テニス

スポーツや将棋の反則事例でひどいのは根本精神を揺るがすこと

2020年10月22日

スポーツの競技場

賭博、八百長、お薬といった重大な違反をスポーツ選手がしでかすと数年あるいは永久追放処分が下されます。これはほとんどのスポーツに共通しています。

しかし、スポーツには個別の競技特性に応じたひどい反則事例もあります。

それは競技の根幹を揺るがすような邪道感の強い反則です。

今回は頭脳競技であるチェスや将棋も含めてこのあたりを解説していきます。

スポーツの反則でひどいのは邪道感のある行為

まずはテニスについて。

これに関して思い出すのはテニスの全米オープンで線審のクビ付近にノーバウンドでボールをぶつけて退場処分が下されたジョコビッチです。

彼は「わざとではない」と主張したように、たぶんジョコビッチは線審のクビを意図的に狙ってはいなかったでしょう。線審のクビに命中したこと自体は偶然です。

しかし、ポイント間に選手の後方にいる線審に向かってラケットでそれなりに速いボールを打つという行為自体はアンスポーツマンライク(スポーツマンらしくない)です。

テニスは相手とネットを挟んで打ち合う競技なのに、ネットとは逆方向のところにいる線審に向かって打つのはいけません。

テニスの試合で線審やボールパーソンがつくのはプロレベルであり、選手がボールパーソンがいる方へラケットを使ってボールを返すことはありえます。それならジョコビッチはスローボールやバウンドさせたボールにすべきでした。

プロ野球の審判暴行事件

ジョコビッチの件はポイント間で線審の側に打った球がたまたま線審のクビにあたったというものでした。

これよりもひどい事件が、かつて阪神タイガースのコーチが起こした審判への暴行事件です。

この事件の発端は審判の誤審にあります。

そもそも誤審による被害は日々の勝利を追求するプロ選手にとって避けたいものです。アマチュアレベルの私でさえも誤審には腹が立った経験がありますから、プロ選手であればなおさらでしょう。

でも、そのジャッジが誤審に間違いないとしても審判に殴る蹴るの暴力を振るってもいいのでしょうか。

正直言って言葉による抗議はいいとしても暴力はいかんでしょう。それがスポーツというものです。

機構側は、重大な誤審をしでかした審判を一定期間にわたって審判業務から外すくらいの措置をなすべき。

そもそもプロスポーツのインプレー中(競技中)に起きたケガの多くは正当業務行為といって刑事事件としては立件されません。たとえば、野球のデッドボールに伴うケガは基本的には違法性は認められないということです。

よほどひどい場合は違法性が認められます。

しかし、阪神のコーチ陣は競技中ではないところで審判をわざと痛めつけました。これは野球人というより人間としていけない行為です。

また阪神の応援ヤジの中にも暴力を促すものがあったといわれています。

これは当時の世論でもかなり問題視され警察の捜査対象にもなりました。

当時の阪神タイガースについてイメージがよくないのはこの事件が大きいと思います。

サッカーのハンドは状況次第で評価が変わる

次はサッカーについて。

よく知られているようにサッカーではゴールキーパー以外のプレイヤーが手を使うと反則です(=ハンド)。

ゴールキーパーであっても自陣のゴールエリア以外では手を使ってはいけません。

で、わざとではなくうっかり手に触れてしまったのなら大きな問題はありません。そのくらいは誰だってやってしまいます。私だって経験があります。

しかし、フィールドプレイヤーが相手チームのゴールを防ぐためにわざと手を使ったら即レッドカードが出されます。

「ハンド」「フィールドプレイヤー」「わざと」「手で触っていなければ明らかにゴールのシュートを防ぐため」など4つも悪い要件が重なるからです。

これは普通にサッカーをプレイしている中では最もひどいレベルの反則だといえます。

こんな最悪レベルの反則をかつてスアレスという選手はワールドカップ本大会の準々決勝(トーナメント制)でやらかしました。スアレスがボールに触っていなければまず得点は入っていたはずです。

これによって相手チームはPKの大チャンスを得たものの、残念ながら失敗敗退してしまいました。

スアレスの言い分としては「何よりも勝利を優先したかった」「それで自分は退場になったから相応の罰は受けた」ということでしょう。

確かにスアレスは罰を受けたのですが、多くのサッカーファンは「サッカー選手としてスアレスのようなスポーツマン精神に反する」と考えるはずです。あまりにも強引なやり口だからです。

スアレスはウルグアイの選手ですが、日本人選手が同じことをやって勝ったらどうなっていたのか…。

こういう試合は勝っても負けても後味が悪いんだよな。

ゴルフでのスコア改ざんも悪質

次はゴルフについて。

ゴルフは少ない打数でボールを穴に入れることをめざすスポーツです。

で、ゴルフにおいては審判がおらず自分で自分のスコアをつけるのが基本。

そしてプロレベルにおいてはマーカー(同伴競技者)がスコアを記入します。

しかし、かつて日本のプロが意図的にスコアを改ざんしたという出来事がありました。

そもそもゴルフという競技の根幹は上手い下手以前に自分について誠実であること。これは審判がいない競技だからこそ導かれる根幹だといえます。

それなのにアマチュアの手本にもなるプロがスコアを改ざんしたら話になりません。

そのためスコアを改ざんしたプロ選手には10年の出場停止処分が下されたのでした。

釣りは生餌の方が釣れる

次は釣りについて。釣りはルアーフィッシングだとスポーツ感が強んですよ。

ルアーとは疑似餌を意味します。要するにルアーは本物の餌ではなくプラスチックや金属でできた偽物のエサのこと。

これを上手いこと動かして魚にくわえさせるのがルアーフィッシングです。

しかし、ルアーフィッシングの大会ではプロが生餌を使った事例が昔ありました。これはかなり邪道です。

魚の立場になって考えてみてください。当然、魚としては疑似餌よりも生餌を食べたがります。魚は嗅覚がありますからニオイが漂う生餌を食べたがるのです。

疑似餌にニオイをつける行為は大会では禁止される場合が多い。

つまり、釣る側としてはルアーよりも生餌を使った方が釣りやすいのですが、これをあえて疑似餌で釣るのがルアーフィッシングの魅力だといえます。

にもかかわらず、プロが大会で生餌を使ったら邪道極まりません。

こういった違反が起きないようにアメリカのプロ大会(ブラックバス釣り)では抽選で選ばれた人同士が同じボートに乗って不正をしないように監視する仕組みになっています。

ロードバイクは自力で漕がなくてはならない

それからロードバイクにおいては自転車に電動モーターを組み込んでいた選手が6年間の出場停止処分を受けました。

本来、自転車競技の根幹は自力で漕いだ末の順位を競うことです。にもかかわらず電動モーターを使ったら電動アシスト自転車になってしまいますからね。

電動モーターの使用は競技の根本精神を壊す悪質な違反としかいえません。

こういった機材を使ったパワーアップは俗に機材ドーピングと呼ばれます。

将棋やチェスは自分の頭脳をもとに指すのが本来の姿

最後は頭脳競技である将棋やチェスについて。ここでも機械を使った不正が最悪です。

近年ではチェスの強豪プレイヤー(外国人)がトイレでスマホをカンニングしていたことが明るみとなり、3年間の出場停止処分が課せられました。

チェスは自分の頭脳で考え抜いた手を指すのが本筋であるため、本番の対局では機械や他人のアドバイスを使ってはいけないのです。

日本の将棋界でもソフトのカンニング疑惑が浮上したため、機器の持ち込みが禁止になりました。

まとめ:人間同士の魅力

現代では陸上競技でも頭脳競技でも機械は人間の上をいっています。

将棋の藤井聡太二冠が人工知能の上をいく手を見せたことはありますが、それは一局につき100手前後ある対局の中の一部だけです。

それらの競技では人間が最先端の機械に勝つことはできないでしょう。

しかし、人間同士の対決は機械にはないドラマがあります。

それに人間にとって機械はよき練習相手にもなります。

競技レベルのプレイヤーは練習では機械の助けを借りながらも、本番では競技の根本精神は守ってほしいものです。

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