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ゲームのデバッグの概要や大変さ・やりがいをわかりやすく解説

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デバッグの仕事ってどうなの

以前、私はゲームのデバッグの関連工程に働いていたことがあります。

そこで今回はゲームのデバッグについて思うところを解説いたします。

なお、このときデバッグしたゲームは発売してすでに数年は経っていますが、守秘義務も絡むところであるため、実際に携わったゲーム名や会社名はいえません。

デバッグを行う部屋は隔離されており、そこに入るには指紋認証やID認証が必要。セキュリティには厳しい。
「USBみたいな社外にデータを持ち出せるような装置の持ち込みは厳禁」なんていうのはいろんな業種で当たり前になりつつあるよね。

デバッグの基本業務

そもそも、家庭用ゲーム機、スマホゲーム、パチンコ・パチスロといったゲーム機械はプログラムにもとづき動作し、液晶にはさまざまな絵や文字が表示されます。

しかし、それらはとくに発売前の試行段階ではミス(バグ)もかなり多くあります。

こういったバグを適正な方法で発見・報告し、上流工程が修正してきたものをふたたび確認するのがゲームのデバッガー(テスター)の基本業務です。

バグの発見・報告・確認にとどまるのがテスターで、バグの修正にも携わるのがデバッガーという感じ。

デバッグとはバグへの適性対応であり、本の出版でいう校正(誤字脱字や文法、事実関係のチェック)みたいなものです。

デバッグは体を張る業務ではありませんが、納期に沿ってあらゆるデバッグ手順を試し、液晶やプログラムを注視し続けるのはそれなりに疲れます。

具体的な仕事内容は以下のとおり。

  1. あらゆる手順での動作チェック(文字、グラフィック、音声、動作)
  2. 複合手順での動作チェック
  3. バグを発見したら上流に報告
  4. 上流がバグを修正した場合は確認
  5. 通常遊戯の繰り返し
  6. ネットやスマホ系のゲームの場合はサーバー対応、電波不安時、機種ごとの確認

これらについてもう少し細かく説明します。

あらゆる手順での動作チェックと複合手順

まずは「あらゆる手順での動作チェック」です。

これはゲーム内で表示される文字とグラフィック、出力される音声、その他の動作を一つ一つあらゆる手順で確認していくことです。

「あらゆる手順での動作チェック」ではスマホゲームにしてもパチンコ・パチスロにしても、パソコンを通じてあらゆる動作を発生させチェックするのが基本。

そこではどんな手順を行ったかパソコンに記録されています。これをログといいます。

典型的なバグを挙げると、「漢字の間違い」「脱字」「特定場面でのフリーズ」「グラフィックの重複矛盾(キャラと背景の重なり方がおかしいなど)」「音声のタイミングがおかしい」「成人向け表現のチェック」などがあります。

これらのチェック項目をチームで分担して、どんどんチェック済みにしていくのです。

チェックした個所はだれが担当するか名前が書いてあるので、ごまかしはききません。

この工程は観察力と根気が必要です。ちょっとしたバグの見落としなら許されるでしょうが、明らかなバグの見落としは厳しいものがあります。

普段、私的にゲームをプレイするときは楽しむためにゲームをプレイするでしょうが、デバッグにおいてはバグを発見するために業務としてゲームをプレイしますので気持ちを切り替える必要があります。

そこでは「デバッグに出す前の段階で気づいてくれよ」といいたいレベルの明らかなバグもあります。

デバッグにおいてはずっと同じような作業を続けるため、ゲーム内のBGMや効果音が耳にしみつくほどです。

私が担当したゲームの音楽は1つを除いてとくに名曲ではありませんが、私は今もそのときのゲームの音楽をおぼえています。

担当したゲームの1つには中堅ロックバンドとタイアップした曲が使われていて、それはちょっとした名曲だと感じました。

次にそれらの手順を複合させます。

最初の手順の場合、グラフィックが適正か、音楽が適正かをチェックものでしたが、今度はそれらを複合させるのです。

そうすると「通常ステージでは正常に動作していたのに特定の背景やステージに移ると音楽や動作がおかしい」「装備やパーティーを変えるとおかしな動作が発生する」なんてことが発生します。

この複合系の動作は発生させるのに適正な手順で発生させなければならないため、動作前の段階から気をつかわなければならないところです。

バグを発見したら上流に報告・確認

で、「バグらしきもの」を発見したら社内の先輩・上司に報告します。

というのも、自分ではバグだと思っても実はバグではないというパターンがあるのです。

バグは、それこそ滅茶苦茶な動作を組み合わせれば強制的に出すことができますから、適正な手順を踏んだのに出てしまったというのが重要なのです。

あるいはバグの中には毎度発生するとは限らないもの、バグのように見えて仕様(バグに見えるがメーカーが意図した正常な動作だった)の場合もあります。

こういうところは先輩や上司と相談しなければ結論を出せません。

社内の上司・先輩に報告して上流の別会社(グラフィック・音声を担当している会社や販売元のメーカー)に報告すべきと判断されると、そのバグについて発生手順とログ(プログラムの記録)と発生するまでの映像とコメントをメールや共有ソフトなどを通じて送ります。

そして上流会社が該当箇所を修正したら、そこを確認します。

バグの中には発生確率があまりに低すぎる割にバグの重大性は高くないため、バグをわざと見過ごしていいと上流会社に判断されたこともあります。

デバッグ会社が上流のメーカーから依頼を受けて自社内でデバッグするのが基本だけど、デバッグ会社が上流のメーカーに出向いてそこのデバッグルームでデバッグするパターンも結構ある。
それだと、上流メーカーとのホウレンソウ(報告・連絡・相談)が楽でいいね。

通常遊戯の繰り返し

複合のデバッグが終わると、通常遊戯によってバグを確認することもあります。

また、ネットやスマホ系のゲームの場合は、サーバー対応、電波不安時、機種ごとの確認も重要なチェック項目です。

これも一つ一つチェックしていくのですが、最近のネットゲームは発売当初はものすごいアクセスが殺到して一気に冷めるという極端な場合があるため、事前のチェックでは問題なかったのにいざ運用を開始すると不具合が発生するというパターンがあります。

残業について

デバッグ業務は上流会社から指定の納期がありますので、ときには残業への協力が言い渡されます。

このときの社内は「総出で協力すべき!」という雰囲気になります。

残業といっても月水金だけ残業、あるいは火木曜日だけ残業という形も選べました。

割増賃金も出ましたので割に合わなくはないと思いますが、夜のデバッグは眠くなって集中力が下がりやすいので気合を入れなおす必要があります。

ただ、スケジュール的に余裕があるデバッグ案件もありますので、こういうときは緩やかに進んでいくのがありがたいです。

まとめ

デバッグを行うゲームというのはまだ発売されていないゲームです。

まだ発売されていないゲームをプレイできるというのは何か面白そうと思うかもしれませんが、正直言ってゲーム好きの人間でもおもしろくないゲームはあるものです。

一般のゲーム愛好家はプレイするゲームを取捨選択できますが、デバッガー・テスターは仕事としてゲームをプレイしますから取捨選択できません。

ただし、デバッグではプレミア格の珍しい演出や、豪華な装備・アイテムもすべて出現させますのでゲーム上のプレミア感を味わいたい人には合っています。

中には実機でまずお目にかかれない珍しいバグに出会えることもあります。

またデバッグという粗探しっぽいですが、中には改善策としてゲームをより完成度の高い方へもっていく提案ができる場合もあります。

ゲームが好きな人、細かいところをチェックするのが好きな人はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

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