このページでは日本社会に見え隠れする日本人の陰湿さの理由について示します。
以下はその陰湿さの例。
- ホテルやお店に不満をもったら現場の従業員に直接文句をいうのではなく、SNSや掲示板、レビューサイトなどに匿名で書き込むこと
- いじめはオープンで暴力的な手段よりも、悪口の書き込みや嫌がらせ(持ち物にイタズラなど)、無視を陰でこそこそ行う
- 子どもの性質は親の性質から判断されること(親が犯罪者だと子どもまで悪く見られる)
- 好きだったはずの部活競技が陰湿な風習のせいで嫌いになる
- 英語の授業中に英語を英語っぽく発音すると笑われる
- 学生服の流通はカルテルが水面下で結ばれており、価格が高止まりしている
- 外国人選手が王貞治氏のホームラン記録を破ることを敬遠で守ってきたこと
- 不祥事を隠したり、不祥事の内部告発者に対する仕打ちが陰湿
たとえば、いじめは世界各地、そして動物の世界でもありますが、日本人のいじめは陰湿感があります。
この場合の陰湿とは相手と正面から向き合うのではなく、陰でこそこそ嫌がらせをする感じです。
上の例とともに日本人がなぜ陰湿なのかを見ていきましょう。
なお大前提として諸外国も含めて一般的に田舎の方が陰湿な傾向があります。
田舎は人が少ないため異質な人が目立ちますし、人間関係の噂話以外に大した娯楽がないものです。そのため異質な人をやんわりと遠ざけたがるのでしょう。



日本人が陰湿な理由
日本人が陰湿な理由は以下に基づいており、複雑に重なっています。
- 文句を相手に直接いうとケンカになるから(事なかれ主義と平和主義)
- 他人の目を気にする(恥ずかしがる)
- 成功者や抜きん出た人に対する嫉妬心が強い
- 「オレは苦労したからお前も苦労しろ」という考え方
- 家族と教育の凝集性が強い
- 島国根性
- 長期的関係では気に入らない人物は避けたい
- 競争のなさ
- 個人よりも組織の存続を優先させる
文句を相手に直接いうとケンカになるから(事なかれ主義と平和主義)
まずは先ほど述べた、
- ホテルやお店に不満をもったら現場の従業員に直接文句をいうのではなく、SNSや掲示板、レビューサイトなどに匿名で書き込んだり「もう利用しない」と心の中で決めること
について。
この理由は相手(ホテルやお店の従業員)に直接文句をいうと相手の気分を害する人間が自分だとわかってしまいますが、ネットや匿名で行えば自分の正体を隠せるからです。
いじめについてもSNSや匿名掲示板経由の陰口を使えば、普段いじめの加害者は表向きにはよいイメージを保つことができます。
要するに日本人が相手に直接文句をいわないのは事なかれ主義なのです。
日本は島国で異国との交流が少なく諸外国に比べるとまだ平和なため、事なかれ主義が根付いているのでしょう。
日本人は他人の目を気にする
また、ホテルやお店への不満について会話だけだとクレーマーと従業員の関係の中だけで話題が完結しやすいものです。
しかし、SNSや掲示板などインターネットに文章を書き込むとホテルやお店をまだ利用していない人にも評判を広めて共有することができます。
とくに日本人は口コミや評判、レビュー、ランキングなど他人の目をすごく気にします。そのため日本人はよくも悪くも評判を広めたがるのです。
たとえば日本の宝くじは当選者が非公表であり、身内にもあまり知らせるべきではないことが推奨されています。高額当選をひけらかすと、タカる人がたくさん現れるからです。
日本はそれだけ人間関係が濃密ともいえます。
「オレは苦労したからお前も苦労しろ」という考え方
さて、この記事を読んでいるあなたは、学生時代の部活で入部先の競技は好きだったけど顧問や先輩はイヤな人だったため、その競技まで嫌いになったという経験をもっていませんか。
吹奏楽や合唱みたいな文化系の部活も含めると、こういった経験をもっている人は多いと思います。
なんで嫌いになるかというと、理不尽なことで怒られる、欠点の指摘ばかり、体罰をくらった、年功序列が強い、忍耐力をつけるための練習が多い、休日がほとんどない、みたいな理由だと思います。
私もそういう仕打ちを受けたことがあります。
そこには「オレ(顧問や先輩)は苦労したからお前も苦労しろ」という考え方が共通してあります。まるで苦労していること自体を美徳としている感じです。
でも、その考え方って道連れ感があって陰湿ですよね。もし顧問が苦労して上手くなったとしたら、教え子たちには少しでも効率的なやり方を教えるべきなのに。
しかしというか当然というべきか、部活動で体罰を経験した人ほど成長したときに体罰に肯定的になるという統計もあります。こんなのは悪循環です。
そのため、この記事を読んでいるあなたは学生時代に苦労しているとしても、教え子には効率的なやり方を教えてほしいと思います。


家族と教育の凝集性が強い
人間関係の陰湿性といえば、日本社会ではある人が犯罪を犯すとその子どもまで悪く見られることも挙げられます。
たとえば以前、Oという宗教団体が大きな犯罪をやらかしました。そしてO教の教祖A(本名M)の子どもまでもが大学への入学を拒否されました。
なぜこんなことになるかといえば、日本は家族と教育の凝集性が強いからです。すなわち「O教の教祖の子どもなら親から悪い教育を受けているっぽいから子どもも疑わしい」という理論。
欧米だと「親は親、子どもは子ども」みたいな割り切った考え方をしがちですが、日本は親と子どもの性質を結びつける傾向があります。それだけ日本では親と子どもの関係が濃密ともいえます。
よく犯罪者やマナー違反者を見ると「親の顔が見てみたい」とかいうのはその表れでしょう。
英語の授業が陰湿(島国根性)
それから学校の授業も陰湿です。とくに陰湿だと思うのは英語の授業中に英語を英語っぽく発音すると笑われること。
発音がネイティブ並みにぶっ飛んで上手いと称賛されますが、純ジャパが英語を英語っぽくカッコつけて話すとなぜか笑われます。
まるで「みんなが英語の発音は下手なままでなれ合っている方がいい」といわんばかりの雰囲気です。
うまくなろうとしている人を笑う文化が染みついているようではみんなうまくなりません。こういうのを島国根性と呼ぶのでしょう。

競争のなさと陰湿は関連あり
学校に関して同じく陰湿だと思うのが学用品の価格の高さです。
ちょっと調べてみればわかりますが、日本の学用品の価格は明らかに高いです。公立校でさえも。
公立校においては制服本体の価格は上下で3万円前後、ジャージ上下は8000円とかザラです。
一般向けのジャージなんて有名スポーツブランドとかでなければ上下2000円で手に入る時代なのに、学用品の価格は暴利です。

なんでこんなことになるのかといえば、制服を取り扱っている地域の小規模衣料店がカルテルを結んでいるから。
地元の小規模衣料店は学校ごとにデザインを違うものにしたり数年おきにデザインを変えたり、事業者同士で価格を申し合わせたりして高い値段を維持しているのです。
そこに大企業が参入すれば価格は下がるでしょうが、制服はアフターフォローがあったり学校や数年ごとに細かな変更があったりすると対応が面倒です。
数年おきにデザインを変えられると同じ学校に通うのに兄弟で着るジャージが違うなんてこともあります。これでは支出がかさみます。
陰湿といえばイジメを想像する人も多いでしょうが、こういう強制的に買わなければならない品の価格が根回しによって暴利が維持されているのも陰湿です。


内部告発者に対する冷遇:個人よりも組織の存続が大事
それから日本企業は不祥事が起きた際に組織ぐるみで不祥事を隠して、不祥事の内部告発者を冷遇する傾向があります。
これは会社の存続にとって内部告発者は鬱陶しいから。
内部告発によって会社が浄化されれば営利にとっても悪くないといえますが、そうは考えない企業が多いのです。
海外の企業に比べて日本は歴史の長い企業が未だに生き残っているのも、組織の存続を優先してきたからでしょう。




まとめ
日本人は陰湿です。しかし、陰湿だからこそ日本社会は治安がいいともいえます。
日本は陰湿だからこそ平和なのです。
それは優しさから派生した面もありますし、こんなことをいっている私にも陰湿な面があります。
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