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鉄道周辺

京浜急行は通勤しやすいか?住みやすい?

2020年2月12日

このページでは東京・神奈川にまたがって運行する大手私鉄である京浜急行について解説します。

解説するといっても鉄道オタク向けの細かい知識ではなく、路線の簡単な概要、観光、混雑率、地価など一般的な生活者にとって役立つ知識です。

まとめ風のページですので気軽に見れると思います。

京浜急行での通勤と路線図

会社の区分 私鉄
路線 本線、久里浜線、大師線、逗子線、空港線
他社線への直通運転 都営浅草線⇒京成線・北総線
運賃以外に料金が必要な列車 モーニング・ウィング号、ウィング号
通勤型電車の車両数 8両あるいは4両が基本だが、ラッシュ時の快特は12両
ラッシュ時の女性専用車両 一部列車のみあり:品川寄り先頭車
栄えている駅 品川、京急蒲田、京急川崎、横浜、上大岡
上り列車の始発駅
(空車の増結駅も含む)
三崎口、逗子・葉山、浦賀、金沢文庫、京急久里浜、
羽田空港第1・第2ターミナル、
京急蒲田、神奈川新町、三浦海岸、堀ノ内、横浜、京急川崎
朝の最混雑区間と平均混雑率 日ノ出町⇒横浜:155%
京急で座るには始発駅か、上大岡、横浜、京急川崎みたいな大きな駅で降りる人を狙うのが正攻法。
金沢文庫は平日朝に高い率で空車を4両増結するから狙い目の駅だよ。

京急のイメージおよび特徴

  • 下町感がやや強い
  • 羽田空港に乗り換えなしで行ける
  • 神奈川県の東方、海に近いところを走る
  • 京急川崎~横浜は線路と脇の住宅の距離がかなり近い
  • 各停(普通)の駅間が短い
  • 快特はJRと張り合っており、都心の近くを走る割に速い
  • 加速度も高い
  • 増結と切り離しが多いうえに手際がよい
  • 人身事故からの復旧が早い

京急の概要

さて、神奈川県の鉄道の大動脈といえば東海道です。

東海道とは日本橋、品川宿、川崎宿、神奈川宿…と続いていく日本全体として見ても指折りの幹線。

東京都の品川にほど近い泉岳寺から神奈川県の横浜(神奈川宿に近い)まではこの東海道を突っ走り、そこから東京湾に沿ったような形で三浦半島方面へ至る大手私鉄が京浜急行です。

略して「京急(けいきゅう)」と呼ばれます。

総延長は87km。泉岳寺駅から沿線最南端の三崎口駅は営業キロ(運賃計算上の距離)で約67km、直線距離で約52km。


競合路線であるJR横須賀線は久里浜が終着駅ですが、京急線は久里浜から南西へ10kmほど進んだところにある三浦半島の三崎口まで伸びています。

かつては赤一色の電車ばかりでしたが、近年では車体の色にバリエーションが出てきています。

京急川崎駅にはフラップ式の案内表示機があるよ。それは俗に「パタパタ」とも呼ばれる列車の種別・行き先・発車時刻などを板の回転で見せるもの。鉄道に興味がない人にとっても一見の価値がある。

路線図の簡単な説明

京浜急行の路線図(ウィング号という別料金が必要な列車は除く)

京浜急行の路線図

※京浜急行は以下の路線から構成されています。

  • 本線泉岳寺~浦賀
  • 久里浜線堀ノ内~三崎口
  • 逗子線金沢八景~逗子・葉山
  • 大師線京急川崎~小島新田
  • 空港線京急蒲田~羽田空港第1・第2ターミナル
今では久里浜線が本線っぽい感じで、本線が支線みたいな感じだけどね。

※羽田空港線へは上りの品川方面からだけでなく、下りの横浜方面からも直通列車があります。横浜方面からの直通列車は京急蒲田駅でスイッチバックします。

このように支線に向かって本線の下りと上りの両方から直通列車があるのは珍しいです。それだけ京急は羽田空港への輸送に力を入れているわけです。

※途中の上大岡駅は京急線の中で中核駅ともいえる存在です。上りのウィング号は上大岡から品川までノンストップですし(横浜通過)、沿線で唯一の京急百貨店もあります。

※大師線は本線からの直通列車がないため路線図では独立させました。

京急の快特と特急は運賃だけで乗車できます(別料金不要)。

京急線に関する乗り入れ運転の概略図

京成線の乗り入れ路線図

★都営浅草線の路線図

都営浅草線の路線図

京急線は泉岳寺から北について都営浅草線と相互乗り入れ運転を行っています。

その都営浅草線は京成線・北総線と相互乗り入れ運転を行っています。

これによって三浦半島から乗り換えなしで京成線沿線に行くことができます。

※上り列車の行き先は、京急線内だと品川、羽田空港など、相互乗り入れ先だと押上(都営浅草線)、青砥(京成線)、印旛日本医大(北総線)、成田空港(京成線)など。

京急線は都営地下鉄に直通しており、また品川駅前後では東京メトロの接続がないので都営地下鉄が走っていない池袋方面に行くには不便です。

品川から山手線で池袋方面に行くにしても各駅停車なのでちょっとキツイといえます。

※品川から横浜までは京浜急行とJR京浜東北線が近い距離を並走しています。JR京浜東北線の品川~横浜間の停車駅は以下のとおり。京浜東北線の快速列車はこの区間については全駅停車です。

  • 品川
  • 大井町
  • 大森
  • 蒲田
  • 川崎
  • 鶴見
  • 新子安
  • 東神奈川
  • 横浜

全体的に品川~横浜については京急線の方が駅数が明らかに多いのです。

京急は駅数が多い割に快特や特急はスピードを出す。とくにJRとの並走区間は見もの。電車の入れ替え・連結、そして人身事故からの復帰も早い。

京急線は結構便利

他路線との接続(赤字の駅は乗り換え距離が長め

京急線の駅 乗り換え路線
泉岳寺 都営浅草線
品川 JR山手線・京浜東北線・東海道線・総武快速横須賀線・常磐線、
東海道新幹線
京急蒲田 京急空港線
京急川崎 JR京浜東北線・東海道線・南武線(JR川崎駅)
京急鶴見 JR鶴見線・京浜東北線
京急東神奈川 JR横浜線・京浜東北線
横浜 JR京浜東北線・東海道線・横須賀線、
東急東横線・みなとみらい線、
相模鉄道(私鉄)、横浜市営地下鉄ブルーライン
上大岡 横浜市営地下鉄ブルーライン
金沢八景 京急逗子線、
金沢シーサイドライン
堀ノ内 京急久里浜線
新逗子 JR横須賀線
京急久里浜 JR横須賀線

京急線の他路線との接続数はまあまあの水準です。大手私鉄の中では上位レベルにあるといえます。

京急沿線には新幹線との接続駅である品川駅(のぞみ停車駅)もありますので郊外に伸びる路線としては十分な水準です。

ちなみに他路線との接続の利便性のトップクラスはJR中央線です。

JR山手線や東京メトロ銀座線のような都心しか走らない路線はランキング外。
仲木戸や京急鶴見での京浜東北線との乗り換えは、上りでも下りでもほぼ同じ方面に進むものだから乗り換え感に乏しい。

ラッシュ時の混雑率

京急線のラッシュ時の上り列車の混雑率は155%くらいです。

しかし、このデータはピーク時の最混雑区間の平均値なので快速はそれよりも高く、各停はそれよりも低いと見るべきです。

もっとも混雑する区間は日ノ出町~横浜あたり。

快特と特急は混雑しますが、普通列車(各駅停車)はまだ楽です。

そのうえ、横須賀線・東海道線や京浜東北線と競合する区間ではそちらにも客が流れます。

並走するJRは170%~200%くらいの混雑ですからJRに比べると少し楽だといえます。

JRにトラブルが発生すると京急に人が流れ込むため京急はとても混雑しますが、逆に京急にトラブルが発生してもJRを使えば都心まで行けます。

京急の名物といえば首都圏では珍しい転換式のクロスシートの普通列車(快特)があること。
JRの中距離列車(東海道線や常磐線)のクロスシートは乗り心地が堅くて窮屈な固定式だから、京急のそれは乗り心地がよくて魅力的だね。

競合路線と運賃・所要時間を比較(平日朝7時30分前後発の列車)

上り区間 京急線 JR線
川崎⇒品川 240円(快特で13分) 230円(東海道線普通で11分)
鶴見⇒品川 320円(普通と快特で24分) 230円(京浜東北線で21分)
横浜⇒品川 320円(快特で30分) 310円(東海道線普通で21分)
久里浜⇒品川 710円(快特で76分) 950円(横須賀線で82分)
逗子・葉山⇒品川 620円(特急と快特で63分) 740円(横須賀線で56分)

※京浜急行とJRは、品川から横浜までは近くを並走しますが、横浜から久里浜までの区間はたがいに離れたところを走ります。

※品川~横浜間ではJRの方が早く、そして安いですが、もっと長い区間においては京急線の方が早く、そして安くなるといえます。

※京急の快特のみを使って上大岡から品川まで行く場合、平日朝だと40分、昼間だと26分かかります。ラッシュ時の京急はそれだけ電車の本数が多く(電車が渋滞する)、乗り降りに時間がかかるということです。

京急線の昼間の快速列車 リムジンバス
横浜駅~羽田空港第1・第2ターミナル 400円(快特で24分) 590円(24分くらい)
京浜線の昼間の快速列車 リムジンバス
品川駅~羽田空港第1・第2ターミナル 330円(直通の快特で15分) 730円(25分くらい)

※空港直通の快特は本数が少なめです。

※バスは渋滞によって遅れる場合が多々あります。また時間帯によってはバス料金は高くなります。

※参考までにモノレールに乗って浜松町から羽田空港第1ビル(国内線ターミナル)まで行くと、平日昼間の最速便で490円・18分かかります。

京急線の終電はちょっと早い

京急線品川駅の平日下り方面・終電付近の時刻表(太字が終電)

0時 02分(特急・金沢文庫行)06分(普通・京急川崎)

※京急線の終電は首都圏の他の路線に比べると少し早いです。

終電が早いと、タクシーや深夜バスなどを使わない限り帰れなくなるから意外と大きなチェックポイント。

北品川~三崎口の見どころ

京急線に限らず首都圏の鉄道は、朝のラッシュ時に通勤需要として上り列車が混雑するのは当たり前のことです。

しかし、そのとき下り列車を観察するとガラガラの路線もあれば、ある程度混んでいる路線もあります。

朝のラッシュ時に下り線もそれなりに混んでいる路線には、下り方面に魅力ある行き先があります。

たとえば、自然豊かな観光地、大学、大企業の拠点、大型ショッピングモール、スタジアム、公営競技場、港(空港・海港)などです。

こういう要素にめぐまれている路線は乗客にとって魅力的です。

鉄道会社としても観光系の需要が大きいほど沿線の土休日を盛り立ててくれるため、沿線の下り方面も開発します。

お金がまわる刺激や雇用が多い方が経営側にとっても乗客側にとっても魅力的なのです。

ちなみに大学が沿線の下り方面に充実していると、大学関係者は平日朝に混雑する上り通勤客と逆の動きをしてくれるため混雑分散や収益向上にとってプラスになります。

ですから、鉄道会社は大学の都心回帰を歓迎しません。

鉄道会社、とくに大手私鉄の経営は沿線のバスと小売(百貨店やスーパー)と不動産なども兼ねている場合が多いよ。だから、沿線の下り需要はかなり重要なんだ。

京急線の場合、大学と大企業の生産拠点は少ないですが、観光地と公営競技場と大型商業施設は以下のとおり充実しています。(カッコ内は最寄り駅)

  • 大井競馬場(立会川)
  • 天然温泉平和島(平和島)
  • ボートレース平和島(平和島)
  • 羽田空港
  • 川崎競輪(京急川崎)
  • 川崎大師
  • 横浜駅周辺の大型商業施設
  • 横浜港(横浜)
  • 日ノ出町駅~黄金町駅付近の歓楽街
  • 横須賀の米軍基地(汐入)
  • 葉山マリーナ(新逗子)
  • 海水浴(新逗子、三浦海岸)
  • 久里浜の金谷フェリー(京急久里浜)
  • 油壷マリンパーク(三崎口)
  • 城ヶ島(三崎口)

このように全国的にも有名な見どころが揃っているといえます。

ちなみに金谷フェリーに乗ると、東京湾対岸(東側)の房総半島の金谷に40分ほどで着きます。

ただ、公営競技場や歓楽街、米軍基地の近くに関しては治安の面で少し不安もあります。

また、海に近いエリアでは津波の危険性も指摘されています。

海辺に釣りに行く旅や、三崎へ名物のマグロを食べに行く旅、三浦半島で自転車をレンタルしてサイクリングに行くのもいいよ。

地価

京急線の地価については以下のとおりです。

※新築マンション価格と付近の賃料は、各社の「駅から徒歩5分圏の物件(70㎡)」を見比べて公示価格に合わせて多少補正した大まかな目安です。

※駅は山手線圏内から均等に数kmごとの住宅街系の駅を選んでいます。

駅名 市町村 新築マンション価格 付近の賃料 山手線からの直線距離(京急は品川)
青物横丁 東京都品川区 7200万円 24万円 約2km
雑色 東京都大田区 6200万円 20万円 約9km
南太田 神奈川県横浜市南区 5300万円 18万円 約24km
能見台 神奈川県横浜市金沢区 4900万円 16万円 約32km
堀之内 神奈川県横須賀市 4100万円 14万円 約41km
三浦海岸 神奈川県三浦市 3400万円 11万円 約50km

まとめ

評価
ラッシュの混雑率 ピーク時の平均で155%。
快特は各停よりも混む。並行するJRよりはまだ少し余裕あり。
沿線下り方面の魅力度 充実している。
あとは沿線の下町感や歓楽街を好むか否かで評価がわかれる。
沿線の地価 神奈川方面の地価は埼玉方面や千葉方面に比べると少し高い。
しかし京急線には下町感がある。
他路線との接続 郊外へ伸びる路線としてはよい水準。
新幹線との接続駅もあるし、地下鉄直通列車もある。
電車の速達性 快特や特急は速いがJRも速い。
羽田空港行の直通列車もぼちぼちある。
運賃の安さ 大手私鉄の中では普通水準で、中長距離ではJRより安い。

京浜急行はこんな人におすすめ

  • 羽田空港によく行く人
  • 品川、都営地下鉄浅草線沿線(三田、新橋、日本橋)などに通勤通学する人
  • JRと京急のどちらを使うべきか迷う地域に住む人で、JRほど混雑していない方がよいと考える人
  • 海に近い土地が好きな人
  • さきほど箇条書きで述べた京急線の品川以南の見どころが好きな人
  • 下町や歓楽街が嫌いではない人
京急は関西っぽい私鉄だといわれる。それはクロスシートの存在、駅名の独自性、JRへの対抗意識、ベタ塗り車両、せっかちなところなどに表れている。でも、京急や行政はそれらを変えようとしているところもある。

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