株式投資をやっていると「損切りは重要」という言葉をよく聞きます。
損切りとは含み損状態の株式を売って損失を確定させること。
たとえば1000円で買った株式について950円まで下がったら回復をめざさず、その時点で売ってしまうのです。
これによって100株あたり5000円の損失が確定します。
株式投資において損切りはかなり重要なのですが、今ひとつ重要性が認識できていない人もいるはずです。
そこでこのページでは損切りが重要な理由と損切りの目安を示します。
損切りが重要な理由
まず、そもそも論として私を含めてほぼすべての投資家は負けることを経験します。
例外があるとすれば、超優良企業の株をまだ規模が小さかったころからもっていて、そのまま順調に成長し、その後も配当を超長期的にもらい続けるというパターンです。しかし、こんなパターンで居続けるのはめったにありません。
また多くの投資家は「どうやったら大勝ちできる?」「次はどこの銘柄を買えばいい」と考えていますが、それと同じくらい上手に負けることも大切です。
多くの投資家は利確は早めになりやすい一方で、損切りは遅い傾向があるからです(=損大利小)。
損大利小を続けているとマイナスはどんどん膨らんでいきます。
そうではなく投資家として望ましいのは利益確定売りを遅くして(=利益を伸ばして)、損切りとしての売りを早い段階で行うことです(=損失は小さく抑える)。
損小利大、これこそ株式投資の売りにおいて最も意識すべき精神です。
資産を回復させることは大変
次に下の表をご覧ください。
ドローダウン(資産減少率) | 原資回復に求められる増加率 |
---|---|
-10% | 11.1% |
-20% | 25% |
-30% | 42.8% |
-40% | 66.6% |
-50% | 100% |
-60% | 150% |
-70% | 233.3% |
-80% | 400% |
-90% | 900% |
たとえば100万円が70万円に減ったときの損失は30万円(-30%)ですが、その70万円を100万円に戻すには増加率が42.8%も必要です。
42.8%の増加率というのは日本株でいうとストップ高2連くらいの増加率であり、そう簡単にめぐりあうことできません。
このように大きく減った資産を回復させることは難しいため、損失を小さく(早い段階で)抑えることが重要なのです。
ストップ安級の急落は避けたい
とくにストップ安をくらってしまうと株式を売ることができなくなります。それは寄らない形で連続することもあります。
寄らない形とは、売買注文がどちらかに偏っているために注文が約定しないこと。
ストップ安の場合は売り注文が、ストップ高の場合は買い注文が約定しません。比例配分といって抽選のような感じで約定しうる枠はありますが。
ストップ安の連発は金銭面ではもちろん、精神的にも大きなダメージがありますから、なるべく避ける努力をすべきです。


損切りの目安は期間や大型・新興によって異なる
次は損切りの目安について。これは投資期間や大型・新興によって違います。
- 短期投資の損切り目安
2%
- スイングトレードの損切り目安
5%
- 長期投資の損切り目安
10%(※)
長期投資の損切り目安は10%と書きましたが、長期投資はファンダメンタルズの悪い変化も目安にするとよいと思います。
ファンダメンタルズの悪い変化とは、期待ハズレの決算、成長鈍化、有力企業との提携解除、不祥事、カリスマ性のあった社長の退任などです。
さらに次のことも加味するとよいと思います。
- 東証一部上場の大型株(リスク低め)
上の損切り目安そのまま
- マザーズやジャスダック上場の新興株(リスク高め)
上の損切り目安よりも少し大きくても仕方ない
一般に大型株は株価の動きが穏やかな一方で、新興株は株価が派手に動きやすいです。
たとえば新興株の中でもとくに激しいバイオ株やゲーム株は、数日で2000円から1300円にまで下がったと思ったら、数日で3500円まで上がったなんていう展開が結構あります。
そのため、新興のバイオ株やゲーム株を投資対象にすると利確も損切りも数値が大きくなってしまいやすいです。
こういう大きな波が嫌いな人は新興のバイオ株やゲーム株は避けるべき。
まとめ
人生においても、ときには今までこだわってきた道をあきらめて別の道を進んだ方がよい場合もあるように、損切りという選択肢も常に頭に入れておきたいものです。
なおどうしても損切りボタンを押すことに抵抗があるという人は、あらかじめ損切ラインに逆指値の売り注文を入れておけば、そこまで下がったときに高確率で(ストップ安などでは売れない)損切りできます。
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