生物・食事

将棋の食事とおやつのまとめ

2020年8月25日

寿司と竜馬

画面を通じて将棋の対局を見る際の楽しみの一つといえば、昼食とおやつ(将棋めし)。

局面だけでなく意外と昼食も気になるんですよね。

もともと日本のメディア中継は諸外国と比べると食レポがとても多いうえに、将棋の堅い絵面のあとに映る食事は清涼感と地方のご当地感があるため注目度が高いのでしょう。

ヨネスケ氏の『隣の晩ごはん』なんてのも人気があったように日本人は他人の食事に興味をもっている。

YouTubeで将棋を解説しているプロ棋士によると、将棋の戦法を解説した動画よりも対局時の持ち物や食事について紹介した動画の方が再生数は圧倒的に多かったとのこと。

将棋を解説する動画は実にたくさんありますが、昼食や持ち物を解説する動画はあまりありませんから意外と需要があるのでしょう。

そこでこのページは、今までの将棋観戦から得られた知見をもとに将棋の対局時(とくにタイトル戦のとき)の食事の基本や、エピソードについて紹介します。

将棋の食事とおやつのまとめ

まずは「いつ食べるのか「どこで食べる」など共通点としての食事の基本を見ていきましょう。

将棋(とくにタイトル戦のとき)の食事の基本

  • 食事休憩の時間は消費時間には含まれない(持ち時間を消費しない)
  • 昼食時間は正午過ぎからの40分
  • 夕食時間は18時過ぎからの40分
  • 夕食時間が設けられるのは名人戦や順位戦、竜王戦トーナメントなど1日あたりの持ち時間が長い棋戦のみ※1
  • 食事もおやつも会場が用意したメニューの中から棋士本人が選ぶ形式が多い※2
  • 地方でのタイトル戦だとご当地メニューが選択肢に入ったりする
  • タイトル戦ではない対局のときの食事は出前や買い弁が多い
  • ソフトを使った不正や他者からのアドバイスを防止するため、対局中は会場外での食事は禁止
  • タイトル戦での食事代はスポンサーが出してくれることも多い(タイトル戦以外の食事は自腹)
  • 人気メニューはうな重とカレーとそば・うどんと刺し身(寿司・海鮮丼)※3
  • 食事は対局部屋とは別の部屋で食べるが、おやつに限っては対局している部屋で食べることもある※4
  • タイトル戦ではおやつが登場する(10時30分と15時に出る)※5
  • 自分の好きなペットボトル飲料や軽いつまみを持ち込む棋士もいる※6
  • 食事は栄養的な戦略よりも好みを優先する棋士が多い模様※7

※1.18時~19時半くらいの時間帯で1分将棋に入る棋戦では夕食時間を設けない

※2.タイトル戦当日にメニューを選ぶと気が散るため、メニューは前日に選ぶ場合も多い

※2.前日に注文したメニューについて当日に多少の変更や減量は可能

※3.タイトル戦に臨む棋士の多くは20代後半~40代前半であるため、その年代の好みが反映されている(藤井二冠は例外的な存在)

※3.世間一般で人気がある割にタイトル戦であまり見かけないメニューは、ステーキ、焼き肉、ハンバーグ、ピザ、ラーメンなど

※4.能楽堂のような格式の高い施設での飲食は厳しい(おやつも別室)

※5.おやつはフルーツの盛り合わせ、ケーキ、お茶類(緑茶、麦茶、抹茶、紅茶、アイスティー、レモンティー)、ジュース、コーヒーなどが多い

※6.永瀬二冠はバナナが好きなことで有名

※6.ひふみんこと加藤一二三先生はチーズや板チョコを持ち込んでいたことで有名

栄養的な戦略と好みのどちらを優先すべきか

ここからは※7(食事は栄養的な戦略よりも好みを優先する棋士が多い模様)を中心に話を掘り下げていきます。

そもそも将棋に限らず人間が動くには食べ物が必要です。

食べ物はまれに食中毒を引き起こす可能性がありますが、そうはいっても食べないわけにはいきません。

それは将棋のタイトル戦とて例外ではありません。タイトル戦のときの食事は業者もかなり気をつかっていると思いますが、それでも食中毒を起こす可能性は絶対的に0%とは言い切れないでしょう。

そのため万が一の可能性を考えると生食系のメニューは避けた方がいい気もしますが、意外と海鮮丼や寿司が注文されることはあります。

おそらくプロ棋士は食事については深く考えておらず、好みを優先しているのでしょう。

将棋のように長い時間にわたって頭脳を回転させるときは栄養学的にはブドウ糖とケトン体を重視すべきなのですが、そんな小難しいことよりも自分の好きなものを食べるということです。

毎日、好きなものばかりを偏って食べていたら問題がありますが、将棋の公式対局日は多い棋士でも1年に60~70日くらいなのでその日くらいは好みを優先しても問題ないのでしょう。

ただし、食べ過ぎると眠くなったり排便回数が増えるため、飲み食いする量はやや少なめに抑える点は意識している感じがします。

多く食べているように見える棋士もいますが、それでも対局がない日よりは少なくおさえているはず。

実際、タイトル戦は名門の旅館・ホテルで行われることが多いためタイトル戦の食事でも懐石料理が合いそうですが、タイトル戦では本格的な懐石料理は見たことがありません。

懐石料理は量が多かったり食べるのに時間がかかるため、棋士が選ぶメニューからは外されているのだと思います。

プロの公式戦としての将棋対局は持ち時間を使いきると1手につき1分未満で着手しなければなりません。これは俗に「1分将棋」と呼ばれます。

この1分将棋に入るとトイレに行くのは実質的にほぼ不可能になります。タイトル戦のときは和服を着ている場合が多いですから余計時間もかかります。

そのため、持ち時間が少なくなったのにまだ対局が続きそうだったらトイレ戦略を済ましておく必要があります。

プロ棋士のエピソード:優先すべきは対局

対局時の棋士は局面ばかりを考えるのであって食事については深く考えません。そのため、いつものペースを乱されない食事こそが対局時の棋士にとっては最良といえます。

かつて羽生先生はおやつにバニラアイスクリームを頼んだ後も深く考え込んでしまい、アイスが溶けてバニラジュースになったこともあります。

それでも羽生先生は飲み干したよ。
おやつは対局部屋で食べられるだけに、中継時は食べているシーンも注目されてしまう。
棋士はカメラの前で食べるときこそ緊張するのかも。和服を汚したくないだろうし。

また渡辺名人は、フルーツの盛り合わせは好みのフルーツとそうではないフルーツが入っているため「フルーツの内容は細かく指定したい」といっていました。

もしかしたら、観戦者には知られていないところでタイトル戦のときの料理には棋士から細かい注文が入っているのかもしれません。

それから豊島先生と菅井先生は、対局部屋に飲み物を運んできたもらったときに将棋盤の上にこぼされてしまったことがあります。

それは両先生の和服にもかかったらしく、対局は一時中断となるなど少し動揺したようです。

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