転職の進め方を丁寧に【20代後半・アラサー編】

日本人の労働生産性の低さはエコノミックアニマルと虚業嫌いが理由

小売業的な働き方 ビジネス

かつて日本人は「エコノミックアニマル」と呼ばれていました。それは今でもそれを引き継いでいる面があります。

エコノミックアニマルとは経済活動に熱心な生き物という意味。

エコノミックアニマルは高度経済成長期からバブル期(1970年~1990年くらい)によくいわれた言葉です。

しかし、日本の1人あたりのGDPは世界で20位前後。さらに労働時間あたりの生産性はG7では最下位が定位置です。

つまり、日本人は経済活動に熱心な割に成果が効率的に出ていないといえます。

なんでこんなことになるのかはいくつも理由があります。数ある理由の中でも筆者は、日本人は実業(小売業や製造業といった古い産業)が好きで、虚業(金融業やIT産業)を嫌うところに生産性の低さの理由があると思っています。

今回はこちらを解説します。

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労働生産性の低さはエコノミックアニマルと虚業嫌いが理由

日本人の働き方は商魂たくましいです。これはエコノミックアニマルと同義です。

たとえばネット通販の楽天(日本版)は商品画像と広告を敷き詰めたごちゃごちゃレイアウトですが、Amazonは日本版でもゆとりあるシンプルなレイアウトになっています。

楽天がよいか悪いかは別にして、楽天は少しでも強く日本の客に訴求したいのでしょう。

日本の国土は狭いように、日本人はウェブ上でもスペースがあると「もったいない」と考えてしまうため内容を詰め込むのかもしれません

楽天の海外版はスッキリしています。

そこらじゅうにあって24時間稼働している日本の自動販売機とコンビニについても「限りある時間と土地をできるだけ有効に使いたい」という精神の表れでしょう。

また縁日や初詣、花火、スポーツイベントなどでかならずといってよいほど移動式に出店してくる業者も「行事は書き入れ時だから逃すともったいない」と考えているはずです。

バレンタイン、ハロウィン、クリスマスといった西洋伝来の行事も日本ではかなり商業化されてしまいました。

伊勢神宮のおかげ横丁

伊勢神宮のすぐ近くにあるおかげ横丁

伊勢神宮や金毘羅山みたないな宗教施設でも敷地外のすぐ近くは土産物店や飲食店があふれています。

百貨店(デパート)のような常設店舗で売っている場合にしても、客に丁寧に声を掛けながら売っている販売員は多いです。

都会ではティッシュを一人一人に配って販促を展開しています。

都会のコンビニは同じチェーン店が近接してまでも全く同じ商品を同じ価格で売り込んでいます。

コンビニや外食産業のチェーン店は24時間営業がめずらしくありません。「店舗は長い時間にわたって稼働させないともったいない」と運営会社の幹部は考えるからでしょう。

郵便局員(日本郵政)は年賀状についてときには自爆営業も使いながら売り込んでいます。年末の都市部の駅やスーパーでは特設ブースまで出して年賀状を売っています。

保険やメーカーの営業マンにしても、丁寧なメールや電話、そして戸別の顧客訪問を頼りにしながら働いている人は大勢います。

このように日本の小売業や営業マンからは商魂たくましさを感じます。この場合の商魂たくましさとは「お客様一人一人のために汗水たらして収益を得ることが美徳」という精神です。

このような肉体的な(小売業的な)商魂たくましさこそが外国人にとってはエコノミックアニマルに映るのだと思います。

ちなみに江戸時代の奈良公園で日本人は観光客に鹿せんべいを売っていたよ。鹿せんべいは生活必需品でもないのに江戸時代の時点で観光客に売る体制があったというのは驚くべき商魂たくましさ。
都道府県警の交番制度も小売業的だよね。地域への密着感や数の多さ、1対1の対応感はまさに小売業。
日本の交番制度は治安に効果があることから諸外国でもマネする事例が増えたね。

生産性の低さの理由は小売業的な働き方にあり

しかしというか当然というべきか、実店舗型の小売業は客と店員が1対1で対応しながら売買するのが基本ですので1人あたりの収益は高くありません。

日本人お得意の宿泊業や飲食業における「おもてなし」も高単価の客でないと効率が悪いです。

服屋で買い物をしたときのお見送り、ガソリンスタンドでの窓ふき、飛行機内での丁寧なおしぼり渡しは過剰サービスの典型。旅館で仲居さんが個室に入って手厚くもてなすのは、むしろ嫌がられたりもする(プライベート感に欠ける)。

お客様は神さまってか。そういえば転職面接でのちに落ちたことが判明した時でさえも、面接官はエレベーターホールまで見送ってくれたな。あれは少しでも印象をよくするための措置かな。

同じチェーン店が近接するコンビニの共食い現象も効率が悪いと言わざるを得ません。

コンビニ本部にとってはフランチャイズ店の数がとりあえず多ければ収益は確保できます。

小売業的ともいえる日本の警察も長時間労働の傾向があります。小中高の教員が大変なのも、おもてなしを重視する小売業のごとくきめ細かな対応が日夜もとめられているからでしょう。

日本の充実したおもてなしに慣れてしまうと客はいい気になってクレーマーへと豹変し、それが長時間労働やストレスの原因にもなります。

日本人の客は店員が店内でスマホを使っているだけで激怒するけど、海外では店員がスマホを使うなんてのは普通にある光景。
消防士が休憩時間にお店に飲食物を買いに行っただけで市民からクレームを受けた事件もあった。
新幹線の車内で弁当を開けたら箸が入ってなくて乗務中の車掌に箸をもらいに行って断られたら、ブログで文句を書き連ねて炎上した人もいたね。

大体、さきほどあげた日本郵政は年賀状なんていう時代遅れ商品を売り込んでいますが、これも効率が悪いだけです。日本郵政による保険の売り方もかなり問題になりました。

現場で働く方は以前からその非効率性と悪どさを知っていたでしょうが、幹部はきちんと理解していなかったっぽいです。

そのためか日本郵政の株価は長期的には右肩下がりになっています。投資家としては古い体質(古い商材のゴリ押し営業)から抜け出ないと日本郵政株は買うに値しないと見ているのです。

Amazonみたいなネット通販業だと、もっと効率的だけどね。

虚業は収益性が高いから嫉妬の対象になりやすい

一方、IT産業は従業員数の割に巨額の儲けを出すことができます。ここでは、従業員は顧客と1対1で対応する業務は少なめです。

たとえば、Googleは検索エンジンとネット広告を自動化して大きな利益をあげています。

もちろん、特許によって独占的なシェアを守ることにも積極的です。

さらにニューヨークやロンドンに本社を構える金融機関のトレーダーはものすごい収益をあげており、ここでも省人化が進んでいます。

この点、日本はITや金融といった虚業系の分野が欧米に比べると弱いと言わざるを得ません。

というか、日本人は虚業を嫌っている節があります。そのため、ITや金融で儲けている人を見ると「ずる賢さ」を感じるのではないでしょうか。

エコノミックアニマルが肉体的に経済活動する精神だとすれば、虚業で儲ける精神からは「自分の身体をそんなに動かさずとも、頭や機械を動かせば効率よく儲けられるさ」という対照的な精神を感じます。

それは近世で欧米人が黒人奴隷をこき使って植民地を開拓していたことと重なります(=他人に動いてもらって利益をあげる)。

虚業で儲けている欧米人は実業に勤しむ日本人よりも余暇が多いとすれば、日本人としては何か悔しくないでしょうか。

グーグルに”虚業”と入力すると、サジェストとして、コンサル、広告、商社、証券会社、テレビ、投資、保険、派遣、YouTuber」などが出てくる。外銀、商社、コンサル、キー局は給料が多くて嫉妬しやすいだけに、実業に励むリーマンとしては虚業を蔑む意見が欲しいのだろう。
その気持ち、よくわかるわ。外銀、商社、コンサル、キー局は虚業っぽいうえに就活の勝ち組で出身大学の偏差値も高いから妬んじゃうだよね。
アメリカの有力企業は世界中のエリート学生があこがれる就職先。インドや中国にしても有能な人材をアメリカ企業にかなりとられている。

アメリカには世界の有能な人材が集まる

これまで見てきたように日本のサービス産業は過剰サービスが多いです。しかし、そうはいっても日本の製造業の品質や労働生産性は今でもそれなりに優秀です。

しかし、製造品の質はよいものの、営業マンの国際的なコミュニケーション力や商品のデザイン性が欠如しているために海外市場では損しているところがあります。

日本の会社内で商品デザインを集団で決めると結果として無難な候補が残りやすいため、日本車のデザインは今一つだと自動車メーカーの人から聞いたことがあります。

日本車は耐久性や燃費という内面では優れていてもデザインという外面が優れていないのは損です。

これも日本人が経済の内実・実業面を重視して、外面(デザイン・虚業的な面)を軽視することの表れではないでしょうか。

まとめ

これからの時代は海外市場でも通用する商品や人材を実現しないと生き残りが難しいと思います。

その第一歩として過剰サービスをやめることが必要です。過剰サービスをやめれば働き方改革も成功するでしょう。

日本人は実業にだけ勤しむのではなく、虚業系の発想も取り入れて経済を発展させるべきだと思います。

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