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株式投資

効率的市場仮説についてわかりやすく解説

2020年6月14日

株価の動向と投資家が先走ることに関して経済学では効率的市場仮説という有名な学説があります。

これは基本レベルでは難しくなく、また役立つものですので簡単に見ていきましょう。

効率的市場仮説はシカゴ大学のファーマ教授に端を発し、今日に至るまで高度に研究されてきました。

効率的市場仮説についてわかりやすく解説

効率的市場仮説とは、株式や債券といった金融商品の価格はあらゆる情報を織り込んだ適正価格になっているという説。

株価を例にとると、この場合の「効率」とは、株価を左右する情報は正しく公開されているとともにすぐに皆に広まり、皆が利益の最大化をめざしてすばやく行動し、手数料はそれに対応すべく安い状態です。

要するに株価が適正水準にすぐに動く条件が整っているほど効率的なのです。

たとえば株式の売買手数料がとんでもなく高かったら、よい情報を知ったとしても株式を買うのをためらうでしょう。

あるいは手数料が安かったとしても、情報がきちんと公開されていなかったり、皆がすばやく動かないと株価は適正に動きません。これが非効率な状態です。

この点、現代の日本社会はインターネットによって企業の情報配信、投資家同士の情報交換、ネット証券を使用しての注文がスムーズに、そしてローコストでできるようになっています。

ですから、現代では株式市場の効率性はそれなりに高いといえるでしょう。

日本の場合、高齢者を中心に店頭証券がまだ生き残っているから、その分については効率性が低い。
ネット証券と店頭証券の比率は今後ますますネット証券に偏るだろうから、効率性は上がりそう。
ファーストリテイリング、キーエンス、任天堂みたいな値がさ株は高すぎて売買しにくいのも気になるね(流動性が低い)。

効率的市場仮説の有力な解釈では、適正水準に落ち着き新たな情報が出ない段階の株価はランダムに動くので予測不可能であり(=ランダムウォーク)、投資家は短期的には運次第で平均超の成果を出せる場合があるとしても、長期的には平均値に収束して平均超のリターンを得られないとされます。

つまり、株式市場が効率的であれば明らかに安く(あるいは高く)放置された銘柄は存在しないのです。

そして明らかに安く放置された銘柄が存在しなければ、投資家は運で大勝ちできる場合があるとしても、長期的には平均レベルのリターンに落ち着くということです。

相場って今後、何が起きるかはなんとなく予想できる場合があるけど、それがいつ起きるかを予想するのはすごく難しいんだよね。

投資家はそれなりに無知

このように効率的市場仮説のもとでは投資家は「無知」ということがいえます。

一般社会では「あの人は常識が欠けている、無知だ」だという形で「無知」が使われますが、投資における「無知」は「たとえ知識や思考力があっても人間は未来を予測できない」という意味で使われやすいです。

この「無知」にはそれなりの説得力があります。

そこには「投資家は成功したいのなら未来について謙虚であるべきだ」という思想が込められているかのようです。

筆者の経験としても、投資における謙虚さは大損の原因になりやすい過信を排除する効果があります。

しかし、人間が株価を予測できない不完全な生き物だとしたら、株価を左右する情報をすぐに織り込んで適正株価を形成することについても不完全だといえます。

実際、株価は大口が大規模な買いや売りを仕掛けると上や下にオーバーシュートする展開がよく見られます。

個人投資家は大口の大規模な買いに乗っかったり、大規模な売りを見て一目散に逃げることでボラティリティ(値幅)を加速させます。

つまり、株価に対する予測も、株価を左右する情報が出た後の行動も不完全と見なすのが筋のとおった考え方ではないでしょうか。

どちらも不完全であるからこそ投資は難しいし、つけ入る隙も生まれる!

理論と実践は少し異なる

ただし、株式市場は非効率・不完全(株価に情報は織り込まれない)だと断定するのも無理があります。

多くの投資家は情報を求め、新たな情報が出たらすぐにそれに沿った売買を行う傾向があることもまた事実だからです。

一般に学問というのは白黒はっきりとしていないと普遍的に通用する理論モデルを確立できません。

そのため、こういう説があるのも頷けます。

この効率的市場仮説はあくまで仮説であり、もっと細かいモデルと高度な論争がありますので興味がある方はご自身で探究するとよいでしょう。

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