株式投資

PERをわかりやすく解説します

2020年6月24日

投資の計算

このページでは株式投資の基本中の基本であるPERについて超わかりやすく解説します。

ここではPERの計算方法だけでなく使い方や意義も知るべきです。

まずPERの意味や使い方について知る前におさえるべきは、そもそも投資家にとって望ましいのは投資先の企業が儲かるということ。

投資先の企業が儲かれば(とくに純利益が増えれば)、投資家に還元する配当も増えうるからです。

投資家に還元するお金が大きいとあれば、投資家の買いも集まって株価も上がるというもの。

この純利益の効率に目をつけた投資指標がPERです。

純利益(当期純利益)とは、企業の粗利から各種のコストや法人税を引いた最終利益のこと。

株主への配当はこの純利益から支払われます。

PERをわかりやすく解説

PERとは、Price Earnings Ratioの略で、日本語では株価収益率と訳されます。

読み方はピーイーアール、数値の単位は「倍」です。

PERは、時価総額を純利益で割るか、株価を1株あたりの純利益(=EPS)で割ることでもとめられます。

PERについてG社という架空企業を例をとると以下の表のようになります。

G社の株価 発行済み株式数 時価総額 当期純利益
1000円 1億株 1000億円 100億円
EPS(1株あたりの純利益)を求める式
100億(年間の純利益)÷1億(発行済み株式数)=100(円)
PER(株価収益率)を求める式
1000億(時価総額)÷100億(純利益)=10(倍)
あるいは1000(株価)÷100(EPS)=10(倍)

perと時価総額と当期純利益

ここで、もしG社のライバル会社Eの時価総額が1000億円で200億円の純利益を出したとするとPERは1000億÷200億=5(倍)です。

つまり、時価総額や株価の割に高い純利益が出ているほどPERは低くなるのです。

G社(PER10倍)とE社(PER5倍)とではE社の方が効率よく純利益を出しています。

純利益が効率よく生み出されるほど配当が増えるなど投資家にとって望ましいので、基本的にはPERは低い方がよいと判断できるわけです。

割安の基準は業種によって異なりますが、東証一部の銘柄でPER15倍以下くらいなら割安だといわれています。

日本株の中でPERが低めの水準にあるのは素材系(鉄、ゴム、紙、ガラス土石、化学素材)、自動車本体、銀行、商社、建設、不動産、インフラ、エネルギーなど。

これらは平時ならPERが一桁も普通だったりします。しかし、2020年は世界的なCショックのためPERが荒れに荒れています。よって、株価的には平時ではありません。

一方、PERが平時で高めの水準にあるのはゲーム、医薬品。

低めと高めの中間としては、陸送、食品、小売、芸能など。

他の企業と比べてみよう

ここで重要なのはPERは他といろいろ比べてこそ意味があるということです。

たとえば東証1部の企業でPER20倍といったら少し割高に思えるかもしれません。

しかし同じ業種で時価総額も似た規模の他社のPERが30倍だとしたら、前者は割安だといえるでしょう。

あるいは、同じ会社でも好景気時のPER20倍は割安と見られたり、不況時のPER12倍は割高と見られることもあります。

つまり、PERはいろいろ比べてこそ意味があるといえます。

新興企業のPERは判断が難しい

PERに関してもう一つ重要なのは「PERは低ければよいとは限らない」ということです。

たとえば、東証マザーズの新興企業を想定したデータである下のH社を見てください。

H社の株価 発行済み株式数 時価総額 純利益
1000円 1000万株 100億円 1億円
PERを求める式
100億(時価総額)÷1億(純利益)=100(倍)

H社のPERは100倍ですから、H社の株価はかなり割高に見えます。

しかし、一般に新興企業というのは成長速度や成長の伸びしろも大きいものです。

そのため、来期のH社は純利益が大きく増えてもおかしくありません。

来期は純利益が2億円に増えて株価や発行済み株式数は変わらないとすると、PERは50倍になります。

H社の来期のPERを求める式(まだ実現していない期待レベルの話)
100億(時価総額)÷2億(純利益)=50(倍)
今はPER100倍だけど、来期に大きく成長しそうなら投資家としては今のうちに買っておこうという気分になる。
逆に今はPERが低くても、来期の業績・成長率が下り坂にあると見られると株価は下がりやすいわけか。

つまり、将来性の高い企業、成長速度の高い企業では将来の好業績を前もって織り込みやすいためPERは高くなるということです。

言い換えると、PERが高いほど将来の期待度が高く、PERが低いと将来が期待されていない(将来が不安視されている)といえます。

実際、新興市場にはPERが100倍を超えているのに株価がうなぎ登りの銘柄があったり、PER1000倍付近をうろうろしている銘柄もあります。

したがって、新興株ではPERだけをもとに投資を成功させるのはとても難しいです。

ただし、最近の値動きや同業他社の株価と比べて観察してみると新興企業でも多少の割安・割高は見抜けなくもありません。

東証一部の大企業は毎度安定した業績を出す傾向があるから、PERはそれなりに有力な指標になる。でも、新興企業は安定感が欠けているからPERがあてになりにくいわけか。
そのとおり。それに時価総額100億円の新興企業と時価総額1兆円の大企業とでは前者の方が伸びしろが大きいのが普通。
新興市場のPERが何倍をもって低いか高いかを判断するのはとても難しいね。
PERが極端に高いと急落が怖いから、PERが高すぎる銘柄には初心者は手を出すべきではないかも。

PERは業種と合わせて考えよう

さきほど、日本市場では電力株のPERは低いと述べました。

日本の大手電力会社の業績は安定していますが、かといって近い将来において電力の需要が爆増するというのは考えにくいですよね。

このように将来への期待成長が低いと、PERは低くなりやすいといえます。

電力需要は人口に比例する。何か革命でも起きない限り1人あたりの電気使用量は大して変わらないし、日本の人口も増えないよね。人口は大都市に集まる傾向があるけど。
PERが低い銘柄は高配当の傾向があるよ。高配当の銘柄は配当が維持されるのであれば高配当が魅力となるから、株価は一定ライン以下には下がりにくい。

一般に日本に限らず自動車メーカーのPERは低いです。しかし、アメリカのテスラの時価総額とPERは業績の割にとんでもなく高いです。

これはテスラが手掛けている電気自動車が次世代の自動車業界を引っ張るという期待が強いからでしょう。

将来への期待成長に関して、たとえば新興市場のバイオベンチャーが画期的な新薬を生み出したら利益は爆増します。

そのため、新興のバイオベンチャーはPERが高めですし、株価は大きめに動くというわけです。

バイオベンチャーが治験に失敗したら株価は暴落する。治験の成否は前もってわからないからバイオベンチャーへの投資は難しい。
新興企業の株式はPERだけで売り買いを判断するのはとても難しいです。にもかかわらず、新興株について「PER●倍以下なら買い」とか断言している人がいたら怪しいと見るべき。

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