犬が優しい理由
- 犬は飼い主に合わせるから(飼い主が優しければ犬も優しくなる)
- 犬は人間に依存するから(ペット犬は人間に優しく従順でないと世話をしてもらえなくなる可能性もあるから人間にこびる)
- 「犬は優しい」と思う感性の持ち主は、犬の優しさをより繊細に感じ取ることができるから(横暴な人は犬の優しさを感じ取りにくいが、犬は囚人を優しくする能力もある)
あなたはここ最近、野良犬(野犬)を日本のどこかで見たことがありますか。おそらく、見てないという人がほとんどだと思います。
一昔前の日本では野良犬がぼちぼちいたのですが、現代ではほとんどいません。
なぜなら犬による伝染病の怖さとみんなの衛生意識が高まったため、野良犬の存在はすぐに通報され保健所や動物保護センターに保護されてしまうからです。
私自身も人工的な犬、すなわちペットとして人間になついた犬は優しくてかわいいと思いますが、野生の犬は怖いです。こういう考えをもった人は多いでしょう。
今回はこのあたりを解説いたします。

犬が優しいのは人に合わせるから
そもそも犬は人間の訓練次第では狂暴にもなるように、よくも悪くも人間に合わせる動物です。
野良犬は人間に捨てられてショックを受けたり人間に躾けられないため、狂暴になりやすいといえます。


ペットとして大切にされてきた犬はその逆です。
つまり、あなたが「飼っている犬は優しい」と感じるとすれば、それはあなたが犬をペットとして優しく育ててきた結果だと思います。
あなたが落ち込んでいるときに犬が優しく慰めてくれるのだとすれば、それは普段からあなたが犬に優しくしているからでしょう。
病院にいるファシリティ・ドッグがすごく優しいのも飼い主(訓練士、ハンドラー)が優しくなるように躾けているうえに、患者や看護師からも優しくされているから。

犬は優しく出迎えてくれる


犬が優しいなら、その飼い主は犬に優しいでしょうが、その飼い主が人間にも優しいとは限りません。
それは愛犬家で有名なロシアのプーチン大統領がウクライナに侵攻しているのを見ても明らか。
まあ、もしかしたらプーチン大統領は犬にも厳しいのかもしれませんが。
犬はとても素直な生き物
犬はいつだって話し相手にもなってくれます(犬は飼い主に話しかけられるだけでうれしそう)。
飼い主が優しく接すれば犬もまた優しくなる、犬はそういう素直さが魅力的だといえます。





諸説あり:犬が苦手なタイプ
なお、犬は嗅覚で好みを判断しているという説も有力。犬はタバコや香水といった強いニオイが苦手です。
ニオイまでも好かれるほうが犬は優しくしてくれるでしょう。
また声のトーン(犬がこわがる声か)や体格(体格が立派だと犬から怖がられる)も影響しています。
そう考えると、若い女性の方が犬から好かれやすいのかもしれません。
実際、YouTubeでは女性の獣医を好んでいるオス犬の動画もあります。
しかし、大型犬から見て人間の体格が小さいと頼りなく見られたりもするように、犬との仲は相性の問題だったりもします。
犬が苦手としやすいタイプ
- 人工的な臭いが強い人(香水やタバコなど)
- 急に大声を出したり、不規則な動作をする人(人間の赤ちゃんに多い)
- いつも威圧的な声を出す人
- リーダーシップをとらない人(飼い主家族が複数名いると犬はその中でリーダーっぽい人を慕いやすい)
犬は人間に依存しなければ生きていけない

筆者が飼っていたかわいい犬
ところで、犬には実にさまざまな種類がいます。
シェパードやドーベルマンのような屈強なタイプもいれば、チワワのような弱いタイプもいます。
で、屈強なタイプの犬は野生化したとしてもそれなりに生きていけるはずです(人間には迷惑ですが)。
しかし、弱いタイプの犬は人間がペットとして飼わないと生きていけません。そのため、犬は人間にすり寄ります。
つまり、多くの犬は人間に依存しないと生きていけないため飼い主にすり寄り、それが優しさに見えるというわけです。
内弁慶や盲導犬の事情



盲導犬では犬に対してもいきなり許可なく触るのはダメ。犬は飼い主以外の人にいきなり触られると驚いて飛び出してしまうことがあるから。
大型犬と小型犬の違い
一般に大型犬はのんびりした性格、小型犬はそれよりは神経質になるといわれています。
のんびりした性格と神経質な性格ならのんびりのほうが平均寿命は長そうですが、大型犬のほうが平均寿命は短いです。
で、小型~中型犬は成熟しても無駄に動いたり吠えたりしますが、大型犬は成熟すると無駄な動きをとりたがりません。
たとえば子どもが大型犬を枕にしても嫌がりません。これは大型犬が優しいというのもありますが、性格がのんびりしていて無駄に動きたくないからこそ枕にされることを嫌がらないのかもしれません。
小型~中型犬を枕にするのは身体の強度面で無理がありますから、大型犬のそういう「優しさ」には憧れます。
犬は猛獣を優しくさせる
次に犬の優しさに関する興味深い例を紹介します。それは南米アルゼンチンの動物園にヒントがあります。
アルゼンチンにあるルハン動物園は、来園者がライオンやクマといった猛獣たちと直接触れ合うことができる世界一危ない動物園として知られています。
「人間が猛獣と触れ合うなんて危ないだろ」と思うでしょうが、ここの猛獣たちは不思議と人間を襲いません。実際『世界の果てまでイッテQ』のイモトさんもここで猛獣たちと戯れていました。
なぜなら、そこの猛獣たちは幼い頃から犬と一緒に育てられているため性格が優しくなり、人間を襲わないというのです。
つまり、
- 幼い頃から犬と一緒に育つと猛獣は犬を襲わない
- 犬は人間とフレンドリー
- 猛獣は人間ともフレンドリー
という図式です。
YouTubeでは犬と猫が仲よく遊んでいる動画もあるように、犬は人間ばかりに優しいわけではないといえます。
ただし、そうはいっても人間と猛獣が戯れる際は「万が一の事態」「猛獣はじゃれあっているつもりでも人間には大ダメージ」も考えられます。
ムツゴロウさんや松島トモ子さんのような事態を恐れるのであれば(ライオンに噛まれて大ケガ)、猛獣には触らない方がいいでしょう。
犬は囚人をも優しくさせる
また、アメリカの刑務所では囚人に犬を手なずけさせることで囚人を更生させようとするプログラムがあります。
囚人に犬を与えると犬を虐待しそうな感じもしますが、優しくなる受刑者が一定数いるため、受刑者に犬の世話を任せるのです。
日本でもそれを参考にしたプログラムが一部で行われています。
このように犬には猛獣や囚人をも優しくするだけの不思議な力があるといえます。

あとで振り返っても「犬は優しかった」と思えるように






こちらもCHECK
-
-
犬はなぜかわいいのか【大昔からの友達を大切に!】
続きを見る