カープ女子に見る「にわか現象」
さて、あなたは前に「水曜日のダウンタウン」という番組でにわかカープ女子を摘発する企画があったのを知っていますか。
そもそも2000年前後の広島東洋カープは暗黒時代と呼ばれるほど弱かったのですが、2010年代はかなり安定した強さになりました。
そのため広島近辺はもとより全国的にカープ女子が増えました。
カープの赤いカラーや集団的な応援が好まれたためにカープ女子が急増したといわれますが、「水曜日のダウンタウン」はカープ女子の実態を明らかにしてしまいました。
そこではカープファンなのに、
- 鉄人・衣笠祥雄氏や元MLB20億円プレイヤーの黒田博樹氏を知らない
- カープの意味を知らない
- 野球は1チーム何人でやるか知らない
といったことが明らかになりました。
野球は9人でやるというのはカープファン以前に野球の常識ですが、それすらも知らないというのは驚きです。
もちろん、バラエティー番組としては面白い回答ばかり取り上げた方が盛り上がるということもあったでしょう。
しかし、それでもにわかカープ女子が一定の割合は存在することに変わりありません。
知らないのになぜ応援するのか
私は、にわかカープ女子を批判する気はさらさらありません(野球は9人でやることくらいは知っておいてほしいと思いますが)。
それよりも気になるのは、にわかカープ女子は野球やカープに対する常識が欠けているにもかかわらず、なぜお金を払ってまでカープを応援するのかということです。
それはおそらく、
- 赤いチームカラーがかわいいから
- 流行に乗りたいから
- 野球のルールはわからなくても球場の雰囲気は楽しいから
といった理由でカープ女子になるのだと思います。
つまり、彼女たちにとって野球の理屈っぽい面はどうでもいいのです。
イメージがよかったり、適当に楽しいければよいのでしょう。

恋愛もマーケティングもイメージが重要
たぶん、日本のスマホシェアにおいて女性はiPhoneを支持する率がかなり高いのも、アイコンのかわいさや周りの同性はiPhoneだらけであること、そしておしゃれなイメージが大きいでしょう。
スマホを選ぶうえで男はスペックもよく見ますが、女性の大半(一部?)はスペックを大して見ないのです。
学校の同窓会なんかでも長く会っていなかった異性について覚えているのは具体的な特徴ではなく、「学生時代のこの人は私にとって心地がよい人だった」みたいなイメージです。
それだけに一度悪いイメージがつくと、女性はそのイメージを引きずるため挽回するのは大変です。
たとえば、最近のジャニーズタレントの中には不祥事をやらかした人がいますが、この人たちが挽回するのはかなり難しいでしょう。
一般人の恋愛においても女性から「恋愛対象外の男」「男として見れない」と見なされると、その女性に振り向いてもらおうとしても徒労に終わる可能性が高いです。
それでは自分が対象外か否かをどのように見分ければよいのかという疑問が聞こえてきそうですが、それはあなたに対して「つくり笑顔」ではなく「本物の笑顔」で接してくれたら大丈夫でしょう。

化粧品業界に見る異変
しかし、こういったイメージ情勢は一部では変わりつつあります。
たとえば、女性にとってイメージが重要な商品といえば化粧品でしょう。
実際、化粧品は原価がとんでもなく安いのに、化粧品業界は広告宣伝費にお金をやたらかけてイメージを高めて高額で売るというビジネスモデルでした。売る現場についてもおもに百貨店の1階で美容部員がきめ細かく応対しながら売るという感じでした。
しかし、最近では女性もコスパに敏感になってきたようでダイソーの化粧品に人気が出てきています。ドラッグストアでも安い化粧品が売れています。実際、女性にダイソーコスメの感想を聞くと好意的な返答が多いです。
ダイソーコスメを買ってみたけど
単色シャドウ良さげな予感
コスメもコスパ良く安くなったよなぁ… pic.twitter.com/oygkX3z5fq— 真紅-shinku- (@mxk_daisuki) September 27, 2019
おそらく、スマホが普及したことで情報力とコスパへの感度が高まったためにダイソーやドラッグストアの化粧品も悪くないと考えるようになったのでしょう。
ただし、昨今のデパートは全体としては売上不振でも化粧品部門の売上は悪くありません。これは訪日外国人向けには高額品が売れているなど化粧品市場が二極化しているためでしょう。

その理論で行くと、イメージ力では自信がない男性もやがて内実が評価される日が来るのかも。