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『のび太の海底鬼岩城』の考察と感想【大長編ドラえもん】

どこでもドアの向こうは海底鬼岩城 文化
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バギーの性格と活躍が目立つ海底鬼岩城

今回、考察と感想の対象として取り上げるドラえもん映画は『のび太の海底鬼岩城』です。

バギーとテキオー灯が活躍する映画として知られています。

原作の初めの方では夏休みのキャンプ地としてのび太としずかが山を、ジャイアンとスネ夫が海を主張していますが、映画版だと逆を主張しています。

おそらく映画版は、尺やストーリーからいってジャイアンとスネ夫がバミューダの宝目当てに寝返る展開の方がやりやすかったのでしょう。

この大長編でジャイアンとスネ夫は妙に金塊(お金)に執着している。でも、男がお金に執着するのって20歳以降くらいが自然な感じがする。

それはさておき、ドラえもんたちが海底をバギーで走り回ったり、プランクトンを利用してバーベキューをしているシーンなどはとても楽しそう。

バギーは、22世紀の中古機械とは思えないほどひねくれた性格をしていて面白いです。

しずかがバギーをかばうために言い放った「機械にいい悪いを区別する力はないわ。命令されたから走ったのよ」という冷静な一言が印象的。

冷戦の影響はドラ映画にまで及んだ

この映画でとくに気になったのが、海底鬼岩城は宇宙小戦争と並んで冷戦の影響が強く感じられることです。

それは、作中の古代でアトランティス(大西洋の連邦)とムー(太平洋の連邦)が激しく争っていたことによく表れています。

やがてアトランティスは核実験の失敗によって滅びたものの自動報復コンピュータによる鬼核弾(核兵器)が残ったとされます。

これはドラえもんとは思えないほど妙にリアリティがあります。ムーの法廷で出てきた侮辱罪や国境破りの罪なども非常に現実的です。

ただ、バミューダの放射能バリアが地中まで伸びているかをカメレオン帽子で確かめたシーンがありましたが、現実的に行くならジェットモグラを実験体に使うべきでしょう。わざわざ生身の人間が生死をかけて実験する意味はありません。

ムー連邦は7000年前の時点で高度な文明を築いていたにもかかわらず、現代のムーは大した文明ではないように見える。古代の大戦の原因は文明の発展に原因があると考えて、わざと文明を発展させないようにしてきたのかもしれない。

また海底鬼岩城という映画は怖さも充実しています。

具体的には沈没船、巨大イカ、バトルフィッシュ、鉄騎隊、バミューダの壁、バミューダ海域に沈んだ飛行機と船などです。

のび太は、巨大イカとバトルフィッシュの存在に一番最初に気づいたのに誰からも信じてもらえなくてかわいそうだった。

ジャイアンとスネ夫にいたっては暴走の果てに死んだように見えましたし、しずかは大ボスの生贄になりかけたくらいです。

ただ、海底鬼岩城は全体的に冷戦を反映しているためか、雰囲気が暗いといえます。

これはドラえもんのリメイク版映画が基本的に明るいこととは対照的です。

海底鬼岩城と宇宙小戦争がリメイクされないのは冷戦や暗さに原因があるのかも。

大人でも楽しめる映画

しかし、旧ドラ映画は大人も楽しめる要素が入っています。

この作品でいうと、大陸棚、バミューダトライアングル、マリアナ海溝、陸から海に戻った生物、海底文明、自動報復コンピュータといった要素です。

こういう教育的な要素を入れてくる子ども向け映画って貴重な存在だと思います。

ゲストキャラであるエルの活躍はなかなかだった。イケメンで理知的だし、ドラえもんたちに対する態度は公平だった。ついでにバギーは3枚目キャラと思いきや、最期の活躍はイケメンだった。
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