ビジネス・教育

日本人はなぜ陰湿なのか

2020年8月13日

陰湿な人

このページでは日本社会に見え隠れする日本人の陰湿さの理由について示します。

以下はその陰湿さの例。

  • ホテルやお店に不満をもったら現場の従業員に直接文句をいうのではなく、SNSや掲示板、レビューサイトなどに匿名で書き込んだり「もう利用しない」と心の中で決めること
  • いじめはオープンで暴力的な手段よりも、悪口の書き込みや嫌がらせ(持ち物にイタズラなど)を陰でこそこそ行う
  • 漫画やアニメ鑑賞においてはあら探しをする人がかなりいる
  • 都市部の電車内や駅構内でベビーカーやベビーカーをもっている人に対する扱いが冷たい
  • ある人物が犯罪をやらかしたり、あるいは偉業を達成すると学生時代の卒業アルバムの顔写真や当時の夢が晒されること
  • 子どもの性質は親の性質から判断されること(親が偉大だと子どもは七光りを利用する、あるいは親が犯罪者だと子どもまで悪く見られる)
  • 好きだったはずの部活競技が陰湿な風習のせいで嫌いになる
  • 就職や金融・賃貸における保証人制度
  • 英語の授業中に英語を英語っぽく発音すると笑われる
  • 学生服の流通はカルテルが水面下で結ばれており、価格が高止まりしている
  • 日本の伝統的な球団と企業と大学のトップは外部出身者が採用されにくいこと
  • 外国人選手が王貞治氏のホームラン記録を破ることを敬遠で守ってきたこと
  • 自社商品を買わないと裏切り者扱いされること
  • 一見さんお断りの飲食店
  • 居酒屋のお通しはメニューに載せていない割に押し付けがましいこと
  • 内部告発者に対する仕打ちが陰湿
  • 辞めさせたい社員がいたら雇用を打ち切るのではなく、配置転換を通じて自主退職を促すこと
  • タイムカードが改ざんされていること
  • 2020年、東京から田舎に帰省した人に対しては一部の地域で嫌がらせが行われたこと(きちんと検査を受けた人でさえも)

たとえば、いじめは世界各地、そして動物の世界でもありますが、日本人のいじめは陰湿感があります。

この場合の陰湿とは相手と正面から向き合うのではなく、陰でこそこそ嫌がらせをする感じです。

上の例とともに日本人がなぜ陰湿なのかを見ていきましょう。

なお大前提として諸外国も含めて一般的に田舎の方が陰湿な傾向があります。

田舎は人が少ないため異質な人が目立ちますし、人間関係の噂話以外に大した娯楽がないものです。そのため異質な人をやんわりと遠ざけたがるのでしょう。

田舎民の情報網はすごい。だから、東京から田舎に帰省した人に対して嫌がらせが行われる場合がある。
田舎民は噂話が大好きだよね。
都会民も人間の噂話はするけど都会は人が多いし移り変わりも激しいから田舎民ほど人間関係にこだわらない。

日本人が陰湿な理由

日本人が陰湿な理由は以下に基づいており、複雑に重なっています。

  • 文句を相手に直接いうとケンカになるから(事なかれ主義と平和主義)
  • 他人の目を気にする(恥ずかしがる)
  • 成功者や抜きん出た人に対する嫉妬心が強い
  • 人や事業、実績に対する評価が減点法
  • 「オレは苦労したからお前も苦労しろ」という考え方
  • 家族と教育の凝集性が強い
  • 師匠制度や保証人制度など人間関係を取り巻く制度に問題あり
  • 島国根性
  • 長期的関係では気に入らない人物は避けたい
  • 競争のなさ
  • 組織の存続を優先させる
  • 所属組織への同調と忠誠心を見せるのが当たり前

文句を相手に直接いうとケンカになるから(事なかれ主義と平和主義)

まずは先ほど述べた、

  • ホテルやお店に不満をもったら現場の従業員に直接文句をいうのではなく、SNSや掲示板、レビューサイトなどに匿名で書き込んだり「もう利用しない」と心の中で決めること

について。旅行代理店に文句をいう人も結構いるようです。

この理由は、相手(この場合はホテルやお店の従業員)に直接文句をいうと相手の気分を害する人間が自分だとわかってしまいますが、ネットや匿名で行えば自分の正体を隠せるからです。

いじめについてもSNSや匿名掲示板経由の陰口を使えば、普段いじめの加害者は表向きにはよいイメージを保つことができます。

要するに、日本人が相手に直接文句をいわないのは事なかれ主義なのです。

事なかれ主義とは物事を穏便に済ませようとする態度のことで、他人の目を気にすることや平和主義の派生形ともいえます。

日本は島国で異国との交流が少なく諸外国に比べるとまだ平和なため、事なかれ主義が根付いているのでしょう。

日本人は他人の目を気にする

また、ホテルやお店への不満について話し言葉だけだとクレーマーと従業員の関係の中だけで話題が完結しやすいものです。

しかし、SNSや掲示板などインターネットに書き込むとホテルやお店をまだ利用していない人にも評判を広めることができます。

とくに日本人は口コミや評判、レビュー、ランキングなど他人の目をすごく気にします。

そのため日本人はよくも悪くも評判を広めたがるのです。

日本人は他人とは違う行動をとりたくないのかも。
都市部の電車内でベビーカーやベビーカーをもっている人に対する扱いが冷たいのも、日本人は他人の目を気にすること、恥ずかしがることが一因としてあります。

「オレは苦労したからお前も苦労しろ」という考え方

さて、この記事を読んでいるあなたは、学生時代の部活で入部先の競技は好きだったけど顧問や先輩はイヤな人だったため、その競技まで嫌いになったという経験をもっていませんか。

吹奏楽や合唱みたいな文化系の部活も含めると、こういった経験をもっている人は多いと思います。

なんで嫌いになるかというと、理不尽なことで怒られる、欠点の指摘ばかり、体罰をくらった、年功序列が強い、忍耐力をつけるための練習が多い、休日がほとんどない、みたいな理由だと思います。

私もそういう仕打ちを受けたことがあります。

そこには「オレ(顧問や先輩)は苦労したからお前も苦労しろ」という考え方が共通してあります。まるで苦労していること自体を美徳としている感じです。

でも、その考え方って道連れ感があって陰湿ですよね。もし顧問が苦労して上手くなったとしたら、教え子たちには少しでも効率的なやり方を教えるべきなのに。

しかしというか当然というべきか、部活動で体罰を経験した人ほど成長したときに体罰に肯定的になるという統計もあります。こんなのは悪循環です。

そのため、この記事を読んでいるあなたは学生時代に苦労しているとしても、教え子には効率的なやり方を教えてほしいと思います。

あと「好きこそ物の上手なれ」というように、その競技が好きになってくれるように楽しくて長続きできる雰囲気もつくってほしいと思います。

個人競技よりも団体競技の方が締め付けが強いのかも。
会社でも新人には無駄に苦労させるところがある。楽とまではいわないが、苦労は効率的にさせるべきかも。

師匠制度や保証人制度に問題あり?

学生時代の部活の恩師、会社の新人時代の恩師は師匠とも呼ばれます。

将棋界にプロ入りしたい人は現代でも師匠をつけないと入れないくらいです。

しかし、師匠と弟子の関係は有名な杉本八段と藤井二冠のように微笑ましいものなら歓迎ですが、現実にはイヤな師弟関係も多いはずです。

そこでは仕事や競技を付きっきりで教えてもらうため、よくも悪くも濃厚な(ときには陰湿な)人間関係になってしまうもの。

学校の部活では顧問の負担も大変。

インターネットや強い将棋ソフトがない時代、将棋のプロは弟子を密接に指導してきました。しかし、最近ではネットを通じて強者と簡単に対局できますし、ソフトの棋力はプロを上回っています。

スポーツにおいてもオンラインには有益な動画がたくさんあります。学校の顧問に教えを乞うよりもYouTubeを見る方が有益なため、学校の顧問に師匠役としての価値は薄れているでしょう。

賃貸・金融や就職における保証人も「本人が何かやらかしたら近しい人が責任をとるべき」という濃い人間関係と直結した制度になっています。

日本に外国人が少なかった時代はそういう陰湿な制度でもよかったかもしれませんが、現代では時代遅れになっているように思います。

家族と教育の凝集性が強い

人間関係の陰湿性といえば、日本社会ではある人が犯罪を犯すとその子どもまで悪く見られることも挙げられます。

たとえば以前、Oという宗教が大きな犯罪をやらかしました。そしてO教の教祖A(本名M)の子どもまでもが大学への入学を拒否されました。

なぜこんなことになるかといえば、日本は家族と教育の凝集性が強いからです。

すなわち「O教の教祖の子どもなら親から悪い教育を受けているっぽいから娘も疑わしい」という理論です。

欧米だと「親は親、子どもは子ども」みたいな割り切った考え方をしがちですが、日本は親と子どもを結びつける傾向があります。それだけ親と子どもの関係は濃密なのです。

よく犯罪者やマナー違反者を見ると「親の顔が見てみたい」とかいうのはその表れだと思います。

たとえば、K大学の学生が私生活で不祥事を起こしたとします。

そうすると「これだからK大生はダメなんだ」などと個人の問題を組織全般への悪口にすり替えるのもよく見られる論法。

名門企業に所属しているとスゴイのは社員ではなく組織全体や先代なのに「自分がスゴイ」と勘違いするのはその逆バージョンといえるでしょう。

世襲議員や親の七光りタレントが日本に多いのもそれと似たようなもの。日本では本人の性質は先代や所属組織の性質と結び付けられやすいのです。

親がスゴイとしても、子どもまでスゴイとは限らないのにな。

英語の授業が陰湿(島国根性)

それから学校の英語授業も陰湿です。

まず陰湿だと思うのは、中高の英語授業は文法・読解やリスニングの比重が大きく発音や発信には重きが置かれないこと。

中高の英語授業は文科省の指導要領に基づくため、真に陰湿なのは指導要領を決めた役人や教育関係者でしょうか。

外国人が日本をあまり訪れない時代だったら読み書きに偏っても仕方ないと思いますが、現代は会話や発音・発信に力を入れるべき時代になっています。

また、英語の授業中に英語を英語っぽく発音すると笑われるのも陰湿です。発音がネイティブ並みにぶっ飛んで上手いと称賛されますが、純ジャパが英語を英語っぽくカッコつけて話すとなぜか笑われます。

純ジャパとは日本国外での生活経験がない日本人のこと。純ジャパニーズの略。

まるで「みんなが英語の発音は下手なままでなれ合っている方がいい」といわんばかりの雰囲気です。

うまくなろうとしている人を笑う文化が染みついているようではみんなうまくなりません。こういうのを島国根性と呼ぶのでしょう。

世界的には純ジャパがカッコつけた発音の方がまだ評価されて、日本人のカタカナ発音の方がおかしいと思われるのに。

競争のなさと陰湿は関連あり

学校に関して同じく陰湿だと思うのが学用品の価格の高さです。

ちょっと調べてみればわかりますが、日本の学用品の価格は明らかに高いです。公立校でさえも。

公立校においては制服本体の価格は上下で3万円前後、ジャージ上下は8000円とかザラです。

一般向けのジャージなんて有名スポーツブランドとかでなければ上下2000円で手に入る時代なのに、学用品の価格は暴利です。

大人用スーツ上下でも格安モデルだと1万円くらいで手に入る。

なんでこんなことになるのかといえば、制服を取り扱っている地域の小規模衣料店がカルテルをむすんでいるから。

複数の事業者が市場を独占して価格を高止まりさせることをカルテルといいます。カルテルは基本的には違法行為です。

地元の小規模衣料店は学校ごとにデザインを違うものにしたり、数年おきにデザインを変えたり、事業者同士で価格を申し合わせたりして高い値段を維持しているのです。

そこに大企業が参入すれば価格は下がるでしょうが、制服はアフターフォローがあったり、学校や数年ごとに細かな変更があったりすると大企業としては対応が面倒です。

数年おきにデザインを変えられると同じ学校に通うのに兄弟で着るジャージが違うなんてこともあります。これでは支出がかさみます。

陰湿といえばイジメを想像する人も多いでしょうが、こういう強制的に買わなければならない品の価格が根回しによって暴利が維持されているのも陰湿です。

日本の中高の学生は周りと違った制服やジャージを着ているのを恥ずかしがるよね。大学の体育はフリーダムなのに。
公立校のジャージはデザインが悪いから卒業後は使い道も乏しい。

外様を嫌う

それから日本人は外様を嫌う傾向もあります。

外様とは外部出身者のこと。

すなわち、伝統あるプロ野球チーム、歴史ある大企業グループ、歴史ある有名大学などのトップ(監督、社長、学長)はその組織の出身者である率が高いのです。

外様というだけで冷遇されるのは陰湿です。

日本人がなぜ生え抜きを好むのかといえば「生え抜きは我が組織の伝統を知っているため伝統を守ることができる」「外様は我が組織の存続にとって信用ならん」みたいな理由から。

本来、プロ野球チームは勝利を、そして企業は利益を追求する組織ですから、生え抜きか否かではなく有能か否かで人事を行ってほしいものです。

プロ野球のY・K軍は監督は純血ばかりだけど、主力選手は他球団からの獲得に頼っていたりする。純血主義だか実力主義だかわからん人事だ。
最近の大企業の社長は外様出身もかなり現れている。これもグローバル化の圧力か。
そういえば江戸時代の鎖国も黒船来航(外圧)で崩れたな。

日本企業では自社グループの関連商品を買うことも強くすすめられやすいです。たとえば、自動車会社でいうと「我が社の従業員が自動車を買うなら我が社の自動車を買うのが当たり前」みたいな考え方があります。

従業員は会社に対する忠誠心や同調を示すためにも自社製品を買います。自社商品を買わないと裏切り者扱いされることも外様嫌いと同じようなもの。

上司が従業員に自爆営業を迫るなんていうのも陰湿なやり方。

それからプロ野球界で非アジア系外国人が王貞治氏のホームラン記録を破ることを敬遠(わざと四球)で守ってきたことも陰湿な外様嫌いが表れています。

王貞治氏は中華民国籍ですが王氏は日本人に近い属性と見なされるためか、日本球界は非アジア系のホームランバッターに記録を更新させないようにしてきました。

それは王氏本人の指示ではなく、周りの忖度といわれています。

組織の存続を優先させる

さて、日本には一見さんお断りの店がいくつもあります。

たとえば、ものすごい大食いが食べ放題店で食べ過ぎたら次回からは入店禁止になる場合がありますが、初回利用は許されるものです。

この点、一見さんお断りの店はまだどんな人物かわからないのに初回から入店を静かに拒んでいるため陰湿だといえます。

なぜ一見さんの入店を断るのかといえば、

  • 店の雰囲気や方針に合わない人は入れたくない
  • 常連客を大切にしたい
  • 会計はツケなので信頼できる人のみ受け入れたい

という理由があるからです。

普通、上場企業のチェーン店は「一見さん」というだけでは入店を拒むことはありません。

上場企業は売上および利益を最重要視し、それは客が増えるほど上がるからです。

しかし、一部の個人店にとってはむしろ「客を常連客からの紹介によって選別した方が店は長続きする」という考え方があります。

どんな人でも受け入れると店の個性や伝統といった他店との差別化要素が失われ、それは店の長期的な業績にも響くからです。

チェーン店と一見さんお断りの店とではそもそもの経営哲学が違うともいえます。

日本全国でありがちな居酒屋のお通しや寿司屋の時価表示なんかも明朗会計ではなく初めての人には不安なものです。

日本の飲食店はお通しや時価会計を受け入れてくれるくらいの人しか客と認めたくないのかもしれません。

日本企業が内部告発者を冷遇するのも会社の存続にとって内部告発者は鬱陶しいから。
内部告発によって会社が浄化されれば、それは営利にとって悪くないともいえると思うけど。
でも、日本企業は「サラリーマン共同体」と呼ばれるように営利と同時に正社員がなれ合うことも重視する。
系列企業の結び付きが強いことや飲み会の多さもなれ合いの表れ。こういうなれ合いの組織に内部告発者は鬱陶しいんだろう。
欧米外資は実力主義が強いから、あっさり解雇を言い渡す。でも、日本企業は制度的に解雇が難しいから、組織に合わない人は閑職に追い込んだり、左遷させまくって自主退職に追い込む。後者の方が陰湿。

まとめ

日本人は陰湿です。しかし、陰湿だからこそ日本社会は治安がいいともいえます。

それは優しさから派生した面もありますし、こんなことをいっている私にも陰湿な面があります。

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