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芸能事務所とテレビ局の癒着関係と、芸能人が干される構造

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下手でも売り方次第では売れるのが日本の芸能界

突然ですが、今、あなたのスマホや音楽プレーヤーに入っている歌曲の中で、歌い手の歌唱力は低いのに売れた曲は入っていませんか。

ここで具体名はあげにくいですが、ジャニーズ事務所や女性系人気アイドルグループのAなどの中には上手い人もいれば普通レベルの人や下手な人もいます。

一般に歌曲というのは歌が上手い人の方が売れるはずですが、とくに日本ではそうとは限らないのです。

この原因として考えられるのは次のとおり。

  • あまりにも作曲がよいと普通レベルの歌唱力でも売れる
  • 下手だと逆に味のある曲もある
  • 流行にのって売れた
  • 芸能事務所の売り方が巧み
  • テレビや映画に露出したときの勢いで売れた
  • 歌曲の内容で売れたのではなく、歌い手(容姿やキャラクター)の人気によって売れた

こうやって上の原因を眺めると、歌曲の売上にとって芸能事務所やマスコミが左右する部分は大きいと思うでしょう。

そのため、タレントの歌曲が売れた際は芸能事務所が利益をとる割合も結構大きいわけです。

トーク面についても絶妙な不器用さが受けている芸能人だっている。たとえば、D川さんとか。
あの人はヒドイ扱いだった頃から身体を張って頑張り続けているから好感度は高いよね。
あの天然さはそう簡単にマネできるものじゃないし、あの人のキャラクターがあってこその不器用さだから希少価値は大きい。
歌にしてもトークにしても芸能界は単純に上手な人ほど活躍するとは限らない。コネ(世襲、有力人物にかわいがってもらうこと)、世渡り、運なども絡むから活躍するのが難しい。
だから、芸能界では学生時代は冴えなかった人が意外と活躍するというパターンもかなりある。

人狼ゲームはだれがやっても面白いのか

同じようなことはテレビのバラエティー番組にもいえます。

たとえば、ここ数年で定着したゲームに「人狼」があります。

この人狼ゲームをテレビで見る場合、知らないけど上手な人達がやっているのを見るのと、よく知っているけど技量は普通レベルの芸能人がやっているのを見るのとでは、あなたはどちらを見たいですか。

おそらく芸能人を見たがる人の方が多いはずです。

要するに、テレビの視聴率は出演者に大きく左右されるわけです。

そうなると、芸能事務所は「うちの人気タレントYのキャラクターや特技にあった企画を制作・放映してくれない?」とテレビ局にもちかけるようになります。

あるいはテレビ局から「人気タレントYを使いたい」と言われたら、芸能事務所は「Yを使わせてあげるから、うちが今売り出している若手であるZを使って」ともちかけたりします。

これがいわゆるバーター出演(抱き合わせ出演)と呼ばれる形式です。これによって実力がない人でも事務所の力によってはテレビに出演することができてしまうのです。

タレントの側としても「自分に実力がなかった時代でも事務所が後押し(ゴリ押し)してくれたからテレビに出演できた。だから、事務所には感謝している」と思ったりもします。

テレビの企画や出演者といえばテレビ局ばかりが決めるイメージがあるかもしれませんが、事務所の力が左右している部分もかなりあるわけです。

男性系アイドル事務所Jの超人気グループが出演する番組には羽振りのよい大企業のスポンサーがつきやすい。
そうなるとテレビ局の関係者は彼らばかりを起用したがり、Jとテレビ局は他事務所の男性アイドルに冷たくするわけか。
いわゆる忖度というやつだね。これこそが芸能界・テレビ界でJが圧倒的に強いことの根源なんだけど、この先も安泰かな?

日本の芸能界で「干される」が生まれる構造

またテレビ局の側としても、視聴率のとれる数少ないタレントばかりを好待遇で重宝します。

こういった構造の下、数少ない売れっ子と数多くの売れないタレントに分かれるわけです。

実際、有名な芸能事務所のウェブサイトの所属芸能人一覧を見ると、知っているのはごく一部で、知らない人が9割以上におよぶことは珍しくありません。

芸能界の売れっ子はスゴイ高収入でないとみんなの憧れの対象にならない。こうやってスゴイ高収入の人がいると、売れていない人はかなりの低収入にしかならない。
芸能界でよく騒がれる不倫にしても、高収入の有名人がやらかすから面白がって叩かれやすいんだろうね。不倫は民事であって刑事ではないから、一般人レベルなら騒ぐに値しないもん。

しかしながら、たとえ売れる芸能人であってもデビュー当初から途中何のスランプもなくずっと売れ続ける人はほとんどいません。

つまり、芸能事務所は将来売れそうな人を育てたりスランプ期を支えたりします。

その中の一部が売れっ子になって事務所に大きな利益をもたらすわけです。

芸能事務所のマネージャーはそうやって目ぼしいタレントのスケジュールを細かく管理します。

こういう構造だと、芸能事務所としては「うちが手塩にかけて育てた芸能人はよその事務所にとられたくない」「うちの事務所の次世代タレントの育成費は売れっ子が稼いでいる部分に頼っているから、とられたくない」と考えます。

売れっ子に独立されると芸能事務所は困るのです。

そのため、多くの芸能事務所やテレビ局はあらかじめ「独立した売れっ子はもう芸能界で使わないようにしよう」というルールをむすんでおきます。

このように、経済的な自由競争を妨げて私的に徒党を組むことを経済学ではカルテルといいます。

有力な芸能事務所の場合はもっとすごくて「他事務所の人気アイドルをおたくのテレビ番組が使うのなら、もううちの人気アイドルはおたくのテレビ局には出演させないからね」と圧力をかけます。

それでも売れっ子が所属事務所ともめて独立したり移籍したりすると、芸能界全体はそれまでは売れっ子だったとしても容赦なく干すわけです。

こうなると、芸能事務所の所属タレントはひたすら同じ事務所に誠意を見せ続けるしかありません。

タレントは、芸能事務所の一般社員(マネージャー、事務職)とは違って労働者ではありませんが、芸能事務所との間では長期的な関係にあるわけです。

タレントは一般的な企業の労働者とは違いますが、中には月給制のタレントもいるように労働者的な部分もあります。要するに、タレントが労働者か否かはグレーゾーンなのです。

もし、タレントがよその芸能事務所に移って今までとは違うタイプの仕事を引き受けたり、違うタイプのマネージャーや先輩から指導されれば、そのタレントはもっと可能性を広げたり、より大きな大きな視聴率を生めるかもしれないのにその機会が奪われているのです。

これは一つの芸能事務所の短期的な経営にとってはプラスになるとしても、業界全体の長期にとってはマイナスになっているといえます。

いったん干されたけど、長い年月をおいてからカムバックしたっていうパターンはあるね。

サラリーマンだって転職しにくい環境におかれる

そういった構造はサラリーマンにもあります。

すなわち、転職すれば可能性を広げられるにもかかわらず、会社から転職をしないようにと圧力をかけられたり、他社では通用しない業務ばかり命じられて他社で通じるスキルが身につかないように仕向けられることです。

もちろん、転職せずにそのままとどまっている方がよい場合もありますが、人間の可能性はいろいろ試行錯誤しているうちに見つかりますから、とくに若いときはいろいろ試すべきです。

アメリカのタレントは個人主義

ちなみにアメリカの芸能界は自由が基調となっており、日本でいうマネージャーにあたる人はタレントの出演や報酬について交渉する短期的な契約関係になっています。

要するに、タレントの側が出演や交渉を有利にするためにマネージャーを雇っているという構図です。

タレント本人は、アメリカのビジネスマンが転職を繰り替えしながらキャリアアップさせるように、さまざまな下積み経験をしながら自分で自分の力を磨きます。

実際、アメリカの大物芸能人は若いころに苦労した経験をもつ人がかなり多いです。

アメリカの芸能事務所にしても映画やドラマごとにタレントと契約し、作品がヒットすれば事務所は大きな利益を得て、コケると大損害か倒産という形が多いです。

つまり、日本は所属タレント個人よりも所属組織の力・意向が優先されますが、アメリカではタレント個人の力の方が強いといえます。

日本のタレントは事務所にとってコントロールが可能な商品で、アメリカのタレントは自由な個人メディアといってもよいでしょう。

日本のタレントは売れない頃から特定の芸能事務所に所属し、その事務所が手塩に掛けるという感じでよくも悪くも事務所と協調するのですが、アメリカのタレントは個人主義なのです。

日本の芸能界は売れない時期からマネージャーと二人三脚で苦労してきたという話が美談になりやすいように、人間関係は長期にもとづく。
日本の芸能界のように事務所の力が強いと、タレントの資質に欠ける人でもいわゆる「ゴリ押し」によって売れたりするわけか。有力な芸能事務所は所属タレントにとって都合の悪いことをもみ消したりするしね。
タレントの側にしても自分に資質がないことを自覚したうえで事務所にゴマをすったり、親の七光りや先輩のコネに頼ったりしている。これでは事務所内で政治力のある人ばかりが勝ち残って、本当の実力者が芸能界を去ったりする。まるで日本企業の社内政治みたいだ。
タレントやモデルの中には有名な芸能事務所に所属しているという肩書が欲しいがために、わざわざ登録料を払っている人もいるね。もちろん、登録料を払っても仕事はこない場合もある。
日本の芸能界はYouTubeから変わる?

日本の芸能界の閉鎖的な体質には困ったものです。

しかし、インターネットのYouTube界隈ではそれに抗うかのような動きが起きています。

というのもYouTubeの売れっ子の多くはUUUMという会社に所属していますが、こちらは旧来の芸能事務所のように閉鎖的ではない体質なのです。

やり手のYouTuberにしてもYouTubeというメディアや事務所から何か強制されるように動くのではなく、自主的に動いています(=個人主義的)。

さらにYouTubeの動画はテレビよりも制作費は安いものの、よくも悪くも奇抜な企画をやりやすいものです。

人気のYouTuberの中には素人感が強い人がいるよね。あれはオーディションやレッスンを通じて生き抜いたテレビ出演中心の芸能人とはまた違った魅力がある。

YouTubeは企画・台本作り・撮影・編集・集客宣伝を自分で行う「一人テレビ局」みたいなもの(一部外注あり)。日本のテレビ局は集団主義だし規制が多いけど、YouTubeは個人主義でサイトのポリシーに反しなければ自由。

こういったネット文化、とくに「既存の組織に頼らず自分の力でYouTuberとして成功した」という思いが日本の芸能界の閉鎖的な体質を変えていくと筆者は考えています。

実際、芸能人がYouTubeに進出したり、逆にYouTuberがテレビに進出したりすることがありますし。

若者のテレビ離れと呼ばれる現象は芸能界にとってよい刺激になるはずです。

芸能界に大きな影響を及ぼしてきたJ事務所の人気アイドルグループSは解散したし、Aは活動休止しちゃうから、それも芸能界を変えるだろう。
財界でも新卒外国人や転職者が会社の体質を変えているケースがある。あなたも転職すれば、よい意味での変革に貢献できるはず。
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