転職に迷う20代から30代は幸せの要素を分解して検討しよう

なぜ日本の若者の選挙投票率は低いのか【問題点や解決策も】

若手政治家のホープ 社会
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若年層の低い投票率を改善すると全体も改善しうる

日本は政治課題が山積みです。

それなら、これからの時代を担う若者・若年層(10代~30代)の奮起も求められるところですが、若年層の投票率は低いままです。

そこで30代の男であり、社会科学の著書もある私が日本の若年層の投票率の低さについて分析してみました。

若年層の投票率を改善させることで他の世代にもよい効果が及ぶ場合もありますので、この記事は全世代にご覧いただきたいです。

どれが正しいか、それともどれも正しいか

まず正しいか正しくないかは別として、若年層の投票率の低さの原因としてありそうなものを下に箇条書きにしました。

  1. 社会科教育の問題
  2. 緊迫感や使命感がもちにくい時代
  3. あいた時間は娯楽や休養にあてたい
  4. 無党派層と個人主義の拡大
  5. 政治家個人の不祥事や揚げ足取りにうんざり
  6. 政策が高齢者優先
  7. 政治家も高齢で個人的に同調できない
  8. 政治家やマスコミは本音や問題を隠している
  9. ネット時代に合っていない

以上の項目について一つずつ簡単に探っていきます。

1.社会科教育の問題

1つ目は、高校の科目名でいう政治経済、中学でいう公民、小学校でいう社会科の教育問題です。

日本の学校における社会科は、小学校と中学校と高等学校まで一通りの内容がそろっています(高校では選択科目)。

しかし、大学受験や高校受験は英語・国語・数学を中心としているからか、社会科に割かれる時間は英国数に比べると少ないです。

社会科の授業時間は内職にあてていたという人は多いのでは?

大学受験では名門国立大学の文系でもなければ、社会科に関して論述力や思考力は大して必要ではなく、年号や用語さえ暗記していれば合格点がとれます。

こういう体系だと、政治・経済・法律について自分なりに考察して投票先を選ぶという力をつけられません。

若者によく見られる「どこに投票すればよいのかわからない」という問題も、考察力や問題意識の低さからきているのではないでしょうか。

もっと思考力をつけられるような哲学的な授業にすれば少しは投票率は向上するでしょうが、そうすると「大学受験での高得点につながる授業にして」とクレームをつけられそうなところが難点です。

高校の政治経済は選択科目であるため、履修しないで卒業も可能です。そのため政治経済について基本的な知識が欠けている人も多いかもしれません。

2.緊迫感や使命感がもちにくい時代

ここで「社会科の内容は今と大した違いはないけれど、昔は若者の政治参加は積極的だった」と考える人もいるかと思います。

確かに昔の学生運動は過激といえるほど活発でした。

しかし、その「昔」とやらは、冷戦、安保闘争、ベトナム戦争、オイルショック、ベルリンの壁崩壊など現代よりも緊迫感があった時代でした。

現代でも中東やアフリカ、中米は荒れていますが、日本にとっては緊迫感は下がりました。

内外を含めて政治の緊迫感が下がると、「投票しなくちゃ」という使命感ももちにくくなるのでしょう。

3.あいた時間は娯楽や休養にあてたい

一般に選挙に行く前はメディアを通じて各党の政策を眺めたり、周りの人と話して自分の投票先を決めるものです。

つまり、政治に関して専用に時間を割かなければならないのです。

しかし、現代の日本だと「空き時間や土休日は遊びや睡眠にあてたい」「スマホでSNSやYouTubeを眺めている方が楽しい」「空き時間は副業やスキルアップに費やしたい」と考える人が少なからずいるでしょう。

昨今では大学生の金銭状態や若年層の労働負担は以前にも増して厳しくなっているという報道もあるため、余計に投票は面倒だと感じているのかもしれません。

4.無党派層と個人主義の拡大

さて、少し前に私が気になった記事として以下のニュースがあります。

JR東労組、2万9千人が脱退
出典:日経電子版 2018年4月21日

要するに労組からの脱退者が増えているという話です。

若者が待遇に満足していないとすれば労組に入るべきですが、現実にはそうはなっていないのです。

他の企業でも平均的には労組の組織率と組合員数は低下し続けていますし、ストライキの類は昔よりもかなり減りました。

これは「組合費が割高」「空き時間や休日を政治活動に費やすのがイヤ」「既存の労組はおもに正社員向けの組織であって非正規社員の利益にならない(非正規雇用の増加)」「政党と特定の利益団体(労組、農協、医師会など)が強く結びつく形は古い」といった理由が考えられます。

つまり、若者は社員旅行や飲み会といった会社内の就業時間外の集団行動に難色を示すように、政治についても個人主義を求めているのではないでしょうか。

さきほど述べた余暇の使い方にしても個人主義的です。

他の年代でも無党派層は昔よりも増えました。

「どこに投票すればよいのかわからない」という問題についても、既存の政党に組織としてのシンパシーを感じていないがゆえの結果ともいえます。

それにもかかわらず政党が旧来の政治観にもとづいて組織単位の古い価値観にもとづく政争を展開していると若年層は「時代遅れ」を感じてしまうのです。

ただ、若年層はSNSを通じてお気に入りの芸能人やアスリートをフォローしたがりますから、政党は組織としての魅力よりも政治家個人として人々をひきつけられるかがカギになるでしょう。

5.政治家個人の不祥事や揚げ足取りにうんざり

政治家というのは国民の代表者です。その代表者は自分の代わりに議会で意見を述べ、さらに議案について採決に票を投じます。

議員(とくに国会議員)は我々の代表として高い歳費・議員報酬をもらって責任ある行動をなすべき存在ですから、知力や責任感も高くなくては困ります。

しかし、現職の政治家を見渡すと国会議員や閣僚レベルでさえもそういう基本的な資質に欠ける議員が少なからずいます。

そうなると、感受性の強い若年層は、ポンコツ議員よりも「大学の恩師の方が有能」「私の勤務先の上司の方が優れている」「SNSでフォローしている有名人の方が有能」という感覚をもち現職の議員を見下します。

また資質に欠ける議員がいると、しょうもない失言や汚職を追及する時間が増え、肝心の政策について議論する時間が減ります。

とくにUSBを知らない国会議員・大臣というのはいくらなんでもレベルが低すぎます。

USBの件は偶然にも明らかになりましたが、他にもお粗末な知力の議員はかなり隠れているはずです。

基本的な知力は、右・左という思想以前に基礎として必要な素養です。

政治家は若年層にバカにされないように、なるべく官僚のつくった答弁書がなくても答弁できるようにしてください。

参考までにいうと現代政治の本質は行政国家にあります。

三権分立と、行政国家の本質や問題点をわかりやすく解説

議会で答弁する政治家は要点の書かれたメモくらいを見るならOK

6.政策が高齢者優先 7.政治家個人も高齢で個人的に同調できない

日本の社会保障制度は今の高齢者に有利になっている一方で、今の若年層が高齢者になる頃にはかなり厳しい水準になると予想されています。

しかし、政治家は高齢者からの票が欲しいあまり、それを適正水準に変えようとすることに及び腰です。

そこから若年層にとっては「投票しても何も変わらない」というあきらめにも似た感情が生まれます。

また、政治家個人についても50代~60代の男性に偏っています。

もちろん、社会での長い経験も評価すべき要素ですが、若年層や女性の感性も国民の代表には必要です。

若年層に優れた政治家がいれば、若年層はシンパシーと希望をもって「この人は我々の代表として適性のある人だ」と考えて投票にも積極的になるでしょう。

逆に高齢者から見ると、そういう若い政治家を「若造が」という感じで見下す人がいるかもしれませんが、ご理解をもっていただきたいと思います。

8.政治家やマスコミは本音や問題を隠している

一般に日本では若年層ほどインターネットに親しいものです。

ネットの情報はフェイクも多いですが、マスコミや政治家が触れたがらない話題にもネットは触れていますからネットの情報は玉石混交だといえます。

マスコミ(とくに昔からあるテレビ局や新聞社)はフェイクニュースを流さないように気をつかっていますが、そうやって流す情報を取捨選択している分、本来、マスコミが触れるべき社会の真実を隠しているところがあります。

いわゆる「報道しない自由」というやつです。

ネットは社会のフェイクと真実に触れる一方で、政治家やマスコミは社会の真実に触れないと、若年層はネットと現実の乖離を感じて不信感をもちます。

ですから、このネット時代ではもっとオープンな議論を展開すべきです。

9.ネット時代に合っていない

最後に技術的な問題を見ていきましょう。

これは以前からいわれていることですが、日本政府は日本でもネット投票が実施できるようにネット投票をすでに実施している国を研究しています。

ネット投票が実現すれば、若年層の投票率は上がるでしょうし、コストも削減できるでしょう。

しかし、ネット投票ではシステムが安定するのかという懸念があります。

ネット投票が実現している国は小規模な国であって、日本ほどの規模の国政選挙に対応するだけのネット投票システムは技術的に難しいです。

また、ネット投票では投票者の自由は守られるのか、という懸念もあります。

たとえば、自宅で高齢者がネット投票する際には近くにいる介助者の意思が優先されてしまうかもしれないのです。

選挙投票は有権者個人の自由な意思にもとづいて行われなければなりませんが、ネット環境だとそういう根本的な部分が脅かされると懸念されているのです。

あと「時代に合っていない」という意味では選挙カーも、とくに若年層からは蔑視されがち。このネット時代にあんなに迷惑を大きくかける形でやるべきではないでしょ。
でも、選挙カーは使った方がほぼ確実に効果が出るらしいよ。強制的に禁止しないと使われ続けるだろうね。
まとめ

これまで見てきたように若年層の低い投票率の原因は多岐にわたります。

これらを一気に解決するとなるととても難しいですが、少しずつなら改善できるでしょう。

それに筆者の気のせいだったらよいのですが、日本の有能な社会人(とくに若者)は相次いで海外に移住している感じがします。

そもそも1990年代~2000年代初頭の就職氷河期では、企業は年配の正社員を守って新卒者に厳しくしたことで当時の若者が割を食いました(日本社会では正社員はそう簡単に解雇できない)。

そして現代の公的年金制度においてはどう見ても若年層ほど割を食う構造になっています。

こういう風に政府が社会の仕組みを若者に不利な構造にしていると、海外で通じる実力のある人ほど出ていってしまうわけです。

現代の主要産業の一つであるITは高度な作業でない限り家庭用PCをもっていれば、生活費の安い国で移住したうえで請け負うことができます。

また投資もパソコン1台で売買できますので、有力な個人投資家は投資にかかる税金が安い国へ移住してしまうのです。

さらにITや投資を職業としている人は頭の中が「効率化」で満ちているため、海外移住という効率化を選びやすいといえます。

そのため政治家には若者の人材流出についても強い危機感をもってもらいたいと思います。

ホントに国会は政治家のしょうもない失言や屁理屈じみた法解釈などで争っている場合ではないです。

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