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株式投資

機関投資家の特徴をわかりやすく解説

2020年6月14日

機関投資家とは、各種の金融機関(証券、銀行、生保、損保)や金融以外の企業、投資顧問、公的機関など組織として投資する主体を意味します。

各国の株式市場は主体数では機関投資家より個人投資家が多くても、取引額ベースで見ると機関投資家の方が圧倒的に多いです。もちろん、日本市場にも内外の機関投資家が数多く参入しています。

それゆえ株価は機関投資家の動きに大きく左右されるので、個人はその特徴を知っておくべき。

よく株式投資は「自分以外の多くに買われる銘柄を買え」といわれますが、その際は個人よりも機関投資家の需給を知ろうとすべき。

株価を大きく左右する大口の投資家の特徴がわかると、あなたの投資にとってもプラスになります。

投資家の世界で機関投資家は「機関」、個人投資家は「個人」と略される。
巨額の公的資金(税金・年金・保険料)を運用する機関投資家は俗に「クジラ」と呼ばれるよ。

一部の投資顧問は仕手筋だといわれています。仕手筋とは仕手株の操縦集団のこと。仕手株とは短期~スイング期間で急騰・急落するような株のこと。

すなわち、一部の投資顧問は有料で契約している投資家に「今度は〇〇が上がる」という情報を流します。

それは仕手筋が保有している銘柄で、契約している投資家に買わせたり、自分たちで株価を吊り上げたりしたら、さっさと売り抜けていくのです。

機関投資家の特徴をわかりやすく①:運用額が大きい

一口に機関投資家といってもさまざまであり、また秘密にされている部分もあるのですが、基本的な傾向は次のとおり。

まず機関投資家は運用する金額がとても大きいです。その資金源は、年金、投資信託として顧客から預かったお金、保険料、借金、税金などです。

自前の資金で運用している部分もありますが、大部分は他人から預かった(集めた)資金をもとに運用しています。

よく8月の相場が「夏枯れ相場(出来高の少ない相場)」と呼ばれるのも、8月は機関投資家たちが大きめの休暇をとる場合が多いから。

欧米系の機関投資家はそれが顕著ですが、人間は休暇中でも運用は自動的に行われている部分もあります。

組織のルールや方針に縛られる

運用額の大きさは保有数の多さを意味します。一般に大量の保有株を一気に売却するのは難しいです。大量の保有株を売るときは少しずつ売らないと値崩れしてしまうからです。

それゆえ時価総額が低くて、なおかつ発行済み株式数が少ない銘柄は大量の売買に向いていないので機関投資家は消極的です。

とくに機関投資家は投資先との間で提携関係があれば、その関係性からいって簡単に売ることはできません。

公的機関についても、彼らが大量に保有している株式を一度に売ると市場はパニックになるため、そう簡単に売りさばくことができません。

また公的機関の中には、途上国で強制労働をさせているような反人道的な企業の株は買わないと宣言している場合もあります。

近年では中国の新疆ウイグル自治区での強制労働が国際的に問題視されており、一部の日本企業も関わっている感じです。

機関投資家は中長期投資を好む傾向にあります。しかし、空売りを積極的にしてくる海外勢は短期~スイングもやります。

一方、個人投資家はよほどの富豪ではない限りすぐにノーポジ(=何も保有していない状態)にできます。個人投資家は機動的な投資ができるのです。これは大きなメリット。

日本の公的機関が日本株を一度に大量に売るのはかなり難しいけど、外国政府や外資系金融が日本株を売るときは躊躇なくやるだろう。
外資は外国である日本の空気を読まずに合理的に行動するけど、日本の公的機関は日本市場の空気を読むってことね。それは技術的に難しいというより政治戦略として難しいという感じがする。
上場企業としても公的機関に株式が買い支えられていると株価が大きく下がらないため危機感に欠ける。

外資の方が空売りしやすい

日本株を大量に空売りしているのは、おもに欧米系の金融機関です(例外的に野村證券は日本株へも空売りしています)。

日本の金融機関が日本株の空売りで儲けようとすると日本国内からひんしゅくを買いますが、外資系の金融機関はそういう空気を読みません。

そのうえ外資は決断も早いですし、日本企業とのグループ関係も希薄。これらが外資の強さにつながっています。

まあ空売りをしている外資は同時に買いのポジションも持っていることが普通ですが(=両建て)、ロングとショートの比率はさまざま。

機関投資家は信用倍率が偏っている銘柄に仕掛けてくる場合が多いから気をつけて。
機関投資家って悪い決算が出た直後や悪い地合いのときに大量に売ってくるんだよな。
ビビらせての狼狽売りや追証売りで大きな値幅を出すことを狙っているんだろうね。
それをうまく狙えば安く買えるチャンスにもなるな。

機関投資家の情報力はすごい

また機関投資家は情報力も強いです。機関には調査専門の担当者が複数おり、そこでは市況や銘柄を日々専門的に調査しているからです。そこで生まれる資料やレポートの量も膨大なものです。

このように機関投資家は顧客(公的機関の場合は国民)に運用に関して説明をしたり、市況レポートを公開したりします。ときにはそういった市況レポートが株価を大きく動かした例もあります。

彼らは学歴も高く、たとえば中途で大手電機メーカーから転職した人なら電機部門に特化した情報収集と分析を行っています。運用や分析に携わる人は世間ではエリートといわれるようなタイプばかりです。

そういったエリートで固められている日本の運用会社や金融機関でさえも、外部の投資情報や第三者的なアドバイスをもらうために外資系の会社と高額な契約を結んでいることも珍しくありません。

情報というのは無料に見えがちですが、発信者によっては高い価値をもつものにもなるのです。

そしてビデオ会議で各国拠点のアナリストと話し合ったり、社内ミーティングで意見を戦わせた結果、運用が決まるのです。

そこで話し合われる内容の多くは勘や好みなどではなく、正当なファンダとテクニカルにもとづく数的な議論です。機関投資家の情報力と分析力は半端ないわけです。

株式市場はプロとアマチュアが同じ土俵で売買しているのか…。スポーツだとプロとアマチュアは制度や大会が区切られているのに。
プロ(機関投資家)の情報力と分析力は確かにすごいんだけど、彼らは裏方の人。一方、金融機関の表にいる店舗窓口の販売員や個々の営業マンの仕事は手数料収入を稼ぐことであって、情報力と分析力は大したことなかったりする…。
窓口や現業ではなく裏方にこそ企業業務の核があるなんてのは金融機関に限らずどこでも同じだよね。

情報の優位性は大型株にあり

ただし、機関投資家の情報力の優位性は基本的に中堅規模以上の銘柄にあります。

というのも今、ネット証券に口座をもっている方はログインして銘柄情報を調べてみてください。とくにQUICKコンセンサスという情報が参考になります。

証券口座をお持ちでない方は日経新聞のサイトでもいいです。そこでは新興株や小型株よりも大型株に関する情報の方が充実しているはずです。

大型株は株主数と時価総額が多いため、それに関する情報の需要も大きいからです。投資をやっていない人としても新興・中小企業よりも大企業の動きに興味をもっている人の方が多いでしょう。

政界やプロスポーツ界でも大物には番記者が張り付いているように、金融機関や報道機関も大型株を追う傾向があるのです。

したがって、彼らは新興株や小型株にはさほど入れ込まないため、彼らとの情報格差は新興株や小型株の方がまだ小さいのです。

新興企業とはいえメルカリやミクシィはかなり大きいよ!東証1部でいうと中堅級の規模がある。

また、新興企業の経営は大企業ほどよくも悪くも安定していないため、すごいサプライズニュースが突然出てくる場合もあります。

ダイヤモンド・ザイや日経マネーといった個人投資家向けの投資情報誌では大型株の情報よりも新興株や中小型株の方が充実しています。

資産が少ない段階にある個人投資家は、のびしろが大きい中小型株や新興株で資産を大きく伸ばしたいのでしょう。

一般的な新聞(読売・朝日・毎日など)は投資家ではない人も多く読んでいるため大型株に焦点が置かれがちですが、個人投資家しか読まないような雑誌だと新興株や中小型株の比率が上がるわけです。

機関投資家の目標株価はあてにならない?

機関投資家は顧客や市場へ向けて銘柄ごとに目標株価を示す場合もあります。目標株価とは、金融機関が示す中期的な将来における妥当な株価を意味します。

目標株価はレーティングや理論株価とも呼ばれ、現値より高い場合もあれば低い場合もありますが、どちらかというと高い場合が多いです。低すぎると、その会社や投資家から文句をいわれるからです。

大型株には複数の機関が一定レンジの目標株価をつけている一方で、新興株や小型株には目標株価が何もついていないことが多いです。

新興株は株主数や情報が少なかったり、経営がよくも悪くも不安定だったりするので目標株価をつけにくいのでしょう。

有力な金融機関がレーティングを大きく変えると、それに合わせるかのように株価が大きく動くこともあります。

目標株価の提示は相場操縦が疑われますが、妥当な価格を私的な意見として示しただけにすぎないので合法とされています。

目標株価は数ある投資指標の中でも参考にすべき度合いが弱いといわれています。目標株価と乖離したままの銘柄も数多くあるからです。

目標株価の算出方法はいくつかあります。計算式に入りやすい要素は、予想利益、業種の平均PER、資産、成長率などです。

外資の機関投資家は見せ板および相場操縦も使ってくるよ。こんなインチキを見つけたら証券取引等監視委員会に通報しよう。あとインチキをする機関投資家には口座・資産をもたない方がいいよ。

モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社に対する処分について

米司法省、JPモルガンのトレーダーらを訴追-貴金属市場で不正操作

海外の機関投資家は日本市場全体にとってお得意様でもあるから、証券取引等監視委員会も強く注意しにくいんだろう。

アルゴリズムによる高速売買

機関投資家は基本的な売買単位が大きいですから、彼らが相場操縦の意図をもっていなかったとしても株価が大きめに動いてしまいます。

機関投資家の短期・スイング売買はアルゴリズム(コンピュータによる売買)任せも多いです。

アルゴリズムによる売買においては「一定規模以上の地震速報が出たら即座に大量売り」「個別銘柄について一定水準以上の決算が出たら買い」などというように高速で売買しています。

最近では主要銘柄の売買データが機関投資家の間で取引されています。

これをAIで解析し、AIが取引することによって有力な機関投資家の勝率および勝ち額はますます上がっているようです。

大量保有報告書から手の内がわかる

機関投資家に限らず一般的に上場企業は、顧客情報や自社固有の技術などを秘密にする一方で、経営状態を明らかにしなければなりません。

とくに機関投資家は市場に多大な影響を及ぼす以上、上場企業の発行済株式総数の5%を超える株を保有すると、それを報告・公表する義務を課せられています(個人でも大株主は報告義務あり)。

空売りにしても、残高が発行済株式総数の0.2%を超えると報告・公表しなければなりません。

機関投資家の空売り

空売り機関投資家のオールスターが集まったら下落相場を見込んでいるから要注意(この後、実際に暴落)

つまり、大口の投資家は手の内を部分的にさらけ出しているわけです。

四季報の大株主欄を見ていたら「ノルウェー政府」が多いことが気になったんだけど?
ノルウェー政府による年金基金の国際分散投資は有名だ。日本株にも結構投資している。平均運用益も年率で数%を達成しているらしい。100兆円規模で運用している機関投資家としては相当のやり手だ。

歩み値とアイスバーグ注文で大口売買を見抜く

機関投資家の短期的な動きを知りたいのなら証券会社のログイン先から歩み値を確認するのが基本です。

歩み値からは注文ごとの約定値と出来高がわかりますから、もし大きな売買が約定しているとしたら、それは機関投資家である可能性が高いです。

株価が安いと個人でも大量に売買しやすいけどね。

また最近の機関投資家は「アイスバーグ注文」といって大量に売買したいときでも、わざと小分けに発注して大口による売買だとわかりにくくさせていることもよくあります。

アイスバーグとは氷山という意味であり、機関投資家は小刻みな売買によって自社の動きをわかりにくくさせているのです(=氷山の一角)。

いわゆる大型株では機関投資家が大量に売買しているのが当たり前。
それなら大型株ではない銘柄で機関投資家が積極的に売買していたら注目する価値があるわけか。

個別銘柄の板情報を見たときに大きな蓋(売り蓋、買い蓋)があったら、それは大口の注文である可能性が高いです。もしかしたら「見せ板」かも。

ただし、株価の下二桁が~00円という切りのいい株価には注文が多く入りやすいため、切りのいい株価においては小さな注文がたまたま重なった可能性もありますが。

機関投資家の保有データは参考になるか

機関投資家は基本的に顧客のお金をもとに運用します。このとき実績を上げなければ顧客に損害を与えてしまいますし、評判にも傷がつきます。

むろん、彼らとて顧客の元本を保証しているわけではありませんが、他人のお金を預かっている以上は、まともな機関投資家なら全力で運用しているはずです。

したがって、優れた機関投資家の保有データや投資信託の組み入れデータは個人投資家にとって一つの参考になるはずです。

ザラバではネット証券のログイン先で「歩み値」という欄を見るとみんなの約定履歴がわかる。このとき大きな単位で取引しているのは機関投資家か大口の個人投資家だから、これを参考に投資するのもアリ。
機関投資家は自分と反対側の売買についた場合はこわいけど、同じ側の売買につくと心強い存在になるよね。

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