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大長編ドラえもんの『のび太の雲の王国』の徹底的な考察と感想

どこでもドアの向こうは雲の上 文化
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雲の王国は天災を想起させるから注意

今回、考察の対象として取り上げる映画はドラえもんの『のび太の雲の王国』。

株式王国建設とドラえもん故障とノア計画で有名な映画です。

雲の王国はフィクションとはいえ、大洪水と大津波を強く想起させる描写があるため、見る場合は覚悟した方がいいです。

ドラえもん映画にしては衝撃的な展開のため、おそらく地上波ではもうお目にかかれないでしょう。リメイクもかなり難しいと思います。

『雲の王国』のオープニングではドラえもん一味は登場せず、謎の親子が洪水に遭うという珍しい展開で始まります。

そこに「ドラえもーん」の声は登場するのに、のび太は登場しないのです。お子様はこのあたりを理解できるでしょうか。

序盤の感想

ところかわって日本では、のび太は雲の上につくられた国の存在(天国としての雲)を主張しますが、みんなにバカにされます。

ドラえもんは天気図と人工衛星を使って天国なんか存在しないと説得します。

そこで幻滅したのび太は、ドラえもんとともに天国(雲の王国)を人工的につくってしまおうと考えたわけです。

夢にあふれた雲の王国がかわいい雲ロボットとともに急速につくりあげられていく様子はとてもワクワクします。

のび太はしずかとスネ夫に出資を頼んでいたが、フエルミラーを使ってロボットを増やせば資金不足は問題ないはず。っていうか、現代日本の30150円で未来世界ではそれなりの道具が買えるというのもレートとしてはおかしい。

それはゴツゴーシュンギンク(ご都合主義)ということで。

ソーラーカーの躍動感と武田鉄矢氏の歌もとてもいい感じです。この歌は宇宙小戦争の『少年期』に次ぐレベルの出来だと思います。

しかし、人工衛星の件で雲の上に王国がないことは証明されたのに、多くの天上王国が存在するというのは矛盾しています。

ドラえもんのマジックドームみたいな道具を使って王国の外側をカムフラージュしたとしても、飛行機は雲の中も航行しますから天上王国があったらすぐにバレているはずです。

中盤から終盤の考察

私が物語の中盤から終盤で気になったのは、天上王国と植物星の科学力は地上世界よりもかなり進んでいることです。

天上王国は少なくとも他の天体に移住できるレベルの科学力はもっていますし、他の天体との交流も盛んです。ソーラー発電の効率もかなりよい模様。

それなら自分たちの技術を地上世界に教えるか提供すれば環境負荷が軽くなるというのに、それをせず、いきなり大洪水で洗い流すというのはかなり無茶な話です(南の島で実験は行いました)。

それにノア計画を実施したところで地上ではガレキが無駄に増えるだけです。そのガレキを燃やされると大気汚染が悪化します。

また、「やられたらやり返す」の精神で地上人は協同で報復攻撃を天上世界に仕掛けるでしょう。

軍備を洗い流されことによってすぐに攻撃を仕掛けられないとしても、地上世界はいつかは報復に乗り出すに決まっています。

キー坊は天上人移住の受け入れだけでなく、そのあたりも現実的にアドバイスすべきでした。

もしかしたら、この映画は環境問題への再考を促しているように見えて実は過激な環境保護の甘さを批判しているのかもしれません。

このあたりの設定の甘さはゴツゴーシュンギク(ご都合主義)だとしても、天上人の横暴ぶりと悪役(サバンナの密猟者)の小者ぶりがこの作品の残念なところです。

雲の王国で印象的なのが劇中劇の「天国の誕生」。現実では最初の人類はアフリカ系であり猿から進化したはずだが、あの世界の最初の人間はどう見ても白人。まるで旧約聖書のような世界観だ。
「白い王」とかいっているように選民意識がまる出しのうえに宗教くさいけど、あの劇はBGMとナレーションはカッコイイね。軍勢はどうみてもローマ軍とバイキングと古代中国軍にしか見えない。

ちなみにナレーターは次元の声で有名な小林清志さん。

まとめ

雲の王国について感想と考察をまとめたのは、王国建設の爽快さ、ノア計画のよくも悪くも大きなインパクト、音楽の素晴らしさなどを評価したからです。

雲の王国は、矛盾やご都合主義はあっても全体として大人が鑑賞できるアニメ映画だと思います。

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