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日本経済が凋落した本当の原因

日本は本当に衰退しているのか ビジネス社会

今回は日本経済の凋落・衰退の理由についてドイツとアメリカと中国と韓国と比較しながらわかりやすく解説いたします。

なお筆者は、日本経済は数字的には衰退(右肩下がり)というより停滞(横ばい)と考えています。

しかし、日本が停滞して他国が成長すると実質的には凋落しているように見えます。これが日本の衰退感の正体だと思います。

その際の理由や論点は以下のとおり。

  • バブル崩壊
  • 冷戦の崩壊と新興国の登場
  • 製造業型の働き方とIT産業型の働き方
  • 人材集めと教育
  • 逆分配

さまざまな理由・原因が複雑に絡んでいますが、順番に見ていきましょう。

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日本経済の凋落原因:バブル崩壊から?

下の表の左側は1989年の世界時価総額ランキング、表の右側は2018年の世界時価総額ランキング(単位は億ドル)。この表は50位まで続くのですが、10位までといたします。

順位企業名時価総額国名企業名時価総額国名
1NTT1638.6日本アップル9409.5米国
2日本興業銀行715.9日本アマゾン8800.6米国
3住友銀行695.9日本アルファベット(google)8336.6米国
4富士銀行670.8日本マイクロソフト8158.4米国
5第一勧業銀行660.9日本フェイスブック6092.5米国
6IBM646.5米国バークシャーハサウェイ4925.0米国
7三菱銀行592.7日本アリババ4795.8中国
8エクソン549.2米国テンセント4557.3中国
9東京電力544.6日本JPモルガン3740.0米国
10ロイヤルダッチシェル543.6英国エクソンモービル3446.5中国

引用文献:週刊ダイヤモンド2018年8月25日号

まず上の表で気になるのは1989年の世界時価総額ランキング上位は日本の銀行が多くを占めているということ(2018年の緑字はIT系の企業を意味します)。

しかし、1989年は日本ではバブル経済の絶頂期。この時代の日本の銀行や証券会社の時価総額が高かったのは単に金融業への過剰評価が原因です。

バブル経済とは、株価や不動産価格が実体経済の割に異常なまでに値上がりした状態のこと。この時代の日本国民は株価や不動産価格の高騰に浮かれていました。

どのくらい浮かれていたかというと、三菱地所がニューヨークのロックフェラーセンターで有名なロックフェラーグループを買収したほどです▼。

ロックフェラーセンターのツリー

しかしというか当然というべきか、株価と不動産価格の異常な高騰(右肩上がり)はいつまでも続くわけはなく、1991年にバブルは崩壊したのでした。

バブル崩壊によって金融機関は大損を出し、その後、大手の都市銀行は三菱UFJ、みずほ、三井住友へと再編されました。

金融機関以外の多くの日本企業としてもバブル崩壊後はバブルの反動や先行きを不安視したために新卒採用をかなり少なくおさえるなど保守的な経営方針をとりました。

これが「平成不況」「就職氷河期」「失われた10年」と呼ばれる時代です。

日本は長寿企業が多い国。これはよいことのように見えるけど、企業の新陳代謝が進まず古い業種や会社が闊歩し続ける国ともいえる。よくも悪くも保守的。
1990年代の就職氷河期も日本企業は中高年の雇用を守って若者の雇用を厳しくしたことが原因といわれるよね。これも一種の保守かな。
日本企業は自社の生存を優先するあまり、従業員への給料や新規の投資も抑え気味でお金を貯め込む傾向にある。これは保守が悪い方へ出ている。

冷戦の崩壊と新興国の登場

次に金融業に限らず世界の有力企業と新興国の企業について見ていきましょう。

1990年ごろまでの世界において有力な企業の母国は日本、アメリカ、西ドイツに固まっていました。

しかし、現代では世界的な有力企業には中国、韓国、台湾、スイス、フランスの企業も見られます。

というのも1947年~1991年は冷戦といって西側諸国と東側諸国が対立しており、その末期では東側の劣勢と閉塞感が明らかになっていました。東側諸国は経済がかなり低い水準のところで停滞していたのです。

西側諸国はアメリカ、イギリス、日本、西ドイツなど、東側諸国はソ連、東ドイツ、中国、北朝鮮などが有名なところ。

しかし、1990年前後に冷戦構造が崩れると、それまで東側に位置づけられていた国が大きく経済成長し始めました。

それは下のグラフの中国の躍進を見ても明らかです。

GDPの推移
1人あたりのGDPの推移
1990年の中国の1人あたりのGDPが300ドル台というのは低すぎますからね。そこまでGDPが低いと(≒経済が未熟)、成長できる余地もデカイというものです。

なお2017年のアメリカの1人あたりのGDPを見ると「59531ドルとは高いな!」という印象をもつ人が多いでしょう。

実際、アメリカ人の給料は日本人の給料より平均的には高いですが、アメリカは物価も高いです(たとえばマクドナルドの価格は日本の2倍くらい)。

またアメリカは経済格差も大きいため、1人あたりのGDPを見ただけでは生活のしやすさまではわかりません。

中国やアメリカのような人口も領土も大きな国は地域差もかなり大きいです。

日本でも東京と沖縄の間には経済格差がありますが、中国における沿海部の大都市と内陸部の農村の経済格差はそれ以上と考えてください。

中国は世界の工場を担った

一昔前の中国は日本よりもかなり賃金が安く、中国政府は海外資本への開放政策を進めつつあったため、先進国の製造業は相次いで中国に工場を移しました。「グローバル化」という言葉が盛んに使われ始めたのもこの頃からです。

賃金が安いところで製造した方が製造業の利益は大きくなるため、中国は「世界の工場」を担ったわけです。当然、先進国の製造業の雇用は少なくなりました。

こういった現象は「産業の空洞化」と呼ばれ先進国に共通した現象です。

それは製造業のコストダウンには貢献しましたが、技術や人材の流出を招いたという批判は未だに強いです。

しかし、労働者には転職・退職の自由がある。つまり、企業は技術や人材の流出を完全に止めることができない。それならば、日本企業としてもすぐれた外国企業とつながったり、外国人を採用して多様な知識と技術を取り込むべきだが、日本企業はそれが弱かった。
先進国の企業は新興国の台頭に脅威を感じたため、さまざまな業種で会社を再編したけど日本企業の国際色はちょっと弱いかな。大学生の内向き志向も未だに強いし。
日本は人口が1億人以上もいて内需もそれなりに安定しているために、海外への進出に乗り遅れたという見方もある。
バブルまでの製造業主体の成功体験の記憶が強すぎたため、冷戦後の時代に対応するのが後手後手になったのかも。
最近では中国の賃金がそれなりに上がりましたからミャンマーやバングラデシュに進出・移転する動きが盛んです。

製造業型の働き方とIT産業型の働き方

さて、さきほどの1989年の世界時価総額ランキングの11位以下は省略してありますが、そこから50位まではトヨタ自動車、新日鉄、日立、松下(現パナソニック)、東芝、日産、三菱重工といった大手製造業がランクインしていました。

しかし、2018年の世界時価総額ランキングTOP50ではトヨタ以外の日本企業はランクインしていません。これは古いタイプの製造業の凋落とIT企業の躍進を意味します。日本人の働き方と合わせて見ていきましょう。

そもそも製造業の工場でライン工として働く場合、ほとんどの日本国民は平均的な働き方ができます。

工場のライン工に求められる力は、平均的な作業能力と他の工員との協調性など日本人の得意分野だからです。

工員の仕事能力を1~5の5段階で表すと、1や5のような極端なタイプばかりがいて平均値が3になるよりも、みんなが3や4のレベルにある方が工場の生産は安定しやすいです。

また、工場のライン工として働く分には成果は大して個人差がありません。

実際、日本経済が製造業中心の時代は「一億総中流」という言葉にも示されるように大きな経済格差はありませんでした。

しかし、1990年代から本格化したIT産業では一部の突出した個人がすごい成果を生み出します。つまり、ITが絡むと労働者の成果の格差は大きくなるのです。

たとえば、Googleにおいては最先端にいる少数の経営陣やエンジニアの判断が世界中の検索エンジンの質を大きく変えます。

Googleは中国やロシアなどを除いて世界の検索エンジンとネット広告で圧倒的なシェアを築いています。

また、アップルはスマホをつくる製造業というイメージが強いでしょうが、アップルのスマホで使うゲームやアプリの販売はアップルのAppStoreがプラットフォームを担っています。

つまり、ITが強く絡む産業ではプラットフォームの地位をとると大きな利益が出るため、各社はプラットフォームの地位をとろうとするのです。

中小のネットショップとしてもAmazonか楽天かYahooに進出した方が商品は売れやすいため、Amazonや楽天はみんなのプラットフォームとして価値を高めます。

こういったIT企業は経営を多角化させて、ネットショップや動画配信、恋愛マッチングなどさまざまな事業を営みます。

個人単位のネット事業としてもマナブさんという有名ブロガーはブログだけで1か月に数百万円を稼ぎますが、ほとんどのブロガーは1か月あたり5000円未満の収益です。

なぜ、そんなに差がつくかというと有名ブロガーは有力なキーワード(=収益につながりやすい検索語句)で検索エンジンの上位に表示されることが大きいです。

このキーワードの牙城はGoogleの方針変更によって崩れることもありますが、揺るぎないサイトもあります。

ITが絡むと人間の収入格差は大きくなるのです。

もとめられる人材の違い
  • 製造業の現場でもとめられる人材矢印平均的な能力と協調性のある人材(突出した能力のある人は現場には必要ない)

  • IT産業の中枢でもとめられる人材矢印突出したプログラミング力や経営力のある人材(中枢の人材が突出して有能であれば、あとの従業員は凡人でもうまくいく)

日本の教育は平均的な能力と協調性のある人材をつくることには適していますが、突出した個人を生み出すのには適していません。そのため、日本のリーダー層(企業経営者や政治家)は頼りなく見えてしまうわけです。

ソフトバンクの孫正義氏や元ライブドアのホリエモンは突出したタイプだけれど、例外的な存在。
国の経済を成長させるときに人材戦略で必要なのは、一般大衆の底上げと、みんなを引っ張る人材・とがった人材の育成。日本は前者には力を入れるけど、後者は弱い。

人材集めと教育

IT産業では会社の中枢にいる少数の経営者やエンジニアが社会全体を変えるほどの影響力をもちます。

というか、アップルのような製造業でもITを取り入れる経営戦略はとても重要です。

2018年の時価総額上位企業にアメリカのIT企業が多いのは、アメリカという国はIT産業の発展にとって有効な突出した人材を集めて伸ばせる構造になっているからです。

野球選手でも日本のレベルに満足できないほどハイレベルな選手はみんなアメリカに行くでしょう?

あれと同じでアメリカは有能な大学生やビジネスマンにとっても憧れの地なのです。

アメリカは競争が激しい格差社会ですが、世界中の富と人材が集まるため能力がある人にとっては魅力的な国だといえます。

アメリカには世界中のエリートと投資マネーが集まるとあれば、新しくて優秀な企業も次々と生まれるというものです。

一方、日本の大学や企業は海外から有能な人材が多く入る構造になっていません。

また日本の大企業は年配のサラリーマン社長が多く、彼らは協調的で慎重な経営をしやすいため、突出した企業が生まれにくいというわけです。

こういう企業は多様性に欠けますから、革新的なアイディアは出にくいです。そのため変化を嫌って旧来のやり方に固執して緩やかに衰退します。

日本からは突出した企業が生まれず企業業績の横ばい傾向が続いていると、衰退感が高まります。

アメリカの高等教育は世界中から有能な人材を集めて尖った人をさらに伸ばす方向にあるから日本とは根本的に違う感じ。これをマネするのは難しい。
日本の企業や政界にも次世代を引っ張る、よい意味でぶっ飛んだ若い人材が欲しいところ。現れたら現れたで叩かれそうだけど…
最近の東大生はベンチャーに行く率が昔よりは増えているけれど、それでも大半は官僚か成熟した大企業に行くからなぁ。これも日本人の保守性が表れているのかな。

日本企業の無駄に疲弊する若者

さらに現代の日本企業は将来性ある若者に無駄な掃除や日報、朝礼などを強いています。無駄な会議も多いです。

それに日本企業は遅刻には厳しい割に終業時間は守らないなど、長時間労働が美徳になっています。このあたりは外国籍の従業員にとっても不満に見られているところです。これでは有能な外国人が日本企業に入ってきてくれません。

飲み会、社員旅行、運動会といった社内行事は就業時間と見なされず面倒なために若手社員から嫌われています。

また小売業や旅館業みたいなB to C系のサービス産業では過剰なサービスをクールジャパンと勘違いしつつお客様を神様扱いしてクレーマーに苦しんでおります。

日本という国は犯罪発生率も低いですし労働時間も長いなど真面目です。しかし、真面目さがかえってストレスの多さや生産性の低さにつながっている感じです。

ITスキルと効率化が遅れている

また日本企業の日常業務ではいまだにハンコと固定電話を多用しています。

世界はITやキャッシュレスによって業務を効率化する流れにあるというのに、日本人はその導入が遅れている感じです。

一般に人間はITに慣れている人ほど効率性を志向するものです。世界的にはITの導入が本格的に進んだのは1990年代ですから、年代でいうと40歳くらいを境にITへの態度が変わります(40歳以下はITに慣れている)。

しかし、日本は少子高齢化と未だに残る年功序列によって企業幹部や政治家には中高年が多いため、効率性がそこまでもとめられていない感じです。

USBを知らない政治家が国のサイバーセキュリティー担当大臣を務めていたなんてのは、それをよく象徴する現象です。民間企業の平均賃金よりも公務員の平均賃金の方が高いのも資本主義国としてどうかと思います。

基本的に日本人は有能だと思いますが、会社の環境や政府の政策が能力を開放する方へ作用していないと感じます。

日本人はマンガやゲーム、そしてラーメンのような政府が介入してこない分野では優れた個性を発揮するよね。YouTuberの企画力も世界的に見て高い方。

でも、総務省管轄のテレビや警察利権のパチンコのように政府が強く介入する産業は日本人にとって悪い影響の方が強いんだよね。
ジャパンディスプレイなんてほぼ絶望的だけれど、政府は意固地なまでにこだわるよね。あれは無駄な政府支出じゃないのかな。
官僚主導の産業政策(特定の産業を育てる政策)の成功率は低い。それでもこだわり続けるところ(負け戦から撤退しないこと)に日本の病理を感じる。

逆分配という闇

最後に逆分配についてです。これは財政政策とも関連するところです。

そもそも先進国の財政政策には所得再分配といって金持ちから中流・貧困層へお金を分配する仕組みがあります。

しかし、日本にはどういうわけか逆分配が根付いている面があります。

本来、政府としてあるべき分配は、金持ち⇒中流・貧困層です。これが逆分配だと、中流・貧困層⇒金持ちという形になります。

で、最近の日本では個人の金融資産の約6割は60代以上が保有しています。もちろん、中には貧しい高齢者もいるでしょうが、年代別に表すとそういう統計が出ています。

つまり、高齢者の優遇政策は全体的には逆分配といえるのです。

逆分配の典型が公的年金です。日本の年金は積立方式と賦課方式が組み合わさった制度であり、今の老人が受け取っている公的年金は若年層・現役層が支払っている分がかなり含まれています。

このままいくと、今の老人にとって年金は生涯で大きなプラス収支ですが、今の赤ちゃんにとっては数千万円のマイナス収支という試算があります。

子どもが老人の資産を相続すれば問題ないという考え方もありますが、それにしても大きな格差です。

これを是正しようにも選挙では人数が多い老人には勝てませんし、政治家は選挙で老人からの票をとりたいあまり老人優遇の政策ばかり打ち出します。これでは少子高齢化も改善しません。

政府が「老人栄えて国滅ぶ」という政策運営では日本は衰退の一途だと思いませんか?

財政政策そのものは確実に必要なのですが、消費と雇用につながる率がより高い方面に支出をまわすべきです。

食べ物は老人よりも若者の方が多く食べるように消費が大きいから、もっと若者や片親家庭にお金がまわればいいのに。
「若者のクルマ離れ」という言葉があるけど、それは若者の価値観が変わったことだけでなく、若者にクルマを買うだけのお金がないということでもあるよね。

解決策

ここまで日本の衰退原因を見てきました。こういった衰退を止めて上昇に転じさせることは並大抵の難しさではありません。

日本は狭い国ですし、日本人は治安に敏感ですから移民を入れる政策も成功するとも思えません。

それでも解決策があるとすれば、まずは一つは政治家や企業に実力のある若年層を幹部として登用することです。

国家レベルの改善はかなり難しいですが、一企業が私的に効率化させるのはそこまで難しくないでしょう。

効率化させればすべてよいとは限りませんが、現状では無駄が多いため効率化させるべきです。

また日本は教育費がそれなりに高いのに、教育費に占める公的支出の割合が少ないのも問題です。

他にも日本企業の総合職を変えた方がいいと思っていますが、それは長いので下の記事で述べます。

ご覧いただきありがとうございました。

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