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NHKの問題をわかりやすく解説

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日本の民放テレビ番組は無料で視聴できますが、NHKは受信可能な機器設置をもって受信料が半強制的に徴収されます。

ここで気になるのは「大きな災害が起きたときくらいはNHKを見るけど、普段はあまり見ないから受信料がとられるなんておかしくない?」ということでしょう。

そこで今回はNHK(特殊法人・日本放送協会)の意義と基本的な問題点をわかりやすく解説します。

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NHKの問題をわかりやすく解説

そもそも論としてNHKの定款(=法人の運営目的や指針)を見ると、そこでは「NHKはみんなのために質のよい番組づくりと放送を行う」という主旨が書かれています。

確かに現代人が社会の中で生きていくにはさまざまな情報を知ることが必要ですし、情報の質はよいに越したことはありません。したがって、NHKの定款の主旨はきわめてまともです。

子どもはバラエティー番組やアニメばかりを見ていても大丈夫ですが、大人なら選挙や交通に関する情報をチェックするでしょう。現代人にとって情報はかなり重要な要素だといえます。

民放とNHKの違い

さて、民放の番組づくりはスポンサーの意向に左右されやすいです。

一方、NHKにスポンサーはおらず国民からの受信料で運営されているため、スポンサーの顔色をうかがう必要がありません。

たとえば、お堅い芸術作品を解説する番組は視聴率がとりにくいため民放では放映されにくいものですが、NHKなら制作・放映することができます。

また、一大利権であるパチンコ産業は民放にとって批判しにくい存在ですが、NHKなら真っ向から批判できます。こういう事情こそがNHKの最も大きな存在意義であり、NHKが公共放送と呼ばれる理由です。

実際、NHKおよびEテレを見ると、民放よりも堅い公共の話題(政治、経済、法律、教育、文化、天気、地震、交通)が明らかに多いと感じるでしょう。手話ニュースという番組まであります。

情報を示す際の演出やスタジオの様子についても基本的には堅いです。

そこではたとえば首都圏の鉄道情報なら、JR東日本の輸送指令室のような大手法人が情報を示します。

NHKが流す情報は権威ある公式サイト経由の情報という感じ。とくに災害時のデマは人命を左右するため、確度の高い情報が必要。

個人的には、普段の報道も災害時の報道も民放とNHKとでは大して質が変わらない気がする。CMのあるなしは大きいけど。

インターネットが時代を変えた

インターネットとスマホが普及していなかった時代は、NHKが受信料制度によって公共放送を担うことは国民の大多数が認めていました。

しかし、インターネットとスマホがこれほどまでに発達すると「NHKにばかり公共の情報発信を任せていいのかな?」と思う勢力が増えました。

たとえば、JR東日本は公式サイトやTwitterを通じて独自に(NHKに頼らず)情報を発信しています。

NHKによる番組内での鉄道情報は大きなトラブルが発生していなければ朝の出勤時間帯に限られますが、JR東日本の公式サイトやTwitterはたびたび更新しています。

JR東日本の利用客としては、速報性や多岐にわたる情報という点でJR東日本の公式サイトやTwitterの方が頼りになるはずです。

JR東日本のTwitter情報は方面ごとに9つのアカウントがあるよ。これは便利。
災害時はNHKの情報が頼りになるといっても、NHKの画面はすべての鉄道会社の情報ばかりを表示していられない。画面を切り替えれば鉄道情報ばかりを表示できるけど、それはネットの公式情報と変わりない。

天気、道路、株価などについても同じで、インターネットを使った方が速報性や個別性の面で優れています。

この場合の個別性とは、天気や道路は地域ごとに細かい情報が見られること、株価は日経平均だけでなく個別銘柄の株価もわかること。
個別の天気や株価を探る場合、テレビの画面を切り替えて探るよりもネットで検索ワードを入れる方が手っ取り早い。

というか、始値や終値はいいとして刻々と変わる現在の日経平均株価や為替をテレビで放映する意味ってあるんでしょうか。

街頭から株価ボードが消えて各自のスマホやパソコンから情報をチェックできる時代では日経平均株価の報告は不要な気もします。

現代で株価を気にする人は皆ネットでチェックするのであって、テレビの株価情報をチェックする人は少ないでしょう。テレ東によるカンブリア宮殿やガイアの夜明け、WBSのような銘柄関連情報はまだ需要がありますが。

政治経済の議論についても各種の言論サイトを見れば、玉石混交ですが、いろんな意見をすぐに目にすることができます。

NHKや民放の討論番組だって玉石混交だよね。

ネット情報は無料感が強い

それにNHKは1年間の地上契約で14000円くらいの受信料を世帯ごとに請求しますが、ネットの情報の多くは無料で見ることができてしまいます。

とくにYouTubeを見ると「これが無料でいいのか」「テレビが触れたがらないことをよくぞ言ってくれた」という感想をもつチャンネルがいくつもありますし、好きなタイミングで見ることができます。

また、たとえば筆者は将棋をやるのも見るのも好きですが、NHKの将棋番組は視聴率がかなり低いです。

YouTubeがなかった時代の将棋情報はNHKや新聞に頼るしかありませんでしたが、最近の将棋コンテンツはYouTubeやAbemaTVの方が明らかに充実しています。

もしNHKが改革を行って将棋のテレビ番組がなくなったとしても、ネットがある以上、将棋の普及にとって悪くない環境だといえます。

将棋をはじめとした日本の伝統文化はテレビ視聴率が低いようにテレビでは利益が出にくいですが、他のメディアを使えば活路はいろいろとあるわけです。

もしかしたら、あなたの趣味もこの傾向にあてはまっているのでは?

つまり、NHKが担っていた公共情報の発信はインターネットの発達によって安上がりになり、なおかつ発信者が分散したため、高くて半強制的な受信料で運営するNHKの存在意義が揺れているのです。

これがNHKをめぐる問題の根幹にあります。

↑「発信者が分散」とは、Yahoo! JAPAN、JR東日本、ネット証券各社、ウェザーニュース、将棋棋士、YouTuberといった人たちが情報の発信を担うようになったということ。

こういった情報発信は政府から強いられているわけではなく、各自が自発的に行っています。

たとえばJR東日本による鉄道情報の発信コストは(広報担当者の人件費や設備費などは)、乗客が支払っている料金から出されているようなもの。だから厳密には無料とはいえない。
そういった民間企業による情報コストの総額は、視聴者にとってNHKの受信料負担よりは軽い気がする。
さらに、たとえば将棋の番組放送もNHKが独占するよりは多様な主体が放送した方が利益分配の面でも望ましいっぽい。

NHKはもう詰んでいる

公共情報の優位性が崩れているNHKとしては、次世代の視聴者(若者)に取り入るべくバラエティ番組やドラマに力を入れています。ジャニーズの起用が増えたのも若年層や女性からの支持を稼ぐためでしょう。

しかし、「それは公共放送としてどうなの?バラエティやドラマは民放に任せればいいじゃん」「有名タレントはギャラが高い」という批判が出てくるところです。

つまり、NHKが公共情報の発信に力を入れると「ネットで情報がほぼ無料で手に入るから受信料を払ってまで見たくない」と批判され、バラエティやドラマを放映すると「民放でいいやろ」と批判されるのです。

NHKならびに民放がネットと同じこと、あるいはネットの後追いをやってたら不要論も出てくるわな。
オンデマンドによらず、NHKの過去の人気番組再放送してばかりいたら少しは喜ばれるはず。まあそれだと制作費がかからないから「受信料を下げろ」といわれるだろうが。

公平性の実現は1法人だけでは不可能

また、もう一つそもそも論をいうと、NHKに限らず日本国内の放送事業者は放送法によって「善良、公平、報道は事実をまげないこと」が規定されています。

ここでポイントになるのは「公平性は一つのテレビ局だけでは実現しにくい」ということです。

たとえば「日本の原子力発電は○○すべき」というような話題はかならず意見がわかれます。実際、公平性を売りにするNHKでさえも原発報道について偏っていると批判されたことがあります。

でも、よく考えてみるとNHKという一つの法人だけで真に公平な報道はしにくいはずです。

原発の話題でいうと、原発についてありのままの事実をできる限り明らかにすることに加えて、賛成派と中立派と反対派それぞれの有識者の見解を知らせることが必要です。

もし、NHKのA番組が賛成の論調をとったとしても、他の局が反対や中立の意見を示せばバランスはとれるでしょう。そして視聴者はさまざまな論調からどれを支持するか決めるのです。

つまり、言論というのは報道に多様性がないと公平になりにくいのです。ここで何をもって公平かを決めるのは、テレビの事業者ではなく視聴者です。

NHKというメディア一つだけで真に公平な報道は実現できませんから、NHKならびにマスコミ業界は多様性を取り入れるべきなのです。

しかし、日本のテレビ業界は新規参入を強く拒むムードにあります。新規参入を認めると多様性は増すといっても、既存の事業者の利益は減ってしまうからです。

まあテレビ業界は新規参入を拒んだとしても、YouTubeがテレビの役割さえも担いつつありますから無駄な抵抗のような気もします。

ちなみに中国では反政府的な言論を厳しく取り締まって政府見解ばかりを流すよ。政府は多様な言論を許さないんだ。こんな社会は息苦しいに決まっている。

NHKは海外でも見ることができますが、それは受信料を支払わなくても可能です。

こんな体制では受信料を支払ってNHKを見ている日本在住の人は不公平感をもつに決まっています。

民法の原則

ところで日本の民法には契約自由の原則があります。

契約自由の原則とは、買い物や銀行口座の開設といった契約は、個人(当事者)の自由に任せるという原則です。

警察や消防は公的な機関を使うしかありませんが、私的な買い物は個人の自由になるのが基本といえます。

国防や公園などみんなに共通の公共サービスを利用する対価は税として強制的に支払わされます。

で、テレビの視聴は本来、私的な買い物・契約の範囲に入るはずです。インターネットが発達していなかった時代の公共放送の受信料は半強制的でも問題なかったでしょうが。

その原則に沿うと、NHKは民放のようにスポンサーをつけないとすれば、WOWOWのように視聴を希望する人だけが料金を支払って見るべきなのです。

NHKは大相撲や高校野球が好きな人にとっては有料で契約するだけの価値があるでしょう。

そして電車の不正乗車は罰則が適用されるように、NHKを見ているのに受信料を払っていない場合は罰則を受けてもいいでしょう。

あるいはNHKに料金を払っていない人はNHKを見られないようにすれば(スクランブル化すれば)いいのです。

しかし、NHKがWOWOWのように視聴を希望する人だけがお金を払うチャンネルになったら、もはやそれは公共放送とはいえませんし、NHKの収益も大きく下がるでしょう。

そのため現状のNHKの受信料やそれを取り巻く法律、議論はグレーゾーン(はっきりしない)と化しているのが現実です。

いや、NHKがグレーゾーンと化しているのは、NHKの幹部・関係者が利権を保持したいがためにグレーゾーンに仕立てているだけかも。

高齢者の中にはネットはぜんぜんやらず(できず)、情報はもっぱらテレビや新聞に頼るという人も多い。だから、災害が発生したときの公共情報としてNHKは必要という見方は根強い。
緊急時だけはスクランブルを解除すればいいし、ネットに疎いお年寄りはどんどん減っていくよね。民放だってそれなりに頼りになるし。SNSや掲示板のデマはどうかと思うけど。

筆者の意見:言いたいことがあるのなら堂々と議論せよ

NHKの現状維持派と改革派はたがいに言いたいことがたくさんあるはずです。

個人的には「NHKの現状維持派と改革派の有識者はNHKの番組内で公開討論をすべき」と考えています。一口に改革派といってもいろんな改革案があるでしょうし。

「NHKをぶっこわす!」とネット空間だけで叫び続けるよりは、公の場で真剣な討論を展開する方が建設的というもの。

一応、日本は民主主義の国ですからNHKの諸問題についてみんなに洗いざらい明らかにしつつ話し合えばいいのです。

もちろん、話し合ったからといって解決するとは限りませんが、それでもNHKが抱える諸問題をみんなに知らせることはとても重要です。

しかし、NHKの改革派は公開での話し合いに積極的に応じるとしても、NHK内の現状維持派は応じないでしょう。

現状維持派はまともに討論したら負けるとわかっているからです。

まとめ

ここまで私が述べた内容はどれも基本的なことであり、国民のだれもが知っておくべきことです。しかし、中には知らなかった方もいるでしょう。

テレビの討論番組を通じてNHKの諸問題が明らかになると、普段ネットを見ない人にもNHKの問題点が明らかになり、改革機運が高まってしまいます。NHKはこれを避けたいということもあって公開討論をしたくないのでしょう。

NHKの定款には「国民には質のよい情報を知ってもらいたい」という主旨が込められているけど、日本のテレビ局は本当に日本国民に情報強者になってもらいたいのかな?
テレビ局は、実は自分たちに都合の悪いところは知ってほしくないのだとしたら、国民には情報弱者であってほしいのではないか。

NHKは公式サイトで公共放送や受信料の正当性を述べていますが、これはNHKの一方的な主張です。そこには近年のメディア事情の変化を踏まえた視聴者・一般国民の意見が十分に反映されているとは思えません。

NHKの幹部や職員は高学歴で自らの頭脳に自信をもっているのだったら、逃げずに公の場で話し合うべきです。

NHKは自分たちの存在が日本にとってプラスになると考えているでしょうが、このままだとマイナスの方が大きくなってしまいますよ。

NHKが抱える問題は他に、潤沢な制作費、多すぎる資産、高すぎる人件費、受信料の徴収員は強引だがその多くはNHKから委託された民間企業の社員であることなど。

NHKは市場原理で稼ぐ私企業ではなく、受信料をもとにした特殊法人であり公共放送であるため利益が多すぎるのは問題があります。

また受信料の徴収はNHK職員にとってやりたがらない仕事なので、NHK職員よりも低い待遇で民間企業に押し付けているだけです。

一度にすべて触れるのは大変なので今回はこれくらいにしておきます。

マスコミが嫌われる最も大きな原因は他人のことは批判するくせに、身内の不祥事や問題点は報道・批判しないこと。
そういえば『朝まで生テレビ!』もマスコミの不祥事や改革だけは扱っていないな。その意味では放送法で重要な位置を占めている公平性がまるで欠けている。
民放がNHK改革にも触れたがらないのは「NHKを変えるなら民放も変えろ」っていう論調になるのを恐れるからだろうね。
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