このページでは東京ディズニーリゾート(ランド、シー)の各種料金が高い理由を解説します。
まずは以下の税込み価格の比較をご覧ください。
東京ディズニーランドの大人料金1デーパスポートは8200円、スターライトパスポートは6000円、アフター6パスポートは4700円、年間パスポートは99000円
USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)の大人料金1デーパスポートは7600円、トワイライトパスは5900円、ユニバーサル年間パス VIPは37800円
コカコーラ500mlペットボトルの価格コンビニは約150円、スーパーマーケットは約100円、ディズニーランドは200円、USJは250円
普通のハンバーガーセットの値段マクドナルドのバリューセットは600~900円、ディズニーランドのダブルチーズバーガーセットは1170円、USJは1550~1750円
鉄道の大人運賃JR東日本幹線の4~6kmの運賃は190円(ICだと185円)、ディズニーリゾートラインは1周5kmで260円
こうして眺めるとディズニーランドの料金は全般的に高いですが、1年間に何度も訪れる方にとっては年間パスポートは安い気もします。
それからディズニーランドは外にピクニックエリアがあるとはいえ、内部では食べ物の持ち込み禁止ですから飲食代も結構かかることがわかります。
ディズニーランドの料金が高い理由
ディズニーランドの各種料金が高い理由は以下のとおり。
- 高くても売れるから
- 各所に大きなコストがかかっているから
- ブランド力が高い企業は値下げしない戦略をとる
この中で最も大きな理由は「高くても売れるから」。
すなわちパスポート料金や食事代が高いとしてもそれでも客(ゲスト)は大勢押し寄せるからこそ値段を高く設定しているのです。
そもそも「夢の国」はボランティアではなく営利事業の一環として運営されています。ディズニーランドの運営会社はオリエンタルランドという上場企業ですから、営利をなるべく大きくとれるような値段設定にしているといえます。
もし、ディズニーランドの客数がかなり少なければ運営会社は値段を下げるかもしれません。値段を下げると客数は多くなるからです。
仮にパスポートの損益分岐価格が4000円だとして、4000円でも客が集まらなければ撤退するでしょう。
ディズニーランドは市場原理の中で揺れ動いているのでございます。
要するにディズニーランドの料金が高いのは特定の誰かの責任ではなく、高価格でもみんなが押し寄せることが大きいのです。
2020年はディズニーランドにとってもかなり特殊な年になってしまいましたが、ディズニーランドは平常時であれば平日でもかなりの入場者数を誇っていますからパスポート料金が高いのは必然でしょう。
各所に大きなコストがかかっている
またディズニーランドは各所に高いコストがかかっているというのも、料金が高い理由の一つです。
それは、キャストの賃金・教育・衣装、水道光熱費、花火、アトラクションやパレードフロートの建設・維持費、広告宣伝費、ロイヤリティ(権利使用料)など。税負担も結構な大きさです。
中でもディズニーシーのセンター・オブ・ジ・アースは建設に数百億円かかったといわれています。
もし、そういったコストがもっと安かったらパスポートももう少し安くなるでしょう。
しかし、それによって完成度が低くなるとゲストの総合的な満足度も下がってしまうのかもしれません。
値下げしないブランド戦略
3つ目の理由は、ブランド力が高い企業は値下げしない戦略をとること。
たとえばアパレル産業に勤めた経験がある方は知っているでしょうが、高級なアパレルブランドは服が大量に売れ残ったとしても大きく値引きしません。
大きく値引きすると安いイメージがついたり、客は安い価格に慣れてしまうからです。
そのため高級アパレルブランドの服は毎年大量に廃棄されています。
ディズニーランドもこれと同じで安い値段設定にするとゲストは喜ぶでしょうが、それによってチープなイメージがつくとともに安い価格に慣れてしまいます。
日本のディズニーランドはフランチャイズ経営です。もし日本のディズニーランドが安い料金にするとディズニーのブランドイメージが悪くなりうるため、本部との契約でまずいのかもしれません。
このあたりはフランチャイズの契約内容が細かく明かされていないため推測にとどまります。
大体ディズニーランドがパスポート料金を大幅に安くしたら、混雑がさらにひどくなってキャストの満足度も下がってしまうでしょう。
つまり、夢の国はゲストが安定して訪れる限りはそう簡単にディスカウントできない構造になっているといえます。
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