社会の杜

トップページ > ビジネス:目次 > ビジネス:電子書籍の利点と欠点

電子書籍の利点と欠点

本の作成や流通には費用がかかる


書籍は編集者および出版社、取次、書店、図書館、そして読者を通じて中身がチェックされ、質が保たれるものです。その手間に加えて、倉庫代や配本費用、印税、宣伝費などが本の価格を押し上げます。既刊本を電子書籍として出版するにしても、電子書籍用の編集費や販売サイトへの販売手数料がかかりますから、電子書籍とて格段に安くすることは難しいわけです。

以下に電子書籍の利点と欠点を箇条書きにしてみました。

電子書籍の利点


  • 在庫切れや絶版がない
  • 劣化しない
  • 紙媒体より価格が安め
  • 商業出版を目指す人は、試作品として最初に価格の安い電子書籍(個人出版)で名をあげれば、出版社に認められて紙での出版にたどりつける
  • カラーの本でも格安で出版できる
  • 本屋に行かず購入してすぐに読める
  • 場所をとらない
  • 返本や陳列の必要がなくなるなど流通が簡略化される
  • ネットでの紙書籍販売にもいえることだが、買うのが気恥ずかしい本でも気軽に買える
  • 無料で読める本も充実しつつある
  • 紙を消費しなくなる
  • 手軽に出版できる
  • 辞書機能、検索機能、拡大縮小機能が便利
  • 電子書籍に動画や音声を組み込んだり、その他のコンテンツと連携させたりすれば新たな可能性が生まれる
  • 新聞や折り込みチラシ、そして教科書についても電子化を進めれば新たな可能性が生まれる

電子書籍の欠点


  • 端末は壊れることがある
    (ちなみに、iPhoneやAndroidでも無料のKindleアプリをダウンロードすればKindle本を読めるように、端末は電子書籍専用とは限りません。)
  • 規格が異なると読めない
  • 電子書籍の供給者が寡占化すると、その供給者は自社を批判するような本を扱わなくなるなど、多様な言論が失われるかもしれない(これは実際の小売店でも、その小売りチェーンを批判する雑誌は入荷しないという形で言論が締め出されていることがあります。)
  • 日本の現状では品揃えがよくない(一方で、Kindleを中心に電子書籍でのみ発行されている書籍が増えつつある。)
  • 貸し借りしづらい
  • 実店舗にて視覚や情報を駆使して行うような書籍の探索は、電子書籍の流通体系では得られない
  • 流通網が簡略化されると困る業種が出てくる
  • 本をコレクションしている感覚に欠ける
  • 紙書籍を素早く読み飛ばすような操作は、電子書籍では困難
  • 海賊版や不正コピーが横行する
  • フォントや書面レイアウトの設定が機械の性能や読み手の任意に委ねられるため、著者が意図した形で書面を読んでもらえるとは限らない。
  • 紙書籍は中古として売れるが、電子書籍は(現状では)中古として売れない
  • 紙書籍市場の縮小に伴って編集者が切り詰められれば、本の質も悪化する
  • 同じ内容の本でも紙書籍の方が読了の満足感が高いといわれる

※以上のように、紙書籍と電子書籍にはそれぞれ長所と短所があります。したがって、重厚な本、資料として使う本、書き込む本、長い期間にわたって使う本、他者と共有したい本などなら紙書籍で、それとは逆の内容なら電子書籍というように、どちらかを全否定するのではなく、それぞれの長所を活かす方が賢いと考えられます。


※海外からの電子書籍配信には消費税が課せられません。そのため、公平な競争が妨げられているとして、海外からの配信についても消費税課税を求める動きが高まっています。



はてなブックマークに追加 

サイトマップ   ウェブサイト運営目的

スポンサード リンク