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経済学をつまらないと思う人がいる理由【学部事情とともに解説】

大学生活

あなたは大学で経済学の授業をとったことがありますか。

おそらく、この記事を読んでいる方の多くはその経験がない人でしょう(履修して後悔している人が多いかも)。あるいは社会人になってから経済学に興味をもったという方もいるでしょう。

経済学の履修経験がない人のためにいっておくと「経済学はつまらない(つらい)学問」です。

いや正確にいうと、経済学には多くの人が面白いと思うところと、一部の人しか面白いと思わない部分があるのです。とくに大学では後者の割合が大きいため、つまらないと主張する人がいるのでしょう。

これに関して、大学の学部で経済学の履修経験があり、さらに社会科学の出版実績もある筆者が経済学について簡単に紹介します。

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経済学がつまらないのは生活感が欠けているから

そもそも、経済の分野は次の2通りにわかれます。

  1. 学術系財の種類、価格の決まり方、厚生、余剰、情報の非対称性、外部性、公共財、IS-LM分析、政府の失敗、ゲーム理論、貿易理論、政策としての税金、経済史、経済思想
  2. 実利・生活系株式投資、FX、銀行、保険、年金、不動産取引、キャリア論、身近な税金対策

1の学術系の方には初心者にとって意味不明の用語が並んでいますが、ひとまず置いておきましょう。

普通、経済学の本や経済学部で学ぶ内容のほとんどは1の学術系の内容です。2の実利・生活系の内容には大して触れません。

しかし、世間一般で人気があるのは2の実利・生活系です。実際、書店に行くと売上がよいのは圧倒的に2の実利・生活系の本です。

なぜ圧倒的な差がつくのかというと、2の実利・生活系を学ぶと自分の財産にとってプラスになりますが、1の学術系を学んでも自分の財産には大したプラスにならないからです。

実際、経済学の有識者は「経済学は金儲けのための学問ではない」とよく主張します。

「大学の経済学部で学ぶ内容は2の実利・生活系のものが多いんだろうな」と思っている人が経済学部に入ると、挫折しやすいよ。
確かに経済学に取り組んでも自分の財産にはプラスにならないかもしれない。でも、政策レベルで見ると経済学の知見は国を豊かにしうる。まあこのレベルの知見が必要なのは議員や官僚くらいかな…。

一般人としても選挙で政党の経済政策を比べる際には経済学は使えるけどね。妙な経済政策を掲げる政党は疑った方がいい。

1と2で違いがわかりやすいのは税金かもしれません。

まず1の発想だと国家全体でバランスのいい税制を追究するという感じです。ここでは近隣国との競合やバランスも考える必要もあります。

一方、2の発想で税金を考えると、個人として合法の範囲で税金の支払いを少なくすることばかりを考えます。

つまり、学術系のとらえ方だと公的な感じですが、実利・生活系のとらえ方だと私的な利潤追求という感じが強いのです。

ちなみに筆者は、法学や経済学の基本(知識と基本的な思考法)がわかっていない人には選挙で投票したくないと考えています。

経済学の本筋は根本原理の探究

ここで気になるのは1の学術系の内容でしょう。簡単にいうと、経済原理について数学を使いながら根本的に探究していくことだといえます。

それはたとえば「そもそも価格はどういう条件で決まるのだろう」「商品の種類によって価格の決まり方は異なる」「社会的に望ましい価格とは何だろう」というように根本的な経済原理に突っ込んでいきます。

経済学に限らず学問というのは根本的なところに突っ込んでいくのが基本です。そのため経済学界では株式の運用による私的な利益のあげ方みたいな分野は表面的というか、なにか軽薄感があります。

要するに、経済学に向いている人は経済原理を根本的に探究したい人であって、私的な資産形成や年金には興味があるくらいの人には向きません。後者タイプの人には大学の経済学はつまらなく映るはずです。

経済学は日本では文系に位置づけられながらも、基本的には数学が必須です。さらに経済学には物理学の発想も込められています。

したがって、理系科目が大嫌いな人にはまずおすすめしません。

数学が少し嫌い程度でしたら凌げるかもしれませんし、そのうち面白くなる可能性もあります。
大学によっては教養レベルの授業として2の実利・生活系も扱っているけど、経済学部のメインは1の学術系の内容。
一般に大学の学問では純粋な方が権威がある。この場合の純粋とは、物理、数学、哲学など世の中の根本かつ普遍的に通じる原理に近づくということ。1の学術系は純粋性が高いけど、2は実用的(大衆的)すぎて権威がない。
学問の純粋性は多くの人にとってはつまらないけど、実用性は金銭的な利益と直結しているから面白い。このあたりのギャップは大きいね。

経済の現実と経済理論はズレている

経済学の短所(長所かも)は実感がもちにくいということです。

たとえば、経済学の基本的な理論は「人間は経済面では合理的に動く」を前提にしています。「人間は曖昧に動く」という前提だと理論を展開できないからです。

人間が合理的に動かないことを前提にした経済学もありますが、それは応用レベルのものです。

「人間は経済面では合理的に動く」を前提にした経済理論を学んでいると「現実の経済はこんなに合理的じゃないよね…」と理論と現実の差を見せつけられたりもします。

また経済学には価格は需要と供給で決まるというモデルがありますが、これは現実の複雑な経済を単純化・抽象化したものにすぎません。

このモデルは誰もが知っておくべきですが、もっと高度なものになると「こんなモデルを知っていて役立つのか」「人間味がなく無味乾燥としている」という思いにさいなまれることもあります。

日経ニュースを見ると社長・投資家の葛藤(人間味)が感じられるけど、経済学は経済を数学的にこねくり回しているだけで人間味を感じにくいんだよな。

さらに直感としては政府は介入的な政策を打ち出すべきなのに、学問として客観的に考えると政府は介入すべきではないというパターンもあります。

政府の経済政策の第一線に携わる人でなければ、国家レベルの経済政策を探究しても意味がないかもしれないのです。

このあたりを割り切ることができれば経済学に取り組む価値があるでしょう。

ミクロ経済学やマクロ経済学の基本書は日本の学者が書いたものより、欧米の学者が書いた本の方が出来がいいよ。
ミクマク経済学がつまらないと思ったら、マンキューやクルーグマンによる基本書を読んでみるべき。

経済学部では型が身につく

経済学のよいところは基本的な型が身につくことです。

政治学や社会学は自由度が高いのですが(=型に縛られにくい)、経済学の内容は数学的であり数学は世界共通の内容ですから、まずはだれもが同じ型を身につけるしかありません。

経済学は数値や論理という皆の共通尺度に置き換えられるからこそ、個人の主観にとらわれない方策に行きつくことができるのです。

ただし、経済学は基本段階は型に縛られるとしても、近年盛り上がっている行動経済学や、ビッグデータを用いた実証的分析といった応用分野は型に縛られない研究ができます。

経済学部と同じように文系学部の中で型を身につけやすい学部といえば法学部。

経営学部や商学部は経済学部とどう違うか

もし、経済には興味があるけれど経済学という抽象性の高い領域がつまらないと感じるなら、経営学部や商学部などに進んだ方がよいでしょう。

経営学や商学は、企業の効率的運営、企業の戦略と意思決定、企業の金融と資金調達、企業の会計と税務など、経済を企業中心に学ぶ実務的かつ具体的な分野です。

経営学部や商学部でも1年生では経済原論(経済学の基礎)を学ぶのが普通です。