このページでは初心者・中学生レベルからの英単語の覚え方を示します。
英単語を覚える際に役立つ英単語のスペルの法則についても触れていますよ。
英単語は妙な覚え方をすると上達の邪魔になりますから、初期の段階でよい習慣を身につけましょう。
英単語は中学生では1200語、高校生では3000語くらいは覚えますから、積み上げていくことを前提にした覚え方でないと途中で崩れます。
さあ参りましょう。
英単語の覚え方【中学生から大人まで】
英単語を覚えるときは、綴り(つづり、スペル)、発音・アクセント、基本的な意味を覚えることが重要。
中上級者は英単語を例文として覚えたりしますが、初心者は2語~3語単位で覚えてもいいと思います。
たとえば、odd(変な)とsock(靴下)を覚えるときはバラバラに覚えるのではなく「odd socks(変な靴下)」と覚えてしまうのもいいでしょう。
英単語のスペルの法則
ここで英単語のスペルの法則を確認します。どれも例外がある点に注意です。
- 特殊な言葉以外はほぼ100%にわたって、a, e, i, o, uのどれかがスペルに入る
具体例はbeautiful, mouseなど。a, theみたいな短い冠詞でさえも母音(アイウエオ系の音)が入ります。
例外はNHL(National Hockey League)みたいな略語か、R2-D2(スターウォーズのロボット)みたいな固有名詞か、Hmmm(意味は「うーん」)みたいな感嘆詞だけ。
- 英単語のスペルは子音(a, e, i, o, u以外)かeで終わる場合が多い
具体例はlesson, caseなど。例外はarea, bambooなど。
- 英語の子音は最大で3つまでしか連続しない
具体例はmight, night, landmark, scratchなど。子音が3つ連続する単語でさえちょっと珍しいです。
- ghという部分のスペルはghostのように単語の頭の部分でない限り発声しない場合が多い
具体例はlight, right, highなど。例外はenough, toughなど。
好きな分野の日本語になっているような基本単語を覚えよう
最初に覚えるべき英単語は、あなたにとって好きな分野で日本語になっているような基本単語が最適です。
それはたとえば以下のような感じ。
- テニスが好きな人にとって覚えやすい単語tennis(テニス), ball(ボール), racket(ラケット), grip(グリップ), court(コート), hit(打つ)
自分の好きな分野で日本語(カタカナ英語)になっているような英単語だと、綴りや発音はかなり覚えやすいでしょう。
それに自分の好きな分野から始める方が長続きしやすいです。まあ和製英語は覚える必要はありませんが。
好きな分野を通じて英語の綴りのパターンに慣れれば、他の分野の英単語も覚えやすくなります。
大丈夫、あなたなら必ず覚えることができます。
「単語が覚えられなくてやばい」と思っている人は、単純に練習量が少ないか、今の段階で覚えている単語数が少ないからです。
覚えている単語数が多い人ほど新しい単語が覚えやすくなりますよ。
英単語のインプット
英単語を覚えるときは人間の感覚のうち「見る」「書く」「聴く」「声に出す」を使います。
すなわち「英単語を見る(目に焼き付ける)」「英単語を書く」「英単語を聴く」「英単語を発声する」のです。
このときできる工夫としては以下のとおり。
- 英単語カードをつくる
- 英単語カードをフラッシュ式に使う(単語を次々に高速で見ていく形)
- 間違えた単語やまだ覚えていない単語、あるいは覚えた単語にチェックを入れ、覚えていない単語を重点的に覚える
- 単語集に自分なりの注意点をいろいろ書き込む
- スマホの暗記アプリを使う
- 模範の音声を聴く
- 授業や英語動画を見る
↑インプット系の工夫(自分の頭に入れようとする過程)
暗記は夜寝る前に行う方が効率的だというのは科学的に証明されています。睡眠中はその日覚えたものが定着する時間だからです。
夜、YouTube動画を見てから寝て起きるとYouTube動画の内容を覚えているのはこのためです。
英単語のアウトプット
↓アウトプット系の工夫(自分の記憶から取り出せるか試すこと)
- 単語帳を半分隠したり暗記シートをあてたりするなど自分で自分をテストする
- 自分で一語ずつ説明する
- 問題集を解く
- 模試に挑む
- 親や友だちと問題の出しあいをする
英単語以外の勉強にも通じますが、勉強や暗記に失敗する人はインプットばかりでアウトプットを怠っている場合が多いです。
とくに英単語カードをつくる作業時間にばかり力を入れて、肝心な覚える時間が削られるというのはよくありません。
英単語カードをつくるのに時間がかかりすぎるのであれば、市販の単語集とか、テキストの索引を利用するのがいいでしょう。
どうしても単語カードをつくりたいのであれば覚えにくい単語だけをカード化し、覚えている単語はカード化しない方が効率的だと思います。
本番のテストでは単語カードの出来は関係なく、あなたが記憶から引き出せるかが問われますから単語カードのキレイさにこだわるのは効率的ではありません。
単語の暗記はインプットよりもアウトプット重視で行きましょう。
上の画像は「check」という英単語を書いて覚えようとしている最中のもの。
英単語や漢字の書き取りは前に書いた文字を見ながら行うやり方もありますが、私は隠しながら取り組んでいました(この場合は左横の黒いクリアファイルの下にcheckがある)。
隠しながら書くことで自分で自分を試しているのです。
単語集は紙とアプリのどちらがいいのか
紙版の単語集は1ページにつき5~10くらい英単語が載っています。
そのため、まとめて暗記するには紙版の方が効率的。筆記試験対策としての単語暗記なら紙版の方がいいです。
しかし、模範的な発音を知ったり覚えていない英単語だけを残す場合はアプリが適しています。
会話重視の単語暗記ならアプリの方がいいかも。
紙版の英単語集の中にはCD音声付きのものもあるので、あなたに合った最適な組み合わせを探してみてください。
書いて覚えることから解放される
英語学習に慣れてくると「見る」「書く」「聴く」「声に出す」のうち書いて覚える比率は下がります。
頭に英単語の基本的なスペルがしみつくと、わざわざ書いて覚える率は下がるのです。これは他の言語でも同じ。
なお通勤・通学中の英語学習だと必然的に「見る」「聴く」の比率が高まるため、自宅では「声に出す」の比率を高めるのもいいと思います。
文法の勉強を机にかじりつきながら勉強するのが普通ですが、英単語を覚えるのは場所を選びません。
通勤・通学の時間や細切れの時間も使っていきましょう。
発音・アクセントはそれなりに正しく覚えよう
英単語を覚えるときに重要なのは発音・アクセントもそれなりに正しく覚えるべきだということです。
たとえば私が中学生のころ、sometimesをソメチメス(ソメチメズ)とローマ字式に暗記している人がいました。
当然、ソメチメスと覚えているとsomechimesuとスペルを間違える可能性が高まります。
さらにsometimesがリスニング問題で聴こえたときは「サムタイムズ」と聴こえるため、ソメチメスと覚えている人はsometimesを認識できません。
sometimesをソメチメスとサムタイムズの両方で覚えるという手もありますが、これは2度手間みたいで効率がよくありません。
大体、明らかに間違った発音で覚えてもその場しのぎにしかなりません。英語は中学と高校では必修、大学ではほぼ必修である以上、その場しのぎは逆効果です。
たとえば、英語の冠詞は子音の前ではaで、母音の前ではanを置くというルールがありますが、これはスペルではなく発音に基づくもの。
したがって、発音を知らないと以下のパターンを間違えてしまいます
- ○「a user」「an hour」
- ×「an user」「a hour」
- read(読む)の現在形の発音はríːd
- readの過去形と過去分詞の発音はréd
そのため発音・アクセントはそれなりに正しく覚えるべき。
”それなりに”というのは発音を厳密にとらえすぎると英語が面白くなくなるため、大雑把に正しいくらいでよいということ。
アメリカ英語とイギリス英語とでは発音が少し違っていたりもしますし。
英語の発音は「大まかに正しい」を目指しましょう。
ちなみに英語に「エー」という発音は存在しません。「エィ」という発音なら存在しますが。
たとえば、アルファベットのaは「éɪ(エィ)」、トランプのaceは「éɪs(エィス)」、箱や例を意味するcaseは「kéɪs(ケィス)」と発音します。
これは有名な発音規則なので覚えておくことをおすすめします。
基本単語と頻度の低い単語
中学で習うような基本単語にはいくつも意味があります。
たとえばbookの意味といえば「本」ですが、bookには動詞として使うと「予約する」という意味もあります。
しかし、まずは「本」を覚え、いろんな意味がある単語はあとあと付け足していくとよいでしょう。
逆に使われる頻度の低い単語は意味が少ない場合が多いです。
マイナーな単語は読めるレベルとしては必要でも、書く・発声できるレベルとしては不要だったりします。
英単語集は何周も繰り返そう
人間はどんな天才であっても忘れる生き物です。
そのため見聞きしていない単語は時間が経つと忘れます。
そのため忘れかけてきたころにまた覚え直すと記憶に定着しやすくなりますよ。
このとき忘れていた英単語にはチェックマークを入れておくと自分の出来不出来がよくわかります。
単語集の暗記はまずは大まかに一周して概要をつかみ、2周目からは覚えていない単語を中心に覚えましょう。
私の場合、単語集において覚えた単語の左側には「レ」というチェックを入れていました。1周目のチェックの色は赤、2周目は青、3周目は黒という具合で。
まあ平均的な日本人にとっては3周でも全然足りなかったりしますが。
類語をまとめて覚えよう
さきほどテニス好きの人はまずテニスに関する単語をまとめて覚えることを提案しました。
実際、類語をまとめて覚えるのはかなり効率的です。
「普通の」「ありふれた」の形容詞の類語例
- normal
- common
- usual
- ordinary
- regular
- general
上記の単語は語尾に「ly」をつけると副詞になる語が多いです。
対義語をまとめて覚えよう
これと似たような発想で対義語をまとめて覚えるというやり方もあります。
形容詞の対義語(中学・高校レベル) | |
high(高い) | low(低い) |
expensive(高価な) | cheap(安価な) |
big(大きい) | small(小さい) |
long(長い) | short(短い) |
heavy(重い) | light(軽い) |
positive(否定しがたい) | negative(否定的な) |
active(積極的な) | passive(受動的な) |
ちなみに日本語では「長さ」とはよくいいますが「短さ」とはあまり言いません。同じように「大きさ」とはよくいいますが「小ささ」とはあまり言いません。
たとえば日本語で電車の大きさを質問するとき「その電車の長さはどれくらい?」と聞くのであって「その電車の短さはどれくらい?」とは普通いわないでしょう。
これは英語をはじめとした他の多くの言語にも通用する普遍的な言語法則なので覚えておくといいと思います。
接頭辞や接尾辞も覚えておくと便利
それから接頭辞や接尾辞も少しは覚えておくべきです。
接頭辞とは「co-(共に)+operate(作用する)=cooperate(協力する)」になるように、単語の前部にくっついて意味をなす言葉。
接頭辞 | 接頭辞の基本的な意味 | それを使った単語の例 | 単語の意味 |
co- | 共に | cooperate | 協力する |
dis- | 否定の | dislike | 嫌い |
ex- | 外へ | export | 輸出する |
inter- | たがいの、間の | international | 国際的な |
pre- | 前の、先に | prevent | 予防する |
re- | 再び | replace | 取り替える |
sub- | 下の、次の | subsequent | その次の |
次は接尾辞について。
たとえば、beautyは「美しさ」を意味する名詞です。
これに「~に満ちた」という意味をもつ形容詞の接尾辞である-fulをつけるとbeautifulとなり、「美しさに満ちた、美しい」という意味の形容詞になります。
- 名詞の接尾辞-ation, -ance, -al, -ee, -ism, -logy, -ous, -ship, -ment, -ness,
- 動詞の接尾辞-ate, -fy, -ize, -ise
- 形容詞の接尾辞-ful , -able
形容詞+ly=副詞(例:beautifully/actually)
まとめ
英単語の暗記は苦痛な学習かもしれません。
しかし、これまで述べてきた覚え方や法則性に沿うと、そのうち覚えるスピードは速くなります。
覚えるスピードが速くなると英語学習は楽しくなるはずです。
スポーツでも最初の基礎を身につけるのは大変ですが、基礎を身につけて試合をこなせるようになると楽しいでしょう?
これと同じで初期の段階は大変でしょうが、慣れてくると英語学習は楽しくなります。
ちなみに市販の単語集でオススメなのはキクタンシリーズ。単語ごとに音声がついているからです。
紙書籍+CD版か電子書籍+ダウンロード音声版が選べますし、さらに中学生レベルから上級者向けまでそろっています。