JR西日本の新快速は関西圏の鉄道に慣れていない人にとっては異常ともいえるほど速いです。
その速さといったら京都を同時刻(平日10時30分)に発車する有料特急「はるか号」よりも5分ほど早く新大阪に到着するくらいです。
ということで今回は、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)が誇る新快速電車の速さや基本的な仕様について解説しています。
新快速という種別はJR東海にもあります。
ちなみに以下はJR各社の種別ごとの通過駅の多さの大まかな序列です(特急や新幹線はのぞく)。
- JR西日本
新快速>快速>普通
- JR東海
特別快速>新快速>快速>普通
- JR東日本
ホリデー快速>通勤快速、特別快速、特快>快速>普通
とくにJR東日本の場合、路線によって種別の事情は異なります
新快速は通勤にも青春18きっぷにも適した速い電車
まずは新快速の基本的な仕様(スペック)について確認しましょう。
- 使用車両
223系、225系
- 基本的な運行区間
米原~姫路(他にも枝葉の運行区間あり)
- 基本区間における運行頻度
ラッシュ時は約10分おき、日中は約15分おき
- 平日ピーク時の混雑率
150%くらい
- 東方面の行き先
敦賀、米原、京都、近江塩津、草津、長浜 、野洲
- 西方面の行き先
播州赤穂、網干、上郡、姫路、大阪、西明石
- 最高速度
130km/h
- 表定速度
85km/h
- 基本的な長さ
12両編成(8両+4両)
- ドア数
3ドア
- トイレ
1号車と、5号車あるいは9号車
- 運賃以外に料金が必要な車両
Aシート(9号車)
- 基本的な座席
クロスシート
- 新快速の英語表記
Special Rapid Service
Aシートは、コンセントつき、無料Wi-Fi、リクライニング機能、テーブルつき。
料金は均一500円。
新快速が一目置かれる理由
次は新快速が速い理由と魅力について。
新快速が速い理由
- 直線区間が多い
- 複々線(草津~西明石)の区間が長い
- 関東の過密路線ほど全体の運転本数が多くないため電車は渋滞しにくい
- 関東ほど混雑しないため乗り降りがスムーズに行われる
- 通過駅が多い
- 特急の通過待ちはほとんどしない
- 私鉄(とくに阪急)との競争に勝つためにJR西日本はムキになっている
さらに新快速は、運転距離が長い、クロスシートばかりで座り心地がいい、関東よりはまだ座れる確率が高い、といった特徴・魅力もあります。
これに関して、たとえば首都圏の常磐線の特別快速も結構速いです。しかし、常磐線の特別快速は1時間に1本しかありませんし、ラッシュ時には運転しません。
そのうえ常磐線の特別快速の運転距離は70kmくらいですが、新快速の運転距離は最大で275kmにも達します。
新快速は速いうえに運転距離は長いですし運賃だけでクロスシートに座れますから、青春18きっぷの旅行者からもかなり好評です。
青春18きっぷの旅行者は、快速が乏しい静岡地域や岡山地域を抜けたあとに新快速に乗ると速くて感動するのです。


ちなみに新快速が京都を同時刻(平日10時30分)に発車する「はるか号」よりも5分ほど早く新大阪に到着するのは、はるかは貨物線と本線を行き来しながら走るからです。
はるかはさまざまな路線をまたぐ特急であるため、本線一直線の新快速よりも遅いというわけ。
新快速の停車駅
次は米原~姫路における新快速の停車駅について順番に示します。
- 米原
- 彦根
- 能登川
- 近江八幡
- 野洲
- 守山
- 草津
- 南草津
- 石山
- 大津
- 山科
- 京都
- 高槻
- 新大阪
- 大阪
- 尼崎
- 芦屋
- 三ノ宮
- 神戸
- 明石
- 西明石
- 加古川
- 姫路
新快速の対抗馬
最後に新快速と同じくらい速くて、なおかつ運賃だけで乗ることができる列車をJR以外も含めてあげてみます。
矢印の右側は欠点です。
- JR北海道の快速エアポート
ロングシートが多い
- JR東日本の常磐線の特別快速
ラッシュ時には運転しない
- JR東海の東海道本線の特別快速
運転本数はやや少ない
- 名鉄本線の快速特急
運転本数はやや少ない
- つくばエクスプレスの快速
ラッシュ時には運転しない
- 北越急行の超快速
運転本数はかなり少ない
- 京浜急行の快特
新快速よりも遅い