品川駅は東京都心の南側の主要駅であり、天下の東海道新幹線がすべて停まりますし、羽田空港へもアクセスしやすいです。
しかし、品川駅には東京メトロが一路線も走っていないという欠点もあります。
- 山手線
- 京浜東北線
- 常磐線
- 東海道線
- 総武横須賀線
- 東海道新幹線
- 京浜急行(都営浅草線直通)
品川駅に電車で通勤する場合、以上7つの選択肢がありますが、どんなふうに選べばよいでしょうか。
わかりやすく解説してまいります。
品川駅への通勤の基本方針
品川から家賃の安い外側(郊外)に向かうなら、蒲田、横浜、藤沢、横須賀方面に住むことをおすすめします。要するに品川駅の南西~南の方です。
品川駅の北西~北にある新宿、渋谷、芝公園、東京駅あたりはどれも家賃が高いです。
しかし、都心から真っすぐ郊外へ遠ざかれば家賃は下がります。そのため品川駅の南方がおすすめなのです。
これにあてはまる路線が、JRの京浜東北線、東海道線、横須賀線と、私鉄の京浜急行です。
実際、品川駅近くで勤務している人は、品川の南方から上の4線を使って通勤する人が多いはずです。
この4線の上り列車について品川駅に到達する直前の混雑率を比べると、
- 横須賀線(190%)東海道線(190%)
- 京浜東北線(185%)
- 京浜急行(155%)
となります。
180%以上の混雑は慣れない人にとっては厳しいですが、短区間なら大丈夫でしょうし、長距離なら始発駅を狙えば解決できます。
品川駅に至る鉄道路線の特徴
ちなみに電車の速さは東海道線>横須賀線>京浜東北線という傾向があります。
京浜急行の快特は東海道線に次ぐ速さですが、京急の各停は京浜東北線よりも遅いです。
運賃は品川から横浜まではJRの方がわずかに安い一方で、品川から横須賀という距離になると私鉄よりも高くなります。
家賃は京浜急行の各停しか停まらない駅近くは安い一方で、京急の快特やJRが停まる駅近くは高くなるという感じです。
あるいは東急大井町線の沿線に住んで大井町(品川と蒲田の間)に行き、そこから京浜東北線に乗り換えれば一駅で品川に着きます。
この区間の京浜東北線はかなり混雑しますが、一駅なら大丈夫でしょう。これも有力な通勤ルートです。
以上をふまえて、男の一人暮らし向け、ファミリー向け、おしゃれ感を好む人向けに分けておすすめ駅を示します。
男性の一人暮らしにおすすめは梅屋敷と雑色
男性の一人暮らしの方におすすめなのは京急蒲田の隣り駅である梅屋敷と雑色という京浜急行の駅です。
両駅とも普通(各停)しか停まらないだけあって、快特停車駅よりは家賃が安いです。
梅屋敷と雑色の地域にはオーケーストアというディスカウント型のスーパーマーケットがあります。
またコインランドリーや、飲食店(個人店もチェーン店も)もかなりあります。
娯楽をもとめるのなら近くの蒲田や、電車やバスで少しの距離にある平和島に出向けばいろいろ楽しめます。そのため男の一人暮らしには困らないはずです。
梅屋敷や雑色の欠点(人によっては利点)は下町感があることです。知名度も低いです。
それは、大井町駅から東急大井町線で西の方に行った自由が丘はおしゃれ感と知名度があるのとは対照的です。
ちなみに雑色駅の南方には多摩川の河川敷があり、そこではさまざまなスポーツが楽しめるのですが、台風時の多摩川は氾濫が危惧されています。
ファミリーや女性の単身者向けのエリア
蒲田や平和島近くの娯楽は公営競技や遊技場、飲み屋など大人の男性好みのところが多いです。
そうなると、ファミリー層や女性の単身者は住む場所としてはちょっと敬遠したがるものでしょう。
そこでファミリー向けや女性の単身者は東急大井町線の旗の台や北千束あたりはいかがでしょうか。
大井町線沿線は都心に近く、また東急系のブランドがあるため家賃や物価は高いですが、平和島よりはまだファミリー感があります。
「もう少し家賃を安くおさえて広いところに住みたい」という場合、湘南新宿ライン・横須賀線の新川崎はいかがでしょうか。
新川崎はタワマンバブルで有名な武蔵小杉の下り方面の隣り駅であり、武蔵小杉より家賃は少し安いですし、乗降客も武蔵小杉ほど多くありません。
新川崎駅前は地味ですが、派手な街(都心や横浜駅)へは電車を利用すれば早くたどり着けます。
「もっと広いところに住みたい、家賃を安くおさえたい」という場合、辻堂や平塚、横須賀などさらなる郊外に出るべきです。
このあたりは海に近いため、とくに海系のレジャーが好きな人にはおすすめです。
また辻堂駅や平塚駅の近くには大きなショッピングモールもあるため、買い物が好きな人も満足できると思います。
京急の金沢文庫はおすすめ
なお座れる確率が高く、かつ家賃が高くない場所というと京急の金沢文庫駅(横浜市南部)がおすすめです。
金沢文庫駅では平日朝、上り方面の列車に空車4両を増結します(昼間は増結なし)。所要時間は快特利用で品川駅まで50分ほど。JRの東海道線や横須賀線ほど始発駅での競争率は高くありません。
品川駅通勤のまとめ
- 家賃の安さを重視する人におすすめ京急線で快特が停まらない駅(おしゃれ感に欠ける)
- おしゃれ感と品川の近場をもとめる人におすすめ東急大井町線沿線の駅(家賃や物価が高め)
- 郊外と始発駅の環境をもとめる人におすすめ京急線の金沢文庫や東海道線の平塚(通勤にちょっと時間がかかる)
以上のうち、カッコ内は欠点です。
ただし、たとえば東急大井町線の駅の中にも急行停車駅・乗換駅は家賃が高く、そうではない駅は少し安いという傾向もありますので、あなた自身でも探ってみるとよい思います。