社会・教育

無党派層とは?【増えた理由をわかりやすく解説】

2020年12月18日

無党派層とは特定の支持政党をもたない有権者層のこと。

筆者自身も無党派層です。先進国では無党派層は増加傾向にあり、日本もその例外ではありません。

そこでこのページではなぜ日本で無党派層が増えたのか理由をわかりやすく示していきます。

この無党派層と対照的(対義語に近い)なのが党員。

党員は自民党や共産党など特定の政党に所属し「私は〇〇党の方針に賛同するから選挙では〇〇党に投票する」と忠誠心をもちます。

特定政党の党員になることを入党といいます。

入党に際して、そして党員であり続けるには党費を政党に支払う場合が多いです。その政党の機関紙の購読が条件になっているところもあります。

無党派層とは?【増えた理由をわかりやすく解説】

日本で無党派層が増えた理由は次の6つ。たがいに深く関連しています。

  1. 冷戦の崩壊
  2. 危機感や使命感がもちにくい時代
  3. 無党派層自体は党派になりにくい
  4. 利害の多様化(利害が多様だとまとまりにくい)
  5. 個人主義の拡大
  6. 思想の多様化

現代の特性を考えてみよう

まずは1の「冷戦の崩壊」と2の「危機感や使命感がもちにくい時代」についてまとめて見ていきましょう。

そもそも、一昔前の世界情勢は「西側・資本主義VS東側・社会主義」という構図が明確でした。

西側の国とはアメリカ、日本、西ドイツ、イギリスなど。東側の国とはソ連、中国、東ドイツなど。

しかし、1990年くらいに東側の国は相次いで崩壊しました。いまだに社会主義体制を本格的に敷いているのは北朝鮮くらいです(中国は経済面では資本主義)。

そのため1980年代後半~に生まれた人の多くは「社会主義?何それ美味しいの?」という感じで、社会主義にリアリティをもっていないでしょう。

そもそも資本主義とは利益を自由に追い求める体制です。で、人間が自由に利益を追い求めると格差や違法労働といった問題が発生します。

社会主義は政府が経済活動を強くコントロールしてそういった問題を根本的に解決しようとする体制とお考えください。

現代において「資本主義反対」などと危機感を叫んでいる共産党員は高齢者が多いです。本来、社会主義という思想は若者に多い思想だったのですが…。

一方、かつては資本主義を支持する人としても「東側・社会主義国に対抗しないと日本も社会主義化してしまう」という危機感がありました。

しかし、東側・社会主義国が相次いで崩壊したためにそういった危機感は薄れてしまったのです。

このように資本主義VS社会主義という対立構図への危機感が薄れると、どこか一つの政党ばかりを支持する人(=党員)は少なくなります。

無党派層自体は党派になりにくい

さて、Twitterにおいて現役議員ではなくて政治話に熱心な個人アカウントを探すと右翼か左翼に偏っている場合が多く、中道っぽい人が少ない印象です。

あるいは街中で政治デモを行っている人は、右翼か左翼どちらかの路線を鮮明にとっている人であって中道っぽい人は少ないでしょう。

ここでいう中道っぽい人は無党派層と重複している率が高いと思います。

要するに政治に熱心な人は右翼か左翼がハッキリしている人で(=党員層)、無党派層は熱が入っていないのです。

無党派層が寄って固まって政党を組めばいいという考え方もありますが、無党派層は政治に対する熱が弱く、また是々非々で政策を決めるため党派を組みにくいです。

是々非々とは政党や立場にとらわれずダメな政策はダメ、よい政策はよいと判断すること。

たとえば「自民党の9条改憲はいいけど、夫婦別姓に対する姿勢はダメ」みたいな姿勢があてはまります。

一方、たとえば日本共産党は「共産主義」という強烈な思想をずっと押し通しています。

テレビ番組でも『サンデーモーニング』みたいな偏った政治番組には固定ファンがついている。

共産主義のような強烈な思想を押し通す人たちは党派を組みやすいですが、共産主義国(社会主義国)は大失敗に終わったため共産主義を未だに主張する人自体はかなり少ないです。

こういう社会構造だと必然的に無党派層が多くなるのです。

政策と利害と個人の多様化も原因

次は4の「利益の多様化」について見ていきましょう。

たとえば、かつて農村といえば自民党の票田でした。自民党も農家も保守的な考え方をしており、自民党は農家に支持されるような政策を実施してきたからです。

しかし、日本では自民党が推進したTPP(環太平洋パートナーシップ協定)という政策はそれを一変させました。

TPPは包括的な自由協定であり、経済における包括的な自由をめざしますから、TPPの参加国は農作物や工業製品は関税の削減・撤廃をめざします。そうなると農作物や工業製品の輸出入が活発化します。

これに関してある農家は「うちの農作物は海外の安い農作物に対抗できないから日本はTPPに参加してほしくない」と考える一方で、競争力のある農家はTPPの参加を肯定します。

ただし、TPPは例外も多く含むなど内容が多岐にわたるため、政治経済の専門家でさえも賛否が分かれています。

TPPは農業以外の業種の人にとっても賛否は分かれます。

昭和の時代なら「農家は自民党を支持すれば安泰。だから農家は自民党を全面的に支持する」みたいな感じで業種と各政党の一致率は高かったのですが、そうは言ってられなくなったのです。

そうなると農家は「自民党か左派政党か迷うな。特定政党ばかりを支持するのではなく中立的に見ようかな」と考えたりもします。

同じように昭和の時代では「製造業や教員の労働組合は社会党を支持しておけばOK」みたいな感じでしたが、現代では利害がそんなに単純ではなくなっています。

現代は昔よりも業種の数自体も増えたよ。政策の論点も増えたし。
外国人も増えたように多様化の時代だね。

思想の多様化とインターネット

経済的な利害だけでなく思想面でも「自分は自民党の改憲には賛成するものの、自民党が反対する夫婦別姓には賛成する」みたいな感じで多様化しました。

おそらくこの記事を読んでいるあなたも、何から何まで全面的に支持できる政党をもっている人は少ないのでは?

要するに自分の好み・考え方と一致する割合が高い政党がいなくなったため、無党派層が増えたというわけです。

政党の側についても自民党と公明党はよく連立政権を組んでいますが、夫婦別姓や外国人参政権に関しては意見がわかれています。

自民党は、そういう意見の違う政党と組まないと政権をとれないのです。

自分にとって一致する割合が高い政党がいなくなった人(無党派層)は、選挙に際して政党・候補者を消去法で選ぶでしょう。消去法で選んだ政党・候補者には熱が入らないのは当然です。

私自身も選挙は消去法で選ぶ場合が多いですし、世間一般でも消去法で選ぶ人は多いはずです。

同じ自民党の候補者でも、まともな人もいればボンクラもいますから、次の選挙では候補者が変わったら別の政党の候補者を選ぶなんてこともあります。

インターネット空間における言論の発達や、既存のメディア(新聞やテレビ)の衰退にともなって自由な報道・議論ができるようになったなったことも思想の多様化を促しました。

昔も今のマスコミも偏向報道が見られますが、ネットにはマスコミが隠したがる真実も載っていますから(フェイクニュースもある)。

無党派層は中道付近を好む傾向がある。要するに極左や極右みたいな極端な勢力を好まないということ。

まとめ:個人主義の拡大

現代の企業経営は優秀なプログラマーや経営者など組織の一部の人間の力がとても大事です。

これと同じように政治においても組織の力ではなく、個人としての魅力でもって支持を稼ぐ人もいます。

日本でその典型は山本太郎氏でしょう。私自身は山本太郎氏を支持していませんが、一部に熱狂的な個人単位のファンがいることは間違いありません。

YouTubeやTwitterでは特定の個人をフォローするのが当たり前であるように、これからの政治では個人としての魅力が選挙結果を左右するのかもしれません。

日本も個人の時代になってきているのに組織力ばかりに頼った政治を展開されると「時代錯誤」を感じてしまうな。
時代の流れが読めない人は政治家に向かないよね。でも日本は世襲議員が強いから時代の流れが読めなくても当選したりするんだけど。

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