社会・教育

ソシャゲはなぜ日本でこれほど人気になったのか

2019年6月8日

ソーシャルメディア

日本人はソシャゲ(スマホゲーム)が好きです。

いわゆるスマホ歩きや、電車から降りるのに遅れた人の中にはソシャゲに熱中していた人も多いはずです。

電車の乗り降りに支障が出る動きは咎められるべきだとしても、日本人がソシャゲを好む理由は気になると思いませんか。

そこで今回は日本人がソシャゲをなぜ好むかを見ていきましょう。

日本ってソシャゲのテレビCMが多いよね。
テレビをよく見る層とソシャゲが好きな層は同じなのかも。

日本人はなぜソシャゲが好きなのか

そもそもソシャゲとはソーシャルゲームの略で、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を通じて提供されるオンラインゲームを意味します。

代表例としてはMobageやGREE、ハンゲームなどで配信されている各種ゲームが挙げられます。

ゲームの内容はRPG、パズル、スポーツ、恋愛シミュレーション、ギャンブルシミュレーションなど。

ソシャゲは他プレイヤーとコミュニケーションをとったり、他プレイヤーの状態を見ることができます。

具体的にソシャゲのユーザーはゲームに関してチャット、ブログ、掲示板、アバター部屋などを簡単につくることができます。

つまり、ソシャゲは他人の存在が前提になっているゲームだといえます。

まずはスマホと携帯ゲームの特徴を知ろう

ソシャゲの特徴、そしてソシャゲが日本人に好まれる点はおもにスマホを通じてプレイする点に見出すことができます(PCからでも利用可)。

そこでまずはスマホの特徴を知りましょう。

スマホの特徴

  1. 持ち運べる(外出先でも使える)
  2. テレビを占領しない
  3. スマホは現代の基本機器

1と2の特徴は3DSのような携帯ゲーム機と共通する特徴です。

スマホのゲームはテレビを占領せず、また持ち運べるという点は個人主義的といえます。

とくに現代は核家族化が進んでいますのでスマホは時代に合っています。

かつては居間(リビングルーム)にのみテレビがあり、それを家族が共同で見ていたのですが、現代ではスマホによって家族一人一人が違うチャンネルを見ることができるのです。

核家族とは、夫婦のみの家族、あるいは夫婦とその子ども(未婚)からなる家族をいいます。

これとは対照的なのが拡大家族で、子どもが結婚してもなお同居するような形。要するにクレヨンしんちゃんの野原家は核家族で、サザエさん家は拡大家族。

一般に経済が発展すると、核家族化が進むとされます。戦後の日本はまさにその通りになりました。これがよいか悪いかは何とも言えません。

そして、かなり重要な特徴が3です。

いうまでもなくスマホは多機能です。そうなると、スマホがなかった時代ではゲームに興味がなかった人でもスマホを所有すると自然とゲームに興味をもつでしょう。

90年代後半のガラケーには大した機能はありませんでしたが、ガラケーにはいつしかカメラがつくようになり、それはスマホにも標準搭載されました。

これによって撮影は今までよりも手軽になり、写真文化はそれまでの専用カメラの時代よりも格段に広まりました。

これはインスタやTwitterを見ても明らかなことです。

ゲームについてもスマホとともに裾野は広がったといえます。

ゲーム機はゲーム機としてしか使えませんが、スマホはさまざまな機能があるためゲームをプレイするのをやめたとしても用途が広いのです。

ソシャゲはハイスペックではない魅力がある

一般にソシャゲは、最先端の家庭用ゲームやパソコンゲームに比べるとグラフィックもゲーム性も操作性も高度ではありません。

家庭用ゲームというのは、ゲーム機本体とソフトとテレビ画面を使ったゲームを意味します。PS4はその典型です。

3DSのような携帯ゲーム機も家庭用ゲームに含める説もあり。

薄くてゲーム以外にも用途をもつスマホと、ゲーム専用機であるPS4とでは性能が大きく異なるのは当たり前です。

ここでソシャゲの特徴として導かれるのが以下になります。

  1. ゲーム専用機であるPS4や3DS、ハイスペックパソコンを買わなくてもできる
  2. ゲームソフトを買わずにダウンロードだけで始められる
  3. 細切れの時間でもできる
  4. イベントごとのワクワク感と競争感、ネバーエンドな感覚
  5. 他人と関わったり、他人に見せつけることの快感
  6. 勝敗も人間関係も、そしてゲームをやめるのもお手軽

上の特徴のうち1~3について解説しますと、まずPS4のゲームを楽しむにはPS4本体とソフトとテレビと電源が必要です。

しかし、ソシャゲはスマホ1台で始められますし、ソフトを買う必要もありません。ゲームをプレイするためにダウンロードが必要だとしても、基本プレイだけなら無料というパターンは多いです。

電車通勤の環境はソシャゲと相性がいい

ソシャゲはグラフィックもゲーム性も複雑ではないのでスマホでも十分に動作します。

電車で移動している最中にちょっとプレイするというような遊び方は、ソシャゲという複雑ではないゲームでこそ真価を発揮します。

日本の都会民は電車通勤する率が高く、車内での時間つぶしにソシャゲはぴったりなんだよな。
満員電車という苦しい環境でもゲームが面白いと負担感は軽くなるもんね。

ハイスペックのノートパソコンを使えば外出先でも高度なゲームをプレイできますが、そういうゲームは家庭の落ち着いた環境でゲーム専用のコントローラーを使いながらプレイするのが普通。

つまり、ソシャゲのお手軽感と電車の苦痛感は相性がよいのです。

イベントごとのワクワク感と競争感、ネバーエンドな感覚

次にさきほどの特徴のうち、4の「イベントごとのワクワク感と競争感、ネバーエンドな感覚」について説明します。

そもそも家庭用ゲーム機のソフト(とくにRPGのようなストーリーに沿ったゲーム)はエンディングを見たら「そこで一旦おしまい」という感覚があります。

もちろん、それ以上やり込むのも自由ですが、プレイヤーは買ったときにソフトに組み込まれた範囲でしかプレイできません。

しかし、ソシャゲにおいては運営者がみんなを飽きさせないようにアップデート(更新作業)を行います。

アップデートに関して運営者は、みんなの参加や課金が高まるようなイベントも定期的に開催します。これによってプレイヤーのやる気をかきたてるのです。

そこではゲーム運営会社の都合によるサービスの終了はあっても、家庭用ゲームのようなエンディングはあまり見かけません。

このようにどこまでも続いていく感覚は家庭用ゲームでは味わいにくいところです。

「もったいない」を好む日本人からすると、家庭用ゲームのような有限の世界観よりも、ずっと続く世界観の方が受け入れやすいのかもしれません。

ただ、最近ではサービス開始から1年ほどでサービス終了になったソシャゲも見られます。

お金と労力を費やすと簡単にやめられなくなる

「もったいない」という感覚は、「やめにくさ」にもつながります。

たとえば、今までに1時間だけ無料プレイしただけのゲームをやめるのはとくに抵抗がないものです。

しかし、時間やお金をたくさんつぎこんでしまうと内心ではやめたい気持ちが強いとしても「やめるのはもったいない」と考えがちです。

ソシャゲはログインするとアイテムがもらえる、課金をやめると順位が下がるパターンが多い。
無課金ユーザーは課金ユーザーのおかげで無料で楽しめるようなもの。だれも課金しなかったら企業はサービスを終了するからね。
アイテムやキャラもインフレしやすいよね。これによって課金額は増えてしまいがち。

筆者は物書きでもありますので「課金」という言葉はひっかかります。

課金とは供給側がプレイヤーにお金を課すものなので、プレイヤーが課金したというのはおかしいからです。

しかし、本記事では誤用版をわざと使うことにします。

他人に見せびらかすことができる

ソーシャルゲームはSNSを通じて提供されるゲームだけあって、他人とコミュニケーションがとりやすいようになっています。

この場合の他人とは、リアル世界の友人や同僚はもちろん、まったく知らない人も含まれます。

そこでは他人と情報やアイテムを交換したり、他人の状態(成績、アバター、日記、コレクション、友人の数)を見るなんていう機能があります。

ソシャゲで自分の状態は他人から見られるものなので、スゴイ成績を出したり珍しいアイテムをもっていれば他人から羨望や尊敬の眼差しで見られます。

そしてソシャゲのアイテム獲得は基本的にはお金を課金すれば課金するほどよいアイテムが得られます。

つまり、プレイヤーはテクニックは欠けるとしてもお金をたくさん投じれば、ほぼ確実に目立つことができるのです。

芸能人や実業家として有名になるのはかなり大変ですが、一つのソシャゲ内で有名人になるのはそこまで大変ではないのです。

ソシャゲを好む人の中にはこういう自慢や自己満足を求めている人も多いでしょう。

以上は家庭用ゲームでハイスコアを出すのは自分のテクニックであり、ハイスコアを出したとしても自分だけの満足にとどまることとは対照的。YouTubeでその様子を配信するという手もありますが、それは面倒ですし。

ソシャゲはニックネームでやる人が多い。つまり、すごい成績を残して名前が載ったとしてもニックネームにすぎないんだよな。
重課金(廃課金)している人はお金持ちが意外と多いという説もあります。

ハイスペック派からの疑問

ソシャゲはPS4やハイスペックパソコンを使ったゲームに比べると画面も操作も窮屈です。

またソシャゲはグラフィックやゲーム性も割と単純ですし、基本プレイなら無料も多いですが、ある程度上を目指すと「課金」が立ちはだかります。

少ない額でも毎日のように課金を繰り返していると、ハイスペックパソコンを買える以上の課金額になっていたりします。

クレカやスマホのキャリア決済だと支払いが簡単すぎるからつい課金しがち。

またスマホは本来、通信機器ですがゲームにも使うとなるとそれだけ容量や電池を圧迫します。

こういう欠点もあるため、家庭用ゲームには賛成だけれどもソシャゲには反対するという人は確実に存在します。

しかし、やはりソシャゲに熱心な人はお手軽なゲームに熱中するのであって、高度なゲームはまた別物だと考えしまいがちです。

日本人の心の隙間を埋める

ここまではスマホやソシャゲの特徴に沿った原因をしてきましたが、次に現代の日本人の特徴に沿った原因を見ていきましょう。

さて、現代人というのは人間関係がどこか希薄です。学術的にいうと人間関係の希薄化は経済の発展や国家の都市化によって進むとされます。

それでは現代の日本人は濃密な人関関係を求めているかといえば、それは疑わしいです。

たとえば、現代の若手ビジネスマンは飲み会や社員旅行など社内での濃い人間関係を嫌っている節があります。

かといって、現代人は人間関係がまったく希薄なのも嫌っています。

実際、友人や恋人をマッチングするインターネットサービスはそれなりに活況です。

つまり、日本人は自分の好きなカテゴリ内で「お手軽なつながり」を欲しているといえます。

「お手軽なつながり」というのは、人間関係を築くのも、築いた人間関係を切り離すのもお手軽だということです。

重課金している人はソシャゲをやめにくいのかもね。

この点、Twitterはフォローやリムーブが手軽にできますし、ソシャゲのコミュニティも大抵は気楽なものです。

YouTubeでも人気ゲームごとにYouTuberがプレイ映像を配信しており、視聴者とコミュニケーションをとっています。

たがいに好きなゲームを介すれば会話も弾むというものです。

社会人は嫌いな人と付き合うことも重要ですが、日本の古い会社の人間関係は締め付けが強すぎるためソシャゲを好むのでしょう。

学生の間は好きなグループに所属していればいいんだけど、社会人はそうもいかない。

ギャンブル的なワクワク感

最後にギャンブルとの関連です。

日本人はギャンブルが好きです。

いや、正確にいうと日本という国は人間のギャンブル好きを引き出す環境になっているともいえます。

その象徴がパチンコ・パチスロです。

パチンコ店は全国各地の都市部の駅前、地方都市の幹線道路沿いでは高確率で営業しているからです。

そして、よく知られているようにソシャゲもまたガチャというギャンブルに似た要素が盛りだくさんです。

ガチャとは、ゲームの中で使えるアイテムを抽選式で買うこと。

ガチャは何が出るかわからない楽しみと、目的のアイテムが出るまではムキになって課金し続けるという欠点があります。

ソシャゲのガチャはゲーム内限定で使えるアイテムが手に入るだけで実利はありませんが。

課金ユーザーは無課金ユーザーを見下したりするよね。
普段(実社会で)はおとなしくてもゲームの中では威張り散らす人もいる。

最近では上位に入ったり抽選に当たるとAmazonギフト券がもらえるオンラインゲーム・ソシャゲもあります。

これは実利的ですが、課金や時間を考えると効率的ではありません。

まとめ

最近の筆者はソシャゲをほとんどプレイしないのですが、ソシャゲに関連する銘柄に株式投資をする場合もありますので、ソシャゲ業界全体の動きは気にしています。

そこで気になるのは昨今(2020年)ではソシャゲ関連銘柄の株価は全体としてやや下落気味にあるということです。

つまり、ソシャゲを運営している上場会社の業績はやや下がっているのです。

ソシャゲ会社の業績低迷はソシャゲ離れによるものか、それとも課金離れによるものか。

ただ、ソシャゲ会社の業績低迷は一時期のソシャゲ業界の盛り上がりが正常化しているとも受け取れます。

今後、日本人とソシャゲの関係がどうなっていくか注目したいところです。

SNSの様子
参考なぜTwitterは日本人に人気があるのか【8つの理由】

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