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総合職のデメリットと問題点【新卒採用のおかしさとの関連】

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新卒一括採用の総合職にはデメリットがある

先日「日本の新卒採用は容姿や清潔感、話のうまさ(自信に満ちた話し方)など表面的な要素ばかりを重視しており、中身(大学での成績や真面目さ)が大して見られていないから不満」という意見を聞きました。

面接段階では確かにそういう要素は大きく感じられます。つまり、日本企業の面接は外向的な性格の人が高い評価を受ける一方で、内向的な性格の人は低い評価を受ける傾向があるのです。

しかし、それは日本人・日本企業がおかしいというより総合職採用のデメリットです。

さらに総合職採用を考えるうえではメンバーシップ型雇用とジョブ型雇用を知ることも避けて通れません。

今回はこちらについて解説してまいります。

新卒者全般はもちろん、中途で外資系企業への入社を狙っている人にも大いに役立つ記事です。

総合職の意味

そもそも総合職には以下のような特徴があります。

  1. さまざまな業務を経験
  2. 全国や海外への転勤、そしてグループ会社への出向は普通にある
  3. 将来の管理職・幹部候補の出発点
  4. 給料は一般職より高め
  5. 仕事内容は一般職より厳しい(より高い責任感がもとめられる)

さらに総合職は公務員やメーカー、鉄道会社、マスコミなどでは事務系総合職(文系)と技術系総合職(理系)に分かれています。

  • 事務系総合職⇒入社後は、営業、マーケティング、人事、広報、総務、経理、法務などを担当
  • 技術系総合職⇒入社後は、研究、設計、技術、品質管理などを担当

日本企業の場合、最初は新卒同期の全員が集まって統一的な研修を受け、次に営業や現業などを先輩の下で経験し、そこで適性や希望を見て本配属になるというパターンが多いと見られます。

技術系総合職として入社した新人が最初は先輩の営業に同行するなんてことも結構ある。

新卒者は入社した時点では社員としての業務経験はない場合が多いため、将来性が期待されたうえで内定を得ます。

そのあとは研修と営業・現業を通じて適性のある職種を探すという感じなのです。

現業とは、鉄道会社でいうと、運転士、車掌、駅員、保線など客に近い現場で働くこと。

出版社だと新人には返本整理という肉体労働が任せられやすい。ここで新人は出版社にとって返本が痛苦なものであるかを実感する。それによって「返本されないような本をつくらなくちゃ」と思うわけだ。

総合職のデメリット

新卒の総合職採用で入社した人は、若いころはいろんな業務(とくに営業や現業)を経験する率が高いわけです。

新卒学生は営業ではなくマーケティングをやりたい場合でも、まずは営業の現場を経験して顧客のニーズや売ることの大変さを知ってから就くのが普通です。

ここに総合職のメリット・デメリット、いや問題の根源があります。

というのも営業職や現業職は企業の顧客に近いところや直接触れる職種です。

こういった職種では冒頭であげたような、容姿や清潔感、話のうまさ、自信などがあった方が望ましいです。

もし、入社してから退職するまで経理や法務に専念するというのなら、容姿や話のうまさなど営業職にもとめられる資質はそんなに必要なく、それぞれの専門能力が必要なはずです。

しかし、日本企業は何でも屋(総合職)として入社させ、まずは営業職や現業職を経験させるため、営業職的な資質を画一的にもとめるわけです。

あるいは日本企業は異動や転勤が多く、そこではいろんな人とコミュニケーションをとらないといけないために営業職的な資質をみんなにもとめるのでしょう。

新卒の面接の評価軸で重視されるのは「この人と一緒に働きたいか」ですから、営業職の資質がある人(外交的でさわやかな感じの人)が高い評価を受けやすいわけです。

確かに就職活動をしている時期や入社して間もない時期は自分が何に向いているかはわかりにくいですから、最初はいろいろ経験させるという形は合理的に見えます。

しかし、最初は自分が希望していない部署に配属されることも多くあるために、それを嫌がる若者が早めに離職してしまうのです。

逆に最初は希望の部署だったけど、後から希望していない部署に異動させられるなんてこともある。こういう形をジョブローテーションと呼ぶ。
もちろん、嫌な部署や勤務地でもひたすら耐え忍ぶ社員もいる。そういう社員は「給料は我慢の対価」と見なしがち。こんな就労感で幸せになれるのだろうか。

あるいは経理や企画系の分野で資質のある内向的な学生が、面接では営業職的な感じのよさが欠けていたために総合職採用に落ちるなんてことも数多くあります。

下のように冒頭で述べた人は真面目で大学での研究や成績は自信がありましたが、面接では営業職的な資質に欠けていたために落とされまくったのでしょう。

先日「日本の新卒採用は容姿や清潔感、話のうまさ(自信に満ちた話し方)など表面的な要素ばかりを重視しており、中身(大学での成績や真面目さ)が大して見られていないから不満」という意見を聞きました。

これは本人にとって悔しいでしょうし、社会的にも彼の能力を活かせていないので、もったいないといえます。

面接の良し悪しは文化資本によるところも大きいよ。文化資本とは、個人が身につける正統的な教養や習慣のこと。つまり、文化資本をもっている人は上品な振る舞いができて面接官にウケるため、面接やプレゼンで成功しやすいんだ。これは金持ちの方が有利だし、一朝一夕で身につくものではない。
小泉孝太郎と小泉進次郎はそんな感じだよね。もともとイケメンではあるけど。

総合職採用とメンバーシップ型雇用

そもそも、日本の総合職はメンバーシップ型雇用とも呼ばれます。

メンバーシップは組織の構成員という意味。

つまり、日本の総合職採用の内定は「会社の正規の仲間にしてあげるし、指導も手厚くするよ。でも、総合職だけに仕事の部署・内容は後から変わるからね」という就社感の強いものなのです。

メンバーシップ型雇用は仕事内容や勤務地について明確な規定がないため、左遷・異動が多いなど企業側にとって都合がよいともいえる。
総合職は本人の適性に合わせて入社後に配置転換できるメリットがあるけど、実際には会社の都合が優先されやすいってことだね。
日本企業は正社員を簡単にクビにできないから、やっかいな正社員を抱えたら嫌がる部署に回したり部署をたらい回しにして自主的に辞めるのを待つなんてのもよくある手法。

メンバーシップ型雇用のメリットとデメリット

メンバーシップ型雇用のメリット

  • 新卒入社時は専門能力がなくてもOK
  • 新卒入社してからは集合研修とOJTによって手厚く教育される
  • 自分が担当していた職務がなくなっても、別の部署・職務・グループ会社などに配置転換されることで雇用が持続しやすい

メンバーシップ型雇用のデメリット

  • 仕事の内容や範囲が細かく具体的に決められていない(自分の仕事を終えると別の仕事をやらされるなど長時間労働につながりやすい)
  • 会社で身につけたスキルは自分の会社でしか通じない場合がある(転職しにくい)
  • 専門能力が深まりにくい(汎用型サラリーマンになりやすい)
  • 新卒の採用と研修は年度ごとに一括して行われるうえ、その多くは総合職として募集するため人材が画一的になりやすい
新卒採用は毎年度ごとに一括して行われるからこそ、日本企業には入社式なんていうシキタリがあるのだ。

メンバーシップ型雇用のメリットにもデメリットにもなる特徴

  • 配置転換によってやりたくない仕事をやらされることもあれば、自分の新たな可能性に気づくこともある
  • 学生にとって新卒の時期や景気はコントロールできないため、新卒就活の良し悪しは運にも左右される(新卒の時期が好景気だと有利で、不景気だと不利)
  • 正規雇用の場合、雇用保障は強い(※下の吹き出し参照)
  • 給料は職能重視(年功序列になりやすい)
  • 会社はコミュニティとしての存在感を放つ(会社は部活を抱え、終業後には飲み会、休日は接待や運動会などで縛り付ける)
  • 勤続年数が長くなるなど転職が少ないため、社内のノウハウや知識を従業員全員で秘密にしつつ守ろうとする
  • 職場の和を重視するため、とがった人材は敬遠されやすい
  • 全体としてメンバーシップ型雇用はよくも悪くも閉鎖的で集団主義
職能とは、仕事上の知識や経験、技術、資格、そしてリーダーシップや協調性など。
雇用保障が強いという特徴はメリットに見えるかもしれない。しかし、既存の人材を簡単にクビにできないと後から入社したい人たちは入社しにくくなる。つまり、既得権者が強くなる。さらに若い社員が少なくなるなどして社会の価値観の変化への対応が遅くなる。90年代の日本の就職氷河期はそれが原因の一つといわれる。
正社員を簡単にクビにできないとなると、雇う側としては正社員を少なめに抑えたがるよね。その人員不足が長時間労働を招くわけだ。
企業(とくに大手メーカーや小売)は正社員を少なくして非正規雇用の従業員を多く抱える。そして景気が悪くなったら、クビを切りやすい非正規労働者から切る。つまり、非正規労働者が景気の調節弁となってしまうのだ。

ジョブ型雇用

一方、欧米型の雇用はジョブ型雇用と呼ばれます。

ジョブ型雇用とは、特定の業務内容ができる人・やりたい人を募集して雇うこと。

たとえば「経理ができる人を募集します。具体的な条件は、月給〇〇万円、就労時間●時間」という形。つまり、仕事が先にあってそこに適性のある人を割り当てる形です。

ジョブ型雇用においては欠員が生じたときに募集をかけるので、新卒一括採用ではなく中途採用と相性がよいです。

ジョブ型雇用のメリットとデメリット

ジョブ型雇用のメリット

  • 仕事内容と勤務地と働く時間を契約書で明確に定めるため、ミスマッチや長時間労働が生じにくい(従業員は契約書で定めた仕事のみ遂行すればよい)
  • 専門能力や個性が活かせるうえに深まる
  • 専門能力が深まれば、転職時に他社でも活きる
  • 中途採用が多いため、外部の人材や経験を活かせる

ジョブ型雇用のデメリット

  • 入社時にそれなりの専門能力と経験が必要
  • 入社後の教育はメンバーシップ型雇用に比べると手薄
  • 入社したい人はインターンや職業訓練を通じて専門能力を磨く必要あり
  • 職務がなくなると解雇されやすい
  • 大学での専攻と就職のつながりが大きい↓
日本の新卒選考では学部・学科や専攻は大して見られず大学名が見られやすい。文学部が不利だといわれるけど大学名ほど重要じゃないから心配はあまりない。しかし、ジョブ型雇用の国、とくにアメリカでは大学の専攻と就職がむすびつきやすい。就職に不利な学科の出身者は就職に困りやすい。
本当は人文系を学びたい人も大卒後の就職を考えてやむなく実利的な学科を選択するのは息苦しいね。

ジョブ型雇用のメリットにもデメリットにもなる特徴

  • 基本は中途採用であり新卒採用は少ない
  • 雇用保障は弱い
  • 給料は職務や成果によって決まりやすい
  • 会社は合理的に儲ける装置としての意味合いが強まる(契約内容をきちんと遂行すれば終業後は個人の自由であり、飲み会みたいな集まりがなくなる)
  • 転職が多いため、転職者によって社内のノウハウや知識は別の会社に伝わっていく
  • 全体としてジョブ型雇用はよくも悪くも開放的で個人主義
冒頭の人はジョブ型雇用なら第一志望から内定をとれたかもね。

まとめ

メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用はどちらも長所と短所があります。

これは総合職採用の問題点にもつながるところです。

業種にもよるでしょうが、日本経済はジョブ型雇用にゆっくりと移行しつつあります。

製造業が穏やかに繁栄していた高度経済成長期は従業員が協調的にモノづくりに励んでいれば利益が出たのですが、現代では専門能力のある個人が部署・企業を引っ張らなければならないからです。

また、いわゆる働き方改革もジョブ型雇用をめざす方向になっています。

実業団チーム、終業後の飲み会、社員旅行は減っていると聞くし、転職・中途採用は増えているもんね。
あのトヨタ自動車は特許を無償で開放する方向にある。これはトヨタの技術が業界の標準になることを期待してのものだといわれるけど、ジョブ型雇用の高まりも影響しているのかも。

こういう現象はあらかじめ知って対策を立てておいた方が優位に対処できます。

この記事をご覧いただいた方には現実を見据えて栄えある将来に向かって欲しいと思います。

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