんなが自由に行動したときにできる価格です。日本のスーパーマーケットの商品価格がまさにそうです。

たとえばMスーパーマーケットのポテトチップスが高いと思うのであれば、Pスーパーマーケットで同じポテトチップスを安く買うことができます。

また市場価格の商品は買うのがイヤであれば、そもそも買わないということもできます。つまり、市場価格の商品は選択肢が多いのです。

この市場価格とは対照的に、政府が一方的に定める価格を公定価格といいます。みんなの自由にもとづいて価格をつけるのではなく、政府という少数の人間が一方的に定める点に特徴があります。

日本における公定価格の例としては医療用医薬品、診療報酬、NHKの受信料があります。

NHKは特殊法人といって政府から一応独立した組織なのですが、NHKの予算は国会の審議・承認が必要です。その予算から受信料が決まる点は公定価格に近いと筆者は判断しております。

市場価格の商品は地域ごとに価格差があり自由度が高いですが、公定価格は地域差が小さく、国民の多くに強制的に適用するという画一的な性質があります。

公定価格のように価格を政府に一方的に決められると反感をもつ人は多いでしょう。

しかし、市場価格のようにみんなの自由にもとづいて価格をつけるとそれよりは納得感があります。

基本的に公定価格は高止まりしやすい一方で、競争が激しい部門の市場価格は安くなりやすい性質があります。

ちなみに市場価格とも公定価格とも違うパターンとして再販制度というのがあります。これはメーカーが小売業者に販売価格を指定できるというものです。

本や音楽CDの裏面には価格が表示されているように、新品としての本・新聞・音楽CDについては再販制度で価格競争が禁止されており全国どこでも画一的な価格です。

なお例外として大学生協は再販制度を守らなくてもいいため、大学生協の本の価格は安いです。

計画経済の意味

さらに計画経済とは政府が物資の製造品目・製造数量・製造担当者をすべて仕切り、それを国民に配給していくことです。

ここで「物資の製造品目や製造数量をすべて政府が仕切ることなんて無理に決まっている」と思った人はセンスがあります。

たとえば、スーパーマーケットの食料品の需給や価格は官庁のエリートよりもスーパーの従業員の方が詳しいですからね。他の業種でもそれは同じ。

実際、ソ連の計画経済はかなり無理があったために1991年に崩壊してしまいました。

市場経済(自由主義経済)の国 計画経済の国
経済の大原則 各人が自由に活動する 政府が経済を全面的に仕切る
政治の大原則 民主主義(選挙の多数党が権力を握る) 一党独裁(独裁政党が牛耳る)
職業選択 各人の自由 政府が人々を強制的に配置する
会社に対する政府の指導方針 民業を圧迫せず民業を助ける 従業員は公務員であり、すべて政府の指導下
価格の原則 市場価格 公定価格
それぞれの会社の基本方針 営利の自由な追求(つぶれたら自己責任) 政府の指導の下に動く
表現・言論・信教の自由 違法レベルでない限り自由 政府の規制はかなり強い
実施している国 アメリカや日本など世界のほとんどの国 かつてのソ連

市場経済は人間の誤りに対応できる

どこの国でも政府というのは間違いを認めたがりません。計画経済や公定価格はそんな政府が一方的に決める体系であり、政府は誤りを認めたがりませんから頓挫するのです。

一方、市場経済の国で民間企業は自社商品の価格が高すぎて売れないと判断したら安くします。もし民間企業は自社商品が売れなかったら倒産してしまうからです。

つまり、市場経済の国の民間企業は誤り(この場合は当初の価格が高すぎて売れない)を修正するだけの動機づけがあるのです。

そのため経済は市場原理(自由主義経済)にある程度任せた方がいいといえます。

市場経済の修正力は人間の不完全性を補っている。
市場経済は人間が誤るということを前提にした体系になっているからね。

日本の医療用医薬品は公定価格にもとづいています。

というのも1つの医療用新薬を生み出すには何百億円~何千億円というとんでもない額の研究開発費がかかっています。

消費者(この場合は患者)は薬を安く買いたいでしょうが、コストが莫大な薬を安く買われると製薬会社は困るのです。

そのため医療用医薬品は公定価格なのです。しかし、すべての国で医療用医薬品は公定価格というわけではないので議論の余地もあります。まあそれは難しいのでこの場では控えておきます。

市場原理主義の問題

市場経済は計画経済よりも優れています。

しかし、政府が企業の自由に任せすぎること(=市場原理主義)、すなわち市場経済のもとで企業が自由に営利を追求しすぎるのも社会的によくありません。

その一つの理由に環境問題があります。

たとえば、工場や交通事業者は環境へ配慮した設備にするよりも公害を大きく垂れ流した方がコストは少なくなります。

しかしというか当然というべきか、これだと周辺住民は迷惑です。

そのため政府は工場の操業について大気汚染の基準を守らせたり、新幹線は法律で夜間は運転してはいけないと定めています(夜の高速運転はうるさい)。

あるいは、たとえば食品に関連する産業で食中毒をやらかした企業は政府から営業停止をくらうといった罰則もあります。

政府は民間企業の自由な営利追求に一定のルールを課しているのです。

その意味では市場原理がまったくの自由放任状態にある業種というのは存在しないのかもしれません。

工場(製造業)が市場競争をすると環境に優しい技術も発達する。
飛行機内で出すはずだった食事や菓子の需要が航空需要の激減とともに減っても、市場原理のおかげでスーパーマーケットに流れて廃棄を免れるなんてこともある。
市場原理は資源の無駄を改善する効果もあるわけだ。

たとえば、市場原理だけに国の運営を任せると公園ができません。普通、公園というのは利益を大きく生むような施設ではなく民間企業は参入しにくいからです。

でも、人々の憩いの場として公園は必要ですよね。そこで公園のような市場原理で供給されにくい施設は各市町村がつくります。

市場原理のメリットとデメリット

ここまで述べたことに関して市場原理のメリットとデメリットを確認します。

  • 環境問題公害を垂れ流した方がコストは安くなる
  • よくも悪くも排除する大企業が中小企業を排除してしまう
  • 効率性が上がる市場で勝ちやすいのは大企業であり、大企業は中小企業よりも利益を生み出す効率がいい
  • 利益にならない施設は供給されにくいたとえば公園は供給されにくいから政府が供給する
  • 人や物を買い叩く(安く買い上げてしまう)↓で示します

市場原理のメリットとデメリットは弱肉強食の傾向があります。

たとえば、1990年には時給1500円で担うのが適切な仕事があったとします。

しかし、90年代から現代にかけてはインターネットが普及しました。

そのため、賃金の需要も様変わりしました。現代で需要が高い職業、すなわち企業が高い賃金を提示しやすい職業は人工知能のエンジニアが代表格です。おそらくまだ需要は上がります。

IT系のエンジニアの需要が上がった一方で、需要が下がった業種・職種もあります。

経営者の立場と市場原理からすると、需要の低い職種や高度なスキルを必要としない職種には高い賃金を出したがりません。

あるいは自動車メーカー幹部の立場と市場原理からすると、どこのメーカーでもつくれるようなありふれた下請けメーカーの部品には高い対価を出したがりません。

このように市場原理のもとでは経済的強者が需要の低い人や物を買い叩く現象が起きやすいです。いわゆる「下請けいじめ」がそうです。

そのため政府は賃金に関しては最低賃金制度を設けています。

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。

出典:厚生労働省/最低賃金制度とは

たとえば、市場原理・需給としては時給600円の価値しかない労働でも最低賃金が800円であれば使用者は時給800円以上の賃金を労働者に支払わなければなりません。

つまり、最低賃金制度は市場原理に対抗した制度なのです。

大企業は効率的だが安泰とは限らない

さきほど「大企業は中小企業よりも利益を生み出す効率がいい」と述べました。これは個人商店と大規模チェーンとしてのコンビニ・スーパーを比べてみればよくわかります。

工場にしても小さな町工場よりもオートメーション化がすすんだ大工場の方が利益率はいいです。

で、たとえば精密機器業界の中小企業数社は総労働者数が1万人で1000億円の利益を生み出しているとします。

そこへ大企業が現れると競合他社の売上を減らしたり競合他社を買収して利益効率を高めます。そうすると、8000人で1000億円の利益を生み出せるようになることもあります。

つまり、以前よりも少ない人数で1000億円の利益を出せるようになったために不要な労働者が生まれてしまうわけです。

ただし、こういう利益効率化の動きに対しては無理に抵抗するよりも、余剰人員は別の業界で活躍することをめざした方がよかったりします。

効率化には市場原理のデメリットが潜んでいますが、市場原理を活かせば余剰人員は別の業界に移れるというメリットもあります。転職市場なんてのはそのための市場です。

なお現代では苦境にあえぐ大企業がある一方で、中小規模の会社が地味に成功しているなんてこともよくあります。

大企業は規模が大きいため会社のダウンサイジングには苦労するのです。たとえば2020年では大手の鉄道会社や航空会社が苦労しています。

大企業であれば安泰なんてことはないと肝に銘じておきましょう。

まとめ:市場原理主義の意味と問いかけ

いわゆる市場原理主義とは市場原理にこだわりまくって政府が市場に介入しない世界を理想とします。

市場原理主義の世界においては水道、電力、鉄道みたいな公営セクターはすべて民営化するのです。

そこには「政府が大きく介入するとむしろ経済は悪化するから民間企業の自由に任せた方がいい」という考え方があります。

あなたは、政府は市場にどの程度経済に介入するのがよいと思いますか。

市場原理というのは客観的な経済法則であり、みんなに共通しています。それは物理学でいう万有引力みたいなもの。

しかし、政府は市場にどの程度介入すべきかなんていうのは法則ではなく、各人の判断がわかれます。

たとえば日本の鉄道の場合、都市部の鉄道事業は利益が出ていますが、田舎の鉄道事業はかなり厳しいです。

つまり、都市部の鉄道は民間企業の経営でもいいのですが、田舎は公営や第三セクター(公営と民営の共同)ではないと厳しいということ。

同じ国でも地域によって実情はかなり違うとおぼえておきましょう。

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