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日本人はエコノミックアニマルだとしても欧米の虚業精神を会得すべき

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エコノミックアニマルの意味

かつて日本人は「エコノミックアニマル」と呼ばれていました。

エコノミックアニマルとは経済活動に熱心な生き物という意味です。

これは高度経済成長期からバブル期によくいわれた言葉なので現在の日本にあてはまるかは微妙ですが、私が思うところを解説していきます。

欧米と日本の経済活動に対する姿勢の違いも見えるなど意外とおもしろいところです。

日本人の土地生産性は世界一

まず、よい悪いは抜きにして日本人の土地生産性は世界一です(都市国家はのぞく)。

日本の1人あたりのGDPは世界で20位前後。

土地生産性とはGDPを国の平地面積で割った数値です。

これが高いほど土地の割に効率のよい経済活動ができていることになります。

そこでご覧いただきたいのが下の動画です。

この動画はアメリカのMLBチームであるアナハイム・エンジェルスの本拠地球場ですが、日本の球場と決定的に違うところがわかりますか。

私は、外野席の中央に広く陣取られた芝生と岩石地帯が日本と決定的に違うと考えます。

日本の球場の外野中央部にも観客席がないスペースはありますが、それはスコアボードの幅だけとられるスペースであって地方球場でさえもここまで広いスペースはめったにとられません。

おそらく大多数の日本人の感覚だと「外野席に大きなスペースをとることはもったいない。このスペースを狭めればもっと多く客が入るし、球団の収益にもつながる」と考えるでしょう。

つまり、日本は人口の割に平野部の面積が小さいために土地を有効に使おうとする精神が強いのです。

アメリカのスタジアムの外野席は、ニューヨークみたいな大都会でも日本よりはゆとりがあるよ。
アメリカの球場はボールパークと呼ばれているように客を楽しませる精神があるね。
日本のスポーツは武道っぽいけど、アメリカのスポーツはエンターテインメントだといえる。

ネット通販にしても楽天(日本版)は商品画像と広告を敷き詰めた「ごちゃごちゃレイアウト」ですが、Amazonは日本版でもゆとりあるシンプルなレイアウトになっています。

日本人はごちゃごちゃしていることに安心感を抱くのかもしれません。

そこらじゅうにあって24時間稼働している日本の自動販売機とコンビニについても、限りある時間と土地をできるだけ有効に使いたいという精神の表れでしょう。

また縁日や初詣、花火、スポーツイベントなどでかならずといってよいほど移動式に出店してくる業者も「行事は書き入れ時だから逃すともったいない」と考えているはずです。

百貨店(デパート)のような常設店舗で売っている場合にしても、客に丁寧に声を掛けながら売っている販売員は多いです。

小売業ではない保険やメーカーの営業マンにしても、丁寧なメールや電話、そして戸別の顧客訪問を頼りにしながら働いている人は大勢います。

このように日本の小売業(とくに小規模な小売業)や営業マンからは商魂たくましさ、実働的に動き回る精神を感じるます。

この商魂たくましさこそが「エコノミックアニマル」に外国人(とくにあまり勤勉ではない外国人)にとっては映るのかもしれません。

「エコノミックアニマル」は否定的に受け取られやすい言葉ですが、経済活動について肉体的に真面目・どん欲という感じで否定的なニュアンスだけにとどまらない言葉だと私は感じます。

虚業は収益性が高い

しかしというか当然というべきか、小売業は客と店員が対応しながら売買するのが基本ですので1人あたりの収益は高くありません。

Amazonみたいなネット通販業だと、もっと効率的だけどね。

一方、金融業やIT産業は従業員数の割に巨額の儲けを出すことができます。

ご存知のようにマイクロソフトはPCソフト(Word、Excel、Powerpoint)で独占的なシェアを誇っていますし、Googleは世界のインターネット検索を支配するとともにネット広告を自動化しています。

もちろん、特許によって独占的なシェアを守ることにも積極的です。

さらにニューヨークやロンドンに本社を構える金融機関のトレーダーはものすごい収益をあげており、ここでも省人化が進んでいます。

この点、日本はITや金融といった虚業系の分野が欧米に比べると弱いと言わざるを得ません。

というか、日本人は虚業を嫌っている節があります。

そのため、ITや金融で儲けている人を見ると「ずる賢さ」を感じるのではないでしょうか。

さきほど述べた商魂たくましさやエコノミックアニマルが表立って肉体的に経済活動する精神だとすれば、虚業で儲ける精神からは「身体をそんなに動かさずとも頭を動かせば効率的に儲けられる」という対照的な精神を感じます。

虚業で儲けている欧米人は実業に勤しむ日本人よりも余暇が多いとすれば何か悔しくないでしょうか。

もちろん、欧米にも実業で頑張っている人はたくさんいます。

しかし、欧米は一般大衆でさえも預金に消極的で投資を通じて資産形成をするのが普通です。

つまり、実業系の労働者も虚業の恩恵にあずかっているのです。

ただ、そういっても金融業については歴史あるロスチャイルド家やロックフェラー家が世界中で築いてきた体制に勝つのはかなり難しいです。

また、待遇のよい欧米企業は従業員に求める成果水準も厳しく解雇も多いですから人材をその都度入れ替えられます。

しかし、日本は正規雇用だと解雇が難しいのは周知のとおりです。

とくにアメリカには大学の段階で世界中の有能な学生が集まりますし、名門大学への寄付金もスゴイ規模です。

卒業後、彼らは起業も含めて有望な企業に散らばっていきます。

日本も含めて先進国の新卒大学生に人気の欧米企業といえば投資銀行かコンサルタント会社であり、それらは若い頃からかなりの高給を出す会社として知られています。

インドや中国にしても有能な人材をアメリカ企業にかなり取られています。

こういう体制はそう簡単にマネすることができません。

部分最適と全体最適

さて、日本の実業についても気になるところはあります。

そもそも、日本企業が現代でも強い実業といえば自動車製造業です。

しかし、日本車は欧米車に比べると省エネで壊れにくいですが、デザインやブランドイメージで損しているような気がしてなりません。

会社内でデザインを集団で決めると結果として無難な候補が残りやすいため、日本車のデザインは今一つだと聞いたことがあります。

一方、欧米の車のデザインは美しいです。

欧米のスタジアムがゆとりをもってたたずんでいるように、欧米のデザインには優美さや余裕が感じられます。

デザインが優れていると、全体のブランドイメージにも箔がつくというものです。

日本車は耐久性や燃費という内面・部分では優れていてもデザインという表面が優れていない以上、損していると言わざるを得ません。

これも日本人が経済の内実・実業面を重視して、外面(デザイン・虚業的な面)を軽視することの表れではないでしょうか。

まとめ

昨今、日本経済の凋落がさけばれています。

凋落が正しいか正しくないかはいろいろ議論があるところですが、これからの時代は欧米の精神も見習わないと生き残りが難しいはずです。

日本人は実業にだけ勤しむのではなく、虚業系の発想も取り入れて経済を発展させるべきです。

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