社会・教育

利権とは?【既得権益とともにわかりやすく解説】

2021年5月23日

利権とは私的かつ公的に得続ける権益のこと。

今回は社会のあちこちにある利権についてわかりやすく解説します。

私は、どこかの利権当事者ではなく、また社会科本の著者でもあるため、公平に解説することができます。

利権とは?【既得権益も含めてわかりやすく解説】

利権のポイントは以下のとおり。

  • 政治家や官僚が大きく絡む
  • ゲーム業界が利権化しにくい理由
  • 海外でもある
  • 社会への影響を広く考えてみよう
  • 日本でとくにひどいのはパチンコ利権

たとえば、あなたが病院に診察してもらいに行き、そのあと近くの薬局で薬を買うとします。

このとき、その薬局で在庫している薬はすべて厚生労働省の規制・承認に受かった薬であるはずです。

なぜ薬は省庁の承認を経ているかというと、薬はよくない作用ももっているため私企業(この場合は製薬会社)が適当に開発・販売しまくると危ないから。

電波についても同じで、私企業が電波を適当に扱っていると電波が混信してみんな混乱してしまいますから、電波を管理する省庁(日本の場合は総務省)がいるのです。

利権化しやすいのは大きな許認可や予算が絡む分野

利権が発生しやすいのは、薬、電波、道路、軍需、ダム建設みたいな政治家の口利きや役人の許認可が絡みやすい分野です。

こういう分野は税金も大きく投入されており(=予算規模が大きい)、その浪費がたびたび指摘されています。

政治家や役人は自らの得意分野と密接な関係がある企業と癒着しており、たがいに利益が得られるよう見計らっています。

これはたとえば役人が「きみの製薬会社にとってよい措置・政策をとってあげる代わりに、私が省庁を退職したあとはよい待遇で雇用してくれない?」と持ちかけることがあてはまります。これがいわゆる天下り。

政治家や役人の行動は法的な効力と持続性があるため、それと関連する私企業にとってはかなり美味しいのです。

本来、政治家や役人は公(社会全体)のために働く必要がありますが、利権は一部の企業を優遇するなど不公平感があるため問題視されます。

利権は単に儲かるだけでなく公的な裏付けがあるから強いわけか。
法は朝令暮改にしないのが原則だから、法的な利権は一定の持続性がある。

※朝令暮改とは法が制定されたのにすぐに変更されて安定しないこと。

※特定の分野に詳しくてその利益を擁護するともに関連省庁に強い影響力をおよぼす議員を俗に「族議員」といいます。

ゲーム業界が利権化しにくい理由

一方、ゲームソフトや漫画のような行政が絡みにくい私的な娯楽分野では利権が発生しにくいのが普通。

仮にゲームのハードウェア(PS5やWiiなど)が入り乱れたところで公的な問題はほとんどないなど、ゲームや漫画に役人の許認可は発生しづらいからです。

大地震が発生したときでも道路や通信網の復旧には多額の公金が使われるものですが、ゲームのような娯楽分野に公金は投じられにくいです。

日本のアニメ・漫画やゲームが世界的に評価されるのは、政治家や官僚が大して絡まず発展したからという説もある。
歌舞伎みたいな昔からある伝統文化は利権化しているっぽいよな。

利権は海外でもある

利権の性質を考えると海外諸国でも発生することが簡単に想像できるでしょう。

実際、海外にも利権はたくさんあります。もし利権がない国があるのなら見てみたいですね。

海外で有名な利権は、アメリカの銃利権、イギリスの貴族利権、中国の共産党利権、中東諸国の石油利権、ロシアの天然ガス利権、エジプト付近のスエズ運河利権など。

オリンピックは、IOCは民間組織ではあるものの、実質的には各国政府(とくに開催能力のある国)と結びついて上層部が利権化している感じです。

これらは国内のみならず国際社会への影響もかなり強いです。

利権は政治家や官僚が関わる以上、利権が強いレベルで発生しやすい国家は日本や中国のような官僚の権限が強い国家です。

既得権益との違い

利権と既得権益の意味はよく似ています。

  • 利権私的かつ公的に得続ける権益のこと。
  • 既得権益ある個人や集団が以前から保持している権益のこと。

両者に違いがあるとすれば、協調性だと考えられます。

たとえば東京の主要鉄道路線として有名なJR中央線には「杉並3駅問題」があります。

杉並3駅問題とは杉並3駅の近くの住民と地権者と杉並区は中央線快速が停まることを「うれしい、既得権益」と思っている一方、JR東日本と杉並区以外の沿線自治体と中央線の他の駅近くの住民は「中央線快速は杉並3駅を通過するべき」と考えていること。

そのほうが中央線快速の所要時間は短くなりますし、その区間には総武線各停も走っているため通過したいと考えているのです。

要するに杉並3駅問題においては企業と行政と各ユーザーの足並みがまるで揃っていないのです。

現実には鉄道路線の種別(この場合は中央線快速)が停車駅を確立すると、法的には既得権益となるため快速は杉並3駅を通過できず、もし通過するとすればJRが他の種別をつくって通過させることになります。

利権はある分野の企業と政治家・官僚が協調的に保持しますが、既得権益は協調的に保持するとは限らないのです。

以上の違いは辞書に明記されているわけではありませんが、法学的な事例では個人が既得権益を主張して企業や役所とぶつかることが結構あります。

利権は全面的に批判しにくい

ここから先は利権についてもう少し深く考えてみましょう。

たとえば、さきほどの製薬における省庁の介入は薬の危険性を考えると納得した人も多いはずです。もし自分に合わない薬を飲んだ人が暴れたりしたら、社会全体に迷惑をかけてしまいます。

さらに、たとえば「この空気清浄機は〇〇○ウィルスを除去できる」という宣伝文があったとします。

もし、それがウソだったら空気清浄機の競争は不公平ですから省庁(日本の場合は消費者庁)はウソつき業者を取り締まる必要もあります。

また薬の値段が高すぎると患者の経済的負担は大変です。あるいは薬の価格が市場競争によって安すくなりすぎると製薬会社としては利益にならず新薬開発から撤退してしまいます。

もし夢の新薬が開発されたら、今は不治の病で苦しんでいる人が救われるかもしれないのに。

人(この場合は製薬会社)は利益が得られるからこそ頑張れるという面がありますから、薬の価格は多少は利権化しても仕方ない面もあります。

要するに製薬利権は経済的な調整や夢の新薬につながる面もあるため全面的に批判しにくいのです。

日本における薬価は、保険が適用される医療用医薬品と、保険が適用されない一般用医薬品とで違います。

医療用医薬品は全国一律の公定価格として政府が決定します。一方、ドラッグストアで売られているような一般用医薬品は自由価格です。

まあ、省庁の介入は薬の価格を高止まりさせる場合もあるけどね。接待も多かったみたいだし。
いずれ薬のネット通販が一部で緩和されそうな感じもする。これによって薬に関する利権も少しは変わりそう。

利権化しやすい産業は古くから存在する産業に多いです。しかし、政府が古い産業ばかりを保護すると新たな産業が育たなくなったりもします。

政府と癒着した企業は多額の補助金を受けたり、役所から大きな受注をとることでそう簡単につぶれなくなります。こういうのは不公平でもあります。

日本がITについては後進国だと指摘されるのも古い産業ばかりを保護してきたツケかもしれません。

パチンコ利権のひどさ

利権には多少は擁護できる部分があるものですが、日本の数ある利権の中でもパチンコ利権は部外者にとってはほとんど害でしかありません。

そもそも、どこの国でもギャンブル施設はありますが、海外のギャンブル施設は特別なエリアでのみ営業を認めるのが普通です。

一方、日本のパチンコ店は駅前や幹線道路沿いなど生活に密着したエリアにまで広く存在しています。依存症患者や騒音もかなり多いようにパチンコは社会に大きなストレスを撒き散らします。

依存症患者は周りに迷惑をかけるからな。

パチンコ業界は「パチンコは遊戯」と言い張っていますが、パチンコは実質的には違法賭博にほかなりません。

パチンコ店によい面があるとしたら地域民の雇用と公衆トイレ機能くらいで、あとは害悪でしかないでしょう。

韓国でさえも廃止にできたパチンコを日本の利権関係者(パチンコ店とパチンコメーカーと保通協と警察と自民党)は保持し続けているのです。

こういうのは愚民化政策に近いものがあります。

保通協とは警察系天下り組織のこと。

パチンコ利権は三店方式と警察利権とカジノ利権が絡んだややこしいものですので、興味がある人は検索してみてください。

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