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株式投資

順張りと逆張りの基本【勝率より大事なこと】

2020年9月12日

順張り(じゅんばり)とは、投資において現在の価格トレンド(流れ)に乗っかって行くような取引手法のこと。

たとえば、ある銘柄の株価が500円から700円に上がったのであれば、その価格上昇トレンドはまだ続くと見込んで買うのです。

これに対して逆張り(ぎゃくばり)とは、現在の価格トレンドに逆らって行う取引手法のこと。

たとえば、株価が1000円から800円に下がったのであれば「売られすぎたから、そろそろ上がるだろう」と反転を狙って買うのです。

株式をはじめとした金融商品の価格は「ずっと右肩上がり」あるいは「ずっと右肩下がり」という状態はほぼありえません。

例外としては会社が倒産一直線といえるほどの大きな不祥事を起こすと株価は右肩下がりとなりますが、これはめったにありません。

そのため、だれもが「順張りと逆張りのどちらがいいんだろう」と思うはずです。

結論からいうと、どちらにも長所と短所がありますし、それは使い分けるべきものです。

まずは順張りのメリットとデメリットから見ていきましょう。

順張りと逆張りの基本

順張りの長所・メリット

  • 価格が上昇基調のままであればその流れに沿って利益が増える
  • Appleのように超長期的に成長する銘柄であれば、買って放置するだけで利益が増える(途中、停滞することもあるが)

順張りの短所・デメリット

  • 買ってから株価が下がると高値掴みになって損をしてしまう

順張り派は「もし買った後に株価が下がったらすぐに売ればよいのだから、下がり続けるかもしれない逆張りよりも順張りの方が安全」と主張します。

確かにそのとおりですが、短期で株価が急騰した銘柄は下がるタイミングが突然であることも多く、またそのスピードも速いため、仕手株のように短期で急騰した銘柄には気をつけましょう。

上昇相場のとき(地合いがよいとき)は高く寄り付いてもさらに伸びていきやすい。
年初来高値を更新した調子のいい銘柄は順張りのしどころ。ただ、じわじわ上がっているならいいとしても、急騰銘柄はこわい。

逆張りのメリット

次は逆張りのメリットについて。

逆張りの長所・メリット

  • 安く手に入る
  • うまくやれば全体平均が下げ相場のときでも利益が出る
  • 地合いが悪いときに強い

たとえば、1年を通じて日経平均株価が2000円下がったとします。これは平均的には下げ相場です。

しかし、そんな下げ相場の年でも株価が上がる日がまったくないわけではありません。株価は下がる場合でも一直線に下がるわけではなく、ジグザグに下がっていく場合が多いですから。

こういうときに買いポジションで利益を上げるには株価が下がりすぎたところで逆張りをして、株価がいくらか上がったら売るというやり方もありでしょう。

それは上げ相場の年よりも利益を出すのが難しいため、難しそうだと踏んだら無理に参加しないことも大切です。

逆張りの成功率を上げるには、候補の銘柄が下がっているのを見たら反射的にすぐに買うのではなく、底値圏を見極めることが必要です。

底値圏を見極めるには、そこまで下げた材料、業績、各種のローソク足、信用残、地合いなどを総合的に考慮しなければなりません。

当然、底値圏を見極めているうちに上昇してしまうこともあるでしょうが、それなら他の候補に移るか、そのまま順張りすればよいだけです。

怖いのはそのまま下がり続ける銘柄に安易に飛びついてしまうことです。

そうはいってもいつもピッタリ底値で買うことは不可能なので、ときには株価が反転するまでに少し我慢することも必要です。

それまで上げた銘柄の方が地合い悪化時に売られやすいよ。
BNFという有名な個人投資家は地合いがそんなによくない数年間で資産を大きく伸ばした。それは逆張りのスイングトレードが主体だった。

人生にも逆張りがあります。たとえば2020年では飲食店の廃業が相次ぎ、テナントの賃料も厨房器具の値段も下がりました。

こういう逆境のときを逆にチャンスと見て飲食店を開業する人もいます。

逆張りのデメリット

次は逆張りのデメリットについて。

逆張りの短所・デメリット

  • 価格は反転せず下がり続けるかもしれない
  • ナンピン買いを下手にやると損は一層大きくなりうる
  • 逆張りに失敗して損切りしないと塩漬けになることも

株式投資は「安く買って高く売る」が基本ですから、下がった(安い)ときに買う逆張りは理に適っているかに見えます。

しかし、株価はそれ以上に下がる危険もあります。これは俗に「落ちるナイフ」と呼ばれ、株式投資において恐れるべき現象です。

なおナンピン買いとは、買った銘柄が安くなったところで同じ銘柄を買い増しする手法のこと。

ナンピン買いをすると平均取得価格を下げられるのですが、株価が下がり続けた場合、さらに損失が大きくなるとともに損切りが遅くなったりしますからナンピン買いには計画性が必要です。

たとえば株価1000円の銘柄を100株買って、それが950円に下がったところで100株だけ買い増すと平均取得価格は975円になります(手数料は除く)。

つまり、平均1000円で買った人は1000円まで上がらなければ収支をトントンにできませんが、950円でナンピン買いができれば975円まで上がった段階で収支をトントンにできるのです。

もしナンピン買いをやるのなら、下がり続けているときに買うのではなく下がりきって反発が確認できたところで買うのが基本です。

ナンピン買いは賛否両論があり、筆者の主観だと投資の玄人は否定的に見ている割合が大きいと思います。

ちなみに筆者は「衝動的なナンピン買いはすべきではないが、計画的なナンピン買いはよい」という考え方です。

順張りと逆張りの中間路線として押し目買いというパターンもあります。

これは中長期では上昇傾向にある銘柄が短期的に下落したときに買うというもの。

新興株の方が値幅は大きくなりやすい

さて、次に大型株と新興株では値幅が大きく違う件について。

新興のバイオ株の例:

株価は2000円⇒数日で4000円まで上がる⇒数日で1900円まで下がる⇒数カ月間、2000円前後で停滞⇒数日で1200円まで下がる⇒数日で3500円まで上がる⇒数日で2000円まで下がる⇒2000円付近で停滞

新興株、とくに新興のバイオ株は上のような感じで株価が動くことも少なくありません。

こんなダイナミックな動きは日経225の個別銘柄(大型株)ではめったに起きません。

そのため初心者が逆張りと順張りで迷う際は、まずは株価の動きが緩やかな大型株で練習してから新興株に挑むべきです。

大した経験や知識のない人が新興株に逆張りで大金をつぎ込むと大損しうるのでご注意ください。

逆張りするなら元気な業種を狙おう

逆張りにおいては株価が下がってから上がるだけの元気がないと上がりません。

何が言いたいかというと、不人気の業種は逆張りしても上がるだけの力強さに欠けるということ。

たとえば2021年ではとくに鉄道業や観光業の株価に元気がなく、それらの株価は2019年水準に比べると下の方で停滞したままの銘柄が多いです。

それは個別銘柄というより業種全体に及んでいますから、もし逆張りしたいのであれば業種全体に暗黒感が漂っていないところを選びましょう。

テクニカル的には株価が下がった直後はMACDが下を向いていて危ないため、MACDが下を向いていないとき、すなわちMACDが水平か上向きになった早期の段階が逆張りのよいタイミングです。

2段階の下げに注意

株価は2段階の下落に見舞われる場合があることにも注意です。

すなわち、買いポジションをもっている人は最初の下落では売る気がなかったものの、その後も株価が下がったために追証が発生してしまい、売りが売りを呼ぶ展開になることです。

こういう2段階の下げは空売り機関が仕掛けやすいように、空売りができる銘柄で起きやすいですから気をつけてください。

空売りができる銘柄だと買い戻しが株価を支えることもある。だから、危ないのはむしろ空売りができない銘柄かも。

勝率よりも勝ち額を伸ばして負け額を抑えることが大事

さて、中長期的に見ると株価は上がるときは遅くて、下がるときは速い傾向があります。

これをチャートに表すと上り坂は長くて緩やか、下り坂は短くて急です。あなたも中長期においてはよく見る形のチャートでしょう。

上り坂の方が期間が長いとすれば順張りの方が、日々の勝率は高いです(1年において株価は上がる日の方が多い)。

しかし、下り坂は期間は短いものの、角度が急です。つまり、あなたが過半数の日で勝てたとしても(勝率は5割超)、負けた日に勝った日以上の大きな損失を出すと、トータルの収支はマイナスになることがありえるわけです。

スイングや中期投資なんかでも買いポジションで参加するのなら、キツイ下落をできる限り避けることが重要。

投資家が目指すべきは勝率5割超ではなく、トータルでの収支をプラスにもっていくことです。勝率は5割を下回ったとしても、トータルでの収支がプラスになっていれば問題ないといえます。

順張りも逆張りも短所と長所があるので、銘柄や時期、そして短期とスイングと長期を考慮して両方使えるようにしておく方が賢いと思います。

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