ワンピースの世界、とくにグランドラインの島々は文明レベルがバラバラとされます。
実際、グランドライン序盤のリトルガーデンは文明レベルが太古の恐竜時代という感じでした。
一方、Dr.ベガパンクはかなり高い科学力をおり、ベガフォース1という反重力装置によって飛べる巨大ロボットも登場しました(エッグヘッド島の人工的な空調内でのみ飛行可能)。
ルフィに近しいところではフランキーは自分自身を改造してサイボーグになれるくらいですしね。
ウォーターセブンには海列車なんていう文明の利器もありましたし、トラファルガー・ローは潜水艦をもっています。
ここで気になるのは「ワンピースの世界に飛行機ってないの?あったらかなり便利だと思うんだけど」ということでしょう。
今回はこちらについて考察いたします。
ワンピースの文明レベルと飛行機
まず確認したいのがワンピースの中ですでに登場した飛行機や飛行能力の類について。
- トリトリの実5種
- エネルの方舟マクシム
- タコバルーン
- 月歩
- 風来バースト
- ニキュニキュの実の能力者に弾かれると遠方に飛ばされる
- フワフワの実
他には、たとえばメラメラの実の能力者がいれば熱気球を使えます。これはエースが一人用ボートを火の力で動かしていたことの応用みたいなもの。
しかし、熱気球はグランドラインの荒れた天候では島と島の間の移動にはまず使えないでしょう。
タコバルーン、月歩、風来バーストも短距離しか飛ぶことはできないと思います。
そうすると、それなりに長い距離にわたって飛べそうなのはトリトリの実とマクシムとニキュニキュの実とフワフワの実になります。
まあ、ニキュニキュの実とフワフワの実を使って人間を長い距離にわたって飛ばす場合、着地点のコントロールが難しそうですが。
ナミはグランドラインの海上で販売員の鳥(カモメ?)から新聞を何度も買っています。そう考えると、あの鳥は飛行能力が高そうです。
荒天下で飛ぶのは難しい
Drベガパンクは反重力装置による機械類をつくれますが、これはエッグヘッド島の空調内でのみ飛行できるのであって、グランドラインの凄まじい荒天下でまともに飛べる飛行機は存在しない模様。
飛行機の類は作中にほとんど出てこない理由として従来は以下の2つが考えられましたが、エッグヘッド島の描写によって飛行機はつくれるとしても荒天下で飛べる飛行機は存在しないという情勢がほぼ確定的でしょう。
- グランドラインの制覇およびラフテルの発見は船で行うのが正道であって、空から行うのは邪道(≒チート)
- 天竜人が禁止している
ワンピースに出てくる海賊は美学にこだわる連中が多いですから、空を使う方がグランドラインの制覇にとって合理的だとしても海賊として邪道と考えていそうな感じがします。
また作者の尾田氏から見ても、空からグランドラインのアレコレを発見するのはつまらないと考えているかもしれません。
天竜人が飛行機の製造と利用を禁止している実利的な理由
次に「天竜人が禁止している」について。
天竜人はやたら権力とプライドが高い憎たらしい連中ですから「下々の者がわちしの上を飛ぶなんて許さんがぇ」とか言いそうですよね。
そのため天竜人は飛行機の製造・利用を禁止しているなんていうのもありそうな感じです。
それは感情的な理由ですが、天竜人にとってはもっと実利的な理由もあるでしょう。それは以下の2つ。
- 高いところから世界を見渡されると困るものが発見されてしまう
- 飛行機を応用した強力な兵器がつくられて、天竜人および世界政府は負けてしまう
グランドラインやレッドラインには高いところから見渡されると天竜人にとって困るものがあるかもしれません。
たとえば以前、オハラのクローバー博士は「ある巨大な王国の姿」を指摘していましたが、上空から見ると、そのヒントになるものがまだ残っている可能性があります。
あるいは飛行技術が反体制派の軍事力を強くしてしまう懸念もあるでしょう。
現実世界の太平洋戦争で日本軍は海軍は強かったのですが、空軍はアメリカより弱かったです。
日本は重要な空母を何隻も撃沈されましたし、度重なる空襲や原爆なんていうのも空からの攻撃です。20世以降の軍事においては「空を制する者が戦争を制する」感じがあります。
つまり、地上戦や海戦が強いとしても空から爆弾を落とすことに強くないと戦争は勝てないのです。
飛行機禁止は月とも関係がある?
ワンピースの世界においても飛行機が量産されると、天竜人や世界政府にとって反体制派が強くなってしまいます。
プルトン・ポセイドン・ウラヌスのような古代兵器ができあがって世界は滅亡してしまうこともあるでしょう。
そのためDrベガパンクは天竜人から飛行機を製造しないように命令されているのかもしれません。
そう考えると、ワンピースの文明が現実世界よりも遅れている感があるのは、わざと発展させないようにする勢力がいるからだともいえます。
レヴェリーでのトラベレーターは人力だった
レヴェリーのときにはトラベレーターといって現実世界でいうところの動く歩道があり、それは地下の奴隷たちによって動かされていました。
マリージョアは天竜人が住む聖地でありレヴェリーでは世界各地から王侯貴族が集まってきますから、普通に考えたら世界最高水準の技術を集めるはずです。
したがって、ワンピースの世界での文明水準の最高レベルは歩道を電動化できないくらいの水準~潜水艦をつくれるくらいの水準だといえます。
現実世界でエスカレーターの登場は1900年頃で、そのあと普及していきました。これは明治時代後半~大正時代あたりですね。
まあ作中で最もハイテクなのはフランキー将軍のような気もしますが、船がコーラで飛べる世界観なので文明の発達度はあまり気にしないほうが作品を楽しめるでしょう。