東武東上線は東京都の池袋と埼玉県中部の寄居をむすぶ路線です。
東武東上線は途中、板橋区、和光市、朝霞市、志木市、川越市といった市区町村を通ります。
東武東上線は東武鉄道の路線ではありますが、東上線の東方から北上する東武本線・伊勢崎線との接点はありません。
下板橋から成増までの沿線駅前は下町っぽい雰囲気があり、そこを過ぎると郊外っぽい風景が続き、小川町が近くなると田園地帯が多くなります。

東武東上線での通勤
会社の区分 | 私鉄 |
路線 | 東上線 |
他社線への直通運転 | 東京メトロ副都心線⇒東急東横線⇒みなとみらい線、 東京メトロ有楽町線 |
運賃以外に料金が必要な列車 | TJライナー(下り・ふじみ野以降からの乗車では運賃のみで大丈夫) |
通勤型電車の車両数 | 10両が基本 |
ラッシュ時の女性専用車両 | あり:小川町方面寄り先頭車 |
栄えている駅 | 池袋、大山、成増、川越 |
上り列車の始発駅 | 小川町、森林公園、川越市、 成増、志木、上福岡、上板橋 |
朝の最混雑区間と平均混雑率 | 成増⇒池袋:150% |

東武東上線のイメージおよび特徴
- 東京都の区間は短め
- 全体的に地味
- 小田急や東急ほど混んでいない
- 乗り入れが複雑
- 人身事故がやや多い
- 板橋区や和光市の家賃コスパは高い
東武東上線の路線図
路線図は制作中。
★東武東上線が関連する乗り入れ運転の概略図
東武東上線が関わる乗り入れは運転は上の画像のとおりです。
この概略図のポイントは、直通運転のルートはまっすぐであって、戻るようなルートはないということです。
つまり、運行ルートは森林公園~新木場、森林公園~元町・中華街、森林公園~海老名、飯能~新木場、飯能~元町・中華街のそれぞれの区間内を行き来するのです。
新木場~元町・中華街、森林公園~飯能という運行ルートはありません。
※東京メトロ有楽町線は飯田橋、永田町、有楽町、豊洲に向かうのに便利な路線です。
※東京メトロ副都心線は、新宿三丁目、西早稲田、渋谷などに向かうのに便利な路線です。
※東武東上線の池袋駅は行き止まりの地上駅です。これに対して副都心線と有楽町線の池袋駅は行き止まりではなく、新木場方面、あるいは渋谷方面に線路が伸びています。
※Fライナーは東武東上線内は急行として運行します。
Fライナーとは、みなとみらい線と東急東横線と東京メトロ副都心線と西武池袋線と東武東上線が直通で走らせる列車のうち速達性の高い電車のこと。
Fライナーは通常の通勤型車両でされる、別料金不要の電車です。
東武東上線は割と便利
他路線との接続
東武東上線の駅 | 乗り換え路線 |
池袋 | JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、 西武池袋線、 東京メトロ丸ノ内線・副都心線・有楽町線 |
和光市 | 東京メトロ有楽町線・副都心線 |
朝霞台 | JR武蔵野線(北朝霞駅) |
川越 | JR川越線 |
川越市 | 西武新宿線(本川越駅) |
坂戸 | 東武越生線 |
小川町 | JR八高線 |
寄居 | 秩父鉄道本線 |
東武東上線の他路線との接続数は少ないです。
ただ、川越付近に住んでいる人は郊外ながら3路線(東武東上線、川越線、西武新宿線)も選択肢があります。
これは、トラブルが発生したときには普段とは別の路線が使えるメリットがあります。
また、和光市までくれば副都心線と有楽町線という選択肢もあります。
ラッシュ時の混雑率
東武東上線のラッシュ時の上り列車の混雑率は150%くらいです。
しかし、このデータはピーク時の最混雑区間の平均値なので急行・準急はそれよりも高く、各停はそれよりも低いと見るべきです。

池袋近辺にご自身の勤務地があり、そこに埼玉県から通勤するのだとすれば、混雑しているJR埼京線や宇都宮線よりも東武東上線沿線に住む方がよいかもしれません。
東武東上線は競合路線をもち出しにくい
東武東上線が他社路線と競合しているように見える箇所といえば川越駅周辺です。
川越駅付近には東武東上線と西武新宿線とJR川越線(埼京線直通)の駅があります。
川越から上り方面で向かう場所といえば、池袋か新宿が多いでしょう。
しかし、東武東上線は川越から池袋に真っすぐに向かうのに対して、川越線は東の大宮に経由しつつ池袋に向かうので、川越から池袋に向かうのなら早さでも運賃でも東武東上線が有利です。
西武新宿線は高田馬場か西武新宿に行くのに適した路線ですから、川越から池袋に行く際は途中の所沢で西武池袋線に乗り換える必要があります。
つまり、東武東上線には真っ向から対比できる路線・区間がありません。
※東武東上線急行で川越から池袋に行く場合、平日朝は昼よりも7分ほど所要時間が長くなります。
ラッシュ時の東武東上線はそれだけ電車の本数が多く(=電車が渋滞する)、乗客の乗り降りにも時間がかかるということです。
東武東上線の終電はちょっと早い
東武東上線池袋駅の平日下り方面・終電付近の時刻表(有料ライナーは除く、太字が終電)
0時 | 02(準急・森林公園)05(各停・成増) 15(準急・川越市)20(普通・志木) 30(準急・川越市)35(普通・成増) |
東武東上線の終電は首都圏の他の路線に比べると少し遅いです。
北池袋~寄居の見どころ
東武東上線に限らず首都圏の鉄道は、朝のラッシュの時間帯に通勤需要が集中して混雑するのは当たり前のことです。
しかし、そのとき下り列車を観察するとガラガラの路線もあれば、ある程度混んでいる路線もあります。
東武東上線の平日朝の下り列車は「混雑」というほどではありませんが、席は埋まっています。
これはビジネス需要もありますが、川越方面の観光客や大学生の需要も入っていると見られます。
東武東上線の場合、おもな観光地は以下のとおりです。(カッコ内は最寄り駅)
- 下町感がある大きな商店街として有名なハッピーロード大山商店街(大山)
- 光が丘公園(下赤塚)
- 朝霞ガーデンという管理釣り場(朝霞台)
- 小江戸川越(川越)
- 霞ヶ関カンツリー倶楽部という名門ゴルフ場(霞ヶ関・鶴ヶ島)
- 聖天宮という台湾系のお宮(若葉)
- ピオニウォーク東松山というショッピングモール(高坂)
- 吉見百穴という古墳時代の遺跡(東松山)
- 森林公園
観光地はちょっと少ない感じですが、沿線には大学が多いので学生が住む路線にするとよいと思います。
地価
東武東上線の地価については以下のとおりです。
基本的に埼玉方面の地価は、神奈川方面や世田谷方面に比べると少し安いです。
※新築マンション価格と付近の賃料は、各社の「駅から徒歩5分圏の物件(70㎡)」を見比べて公示価格に合わせて多少補正した大まかな目安です。
※駅は山手線圏内から均等に数kmごとの住宅街系の駅を選んでいます。
駅名 | 市町村 | 新築マンション価格 | 付近の賃料 | 山手線からの直線距離 (この場合は池袋) |
大山 | 東京都板橋区 | 6900万円 | 23万円 | 約2km |
和光市 | 埼玉県和光市 | 5700万円 | 18万円 | 約11km |
朝霞台 | 埼玉県朝霞市 | 4900万円 | 16万円 | 約14km |
川越 | 埼玉県川越市 | 4600万円 | 15万円 | 約29km |
坂戸 | 埼玉県坂戸市 | 4000万円 | 13.5万円 | 約38km |
東松山 | 埼玉県東松山市 | 3600万円 | 11.5万円 | 約44km |
個人的には和光市駅周辺の物件に注目しています。
和光市は埼玉県の中でも東京都の区部(板橋区)に接した自治体であり、和光市駅は副都心線と有楽町線の始発駅である割に混雑率はさほど高くないからです。
行政としての和光市は移住の受け入れに力を入れているらしく、駅近くでは再開発を進めています。
和光市駅周辺は割と地味ですが、今後の盛り上がりに期待できると考えます。
次に朝霞台は武蔵野線と接続している割にはさっぱりとした印象を受ける駅です。
駅周辺はマンションも一戸建ても選べる環境になっています。
次に川越は駅周辺はにぎやかですが、高層ビルは見当たりません。川越は小江戸だけあって高層ビルを建てたがらないのでしょう。
ただ、川越駅周辺は交通量や人の往来の割に道路・歩道が狭いです。
最後に坂戸駅と森林公園駅はどちらも郊外に位置しますが、坂戸は昔ながらの街並みも残っている一方で、森林公園は新興感が強い住宅街です。
まとめ
評価 | |
ラッシュの混雑率 | 和光市~池袋間は実質的に複々線になっているので、そこから先は混雑が分散される。 |
沿線下り方面の魅力度 | 下り方面には遠方からも人が訪れる有名観光地や大型商業施設が少ないが、大学はそれなりに多い。 |
沿線の地価 | 埼玉方面の地価は神奈川方面や埼京線沿線に比べると少し安い。 また混雑率も高くないのでベッドタウンとしては穴場的な価値がある。 とくに和光市付近はじわじわ人気が高まっている。 |
他路線との接続 | 和光市から地下鉄直通の始発列車が多いのは大きいが、新幹線との接続駅がないのが不満。 |
電車の速達性 | 東武東上線は地下化や高架化があまり進んでいないためか、人身事故がぼちぼち起きる。 |
運賃の安さ | 首都圏私鉄の中では平均レベル。JRよりは安い |
東武東上線のイメージおよび特徴
- 池袋、副都心線沿線、有楽町線沿線に通勤や通学の行き先がある人
- 神奈川方面や世田谷方面よりも安い家賃を求める人
- JR線や東急線よりも混んでいない路線を求める人
- 郊外の川越付近から都心に向かう際に3路線の選択肢をもちたい人