あなたは1920年から1933年のアメリカ全土で施行されていた禁酒法(ボルステッド法)という法律を知っていますか。
なんと、この法律では一定のアルコール分を含む飲料の醸造と販売と運搬がすべて禁止とされました。
正直言ってかなり極端な法律です。
禁酒法の教訓
しかしというか当然というべきか、そんな法律が制定されても酒類の需要は大幅に減りませんでした。
そこでギャングは密造と密売を強引に展開し、国民は強引な手法を行使してまでも酒類を求めたことから、社会秩序はかえって悪化しました。

この法律が発効していた1920年代といえばアメリカ経済は黄金時代(すごく繁栄した時代)だったと理解されていますが、その裏にはギャングの暗躍もあったのです。
禁酒法の制定背景
禁酒法の制定へと至った動機としては、政府が酒類を全面的に禁止すれば人々の暴力行為が鎮静化したり労働者が真面目になって働いて職場での生産性が上がると予見されたことがあります。
また禁酒法の制定の背景にはキリスト教の中でも「人間は禁欲的であるべき」と考える勢力が強まったこともあります。
確かにキリスト教の聖書は人間が酒を飲むことついて警告はしていますが、禁止しているわけでもありません。
したがって、節度をもって酒を飲むことはキリスト教に反するとは思えず、極端な禁欲をめざした宗派は間違っていたと考えるべきです。
強引なやり方は社会全体にとって望ましくない
禁酒を個人的に強く誓うのは問題ありません。
しかし、禁酒法のように過剰な禁欲や浄化を社会全体に求めてしまうと、かえって悪い影響の方が際立ってしまいます。
たとえば現代の日本社会には公営ギャンブルやタバコを全廃したいと考えている人がいるでしょう。
しかし、もし全廃したら非合法のギャンブルやタバコが流行するなど治安はかえって乱れます。息抜きの仕組みを設けるのも重要なのです。
それは「国民の多くが支持しない法は実効性に乏しい」という形でも言い換えられます。
これは単なる史実として終わらせるべき話ではなく、現代にも通用する教訓としての価値があるでしょう。




こちらもCHECK