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鉄道周辺

ジャパンレールパスは日本人差別?【擁護できるんだな、それが】

2020年12月9日

ジャパンレールパス(JAPAN RAIL PASS)とは、JRグループ6社が共同で販売する乗り放題きっぷのこと。

ジャパンレールパスの値段は大人・7日間・普通車の利用で50000円(2024年10月~)。

たとえば東京~新大阪について新幹線で行くと片道14000円くらいかかります。

つまりジャパンレールパスは、新幹線も特急も乗り放題になるきっぷとしては安いです。

ジャパンレールパスは新幹線の中ではのぞみ号とみずほ号は利用できません。

それから寝台列車の利用には追加料金が必要。

ジャパンレールパスの購入資格は短期滞在の観光ビザで日本に入国した人、あるいは一定条件を満たした海外在住の日本国籍者のみ。

ここで多くの日本人が浮かべる不満は「ジャパンレールパスって外国人を優遇しすぎじゃない?日本人は差別されている!不公平だ!」ということでしょう。

確かにジャパンレールパスの価格は激安ですし、それは日本在住の日本人には買えませんが、ジャパンレールパスを擁護できる理由も3つあります。

今回はこちらについて解説しています。

ジャパンレールパスは日本人差別?

日本人ならほとんど知っているでしょうが、そもそも日本の鉄道の路線図やきっぷはかなり複雑です。

たとえば東京都内の路線図や特急・新幹線の割引きっぷは日本人から見ても結構複雑です。

なにしろ東京圏ではJR2社(東日本と東海)と私鉄数社と東京メトロと都営地下鉄などが入り乱れていますから。

そのため日本人の駅員が日本人の乗客に説明するのでさえも一苦労します。

そして日本人の駅員が外国人観光客に英語や中国語で特急・新幹線の割引きっぷを説明するのであれば、理解してもらうのは一層難しくなります。

これに関して「JR線はほぼ全線にわたって乗り放題」というジャパンレールパスがあれば外国人観光客にとって理解しやすいです。

これなら貴重な観光時間を駅員からの説明に費やす必要はなくなります。

駅員としてもその方が説明する手間が省けて他の日本人相手の仕事ができます。

つまり、ジャパンレールパスの存在は日本人にとってもメリットがあるのです。

ヨーロッパには外国人観光客向けの乗り放題券がある

次は互恵関係について。

たとえば日本人がヨーロッパ諸国に行った場合、ユーレイル(外国人はヨーロッパの鉄道乗り放題)やジャーマンレイルパスといった乗り放題券を利用することができます。

ユーレイルパスはヨーロッパ以外の居住者に対して発行されます。

ヨーロッパの鉄道は日本と違って改札がない代わりに不正乗車には厳しい罰金をとったり、国境をまたぐ路線がいくつもあります。

このようにヨーロッパの鉄道は日本の鉄道とはかなり違う中で乗り放題券の存在はうれしいもの。

要するにジャパンレールパスはヨーロッパとの鉄道との関係ではお互い様なのです。

日本人が外国に行ったときにジャパンレールパスと同等の乗り放題券があるとすれば、ジャパンレールパスの安さも許せると思いませんか。

訪日外国人観光客は新幹線ばかりを使いまくるわけではない

最後に申し上げたいのが、おそらくジャパンレールパスをフルに使いまくる人はあまりいないということ。

そもそもジャパンレールパスは、期日内に新幹線に乗れば乗るほどトクをします。

しかし、日本の新幹線は東京、名古屋、京都、新大阪、広島、博多といった大都市間を移動するのに便利であって、新幹線に乗っているだけで観光になるところはとても少ないです。

乗っているだけで観光になるとは、箱根登山鉄道や京都嵯峨野トロッコのような観光列車を思い浮かべてください。

したがって、訪日外国人観光客は鉄道オタクのように1日中、新幹線ばかりに乗るという使い方はせず都市間の移動だけに使って、そのあとは駅の外で観光というパターンが多いはずです。

このように新幹線の利用距離がさほど長くないのであれば、これまた許せる理由の一つになります。

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